日刊IWJガイド 2015.1.21日号 ~No.861号~


■■■ 日刊IWJガイド 2015.1.21日号 ~No.861号~ ■■■
(2015.1.21 8時00分)

おはようございます。原です。

今日も1日が始まりましたが、一方的に突きつけられた72時間の猶予の中で目覚める朝というのは、なんとも気分が悪いものですね。

昨日午後14時半頃、イスラム組織「イスラム国」が、72時間以内に身代金2億ドル(約236億円)を支払わなければ、拘束している日本人2人を殺害するという犯行予告映像を公開しました。リミットは日本時間で1月23日金曜日の午後2時ごろです。人質の2人が感じている恐怖は計り知れないでしょう。

IWJはスクランブル体制をしいて、この問題を報じ続けています。

「IWJ速報アカウント(@iwj_sokuhou)」で、安倍総理がイスラエルで行った緊急会見の模様や菅官房長官の会見の模様を実況ツイートし、ここ数日内の中東歴訪中の安倍総理の動向や、イスラム国の声明を紹介。それらは1本の速報記事にまとめていますので、是非ごらんいただければと思います。

※【速報】「日本政府はイスラム国に対する戦いに2億ドルを払うという愚かな選択をした」 「イスラム国」が邦人を人質に犯行声明、236億円の支払いを要求
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/226371

そもそも「イスラム国」とは何者か。昨夜、緊急再配信した、『「イスラム国」はなぜ中東を席巻したのか “報道されない中東の真実”について、元シリア大使・国枝昌樹氏に岩上安身が聞く』をご覧いただくと、イスラム国の全貌はご理解いただけるはずです。

イスラム国は、シリアとイラクにまたがって、存在しています。そして現代のシリアについて語らせたら、国枝さんほど詳しい方はそうそういません。

元シリア大使の国枝さんは、「イスラム国」の起源が90年代のアフガニスタンにあるなど、そもそも「イスラム国とは何か」という問題から説き起こし、ヨーロッパではイスラム国へ参加する若者があとを絶たない、という実情まで紹介しています。

イスラム国とは何者かを知るには、最適のインタビューです。見逃された方は是非、お目通しください。

※「イスラム国」はなぜ中東を席巻したのか “報道されない中東の真実”について、元シリア大使・国枝昌樹氏に岩上安身が聞く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/181134

さらに、岩上さんによる、国枝さんへの再度のインタビューが、22日木曜日午前10時から決定しました! この日刊ガイドを書いている深夜1時14分にも、こうしてバタバタとインタビューが決定していきます。

国枝さんは、奥様がフランス人で、フランスに深いご縁があり、中東だけでなく、ヨーロッパの事情にも精通しているので、先日のパリ銃撃事件とその後の余波についても、お話いただけると思います。

人質の一人は、昨年8月に拘束された自称・民間軍事会社CEOの湯川遥菜さんだといいます。IWJはこのときも緊急シフトをしき、取材を重ねました。

ジャーナリスト・西谷文和氏は当時、「ISISは結構お金を持っているので、身代金というよりも、自由シリア軍と一緒に行動している兵士として、捕まえたら殺す、ということ」とIWJの電話取材に答えました。

今回、イスラム国は2億ドルという莫大なお金を要求してきましたが、「結構お金を持っている」イスラム国ですから、目的は2億ドルを得ることよりも、むしろ、安倍政権の中東政策へ圧力をかけるが狙いが強かったのではないか、とも考えられます。こうした過去の取材にも、イスラム国を紐解く鍵が散らばっていますので、参考になさってみてください。

※2014/08/18 【シリア邦人拘束事件1】内戦続くシリアで「IS」(=イスラム国)が「民間軍事会社」経営の日本人男性を拘束 ~自身のFacebookに田母神俊雄氏、自民党元県会議員らとの写真を掲載
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/162576

※2014/08/18 【シリア邦人拘束事件2】 「ほぼ処刑されているとみて間違いない」 在カブールのジャーナリスト・西谷文和氏に電話取材
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/162589

※【シリア邦人拘束事件4】犯行声明で湯川氏を「スパイ」と断定した「IS」(=イスラム国) 疑惑払拭に動かない安倍政権と田母神氏 ~明らかになる自民党関係者との「不可解」なつながり
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/162693

昨日アップした「【IWJブログ】いつの日か私たちは「シャルリ」と名づけられたドローンが、イスラム世界に爆弾を落とす日を目撃するのだろうか(菅美香子記者)」も注目いただきたいと思います。

一連のパリのテロ事件において、ユダヤ教信者向けの食料品店に立てこもったクリバリ容疑者と、イスラム国との関連性が明らかになり、欧米各国で「イスラム国」への強硬姿勢が強まっていました。そして、中東を歴訪していた安倍総理も、その戦列に足並みを揃えた、今回の人質事件は、その矢先の出来事でした。

パリのテロ事件と、その地続き上にある邦人人質事件。これをきっかけに戦争へ向かおうとする流れがあるのであれば、我々は一瞬立ち止まり、発端である「シャルリ事件」について考えなければならないかもしれません。

滅多にスタッフの原稿を褒めることがない岩上さんが「傑作」と絶賛した、IWJの秘密兵器「菅美香子記者」の渾身の記事です。

※【IWJブログ】いつの日か私たちは「シャルリ」と名づけられたドローンが、イスラム世界に爆弾を落とす日を目撃するのだろうか(菅美香子記者)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/226386

さて、本日は、岩上さんが正午頃をめどに、元防衛官僚の柳澤協二さんにご無理を言って、緊急インタビューをすることが決定しています。もちろん、今回の人質事件を軸にお話をうかがいます。日本は今後、集団的自衛権を行使し、テロとの戦争に本格的に参入するのではないか。その結果、どのような未来が待っているか、柳澤さんの見解をうかがいます。

イスラム研究の権威ともいえる板垣雄三先生には、24日(土)、岩上さんがインタビューすることが決定しています。板垣先生は昨夜、岩上さんの電話インタビューに答えました。

「ヨーロッパでイスラエルは孤立している。欧米とイスラエルにすれば、日本がしゃしゃり出てきたのはもっけの幸いでしょう。日章旗とイスラエルの旗が並んだその前で記者会見を行なうという、最悪の状況で『テロとの戦い』を宣言してしまった。これは、はめられましたね。安倍総理の決定的な政治的ミスです。一般のマスメディアは、イスラムは親日的だから、欧米の人質と違って、特別扱いしてくれるのではないか、などと言っておりますが、大間違いです」

岩上さんが2日間にまたがり、計8時間超も行った板垣先生の超ロング&ヘビーインタビューは、メルマガ『IWJ特報』で掲載いたします! 超大作です。中東の歴史は人類史なのだなと思わせる重厚さ。そしてイスラエルと、目下、凄まじい内戦下にある寒々としたウクライナが、まさかまさかと思うようなつながりを持っていることに、心底、驚かされます。世界を読み解くというのは、まさしくミステリーを読むような営みです。IWJ特報!を、是非、この機会にご購読ください!

※「はめられた」安倍総理の決定的な政治的ミス! ~イスラエル国旗と日章旗が並ぶ前で、「イスラム国との戦い」を事実上宣言
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/226436

※IWJ特報の申し込みはこちらから
http://www.mag2.com/m/0001334810.html
…(後半へ続く)

**2015.1.21 Wed.**

【Ch1】昼ごろ~「岩上安身による元内閣官房副長官補・柳澤協二氏インタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※「イスラム国」と称するグループが日本人2人を人質に取り、身代金2億ドルを72時間以内に支払わなければ殺害すると警告するビデオメッセージを出しました。これに関して、本日昼ごろ、元内閣官房副長官補・柳澤協二氏へお話をうかがう予定!詳細な時間等は再度告知致します

~関連記事はこちら~
・2014/10/05 安倍政権が掲げる集団的自衛権行使容認の後ろ盾「15事例」を柳澤協二氏が斬る ~「蓋然性が低い、現法律で対応可能」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/174618
・2014/02/05 安全保障のプロが語る、安倍「タカ派」外交の危険性~岩上安身による元内閣官房副長官補・柳澤協二氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/123724

【Ch3】14:30~「原子力規制委員会 田中俊一委員長 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=3
※原子力規制委員会の田中俊一委員長による定例会見

【Ch4】19:00~「表現の不自由展~消されたものたち 永田浩三トークイベント部分」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※1月18日から始まった、表現の不自由展。本日は、武蔵大学教授・永田浩三氏のトークイベントが行なわれる

~関連記事はこちら~
・2014/10/22 「みんなのNHK」から「安倍政権のNHK」へメティアへの政治権力の介入~元NHKプロデューサー・永田浩三氏に岩上安身が聞く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/188812
・2014/11/12 「説得する言葉を持たないけれど、権力は持っている」NHK番組改変事件でかいま見た、安倍晋三という政治家の本質 元NHKプロデューサー・永田浩三氏に岩上安身が再びインタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/205343

【会員限定配信】19:00~「岩上安身による『日本に巣喰う4つの“怪物”』著者 カレル・ヴァン・ウォルフレン氏インタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/214711
※2014年12月18日に行なわれた、「岩上安身による『日本に巣喰う4つの“怪物”』著者 カレル・ヴァン・ウォルフレン氏インタビュー」を会員限定配信。テロップをさしこみ、視聴しやすくいたしました!是非、ご視聴下さい!

~関連アーカイブ~
・2012/03/29 カレル・ヴァン・ウォルフレン教授インタビュー「日本を追い込む5つの罠」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/6966
・2010/12/11 カレル・ヴァン・ウォルフレン教授インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/711

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3,ページに表示されているパスワードを、視聴画面に入力

以上の手順で、ご視聴いただけます。ぜひ、ご覧ください。

(前半の続き)…
さらにさらに、本日は、会員限定配信として、今年の元旦に配信した、岩上さんによる、カレル・ヴァン・ウォルフレン氏のインタビューを再配信します!

2015年の開幕は、このウォルフレン氏のインタビューによって、広い視野で世界を見渡す目を涵養した、と思ったのですが、早くも日本は、激動する世界の動きに巻き込まれていきつつあります。僕らはもう一度、このインタビューを見返す必要があります!

調べれば、安倍総理は昨年9月にエジプトのシシ大統領と会談した際も、米軍による「イスラム国」掃討を目的としたシリア領内での空爆について「国際秩序全体の脅威であるイスラム国が弱体化し、壊滅につながることを期待する」と述べていました。

他方、菅官房長官は一昨日19日の記者会見で、米軍など他国軍の戦闘を支援するために、自衛隊をいつでも海外へ派遣できるようにする恒久法案を今年の通常国会に提出し、成立を目指す考えを明言していました。

菅官房長官は、「あらゆる事態に、切れ目のない対応を可能とする安全保障法制を整備することが重要」とし、自衛隊の海外派遣は、特別措置法で対応するのではなく、「将来、ニーズが発生してから新法、特措法で対応することは考えていない。(恒久法案を)通常国会へ提出すべく、与党と相談しながら精力的に作業を進めている」と語っています。

日本が「イスラム国」と真正面から戦う日がそう遠くないのかもしれない、少なくとも政府はそれを目指してきた、と考えざるを得ません。

そう考えると、安倍総理は、「はめられた」のか、わざわざ「はめられに行った」のか、わからなくなってきます。何のご縁か、イスラエルを「友人」と呼び、軍事協力を結び、そのイスラエルにおいて、テロとの戦いを宣言するというのは、何を意味するのか。全然わかっていない、とはさすがに思えない。

「安保国会」が近づいており、まさに日本人は今、帰路に立たされていると実感します。

IWJは沖縄の辺野古問題も、総力体制で報じ続けています。

岩上さんから、活動の縮小、経費削減、厳しい見通しが示されていたところでした。5000人があっという間に1割も減り、現在、約4500人。今年に入り、カンパも落ち込んでいます。人員もカットしなければならないそうです。

しかし、イスラム国の問題や辺野古問題など、問題が次々に爆発的に拡大していて、IWJが小さくまとまった上で対応しようとしても、対応しようがなくなってしまいます。やはり、IWJらしいダイナミックな動きをしていくには、少なくともこれまでの陣容を維持していかないと難しい。

どうか皆さん、IWJを応援してください。日本も分かれ道ですが、IWJも間違いなく分かれ道。よろしくお願いします。

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最後にお知らせです。22日木曜日発売の日本農業新聞に、岩上さんの二度目のコラム「万象点描」が掲載されます。一度目は、自民党がTPPで聖域など設けないという「本音」を告発し、爆発的な反響を呼びました。農家の方々など、コラムを目にされた方々は、是非拡散してください! IWJをご友人などのご紹介していただけるとありがたいです。

※【岩上安身の「ニュースのトリセツ」・加筆バージョン】JAが「殺される」理由 ~TPP参加で「聖域」の関税を守る気のない自民党と、それでも安倍政権を支えるJAの不条理(IWJウィークリー75号より)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/222188

それでは今日も1日、よろしくお願いします。

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/

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