日刊IWJガイド 「辺野古承認『取り消し』で沖縄の反撃開始! 一方で米国は『思いやり予算』の増額を要求! 日本は『土地、金、血』を米国に捧げるのか? 売国外交はやめろ!」2015.10.14日号~No.1127号~


■■■ 日刊IWJガイド 「辺野古承認『取り消し』で沖縄の反撃開始! 一方で米国は『思いやり予算』の増額を要求! 日本は『土地、金、血』を米国に捧げるのか? 売国外交はやめろ!」2015.10.14日号~No.1127号~ ■■■
(2015.10.14 8時00分)

 おはようございます。IWJの原です。夜や朝方はすっかり肌寒くなってきましたが、僕は今日、それとは別に2点の理由から震えています。

 昨日、翁長雄志沖縄県知事がついに辺野古新基地建設にともなう辺野古埋め立て承認を取り消しました。これまで国は、仲井真弘多前知事の独断による埋め立て承認を根拠に、まるで「銃剣とブルドーザー」のごとく工事を進めようとしてきましたが、昨日の承認取り消しは、沖縄の民意がいよいよ具体的な形として国に突きつけられた瞬間だったと思います。

 これはどう考えても熱すぎて震えます。

 昨日会見した翁長知事は、「検討した結果、取り消しが相当であると判断した」と表明し、「普天間飛行場が他の都道府県に移転したとしても、沖縄には依然として米軍基地や自衛隊基地があり、抑止力が許容できない程度まで低下することはない」「移設理由として地理的優位性などが挙げられているが、根拠が示されていない」などとして、仲井真前知事の承認手続きに瑕疵があったと指摘しました。

 この決定を受け、県職員は沖縄防衛局を訪れ、承認取り消しを伝える通知書を手渡しました。もうカッコよすぎて震えそうです。辺野古埋め立てには、公有水面埋立法で知事の承認が必要とされていますが、今回、承認が取り消されたことで、辺野古沿岸部埋め立ての法的根拠が失われることになります。

 ただ、国は「承認取り消しは違法」として、行政不服審査法に基づく不服審査請求に出るとみられます。これが認められれば作業は続行できるので、県側はさらなるカウンターパンチを用意しているはずです。

 最終的には法廷闘争にもつれ込む可能性が高いとみられています。本当の闘いはここからだと思いますが、沖縄を孤立させてはいけません。IWJは沖縄中継市民の皆さんの協力を得て翁長知事会見を中継し、すぐさま記事化しました。理不尽に虐げられてきた沖縄の反撃の第1ラウンドを是非、ご覧ください!

※2015/10/13 【緊急アップ!】翁長沖縄県知事が辺野古埋め立て承認を取り消し!政府はすぐさま「不服審査請求」で対抗 ~緊急会見で翁長知事「多くの国民が疑問を持つのでは」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/270077

■「思いやり予算」、おかしいだろ! 日本政府は値上げ交渉に応じるな!

 沖縄の熱さに震える一方で、腹が立ちすぎて震えてもいます。「思いやり予算」をめぐる日米交渉に対して、です。

 5年に1度見直しが行われる思いやり予算は、根拠となる特別協定が来年3月に改定の期限をむかえます。日米両政府は夏頃から見直しの交渉を始め、先週までに3回の協議を開いたのですが、現段階では、まったく折り合えていないそうです。

 思いやり予算は年間約1900億円にのぼり、本来は米側が支払うはずの在日基地で働く日本人従業員の給与の一部を、1978年から日本が負担するようになったのが始まりです。今では従業員の基本給、米軍の訓練移転費、光熱費だけでなく、協定外の従業員の福利費、施設整備費も日本が払っています。

 今回、何が折り合っていないのかというと、日本側は「日米新ガイドラインの締結や安保法案の成立で自衛隊の役割が拡大して、こっちも負担が増すんだから、ちょっと減額させてくださいよ~」と、当然の交渉をしているのに対し、米国は「いやいや、ちょっと待てや…」と突っぱねているんですね。簡単に言うと・・・

米国「いいか? うちも国防費削減しないと、もう台所が火の車なんだよ。でも、アジアへのリバランスを進めなきゃいけないの。となると、日本に配備する装備を増やさないといけないだろ? で、装備が増せば当然、駐留費が膨らむだろ? だーかーらー、米軍基地で働く従業員の上限数を引き上げるから、日本はその分の給料も肩代わりしてよ。あと、施設の整備費とかも今よりももっと出してくれないとやっていられないわけ。OK?」

 …ってな具合です。なんで“思いやり”を受ける側が、その大小をつべこべ言う権利があるんだよ! と、このニュースをみた瞬間に特大の舌打ちをしてしまいましたが、本当に腹立たしいこと、この上ありません。このニュースを見て、日本全国のヤクザ・極道・暴力団員が、「ウチも『みかじめ料』とか『用心棒代』なんて言い方やめて、『思いやり予算』って言い方にしようか」と思いついて、マネしたらどうするんですか??

 安保条約では「米国は日本を防衛する義務を負い、日本はそのために米国に施設・区域を提供する義務を負う」と定めていますが、これが「片務的だ!」「日本も血を流さなきゃだめだ!」と言って安保法制を整備して、「双務的」に近づけたわけですよね。であれば、安保法制の是非はともかく、「米軍は今までみたいにデカい顔をするな!」くらい言わなければおかしい。「金も出します! 土地も差し出します! これからは血も流します!」というのであれば、奴隷以下じゃありませんか??

 怒りに震えますが、もうそれを通り越して、情けなくて涙も枯れ果てます。もうそんな国でいるのはやめようぜ・・・本当に。

 あ、ちなみに、「思いやり予算」は1978年、金丸信防衛長官(当時)が「思いやりの気持ちで行うべき」と発言したことから「思いやり予算」と名付けられたのですが、今日は、その金丸議員が東京佐川急便からの5億円違法献金疑惑で議員を辞職、政界を引退した日(1992年)でもあります。

 以上、プチ「わとはぷ」でした。

…(後半へ続く)

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◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表をお送りします。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2015.10.14 Wed.**

【Ch4】9:30~「川内原発2号炉再稼働反対!規制委前アピール行動」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※「原子力規制を監視する市民の会」主催の川内原発二号機再稼働への抗議行動を中継します。

【Ch1】12:00~「11月8日開催!『第5回国際大使館フレンドリーラン』に向けて ~大会委員長・孫崎享さんとIWJチームで参戦する井筒高雄さんを交えての練習風景をお届け!」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※11月8日開催の『第5回国際大使館フレンドリーラン』に向けて行われる、大会委員長・孫崎享さんとIWJチームで参戦する井筒高雄さんを交えての練習風景を中継します。

【Ch3】14:30~「原子力規制委員会 田中俊一委員長 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=3
※原子力規制委員会 田中俊一委員長による定例会見を中継予定です。

【Ch5】15:00~「民主党 枝野幸男幹事長 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※民主党・枝野幸男幹事長による定例会見の模様を中継します。

【再配信・IWJ_LONDON】20:00~「安保法制成立後の日本社会とどう向き合っていくか:イギリス在住者による交流会&参加者からのメッセージ」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-London
※10月10日に行われた、イギリス在住の日本人あるいは日本とかかわりの深い人々を対象とし、日本の国内政治について意見交換する交流会を再配信します。

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◆明日の中継番組表◆

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2015.10.15 Thu.**

【Ch未定】12:00~「日本外国特派員協会主催 日本共産党・志位和夫委員長 記者会見」
※日本外国特派員協会主催の日本共産党・志位和夫委員長による記者会見を中継予定。

【Ch未定】15:00~「日本外国特派員協会主催 河野洋平元衆議院議長 記者会見」
※日本外国特派員協会主催の河野洋平・元衆議院議長による記者会見を中継予定。

【Ch2】17:30~「東京電力 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力による定例会見を中継します。

【Ch未定】18:30~「川内原発2号炉再稼働反対!官邸前アピール行動」
※「原子力規制を監視する市民の会」主催の首相官邸前で行われる、川内原発二号機再稼働への抗議行動を中継予定。

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(前半の続き)…

■安保法案の特別委採決は「改竄!」水上貴央弁護士インタビュー!

 さて、昨日は岩上さんが水上貴央弁護士にインタビューしましたが、皆さん、ご視聴いただけましたか? 参院特別委の横浜地方公聴会で参考人として招かれ、採決ありきで議事を進める鴻池祥肇委員長に対し、「公聴会が単なるセレモニーで茶番であるならば、私はあえて申し上げるべき意見を持ち合わせておりません」と啖呵を切った、若きレジェンド、あの伝説の弁護士さんです。

※【全文文字おこし掲載】「公聴会は採決のための『セレモニー』か」――地方公聴会で釘をさした公述人・水上貴央弁護士が「米国の支援のためにわが国の安全を犠牲にした法律」と喝破!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/265516

 参院における安保法案の委員会採決ですが、未定稿では、速記停止中に、「聴取不能」な状態で行われたことになっていました。与党による「人間かまくら」と、それに反発する野党議員で委員会室が大騒然・大混乱に陥っていたからです。この未定稿については、岩上さんによる民主党・福山哲郎議員インタビューの中で取り上げられていますので、参考にしてください。

※2015/09/25 「SEALDsの誠実さと感覚的な新しさをどう国民に広げるか、これは僕らの役割だ」――民主・福山哲郎議員に岩上安身が訊く! 共産党「国民連合」提案には「まずは話を聞くこと」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/266903

 ・・・しかし! 10月11日に公開された正式な議事録では、「委員長復席の後の議事経過は、次のとおりである」との説明が後付けされ、「(安全保障関連法制の)質疑を終局した後、いずれも可決すべきものと決定した」と追加されていました。これについてIWJは、鴻池委員長の講演に関する記事の中で強く批判しています。

※2015/10/07 「民主主義を損ねるような状況になってしまったことは残念だった」――って、え!? あなたが言う!? 鴻池祥肇委員長がIWJの質問に「俺をやっつけたいのか?」と逆ギレ!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/269349

 この書き換え問題について、水上弁護士は、岩上さんのインタビューの中で「議事録の改竄だ」と強く批判しました。

 「人間かまくら以降は、議場で何が起きていたかはわかりません。速記を止めて以降、速記を起こした記録もない。野球に例えれば、『タイム』がかかっているのに、球場の内野を人間かまくらで囲んで、勝手にピッチャーが3球投げて『ストライク!』『アウト!』とやったようなもの。タイム中に行われた行為は、正式な議事進行ではありません」

 水上弁護士いわく、この採決は、法律的には「無効」ではなく、「不存在」・・・つまり、採決があったことを議事録に残す条件が整っていない。言い換えれば、採決そのものが行われなかった、ということです。それを、あとから鴻池委員長が「私は採決文を読み上げた!」などと主張し始め、結果、正式な採決の手続きを踏んだかのように、議事録が改竄されたということです。

 ここからはスクープですが、実は「強行採決後」に、参議院の職員が、委員らに対し、採決を認めていなかったと考えざるを得ないような、ある「提案」をしていたと水上弁護士が明かしました。記事化を急ぎますが、まずは動画アーカイブをご確認ください! IWJ会員であれば、いつでもご視聴いただけますので、この機会に会員をお願いします!

http://www.ustream.tv/recorded/75421855

※会員登録はこちらです!
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

■馳文科大臣が「あの時、私に竹刀で殴られた高校生たちに謝罪したい」と謝罪の意

 IWJは昨日、馳浩文科大臣会見を取材し、録画配信しました! 佐々木隼也記者が奮闘してきました!

 質疑応答で挙手し、「IWJの佐々木です」と名乗ると、元プロレスラーの馳大臣は、「なんかプロレス団体みたいな名前だなぁ」とのらりくらり。それを聞いた記者たちは爆笑したとのことです。馳大臣が少し面白いことを言うと記者が爆笑する・・・これは馳大臣の就任会見時にはすでにできあがっていた、記者クラブお得意の「慣れ合いプレイ」なんですね。

 我々独立メディア的には気持ち悪くてしかたがありません。鳥肌もので、ここでまた震えます。バラエティー番組で、お笑い芸人の寒いギャグにも、大きな声で笑ってみせるスタジオのADらのギョーカイ的お追従笑いと何にも変わりません。そんなことで、ジャーナリズムの本分である「権力の監視」を果たせるのでしょうか。報道としてのプライドはないのでしょうか。ううっ、さむっ。

 馳大臣は、論壇誌『正論』の2008年6月号に掲載された、現副大臣・義家弘介議員との対談のなかで、「(生徒を)殴ったことがなかったといえばそうではない」「当時は一日に竹刀が1本折れることがあった」などと発言していました。「体罰」を誇っているかのような口ぶりですが、文科大臣が体罰肯定派ということであれば大問題ではないか、IWJ佐々木記者が鋭く切り込みました!

 これに対して馳大臣は、「体罰は絶対反対です。記事全体を読めばおわかりいただけると思うが自戒・反省・謝罪を込めて発言しました」とあっさり認め、「私が未熟だったばかりに高校生の諸君に迷惑をかけた、それを反省しているとの意味で、発言したと記憶しています。改めて、あの時、私に竹刀で殴られた高校生たちに謝罪したい」と謝罪の意を表明しました。

 あっさりと過ちを認めたわけで、それは素晴らしいと思います。ただ、「いやいや、ホントに悪かったと思っているか~?」と疑いたくもなりますよね。反省した“フリ”に過ぎないのか、はたまた本当に反省したのか・・・佐々木記者が記事化しましたので、皆さんの眼で見極めてみてください!

※2015/10/13 「私に竹刀で殴られた高校生たちに謝罪したい」馳浩文科大臣、会見で教員時代の体罰認め謝罪 ユネスコ記憶遺産「南京大虐殺資料」登録については「非常に残念」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/270075

■「NHKは安倍チャンネルになるな!」「NHK職員は立ち上がれ!」

 また、昨夜は「NHKは偏向報道をやめろ!」と叱りつける抗議行動が、渋谷のNHK放送センター前で行われました。こちらは平山記者、城石パパカメラマンらが奮闘してきました!

 平山記者のインタビューにこたえた参加者の男性は、「参院で安保法案が強行採決されましたが、あんなめちゃくちゃな採決を『可決』と報じるのはおかしい」と憤り、「NHKに抗議の電話をしましたが『ああいえばこういう』という感じで、ダメでした」と報告してくださいました。

 現場は熱気に包まれ、「受信料ドロボー!」「NHKは解体しろ―!」「NHKは安倍チャンネルになるなー!」「NHK職員は立ち上がれー!」といったシュプレヒコールも上がりました! こちらの記事化も急ぎますが、まずは現動画アーカイブでご確認ください!

http://www.ustream.tv/recorded/75426854
http://www.ustream.tv/recorded/75427142

 岩上さんによる知識人へのインタビューやIWJ記者による記者会見取材、そしてデモ現場取材と、IWJは精力的、かつ多角的に日々の取材活動に励んでいます! こうした姿勢を少しご評価していただけているようで、会員数もジリジリと増え、ついに先日、5700人台に乗りました! IWJ史上初の数字です!

 しかし、それでもちょっとまだ足りていません! もっと中継数を増やし、活動範囲を増やしていきたいと考えています!

 昨日のNHK抗議では、複数の参加者の方々が平山記者に対して「IWJ会員です!」とおっしゃってくださいました。本当にありがとうございます! サイズはNHKの100分の1以下でも、NHKの100倍以上の報道魂をもって頑張っているIWJを、どうかお支えください! カンパも取材費にあてさせていただいています!

 「武士は食わねど高楊枝」とはいえ、「腹が減っては戦はできぬ」ということでもありますので、恥ずかしながら食料の差し入れもありがたく頂戴しています! よろしくお願いします!

※会員登録はこちらです!
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

※カンパもお願いしています!
http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

■もはや文化大革命も対岸の火事ではない!

 IWJでは、全国の学者の方々、そして一般の市民の皆様から、この「戦争法案」に対する寄稿・コメント・声明文を募っています。これまでにお寄せいただいた寄稿・コメントは、下記のページに集約していますので、ぜひご一読ください。

※安倍政権の集団的自衛権にもとづく「安保法制」に反対するすべての人からのメッセージ
http://bit.ly/1Dctmg0

 本日は、多数いただいたご寄稿の中から、慶應義塾大学(中国現代文学)櫻庭ゆみ子さんのご寄稿を紹介します!

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【安保法案反対 特別寄稿 Vol.353】 中国文学を研究(翻訳紹介)するものとして 「安全保障関連法案に反対する学者の会」賛同者 慶應義塾大学(中国現代文学)櫻庭ゆみ子さん

 中国のある学者(銭鍾書1910‐1998)が、文革終結後に、作家である妻の楊絳(1910- )のエッセイ(『幹校六記』:知識人たちの労働改造体験を日常の些事の記述という側面から描いたもの)に序文を寄せ、「表に立って抗議の声をあげる勇気がなかった臆病者として(私も含めて)恥じるべき」という趣旨のことを述べています。

 当時学生であった私は、これを読んだとき、「もし」同じようなこと(言論弾圧、迫害)がわが身に降りかかったらどう対応するだろうか、と自問自答したものです。(この二人のように、限界状況にあってもできる限り誠実に対処し得るだろうか、おそらくおびえて付和雷同するか、沈黙して自滅するのがおちではないか等々)

 それが、311以降、「個」を押し潰す全体主義の脅威が、対岸の火ではなくなってしまった、安全地帯だったはずの場が目の前で崩れようとしているのです。実は危うい状況はずっと前から始まっていたわけなのですが、愚かにも私がそれに目を向けてこなかったのです。

 私は、文学という領域において、個別の人間(作家)に注目し、その書く営みを歴史的な背景と関連付けながら見ていますが、時に細部に拘泥するために、危うい何かを感じても、とっさに簡潔に理論整然と語りかけることが不得手です。逡巡しつつ、考えつつ、恐る恐る(体調不良もありますが)歩を進めています。(「学者」にもいろいろおります。)

 けれども、それゆえ国境の境界の感覚がうすれ、それこそ否が応でも地球規模(グローバル)で物事をとらえざるを得ない今日、(私にとって)お隣の国のある個の体験は、人類の共通の出来事として共有すべき性質を帯びるものであり、そこから歴史の教訓を汲むべきものだと思えます。

 幸運にも、大学という場で、歴史の教訓をいくばくでも学ぶ機会を与えられた者として、今抗議の声を上げなければ、臆病者として卑屈な自己弁護の人生を選択することになる、それはできない、これが抗議の声をあげる理由です。

櫻庭ゆみ子 慶應義塾大学(中国現代文学)

http://iwj.co.jp/wj/open/anti-war-msg-00353

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 「『個』を押し潰す全体主義の脅威が、対岸の火ではなくなってしまった」とはまさにそのとおりですね。この火事を1日でも早く鎮火しなければなりません。ベストを尽くしていきましょう! IWJは、「まだまだ諦めないぞ」という学者の皆さん、市民の皆さんの寄稿を募集しています! ドシドシお寄せください!

※宛先はこちら!
office@iwj.co.jp

■「IWJ書店」に新しい本が追加しました!

 岩上さんが単独インタビューした有識者の方の書籍を販売している「IWJ書店」ですが、「学者の会」の呼びかけ人、間宮陽介氏のサイン入りの著書、『社会科学における善と正義:ロールズ「正義論」を越えて』が追加されています!ぜひ、IWJ書店でサイン入りの書籍をご購入ください!

【IWJ書店のラインアップ!】

・New!【井筒高雄さんサイン入り】『日本と日本人を危うくする 安保法制の落とし穴』

https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=151

・New!【間宮陽介さんサイン入り】『社会科学における善と正義:ロールズ『正義論』を越えて』

https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=153https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_

・New!【間宮陽介さんサイン入り】『市場社会の思想史―「自由」をどう解釈するか』

https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=152

・【山口二郎さんサイン入り】『徹底討論 日本の政治を変える―これまでとこれから』

https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=150

・【山口二郎さんサイン入り】『いまを生きるための政治学』

https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=149

・【森まゆみさんサイン入り】『異議あり! 新国立競技場――2020年オリンピックを市民の手に』

https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=125

■IWJスタッフ募集のお知らせ

 資金に余裕はありませんが、IWJはまだまだ人手が不足しており、スタッフを大募集しています! 特に事務系のスタッフ不足は深刻です! どうか、どうか勢いよくご応募ください!!

<一般事務および会員管理スタッフ>

 一般事務は電話やメールでの外部の方との連絡、岩上さんのスケジュールを把握してのインタビューのアポ取りや、スケジュール管理、イベント開催の準備、ファイリングやその他、諸々発生する、庶務的なことなど、IWJの活動の軸となる重要なお仕事です。

 会員管理事務のスタッフは、会員様からのお問い合わせなどの接点になりますので、人当たりのよい方(メール対応中心です!)、メールなど、PC操作に慣れている方(エクセルができるとありがたいです!)、募集しています! 募集人数はそれぞれあと1人ずつです。ぜひ、よろしくお願いします。応募条件などは、下記を御覧下さい。

◆応募条件
※「【職種1】 -事務スタッフ-」を御覧下さい。

http://bit.ly/1ALJypQ

<経理・総務スタッフ>

 IWJでは経理・総務スタッフも募集しています。現状の人員ですと、処理すべき事務量が多く、経理と総務事務をこなしきれません。現在のスタッフが悲鳴をあげており、ヘルプしてくださる方を急募いたします。IWJの屋台骨、船でいう「竜骨」ともいえる、とても大事なお仕事です!

 経理および総務の実務経験がある方、経理ならば簿記などの資格をお持ちの方を歓迎いたしますが、経理の経験がなくても、真面目、几帳面、注意力がある、数字を扱うことや計算することが苦ではない、という方、初めて経理を覚えてみたいという方でもやる気があれば大丈夫です。ご応募、お待ちしています!応募条件などは、下記を御覧下さい。

◆応募条件
※「-経理・総務スタッフ-」を御覧下さい。

http://bit.ly/1ALJypQ

 記者およびテキストスタッフも募集しています。これは「テキスト」全般に関わる仕事で、現場に出て取材をし、記事を書く、いわゆる「記者」だけにとどまりません。文字起こし、各種リサーチ、パワーポイントの作成、Twitterでの実況、原稿のリライトや注釈付けといった具合に、幅広い作業が含まれます。そのすべてを一人でこなせないといけない、というわけではありません。その人の適性や置かれた条件に合わせて、部分的に業務に携わっていただくことも可能です。

 勤務形態は、在宅でも可能ですので、地方在住でもパソコンさえあれば、テキストスタッフとしてお手伝いいただくこともできます。現に、多くの皆様に文字起こしやサマリーライターなど、様々な仕事をしていただいています。

 また、英語をはじめ、中国語、フランス語、ドイツ語など、外国語に堪能な方も募集しています。IWJは、日本国内だけでなく、情報をワールドワイドに発信していきたい、と考えています。翻訳などの能力に長けている方の応募をお待ちしています。

 また、IWJはマルチなテーマを追い続けています。だからこそ、この分野なら詳しい! このテーマはずっと追いかけてきた! といった専門分野や強みを持つ人も大歓迎です!

 一人で、全部マルチに詳しくなければならない必要はありません。IWJはそれぞれの強みを生かして分業・協力体制を敷いています。他の仕事と兼業で、という場合は、なおさら、得意分野がある方は頼りになります!

◆応募条件
※「【職種2】 -テキストスタッフ- (記者・ライター・リサーチャー・編集者etc)」を御覧下さい。

http://bit.ly/1ALJypQ

 各募集スタッフのその他の詳細の項目に関しましては、以下のページよりご確認ください。上記の応募条件は、すべて当てはまっている必要はありません。ぜひ、ふるってご応募ください!

※【 スタッフ応募フォーム 】

http://bit.ly/1ALJypQ

■わとはぷ!のコーナー ~What happened today?~

 今日は俳人・正岡子規さんのバースデーです(1867年)!

 「月並み」という言葉が「陳腐、平凡」という意味も含んだのは、正岡子規さんが、ありふれた俳句や短歌を「月並み調」と批判したことが始まりとされています。月並みは、もともと、「毎月」という意味で、和歌・連歌・俳句などを詠む月例の会は「月並みの会」と呼ばれていたそうです。「月並み調」というのは、月例会で詠まれる俳句が似たり寄ったりでつまらなかった、ということに由来しているということですね。

 「で?」と言われればそれまでですが、正岡子規に関するトリビアを語れるなんてモテポイントとしてはかなりハイレベルなスキルなので、覚えておいて損はありません。

 結核をこじらせ、34歳の若さでこの世を去った正岡子規。病に臥せつつも筆をとり、精力的に執筆活動に励んでいたそうです。

 ――と、書いたところで、IWJで東大・文学部出の平山茂樹記者がかつて、飲みの席で、「僕も高校生くらいのときには、文学に没頭しながら30歳くらいで病に臥せて、最期の時を迎えるものと思っていたのですが…」などと語っていたことを思い出しました。

 そんな文学肌の平山記者も気がつけば33歳。昨日もピンピンしてNHK抗議行動を取材していました。本人の希望とは違い、正岡子規コースは辿れなかったわけではありますが、僕にとってみればおかげさまで一緒に仕事ができているわけであり、ハッピーです。

 そして今日はそんな平山記者を筆頭に、IWJ駅伝部が港区某所でマラソンの練習をしてきます! 元外務省情報局長の孫崎享さん、元レンジャー隊員の井筒高雄さんも参加! そしてこの様子を、足の負傷で惜しくも参加できない岩上さんが中継します!

 この練習は、孫崎さんが大会委員長を務める「国際大使館フレンドリーラン」(11月8日開催)の出場へ向けたものですが、まだまだ参加者を受け付けているようですので、よろしければ、皆さんもふるってご参加ください!

※第5回 「国際大使館フレンドリーラン」詳細
http://amia.jp/friendlyrun5.html

 すみません、正岡子規さんの話題からかなり脱線しましたが、最期は正岡子規の秋を詠んだ句を数点ご紹介して、筆を置きたいと思います。

 「柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺」
 「赤とんぼ 筑波に雲も なかりけり」
 「仏壇の 柑子を落とす 鼠かな」

 どれも、景色が眼前に広がるかのような名句ですね。味わい深い。今日も1日、頑張りましょう。

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/

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