日刊IWJガイド・番組表「岩上さんが島根県入り!『「神道」の虚像と実像』著者・井上寛司氏にインタビューの収録!/“白紙領収書”問題で宮城県議会議長が辞任!6月に続き2人目! なのになぜ大臣らは免責されるのか!?/米国ニューヨーク・マンハッタンで11月24日にISILがテロ予告!?/『伝えないと、ないことになってしまう声を伝えていく』ために――カンパ・ご寄付のお願い」2016.11.22日号~No.1530号~


■■■ 日刊IWJガイド・番組表「岩上さんが島根県入り!『「神道」の虚像と実像』著者・井上寛司氏にインタビューの収録!/“白紙領収書”問題で宮城県議会議長が辞任!6月に続き2人目! なのになぜ大臣らは免責されるのか!?/米国ニューヨーク・マンハッタンで11月24日にISILがテロ予告!?/『伝えないと、ないことになってしまう声を伝えていく』ために――カンパ・ご寄付のお願い」2016.11.22日号~No.1530号~ ■■■
(2016.11.22 8時00分)

 おはようございます。IWJで記者をしているぎぎまきです。

 昨日のガイドで城石エマ記者がお伝えした、「駆けつけ警護」を付与された「青森陸上自衛隊第9師団普通科第5連隊」の南スーダン派兵。隊員らが出発した日曜日、近所のお寺で紅葉を楽しんでいた私ですが、心が晴れることはありませんでした。これまで日本が歩んできた「戦後」とは明らかに異なる方向へ一歩を踏み出してしまった事実を前に、主権者・国民の一人として責任を強く感じていたからだと思います。

 今日は改めてこの問題に焦点をあて、IWJがこれまで取材し、掲載してきた記事をご紹介したいと思います。

 まだお読みになっていない方は、昨日アップしたばかりの下記の記事をぜひ、ご一読ください!青森空港から出発した隊員と、別れを惜しむ家族たちの様子をレポートしてくださったIWJ青森中継市民の外川鉄治さんの映像に、テキスト記事をつけました。必読です。サポート会員様だけでなく、12月20日まで、一般会員様も全文を御覧になることができます。

 大手マスメディアの報道とIWJが伝える実際の現場からのレポートとどれほど温度差があるか、ご確認ください。

※「奥さんは耐え切れずにハンカチで涙を拭き、家族3人が抱き合った」ついに自衛隊が「駆けつけ警護」の新任務を負って南スーダンへ 隊員たちの生命は守られるのか――!? 2016.11.20
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/346720

 今回、防衛相として「駆けつけ警護」という新任務を命じた稲田大臣は、10月に南スーダンを訪問し、自らの目で現地を確認したとして、10月16日の国会で「ジュバの中の状況は落ち着いている」と答弁しました。

 しかし、南スーダンの状況が「落ち着いている:などと、国際社会は見なしていません。

 国連のディエン事務総長は、つい先日、「(南スーダン国内の内戦は)ジェノサイドに発展する恐れがある」と深刻な懸念を示したばかりです。なのに、稲田大臣ら日本政府は「落ち着いている」と現実離れした強弁を押し通す。この、現実認識の落差は何を意味するのしょうか。米国から「肩代わり」を強く求められていることは明らかです。こんな非現実的な説明で自国の自衛隊員たちを現地に派遣することは、国民と、自衛隊に対する裏切り行為ではないでしょうか?

※「イラク戦争と同じではないのか」民進党・後藤祐一議員「駆け付け警護ありきで情報が歪められている」と政府の“机上の空論”を批判〜防衛省は真っ黒な“海苔弁”資料を提出! 2016.11.15
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/345588

 ここで忘れてならないのは、稲田大臣がこれまで、どういう発言をし、どんな思想を示してきたかということです。

 安倍総理も出席した2012年の「憲法改正誓いの儀式」で、「血を流さなければ国を護ることなんでできない!」と訴えた人物が稲田大臣です。憲法9条だけではなく、基本的人権の尊重、国民主権、平和主義に制約を課し、国権主義の最大化をはかる「自民党憲法草案」の実現を、安倍総理らと同様の執拗さで目指しているのが稲田大臣です。防衛大臣の座にありながら、夫名義で防衛産業株を大量に保有していることも、これまでお伝えしてきた通りです。

※【国会ハイライト】「子ども手当分を軍事費に」――野党時代・稲田防衛相の暴論に民進・蓮舫代表が斬り込むも「撤回」せず!軍事費増なら防衛関連株が値上がりし、株式を夫名義でもつ稲田氏は濡れ手に粟の大儲け? 2016.10.5
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/336457

※武器輸出解禁も、大手メーカーは慎重姿勢!? 夫名義で防衛産業株を大量保有する稲田朋美防衛相に東京新聞・望月衣塑子氏「私腹を肥やす行動ともいえる」〜武器輸出反対ネットワーク集会 2016.9.17
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/332339

 戦史研究家の山崎雅弘さんは11月18日のツィッターで、「また昭和の日本軍のような展開になってきている」と指摘しています。

 「また昭和の日本軍のような展開になってきている。東京の陸軍参謀本部作戦課で決めた方針に、現地を視察して帰国した情報将校が『情勢に合わない』と抗議しても『お前には意見を言う資格などない』と追い出される。そして戦死者や餓死者が増え続けた」
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/799575162420985856

 戦史が専門の山崎さんは、日清や日露戦争と比べ、第二次世界大戦中の日本軍はナチス軍よりも異常だったと指摘しています。当時、日本政治を覆っていた「国家神道」の思想がその理由だと分析する山崎さんは、安倍政権を支える日本会議などの組織によってふたたび「国家神道」がよみがえりつつあり、それが今回の南スーダン派遣にも現れていると、自衛隊員と昭和の日本軍を重ね合わせているのです。

 大変、興味深い指摘だと思います。実は、その山崎雅弘さんに来週月曜日の11月28日、岩上さんがインタビューすることが決定しています。詳細が決まったら、またガイドでお知らせしますので、ぜひ、ご期待ください!

 そして、本日19時からは昨日に引き続き、以下の中継をCh1で再配信しますので、お時間の合う方はぜひご覧ください!

★「自民党は、自衛隊員の殉職を待っているとしか思えない」 〜岩上安身のインタビューで紛争解決請負人・伊勢崎賢治氏が戦争法案の欺瞞を暴く <後編>
[日時] 2016年11月22日(火)19:00~
[ch.1] http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1

 今の日本が「戦前回帰」という方向を目指して突き進んでいる事実は、否定しようがないということを痛感します。この大きな流れはいつ、どのような形で現れたのか。過去の岩上さんのインタビューや、IWJ誕生から6年間、積み重ね、集めてきた映像アーカイブを探ると、その芽はあらゆる場面で見つけることができます。岩上さん自身も、数年前から繰り返し「新たな戦前が始まる」と警鐘を鳴らしてきました。今後を考えるにあたって、検証作業は重要です。点と点をつなげるべく、IWJが溜め続けてきたコンテンツを今後も掘り起こしながら、ご紹介していきたいと思います。

 IWJの一般会員にご登録いただきますと、過去1ヶ月分のコンテンツを全編御覧いただくことができます。「サポート会員」にご登録いただきますと、いつでも過去のすべてのコンテンツを全編をご視聴いただくことができます。IWJをフルに活用していただくには、「サポート会員」がおすすめです!「サポート会員」とは「賛助会員」という意味でもあります。IWJが今後も存続していけるように、ぜひ、サポート会員へのご登録、またはお切り替えをご検討ください!

※IWJ定額会員へのご登録はこちらから
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 IWJは、厳しい財政難に直面しています。今年は年末恒例のシンポジウム「饗宴」の開催を見送りました。IWJ設立以後、「饗宴」をお休みするのは、初めてのことです。言いかえると、それほど厳しいピンチに立たされているということです。

※岩上安身より、IWJ年末恒例シンポジウム「饗宴」開催とりやめのご報告と、緊急のご支援のお願い 2016.11.16
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/345856

 IWJは果たして無事、2017年を迎えることができるのか。。。

 崖っぷちに立たされているIWJですが、崖を転がり落ちることなく、なんとしてもここで踏ん張り、この山を乗り越えたいと思っています。どうぞご寄付・カンパによる緊急のご支援を心より、お願い申し上げます。

※ご寄付・カンパをどうぞお願いいたします
http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

★今日は13時から、『「神道」の虚像と実像』の著者・井上寛司氏に岩上さんがインタビュー収録!配信は後日になりますが、後段で平山茂樹記者がインタビュー内容をお知らせします!

★また、23日に実施を予定し、中継の告知をしていた岩上安身による立命館大学環太平洋文明研究センター教授・高橋学氏インタビューは中止となりましたことをお報せ致します。何とぞ、ご了承ください。

 本日の日刊IWJガイドは以下の内容でお届けします!

┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━
┠■【中継番組表】
┠■<ニュース・フラッシュ!>“白紙領収書”で宮城県議会の中山耕一議長が辞意!なのになぜ大臣クラスは許され続けているのか!?/米国ニューヨーク・マンハッタンで11月24日にISILがテロ予告!?/(ぎぎまき)
┠■(平山茂樹
┠■<★動画班からのお知らせ★>音声出力端子の搭載された自民党街宣車に驚愕!――「伝えないと、ないことになってしまう声を伝えていく」ために――カンパ・ご寄付の願い(青木浩文)
┠■わとはぷ~What happened today?(原佑介)
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◆中継番組表◆

**2016.11.22 Tue.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【Ch4】15:00~「使用済み燃料プールの危険性 福島の教訓 ―講師 プリンストン大学名誉教授(核物理学者)フランク・フォンヒッペル氏」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※米国科学アカデミーの福島原子力事故の教訓に関する研究グループのメンバーだったプリンストン大学のフランク・フォンヒッペル名誉教授による講演会を中継します。

【録画配信・Ch5】16:00~「守ろう!介護保険制度・市民の会 / 秋の大集会」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※2016年11月11日に収録した「守ろう!介護保険制度・市民の会」主催の集会を中継します。

【再配信・Ch1】19:00~「『自民党は、自衛隊員の殉職を待っているとしか思えない』~岩上安身のインタビューで紛争解決請負人・伊勢崎賢治氏が戦争法案の欺瞞を暴く
<後編>」
UST視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/249182
※2015年6月収録。岩上安身による伊勢崎賢治氏インタビューの後編を再配信します。後編では、「後方支援」という言葉に隠された欺瞞や、本当の脅威はグローバル・テロリズムであると説く伊勢崎さんのご見解をうかがっています。

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◆中継番組表◆

**2016.11.23 Wed.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【Ch未定】13:30~「緊急シンポジウム 米国大統領選後の世界と私たち―TPP、沖縄米軍基地、日米外交をどうする?」
※「NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)」主催によるシンポジウムを中継します。登壇者は西谷修氏(立教大学大学院文学研究科特任教授)、首藤信彦氏(国際政治学者、元衆議院議員)、猿田佐世氏(新外交イニシアティブ(ND)事務局長・弁護士)。

【Ch3】17:30~「原子力規制委員会 田中俊一委員長 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=3
※原子力規制委員会 田中俊一委員長による定例会見を中継します。

【再配信・Ch未定】19:00~「『南スーダン、海賊対策、ジブチの基地…これらはすべて米国の中東・アフリカ戦略が念頭に置かれている』!?~まもなく閣議決定される南スーダン『駆けつけ警護』に千葉大・栗田教授が異論!」
※2016年11月3日収録の「憲法公布70年『秋の憲法集会』」を再配信します。栗田さんは南スーダンの歴史を振り返り、「南スーダン情勢は2013年に『違うステージに突入』していた」と指摘。自衛隊撤退の必要性を訴えました。
[記事URL] http://iwj.co.jp/wj/open/archives/343403

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

「奥さんは耐え切れずにハンカチで涙を拭き、家族3人が抱き合った」ついに自衛隊が「駆けつけ警護」の新任務を負って南スーダンへ 隊員たちの生命は守られるのか――!?
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/346720

 続いては、平山茂樹記者による、本日行われる、岩上さんのインタビュー告知です!

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■<★本日の岩上さんによるインタビュー★>島根入りした岩上さん、今日と明日の2日で島根大学名誉教授・井上寛司氏にインタビュー収録!「神道」の成立プロセスに迫る!

 おはようございます。IWJで主にテキスト関係の業務を担当している平山と申します。

 昨夜、新しいスタッフの面接や経理・会員管理スタッフらとミーティングをあわただしくこなした後、羽田へ向かい、最終便で島根入りした岩上さん。本日11月22日(火)と明日23日(水)、『「神道」の虚像と実像』(講談社現代新書)の著者で島根大学名誉教授の井上寛司氏にインタビュー収録を行います!

 戦時中、「国家神道」のスローガンとして用いられた「八紘一宇」「神武東征」「天壌無窮の神勅」などといった用語が、若手議員(三原じゅん子議員など)の口から次々と飛び出すようになった、現在の自民党。右派組織「日本会議」を支持母体とする安倍政権の「空気」を存分に吸いながら「戦前回帰」への地ならしをしていることは明らかです。

 安倍総理を筆頭とする右派の議員たちが「国家神道」の復活を狙っていることはもはや疑いの余地はありませんが、「国家神道」は危ないとわかっている一でも、神道そのものや、神社という存在まで否定的にみているわけではないと思います。神道は大昔から続いている文化的伝統であり、中には「日本書紀」や「古事記」に描かれている神武天皇以降の歴史を史実だと思い込んでいる人もいるかもしれません。

 しかし、「神道は、太古の昔から連綿と続く、自然発生的な日本固有の民族宗教である」という考えについて、「それは戦後最大のドグマだ!」と指摘し、正面から批判しているのが、岩上さんが本日インタビューを行う井上氏です。

 私たちの多くは、伊勢神宮や鹿島神宮や石清水八幡宮といった全国各地の神社について、太古から続く日本の自然崇拝(アニミズム)を反映したものだと素朴に信じ込んでいます。しかし、井上氏によると、なんとこうした「神社」は、古代7世紀に、当時の朝廷(天武天皇と持統天皇)が明確な意図を持って確立した、民衆統治のための仕組みだった、というのです。日本という「国号」や、「天皇」という呼称が使われだしたのも「日本書紀」「古事記」の編纂も、この時代に同時に行われたのです。

 「神社」、そして「神道」が、古代、中世、近世、近代の4つの時期において、この日本でどのようなかたちで成立し、展開してきたのか、岩上さんが井上氏にじっくりとお聞きします。「国家神道」とは何か、見きわめるために必見必聴のインタビューです!どうぞご注目ください!

 こちらのインタビューは収録となります。配信日時が決まりましたら、IWJのホームページやTwitter、Facebookなどでお知らせしますので、どうぞご期待ください!

 平山記者でした。次は映像作家であり、IWJ動画班でも活躍している青木浩文記者より大切なお知らせです!

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■音声出力端子の搭載された自民党街宣車に驚愕!――「伝えないと、ないことになってしまう声を伝えていく」ために――カンパ・ご寄付のお願い

 IWJで動画班のお手伝いをしながら報道現場の勉強をしています青木浩文です。

 IWJのお仕事をさせていただくようになってから、2年余りが経ちました。その間、特に学ばせて頂いたことの一つは、「伝えないと、ないことになってしまう声を伝えていく」というIWJのエネルギーでした。

 岩上イズムとも言えるこの姿勢は、IWJ社内に深く浸透していると私は感じます。岩上さんが著者として名を連ねている書籍『「今を伝える」ということ』にも、「ジャーナリズムの大切な仕事」だとして、詳しく記載されています。

※【岩上安身サイン入り!】『「今を伝える」ということ』
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=194

 同書の中で岩上さんは、日本人は、怒らない、抗議をしない、自己主張をしない民族だとする向きがあるが、これは真っ赤な嘘だと指摘。その上で、「『こんなことは許せない。こういうことがあっていいものだろうか』と言葉にし、声を上げるひとたちは常に存在します。でも、そうした声をメディアが伝えなければ、それは存在しないことになってしまう」と、警鐘を鳴らしています。

 そして、2011年6月11日に、「脱原発100万人アクション」というデモが全国150ヵ所以上で行われたにも関わらず、主要メディアはこうした動きを全く報じなかったことを例に上げ、岩上さんは「マニピュレーション(情報操作)」だとして厳しく断じています。

 この「マニピュレーション」を目の当たりにするような現場がありました。2015年6月7日、自民党が「憲法改正」をアピールするために新宿西口で行なった街宣を、私が中継を担当したときです。

 この街宣の3日前の6月4日に、衆議院の憲法審査会で招致された参考人3人が「安保法制は違憲である」との見解を示しました。しかし、「違憲」との烙印を押されてもなお、強引に採決を推し進めようとする政府与党に対して、国民の怒りが噴出。この日も、50名ほどの市民が「安保法制は違憲」「安倍政権は憲法違反内閣」「解釈改憲で憲法9条を壊すな」などと書かれたプラカードを持って押し寄せていました。

 自民党の街宣車で興味深いのは、マイクを使って車上で訴えている議員の声が、街宣車に搭載された音声端子からそのまま出力されること。マスコミ各社はこの端子から出力された音声をそのままカメラ機材につなぎ、録音しています。こうすることによって、マイクの音声はノイズを拾うことなく、とても聞き取りやすい状態で録音されます。他方、マイク以外の音、例えば、その場に詰めかけた聴衆がどれほど批判の声を上げても、ほとんどは録音されることはないのです(ちなみに民進党や日本共産党の街宣車に音声出力端子はないようです)。つまり反対する市民の声はノイズとしてキャンセリングされてしまうのです。

 私の記憶が正しければ、この日現場で撮影していたテレビ局はNHKと民法3社。その内、街宣車から直接音声をつないでいたのは、NHKと民法1社で、他の2社は、悩んだ挙句、自民党議員の主張のみを報じるこの音声の使用はしていませんでした。

 新宿西口のロータリーに街宣車を止めて、訴えを始めた自民党議員。それを歩道側からガードレールに沿ってテレビカメラが狙い、その報道陣を囲った柵の後ろに聴衆が集まり、プラカードを掲げました。報道陣を挟んで、自民党議員を載せた街宣車と、プラカードを掲げた聴取が対峙する形です。

 聴衆の間から、自民党議員の演説をかき消すほどの抗議の声があがりました。TBSのテレビカメラや、共同通信社のスチルカメラマンは、自民党の街宣車に背を向け、その様子を撮影していました。しかし、自民党街宣車から直接音声をつないだNHKと民法一社のカメラは、最後まで一度も市民が激しく声を上げる後ろを振り返ることなく、自民党議員だけを撮影し続けたのです。

 さらに興味深いのは、この日NHKのカメラが用意していた高さ2メートル以上ある脚立と3メートル近くはある三脚です。この新宿西口には複数のバス停があり、この日も自民党の街宣車の前を、幾度となく大型バスが横切っていました。しかし、この高さから撮影することで、バスの車高に一切遮られることなく、議員の街宣の様子を録画できるのでした。

 果たせるかな、その日のNHKのニュースには、谷垣禎一幹事長(当時)らが演説する姿が、一度もバスに遮られることなく、きれいな音声で報じられたのでした。聴衆が上げた安倍政権に対する批判の声は、そのニュースからは全く聞き取ることが出来ませんでした。IWJの中継等で、この現場の実際の様子を知らない方々には、聴衆の批判の声は「存在しなかった」ことになってしまったのではないでしょうか。

※自民党の「改憲」街宣に市民らが「戦争反対」のカウンター抗議! 〜新宿駅西口に鳴り響いた「帰れ」コール 2015.6.7
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/248258

 この日の街宣の模様の全編をご覧になりたい方は、会員ページからぜひ、ご視聴ください!まだ、会員登録をされていないかたは是非、この機会にご検討ください。

一般会員・サポート会員向けはこちらです!
http://iwj.co.jp/wj/member/archives/41214

※IWJ会員登録はこちらから
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 2年間IWJのお手伝いをさせていただくなか、このような「マニピュレーション」の「現場」を目にすることは幾度もありました。私たちは知らず知らず、NHKのような巧妙な「洗脳装置」に誘導され、操作されてしまっているのです。こんな恐ろしいことはありません。「伝えないと、ないことになってしまう声を伝えていく」という使命を果たすためにも、ぜひIWJの取材活動を支えてください。

 皆さんの力でIWJを支えていただければ幸いです。

※ご寄付・カンパのお願い
http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 それでは本日も一日、よろしくお願いします!

 本日の日刊IWJガイドのフルバージョンはこちらから御覧ください。

http://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20161122

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岩上安身サポーターズクラブ事務局
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