日刊IWJガイド「日本のスパイの大元締め、北村滋内閣情報官が国家安全保障局長就任へ! 日本の安全保障は国内の監視と締め付けだけでいい!? 北村滋氏に全省庁の情報と国民の情報が集約される!」2019.9.4日号~No.2547号~(2019.9. 4 8時00分)


┏━━【目次】━━━━━━━━━━━
┠■はじめに~GPIFが2018年10月〜12月期に株、債権、為替のすべてで損失を出したことについて立民会派の山井和則衆議院議員がIWJ記者の質問にコメント!「一番国民が知って当然のことが黒塗りになるならば、10月に控える予算委員会でも追及する!」
┠■【中継番組表】
┠■日本のスパイの大元締め、北村滋内閣情報官が国家安全保障局長就任へ! 日本の安全保障は国内の監視と締め付けだけでいい!? 北村滋氏に全省庁の情報と国民の情報が集約される!
┠■日本のメディアは発狂中!? 『週刊ポスト』は特集「韓国なんて要らない」! 『WiLL』は日韓全面戦争を煽動! 『Hanada』は特集「韓国という病」で世耕弘成経産大臣と櫻井よし子氏が反韓対談!
┠■「サイレント・マジョリティ」は賛成しているので、このまま進めます!? 柴山昌彦 文科大臣記者会見で英語民間試験導入を引き続き進める考え
┠■IWJの第10期が始まったばかりですが、財政がピンチに! 8月のご寄付・カンパが目標額のわずか22%どまりと非常に厳しいスタートとなっています! どうか緊急のご支援をよろしくお願いいたします!
┠■IWJオリジナルTシャツ全デザイン再入荷しました!
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■はじめに~GPIFが2018年10月〜12月期に株、債権、為替のすべてで損失を出したことについて立民会派の山井和則衆議院議員がIWJ記者の質問にコメント!「一番国民が知って当然のことが黒塗りになるならば、10月に控える予算委員会でも追及する!」

 おはようございます。IWJ編集部です。

 昨日のこの日刊ガイドでもお伝えしましたが、 GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の水野弘道理事兼最高投資責任者(CIO)が8月20日、米国のカリフォルニア州職員退職年金基金の理事会で、GPIFが2018年10月〜12月期、株式と債券、為替のすべてで損失を出したことを明らかにしました。2018年10月〜12月期は、四半期ベースの赤字額としては過去最大の14兆8039億円の運用損を出していますが、水野氏は、あらゆる資産クラスで損失を出し、為替差損も被る状況は、それまで起きたことがなかったことだと述べました。

※GPIF水野氏、全資産クラスで損失の危険-市場のシンクロに警鐘(ブルームバーグ、2019年8月21日)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-08-20/PWK2VN6KLVR501

 投資ではリスクを分散させるため、株式で損失が出ても債権では利益が得られるようにするのがポートフォリオ分散の一般通念です。従って、株、債権、為替のすべてで損失を出すということは、途方も無い「異常」な事態です。私たちの年金が危機に瀕しているにもかかわらず、ブルームバーグの報道以外、日本のマスメディアがろくに報じていないことも「異常」です。

 IWJはこの問題について、昨日9月2日、「2000万円貯金・年金カット追及 野党合同ヒアリング」で官僚に鋭い追及を続けている立民会派の山井和則衆議院議員にコメントを求めました。

 「GPIFのニュースは、ブルームバーグが21日に報じたもの以外見かけないが、議員の方々の間では周知の内容なのか」というIWJの質問に対し、山井氏は、「ヒアリングで2度もGPIFストレステストについて追及しているが、GPIFは数字を把握しながらも国民に公表しない。安倍政権は巨額の年金を投資した。いざ不況になった時に年金を損失してしまうリスクが高まったのにも関わらず、公表しないとはどういうことか。これは是非とも公表するまで追及したいと思っている」と答えました。

 また、「株式と債券、為替の全てで損失を出したという異常事態についてはどうお考えか」との質問には、「どれだけの損失が出たか詳しく承知していないが、安倍政権の投資損失リスクが高まっていることは事実。情報開示請求をしているので、9月末にどれだけ年金を損失するかが明らかになるが、黒塗りになる可能性もある。 一番国民が知って当然のことが黒塗りになるならば、10月に控える予算委員会でも追及し、損失リスク回避に向けて尽力する」と回答しました。

 昨日の「2000万円貯金・年金カット追及 野党合同ヒアリング」は、以下のURLをご覧ください。

※将来の年金は結局いくら!? ストレステストの結果を公表しないGPIF!立民会派山井衆院議員「国民が知って当然のことが黒塗りになるならば予算委員会でも追及する」~9.3 2000万円貯金・年金カット追及 野党合同ヒアリング 2019.9.3
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/456369

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◆中継番組表◆

**2019.9.4 Wed.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch4】11:00~「日米貿易協定密約問題 野党合同ヒアリング ―議題:日米貿易協定交渉について、内閣府、外務省、農林水産省、経済産業省より」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch4

 日米貿易協定密約問題 野党合同ヒアリングを中継します。これまでIWJが報じてきた野党合同ヒアリング関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/opposition_party_hearing
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【IWJ・Ch4】13:00~「国家戦略特区利権隠ぺい疑惑 野党合同ヒアリング ―議題:日米貿易協定交渉について、内閣府、外務省、農林水産省、経済産業省より」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch4

 国家戦略特区利権隠ぺい疑惑 野党合同ヒアリングを中継します。これまでIWJが報じてきた野党合同ヒアリング関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/opposition_party_hearing
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【IWJ・Ch3】14:30~「原子力規制委員会 更田豊志委員長 定例会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch3

 原子力規制委員会 更田豊志委員長による記者会見を中継します。IWJは今まで、原子力規制委員会の委員長定例会見を毎週中継してきました。以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E8%A6%8F%E5%88%B6%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A
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【IWJ・Ch5】15:30~「国連『小農権利宣言』『家族農業10年』を受けて考える日本の開発援助とアフリカ小農 ~モザンビーク、プロサバンナの事例から」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「日本国際ボランティアセンター」ほかが主催の院内集会を中継します。これまでIWJが報じてきた農業関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E8%BE%B2%E6%A5%AD
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【タイムリー再配信 414・IWJ_Youtube Live】20:00~「噂を事実にしてしまえ!? 朝鮮人虐殺の責任を隠すため国家ぐるみででっち上げ!? ~関東大震災で軍、警察、民衆は何をしたのか」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501

 2017年9月に収録した、立教大学名誉教授 山田昭次氏の講演会を録画配信します。これまでIWJが報じてきた関東大震災虐殺事件関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E9%96%A2%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E9%9C%87%E7%81%BD%E8%99%90%E6%AE%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/397880

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◆中継番組表◆

**2019.9.5 Thu.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch2】17:00~「東京電力 定例会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch2

 東京電力による記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた東京電力関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%9B%BB%E5%8A%9B
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【シリーズ特集・日韓関係悪化の起源 ―徴用工・従軍慰安婦・植民地の記憶 12・IWJ_Youtube Live】18:00~「『福沢諭吉が日本を大日本帝国に引き戻す!』~『美味しんぼ』雁屋哲氏らが会見!『チャンコロ』『豚尾兵』…アジア人を罵った元祖ヘイトスピーカー福沢諭吉の正体が12月4日、明治大学で暴かれる!」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501

 2016年11月に収録した、「日本の『近代』と『戦後民主主義』を問い直す実行委員会」主催の研究報告会を録画配信します。これまでIWJが報じてきた福沢諭吉関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E7%A6%8F%E6%B2%A2%E8%AB%AD%E5%90%89

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/347887
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【シリーズ特集・日韓関係悪化の起源 ―徴用工・従軍慰安婦・植民地の記憶 13・IWJ_Youtube Live】20:00~「『脱亜入欧』のスローガンのもとでの朝鮮侵略と植民地支配が朝鮮人虐殺を生み出した! 山田朗 明治大学教授が『明治150年』の歴史認識を問う! ~ 6.16講演『明治150年』と関東大震災」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501

 2018年6月に収録した、「9.1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会」主催の講演を再配信します。これまでIWJが報じてきた関東大震災虐殺事件関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E9%96%A2%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E9%9C%87%E7%81%BD%E8%99%90%E6%AE%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/424796

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

東電福島第一原発の1・2号機排気筒解体は、トラブル続きで4分の1の解体が予定より「4週間遅れ」で終了!当初予定の年度内で終わるのかを問われ「まだ年度内というのは可能」!? ~9.2東京電力 定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/456351

「サイレント・マジョリティ」は賛成しているので、このまま進めます!? 柴山昌彦 文科大臣記者会見で英語民間試験導入を引き続き進める考え
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/456365

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■日本のスパイの大元締め、北村滋内閣情報官が国家安全保障局長就任へ! 日本の安全保障は国内の監視と締め付けだけでいい!? 北村滋氏に全省庁の情報と国民の情報が集約される!

 安倍政権が国家安全保障局の谷内正太郎局長を退任させる方向で調整していることが分かりました。後任には北村滋内閣情報官が有力で、来週の内閣改造に合わせて交代する見通しです。

※谷内安保局長、退任へ=後任に北村氏調整-政府(時事通信、2019年9月2日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019090200898&g=pol

 北村滋内閣情報官は、警察庁出身で外交や安全保障政策は専門外の人物です。北村内閣情報官の名前が社会に知られるようになったのは、伊藤詩織さんの事件によってです。伊藤詩織さん準強姦疑惑の「安倍官邸御用達ジャーナリスト」山口敬之氏が北村内閣情報官にメールでこの事件について相談していたことが『週刊新潮』2017年5月25日号で明らかになったからです。

※レイプ疑惑の山口敬之はやっぱり官邸と癒着していた! 週刊新潮対策を内調トップ・北村滋に相談したメールが流出(リテラ、2017年5月20日)
https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_3171/

 それだけではなく、2017年4月に公開されたスノーデン・ファイルの中にも北村滋内閣情報官の名前が登場します。北村滋内閣情報官は、2012年9月10日にNSA(米国国家安全保障局)を訪問し、サイバー関連の議論をしたという記録が残っています。また、日本の防衛省情報本部電波部に対して、サイバーネットワーク防衛のための通信諜報能力を形成できるようにNSAに支援を求めたのも北村滋内閣情報官だったことがわかっています。

※NSA Japan cyber briefing(The Intercept、2017年4月24日)
https://theintercept.com/document/2017/04/24/nsa-japan-cyber-briefing/

 北村氏が、来週の内閣改造で局長に就任することになる国家安全保障局とは、奇しくも米国国防総省の諜報機関であるNSA(国家安全保障局)と同じ名称ですが、日本の国家安全保障局は、国家安全保障会議を補佐するための事務局として内閣官房に置かれている機関です。その機能は、内閣官房によれば、次の3つです。

1. 国家安全保障会議を恒常的にサポート。内閣官房の総合調整権限を用い、国家安全保障に関する外交・防衛政策の基本方針・重要事項に関する企画立案・総合調整に専従。

2. 緊急事態への対処に当たり、国家安全保障に関する外交・防衛政策の観点から必要な提言を実施。(事態対処のオペレーションは、危機管理の専門家である内閣危機管理監等が引き続き担当。)

3. 関係行政機関等に対し、適時に情報を発注。また、会議に提供された情報を、政策立案等のために活用(情報の「総合整理」機能)。

※国家安全保障局(内閣官房)
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/anzenhosyou.html

 この国家安全保障局の機能を見ると、北村氏がトップを務めている内閣情報調査室や防衛省情報本部電波部だけでなく、全省庁に対して国家安全保障局が必要と見なす情報の収集を命じることのできる機関であることが分かります。

 北村氏のような、政権の意向を受けて諜報活動を行ってきた人物が、こうした国家による情報収集活動の中枢に座ることの危険性は大変に大きなものがあります。

 岩上安身は、北村氏の国家安全保障局局長就任について次のようにツイートしています。

 「外交・安全保障の素人に過ぎない北村滋氏が、こんな重責を任されるのは、日本の安全保障のトップは国内の監視と締め付けだけしていればいいという判断あってのことだろう。国民の大量監視のために、米国のNSA本部におうかがいを立てに行った男に、戦略もなく、日本の安全保障を委ねる。何のために?」

※岩上安身のツイート(2019年9月2日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1168532049294053376

 「北村滋氏は、内閣情報調査室のトップであり、公安のトップ。そんな人物が、米国のNSAを訪れ、国民の大量監視システムについて問い合わせていた。小笠原みどりさんが近々発売される新刊の中で明らかに。その北村氏がついに国家安全保障局長に。小笠原さんのインタビューも近日中に配信します」

※岩上安身のツイート(2019年9月2日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1168521404079210498

 IWJでは、9月7日発売の著書『スノーデン・ファイル徹底検証 日本はアメリカの世界監視システムにどう加担してきたか』(毎日新聞)で、スノーデン・ファイルを分析したジャーナリストの小笠原みどり氏への岩上安身によるインタビューを8月27日に録画しました。小笠原氏はこの新刊で、北村氏についても言及しています。録画配信の予定日は9月7日頃を予定しています。詳細は決まり次第お知らせします。ぜひご覧ください。

 また、このインタビューに先立ち小笠原氏は、8月20日、米国の世界監視システムが日本において私たちの生活にどのように関わっているか、都内で講演を行いました。この講演はIWJが中継し、録画をアーカイブにアップしましたので、ぜひ、こちらもあわせてご覧ください。

※アメリカ国家安全保障局は情報監視システムを利用して大統領の意思決定まで左右する!? AI兵器にも転用される監視システムの脅威!身近にあった監視網、羽田空港に導入された顔認証システム 2019.8.20
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/455692

■日本のメディアは発狂中!? 『週刊ポスト』は特集「韓国なんて要らない」! 『WiLL』は日韓全面戦争を煽動! 『Hanada』は特集「韓国という病」で世耕弘成経産大臣と櫻井よし子氏が反韓対談!

 『週刊ポスト』(小学館発行)は、9月13日号で「韓国なんて要らない」という大きな見出しを立て、「『嫌韓』ではなく『断韓』だ」「厄介な隣人にサヨウナラ」などとするヘイトむき出しの特集記事を出しました。

※週刊ポスト 2019年9月13日号目次
https://www.news-postseven.com/archives/20190902_1444053.html

 特集では、GSOMIA(軍事情報包括保護協定)を破棄した韓国側のデメリットや、輸出管理強化による韓国経済への影響などについて検証しています。

 この見出しは、電車内の広告にも掲載され、通勤通学で毎日電車を利用する多くの人の目に触れることとなりました。小学館から「命」などの書籍を出版した作家の柳美里さんは、次のようにツイートしています。

 「日本で暮らす韓国・朝鮮籍の子どもたち、日本国籍を有しているが朝鮮半島にルーツを持つ人たちが、この新聞広告を目にして何を感じるか、想像してみなかったのだろうか?」

※柳美里氏ツイート(2019年9月2日)
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/1168327204222074880

 思想家・評論家の内田樹氏は、ツイッターで「小学館の仕事はしない」と宣言しました。

 「というわけで僕は今後小学館の仕事はしないことにしました。幻冬舎に続いて二つ目。こんな日本では、これから先『仕事をしない出版社』がどんどん増えると思いますけど、いいんです。俗情に阿らないと財政的に立ち行かないという出版社なんかとは縁が切れても」

※内田樹氏のツイッター(2019年9月1日)
https://twitter.com/levinassien/status/1168374401500233730

 このように、これまで小学館から出版してきた作家や識者の間でも波紋が広がっています。

 他方、極右雑誌の『WiLL』は2019年10月号別冊で「さようなら韓国! 」という特集を組み、「日韓もし戦わば」という小特集で日韓戦争を煽るような記事を掲載しています。そればかりか、櫻井よしこ氏と西岡力氏による「韓国は『テロ支援国家』か」というトンデモ記事さえ掲載しています。

※WiLL編集部のツイッター(2019年8月28日)
https://twitter.com/WiLL_edit/status/1166967545842155520

 また、月刊『Hanada』10月号は「韓国という病」という特集を組み、現役経産大臣の世耕弘成氏と櫻井よし子氏が反韓対談をしています。

※月刊『Hanada』編集部のツイッター(2019年8月30日)
https://twitter.com/HANADA_asuka?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

 こうした右翼系の雑誌は、出版不況の中で嫌韓ビジネスという分野を確立していると同時に、アベノミクスの失敗という現実をナショナリズムで糊塗しようとする安倍政権の提灯持ちの役割を担っています。

 こうした雑誌の動向と韓国や日本に住む韓国人に対する偏見の助長はリンクしています。たとえば、川崎市登戸で児童ら19人が切り付けられた川崎殺傷事件など、大きな事件がある度に「犯人は反日の在日韓国人」と決めつけるデマが流されてきました。

※川崎事件「犯人は在日」悪質デマに日本籍の在日コリアンが思うこと
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64971

 『週刊ポスト』や『WiLL』など出版社の発行物が、公然とヘイトを行い、「より過激な」内容、見出しを競うように出す今の状況は、これ自体が日韓関係悪化の収拾がつかない原因となっています。

 IWJでは、この問題について週刊ポスト編集部に直撃取材しました。編集部から、小学館広報部に掛け直してほしいとのことで、広報部へ再度電話しました。IWJは、1. 「韓国なんて要らない」という特集記事の企画の背景と理由、また、この記事が民族差別を助長することは考えなかったのか。2. なぜすぐに謝罪したのか。3. この特集は嫌韓ビジネスではないか、だから、すぐに謝罪したのではないか。この3点について質問をしましたが、驚いたことに、広報部の返答は、編集部が出したコメントに尽きる、というものでした。

 編集部(鈴木亮介編集長)の出したコメントとは、次のような表面的で誠意の欠けるものです。

 「週刊ポスト9月13日号掲載の特集『韓国なんて要らない!』は、混迷する日韓関係について様々な観点からシミュレーションしたものですが、多くのご意見、ご批判をいただきました。なかでも、『怒りを抑えられない「韓国人という病理」』記事に関しては、韓国で発表・報道された論文を基にしたものとはいえ、誤解を広めかねず、配慮に欠けておりました。お詫びするとともに、他のご意見と合わせ、真摯に受け止めて参ります。(『週刊ポスト』編集部)」

 このコメントの内容に関する質問は一切受け付けず、今後も、嫌韓記事を出すつもりはあるのかとの問いには、「そういうことがないように、こうしたコメントを出しています」という返答でした。

 岩上安身は次のようにツイートしています。

 「小学館が腐っているわけではない、今回の問題は週刊ポスト編集部の問題、とする見方があるが、それは実状を踏まえていない。SAPIOの長年にわたるヘイトの蓄積を見よ。小学館はファッション誌、漫画、などとジャンル別に内部で縦割りになっており、SAPIOとポストは一体。今回の問題は小学館の問題」

※岩上安身のツイート(2019年9月2日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1168512411202011136

 「マスコミの腐れっぷりがひどい。テレビも、出版も、嫌韓で数字を稼ごうとするさもしさが露わ。極右雑誌のWiLLなどは韓国との戦争まで煽るほど。許されない一線を多くのマスコミが超えている今、選択の特集タイトルがまとも過ぎて眩しい。安倍政権は明らかに嫌韓依存症」

※岩上安身のツイート(2019年9月2日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1168516289502957570

■「サイレント・マジョリティ」は賛成しているので、このまま進めます!? 柴山昌彦 文科大臣記者会見で英語民間試験導入を引き続き進める考え

柴田昌彦文部科学大臣は9月3日、閣議後記者会見で大学入試での英語民間試験の導入について「まだ確定していない部分があることは事実」と認めたうえで、引き続き「導入の見送りなどは検討せず、情報公開しながら進めていきたい」との考えを示しました。

 英語民間試験の導入については、文科省が設置した「大学入試ポータルサイト」によると、大学入試の英語に関して、「約50万人規模で、同一日程一斉実施型試験による共通テストとして『話す』『書く』能力を含めた試験を実施することは、日程面も含めて現状において実現は極めて困難」であるためと説明しています。

 その点、TOEICなどの民間の資格・検定試験は、読む、書く、話す、聞くの4技能を総合的に評価するものとして社会的に認知され、高等学校教育や大学入学者選抜で活用が進んでいます。

※文部科学省大学入試英語ポータルサイト
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/koudai/detail/1420229.htm

 英語民間試験は、各大学によって導入についての対応が分かれており、東京大学は昨年3月、民間試験を合否判定に使わない方向性を示しましたが、4月末には一転して活用の方向で検討すると発表するなど、受験生にとっては不安の種となっています。

 また、民間試験が実施される会場から遠い「僻地」に住む受験生の受験の負担も大きく、親の送迎の負担や受験料や交通費の負担などを指摘する声もあります。東京都内で開かれた日本学術会議でのシンポジウムで、高校生から「今の時期になってまで制度や問題に変更が加わるような、おぼつかない大学入学共通テストは、早急に延期もしくは中止にしてください」と文科省の視学官(学校教育に係る専門的、技術的な指導・助言を行う職)に「直訴」するなど、当の高校生からも不安・不満の声が上がっています。

※英語民間試験 東大、名大など見送り 国立大 ふぞろいの始動(中日新聞、2018年12月26)
https://edu.chunichi.co.jp/pages/entryexam-newexam-02/

 こうした中で柴山大臣は、自身のツイッターで導入反対は一部の声に過ぎず、多くは賛成しているという意味で「サイレントマジョリティは賛成です」と発信し、炎上する事態となりました。

※柴山昌彦文科相が英語民間試験に異議の学生を排除!! 批判に対し「サイレントマジョリティは賛成です」と一蹴!? 2019.8.30
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/456212

※柴山昌彦に関連する16件のまとめ
https://togetter.com/t/%E6%9F%B4%E5%B1%B1%E6%98%8C%E5%BD%A6

 さらに柴山大臣は、「みなさん抗議の電話しましょう」という、高校生のツイートに対して「業務妨害罪にならないよう気をつけて下さいね」と、挑発するような言動もとり続けています。国家権力を背負った政治家としての自覚があるのでしょうか。

※柴山昌彦 文科相のツイート(2019年8月26日)
https://twitter.com/shiba_masa/status/1165805528330559488

 岩上安身はこの柴山大臣のツイートの対し、「これは、恫喝ですか?柴山さん」とツイートしています。

岩上安身のツイート(2019年8月31日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1167726263701622784

 導入開始の2020年4月まで、あと7か月。柴山大臣は、導入の延期や中止などは検討せず、「進めたい」と明言しましたが、受験生の不安を解消した上で一連の事態が収束し、落ち着いて受験対策ができるようになることを願います。

■IWJの第10期が始まったばかりですが、財政がピンチに! 8月のご寄付・カンパが目標額のわずか22%どまりと非常に厳しいスタートとなっています! どうか緊急のご支援をよろしくお願いいたします!

 いつもIWJをご支援いただき、ありがとうございます。

 8月30日までのご寄付・カンパは116件、99万2524円と、1ヶ月の目標額である450万円に遠く届かず、わずか22%にとどまりました。8月1日から始まったIWJの新しい第10期は、いきなり厳しいスタートとなってしまいました。

 現在、IWJを支えてくださっている会員の方は、8月25日時点で5188名様。まだまだ会員の皆様からの会費だけではIWJの活動をまかないきれず、経費の半分はご寄付・カンパに頼らざるをえない状況です。現在、IWJの経費はほとんどが人件費のため、これ以上削減する余地がありません。第9期より、岩上安身の役員報酬も50%カットしています。今期第10期も、役員報酬の50%カットを続けざるをえないと思われます。

 IWJは他の多くのメディアが積極的に報じようとしない問題を、これまで報じてまいりました。独立メディアであるIWJは、権力に一切忖度せず、妥協せず、公共性・公益性・緊急性のある報道を貫きます!

 しかし、そのためには市民の皆様のご支援が欠かせません。「ジャーナリズムの本道をゆく」という志を貫くためにも、活動費が集まらなければ、IWJは活動を大幅に休止するか、あるいは活動を停止せざるをえなくなるかもしれません。

 どうか、IWJヘ皆様からの緊急のご支援をよろしくお願い致します。 

※ご寄付・カンパのご支援はこちらからよろしくお願いいたします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

※会員へのご登録はこちらからお願いいたします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

■IWJオリジナルTシャツ全デザイン再入荷しました!

 着るだけでインパクトがある、IWJオリジナルTシャツ。長らく在庫切れでご迷惑をおかけいたしましたが、再入荷いたしました! 今なら全商品が揃っています。

 「スローガンTシャツ」の胸には「BLIND BELIEF IS ENSLAVEMENT(盲信は隷従なり)」「THE KING IS NAKED(王様は裸だ)」「WATCH OUT! FASCIST IS SMILING(気をつけろ!ファシストがほくそ笑んでいる)」など、挑発的なメッセージがプリントされています。メッシュ素材を採用していますので、通気性に優れているのはもちろん、暑い夏の外出時、着替え用にバッグに突っ込んでもシワになりにくいのも特徴です。

 復刻版の「TRUE DEMOCRACY」、「TALK ABOUT DEMOCRACY」シリーズも、全色再入荷しました! こちらはオーソドックスなコットン100%の厚手のボディです。

 9月に入っても残暑が厳しく、まだまだTシャツが大活躍する日々が続きます。また、インナーとしても着こなせるので、ジャケットスタイルはもちろん、カーディガンを羽織ったゆったりスタイルにも対応できる、オールシーズン使えるアイテムです。

 サイズはXS・S・M・L・XLをご用意しています(一部商品でXLサイズのみ、ないものがございます)。ぜひ、お早めにお買い求めください!

※IWJグッズ――Tシャツページ
https://iwj.co.jp/ec/products/list.php?category_id=3

■テキスト班(編集者・記者・リサーチャー、パワポ作成)・動画班(カメラマン・VTR編集者)・事務スタッフを募集中!! 特にハイライト動画を充実させるため、Youtubeの編集経験やスキルがある人、緊急募集!その腕次第で時給1200円~1300円からのスタートです! また、テキスト班スタッフは時給最低1300円からのスタートです! 腕が上がり次第、ここから順次上がります! IWJのコンテンツ内容に関心と理解があり、文章の読解力のある人、筆力のある人、ぜひご応募ください! 裁量労働制を撤廃したIWJに「サビ残」「残業代不払い」などは一切ありません!

 IWJではテキスト班スタッフ、動画班スタッフ、事務スタッフを募集しています。

 動画班はカメラマンとして岩上安身のインタビューや、現場に出向いて中継、録画取材を行うほか、動画の編集を担当していただきます。IWJがYouTubeにアップしているハイライト動画を、今以上にインパクトと拡散力を持ったものに変えていきたいと思っていますので、動画編集作業の得意な方は大歓迎です。動画班の時給は、1100円からのスタートになりますが、編集スキルのある方、経験者はより高い時給からのスタートと、優遇いたします!またYoutubeの編集経験やスキルがある人、緊急募集します!その腕次第で時給1200円~1300円からのスタートも可能です!

 テキスト班はIWJのサイトにアップされる記事や毎朝発行しているこの日刊IWJガイドの編集者、記者として働き、同時に記事のリサーチ、執筆、編集を担当していただきます。また、岩上安身のインタビューのためのパワーポイント作成も重要な仕事になります。

 IWJは政治、経済、社会、外交など広範なテーマを扱っています。テキスト班では、文章力、読解力を備えた優れた人材を求めているとともに、こうした分野に広く関心を持っている方を歓迎します! 専門的な知識が必須なわけではありませんが、世の中に対して幅広く関心を持ち、意欲的に学ぶことが、テキスト班スタッフとして大事な心構えです。

 しかしご承知のように、昨今はどの業界でも人手不足が叫ばれています。IWJは皆様にご寄付・カンパをお願いしている厳しい状況ではありますが、コンテンツのクオリティを維持するため、テキスト班の時給を1300円からのスタートに改定しました。

 事務スタッフは、電話やメールでの外部の方との連絡、岩上安身のスケジュールを把握してのインタビューのアポイント調整や、スケジュール管理、イベント開催の準備やその他、諸々発生する、庶務的なことなど、IWJの活動のまさに屋台骨となる重要なお仕事です。事務スタッフの時給は、1100円からのスタートになります。

 いずれも残業が発生した場合は法令にのっとり、きちんと残業代をお支払いし、22時以降は深夜割増も加算されます。メディア業界はどこも、裁量労働制をとっているところがほとんどですが、この裁量労働制は過労死に至るほどの長時間労働の根源です。NHKや電通でも長時間労働の果てに過労死・過労自殺などの痛ましい事件が起こっていることは、みなさんご承知の通りです。IWJでは、記者職であっても、裁量労働制はとっていません。長時間残業はさせず、週2回の休みも必ずとらせています。IWJでは「サビ残」や「残業代未払い」などはありません!

※【岩上安身のツイ録】まずは賃金不払い労働や残業代不払いをなくすべき!! ブラック企業撲滅、労基法の再強化、そしてタックスヘイブンを利用する租税回避者に追徴課税を! 2019.7.11
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/452547

 詳しくはぜひ、以下のスタッフ応募フォームよりご応募ください! お待ちしております。

※スタッフ応募フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdbeeE8cGfuFucSge58KaR0vRQF5-uYoc52DeRCENG4u3_1mg/viewform

 それでは、本日も1日よろしくお願いします。

IWJ編集部(岩上安身、神山樹乃、牧野佐千子、尾内達也、城石裕幸)