日刊IWJガイド・非会員版「石川県能登地方を震源とする推定マグニチュードは7.6の『令和6年能登半島地震』発生! 今後2~3日は再び震度7程度の地震が発生する恐れ!」2024.1.2号~No.4112


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~石川県能登地方を震源とする推定マグニチュードは7.6の「令和6年能登半島地震」が発生! 今後2~3日は再び震度7程度の地震が発生する恐れ! 3.11以来初めて震度7の地震に見舞われた志賀原子力発電所は、大津波警報の能登半島東側に立地! 現在は、2系統のうち1系統の外部電源が受電不可能、1系統の外部電源のみ受電可能! 今後の地震、津波に加えて志賀原発の状況にも注視を!!

■IWJへの緊急支援をお願いします! 2023年12月は、28日時点で月間目標額400万円の57%でした。IWJは事実にもとづいた真実を、市民の皆さまに伝え続けます! そのためには、市民の皆さんのご支持とご支援が何よりも必要です! 1月こそ毎月の月間目標額400万円に届きますように、よろしくお願い申し上げます!

■ロシアがウクライナ全土に最大規模の一斉攻撃! ゼレンスキー大統領の「39人が死亡し、160人近くが負傷」との発表に対し、ロシア側は「民間人への被害は、ウクライナ防空部隊の迎撃ミサイル誤作動によるもの」と反論! バイデン米大統領は「プーチンはウクライナを消し去り、その国民を服従させようとしている。彼を止めなければならない」と表明するが、2022年3月の和平を壊した米英に批判する資格はあるのか!?『ニューヨーク・タイムズ』は、「プーチン大統領がウクライナでの停戦に前向き」「もはやゼレンスキー政権の退陣を求めていない」と報道!

■<IWJピックアップ集・2024年新春特設サイトのご案内>激動の2023年を振り返る! 年末年始12月29日から1月7日(予定)まで新春特設サイトを開設します!【ウクライナ編】【イスラエル編】【新型コロナウイルスとmRNAワクチン編】【安倍派等への強制捜査等(仮)】という4つの主題でIWJコンテンツを一堂に集めました! ぜひこの機会にゆっくりと御覧ください! なお、残念ながら4つ目は年内に作成が間に合っていないので、会員の方はアーカイブで御覧ください! 特設サイトにアップするのは、年明けになります!

■IWJピックアップ集・2024年新春特設サイト ウクライナ紛争は本年2023年2月に3年目に突入! 停戦か、NATO軍の参戦か!?「ロシアの弱体化」を狙ってウクライナを「捨て駒」として使ってきたあざとい米国の単独覇権の凋落が顕著に! ウクライナ軍の『反転攻勢』は失敗! 少なくとも表向き、あくまで戦争継続を望むゼレンスキー大統領とバイデン政権、しかし米国内でもウクライナ支援打ち切りが優勢に! それでもロシアを追い込むことを続けたい勢力は、次は米NATO軍をロシア軍に対して直接対決を挑ませるのか!?【ウクライナ編】

■「ワクチン」と称するmRNA脂質ナノ粒子製剤接種による死亡・健康被害の実態!! その根底にあるものと対策、民主主義・科学と医学の危機など「5つの危機」――12月発行の『岩上安身のIWJ特報!』は、11月16日収録「岩上安身による京都大学名誉教授・ワクチン問題研究会代表理事・福島雅典氏インタビュー」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行しました! ぜひ『まぐまぐ』からご登録ください!! バックナンバーの単独購入も可能です! IWJのサポート会員になれば、IWJサイトでバックナンバーをすべて読めます! ぜひ、サポート会員にご登録を!!
┗━━━━━

■はじめに~石川県能登地方を震源とする推定マグニチュードは7.6の「令和6年能登半島地震」が発生! 今後2~3日は再び震度7程度の地震が発生する恐れ! 3.11以来初めて震度7の地震に見舞われた志賀原子力発電所は、大津波警報の能登半島東側に立地! 現在は、2系統のうち1系統の外部電源が受電不可能、1系統の外部電源のみ受電可能! 今後の地震、津波に加えて志賀原発の状況にも注視を!!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 2024年は、年頭から多難な年明けとなりました。

 昨日の1月1日、午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする地震がありました。震源の深さはごく浅く、マグニチュードは7.6と推定されています。各地の震度は以下の通りです。

震度7 石川県能登地方志賀町
震度6強 石川県七尾市、輪島市、珠洲市、穴水町
震度6弱 石川県中能登町、能登町、新潟県長岡市
震度5強から5弱 新潟県、富山県、福井県、長野県、岐阜県
震度4 名古屋市
震度3 東京23区、神奈川など

※石川で震度7 津波警報が山形~兵庫北部に発表 安全な場所へ(NHK、2024年1月1日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240101/k10014305061000.html

 この地震にともなって、気象庁は1日午後4時22分、石川県能登に地震直後に大津波警報を発表しましたが、午後8時半に津波警報に切り替えました。津波警報は山形、新潟、富山、福井、兵庫各県に引き続き出ています。津波注意報は、北海道稚内から福岡県まで、即ち、日本列島の日本海側のほぼ全域に及んでいます。

 各地でこれまでに観測された津波は以下です。

石川・輪島港 1メートル20センチ
金沢 90センチ
富山、山形・酒田 80センチ

 そのほか、北海道や島根でも津波が観測されています。

 石川県によると、同県内では、輪島市で大規模な火災が発生したほか、家屋倒壊、断水、停電などが発生しています。石川県内には約260カ所の避難所が開設されました。

 林芳正官房長官は、緊急記者会見で「石川県で建物倒壊などによる生き埋めが6件発生しているとの報告を受けている」と述べました。

 総務省消防庁は、1日午後7時時点で、福井や秋田など5県で計5万1千人超に避難指示が出ていると発表しました。

 北陸電力や東北電力によると、午後7時40分時点で、石川県で約3万2600戸、新潟県で約1400戸が停電しています。

 JR東日本は、東北、上越、北陸の各新幹線の全線で運転を一時見合わせました。東北新幹線は午後4時40分ごろに運転を再開しましたが、上越、北陸各新幹線の一部区間では設備点検が必要なため、全線再開にまだ時間がかかるということです。

※石川・能登で震度7、津波警報 建物倒壊や火災も(日本経済新聞、2024年1月1日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE010PY0R00C24A1000000/

 気象庁は18時10分ごろに記者会見を開催しました。石川県能登半島を震源とする今回の地震について、「令和6年能登半島地震」と命名すると発表しました。

 今回の地震では、震度7を観測したため、今後2~3日は、再び震度7程度の地震が発生する恐れがあることから、建物の倒壊や土砂崩れの危険があるとして注意を呼び掛けています。

 震度7は、気象庁が定める10段階の震度階級で最も高く、1995年の阪神大震災で初めて記録し、2004年新潟県中越地震、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震(2度観測)、2018年の北海道地震に続いて、今回で7回目だということです。

 日本列島全体が、大地震の起きうる、活動期に入っているという、2011年の東日本大震災の際に、神戸大学の名誉教授の石橋克彦が指摘されたことを、思い出さざるをえません。石橋克彦名誉教授は、1997年の時点で、「原発震災」という言葉を生み出し、警鐘を鳴らした方です。

 こうした活動期があと何十年続くのか、大都市圏や原発への、致命的な震災や大津波が起きたらどうなるのか、真剣に懸念されます。

 気象庁は「大きな津波が観測されている。沿岸部や川沿いにいる人はすぐに安全な場所へ避難し、津波警報などが解除されるまでは、安全な場所から離れないでほしい。また、揺れの強かった地域では、家屋の倒壊や土砂災害などの危険性が高まっているため、1週間程度、特に2、3日の間は最大震度7の揺れを伴う地震に注意してほしい」と呼びかけています。

 長くゆっくりとした「長周期地震動」も観測され、石川県では午後4時10分の最初の揺れの後も、繰り返し緊急地震速報が発表され、激しい揺れを観測しています。

 「令和6年能登半島地震」で津波警報が発出された日本海沿岸部には、新潟県の柏崎刈羽原子力発電所(東京電力)のほか、石川県志賀原発(北陸電力)、福井県敦賀原発(日本原子力発電)、福井県美浜原発(関西電力)、大飯(関西電力)、高浜(関西電力)、そして廃止措置中の高速増殖原型炉もんじゅ、新型転換炉原型炉ふげんがあります。

 これらの原発のうち、志賀原発(運転停止中)は大津波警報が出された能登半島にあり、2011年の東日本大震災以降で、震度7の震災に見舞われた初の原発となりました。

 原子力規制庁は1日午後6時半ごろから臨時ブリーフィングを行い、各原発の状況について報告を行いました。各原子力発電所は「現時点で異常なし」ということですが、志賀原発については、変圧器のトラブルがあったことが報告されました。

 「発電所の状況につきましては、まず1号機の使用済み燃料プールについて、一部『スロッシング』と言いまして、地震が起きたことによって、使用済み燃料プールの水が一部、プールの外側に出るという、被水(ひすい)するような現象が確認をされております。

 また、それにともないまして、使用済み燃料プールを冷却するポンプが一時停止した、ということを確認しております。このポンプにつきましては、ちょっと、止まった時間については、正確な時間把握できておりませんけれども、16時49分に再起動したという情報が入っております。

 現時点においては1号機2号機とも、使用済み燃料プールの冷却というのは、できている状況でございます。

 それから、もうひとつ、入っている情報といたしましては、外部電源につきましては、1系統は受電できていることを確認できております。

 ただ、地震の際に、一時ですね、変圧器付近で、爆発したような音と焦げ臭いような匂いがあったという情報が入ってきております。これについては、その後、発電所の職員が現場の状況を確認いたしまして、17時半時点において火が出ていないことを確認している、という状況を確認しております。本件については、公設消防に連絡をしたということでございます。

 また、1号機起動変圧器付近で油漏れがあったということを確認しております。現時点では、この油漏れによる影響によって、機能に影響があるかどうか、という情報までは入ってきておりません。

 現時点においては、志賀原子力発電所の外部電源は、必要な電源は取れていることが確認できております」。

 志賀原発の「外部電源は1系統から受電可能」ということだが、全部で何系統あるのかという記者からの質問に対し、原子力規制庁は「27万5000ボルト系」の1系統から受電しており、もうひとつの50万ボルト系の送電線の方からは受電できていない、使えるかどうかなどについては今後調べる、と回答しました。

 記者に、火が出たのはどちらの系統かと問われ、原子力規制庁は、現段階では「そこまでの情報はない」「50万ボルト系に異常があったのかどうか、今、調査中」だと回答しました。

 津波の到達状況については、原子力規制庁は「具体的に敷地まで(津波が)上がってきたかどうかといった情報はない」と回答しました。原子力規制庁は、「大津波警報の場合、事業者の職員も無闇に外に出ないのが基本的な措置であるため」と説明しました。

※原子力規制庁臨時ブリーフィング(2024年01月01日)(NRA Japan、2024年1月1日)
https://www.youtube.com/watch?v=lPe-4aBNbhk

 今後の地震、津波の状況とあわせて、志賀原発の状況にも注視が必要です。

 しかし、それだけで事はすみません。

 IWJは、2010年12月に設立されました。会社登記した代表の岩上安身以外は、まだアルバイト数名しかいない小所帯で、会員制システムもできていませんでした。

 そんな小さなネットメディアを設立してから、そのわずか3ヶ月後の2011年3月11日に、東日本大震災が発災し、続いて福島第一原発の事故が勃発しました。

 以後、岩上安身が私財を投じつつ、数々のボランティアの方々のご助力や、ご寄付・カンパをくださる方々のご支援に支えられて、ライブストリーミングがUstreamしかない時代に、さまざまな現場中継や、有識者のインタビューなどをお届けしてきました。

 当時、SNSはツイッターのサービスが始まったばかりで、YouTubeのような動画サービスでは、中継はできず、録画のアップしかできない、そんな時代でした。

 今、ネットやSNSの環境は劇的に変わり、誰でもどこでもスマホひとつで、中継(ライブストリーミング)が可能となりましたが、当時はまだ実況中継を試みても、発熱して故障するような時代でした。

 IWJは、当時、ホームビデオとノートパソコンを組み合わせて、1人でも実況中継するスタイルを作り出し、IWJの中継は、当時、国内だけでなく、国外からも視聴されていました。

 情報環境は急激に変わりましたが、原発のリスクも、震災のリスクも、当時から何も変わっていません。

 岩上安身は、有識者にインタビューしていく過程で、原発には震災による事故リスクだけでなく、戦争によって攻撃対象になるリスクがあることに気づき、いち早く、対中国・北朝鮮との対決姿勢を強めつつあった米国と、その代理人に等しい日本政府の姿勢に、警鐘を鳴らしてきました。

 2011年当時、「原発の戦争リスク」を真剣に受け止める人は決して多くはありませんでした。まだ、日本は第二次大戦のあとの「戦後」にあって、新たな世界大戦の「戦前」の「前夜」にあると気づいていた人々は本当に少数でした。

 しかし、現代では、欧州、中東での戦禍が、単なる地域紛争では終わらず、単独覇権が揺らいでいる米国が、焦燥感から代理戦争戦略をとっていて、紛争を拡大し、長期化しようとしていることが明らかになっています。

 東アジアでも、日米安保のもと、集団的自衛権を解釈改憲で認めさせ、対中国との「代理戦争」のために、日本をウクライナのような「捨て駒」として使うリスクが、誰の目にも明確な形をとって、明らかになるようになりました。

 現にウクライナ紛争では、ザポリージャ原発が攻撃されるという危険な事態が起こりました。しかも日本を含む西側のマスメディアは、こぞって砲撃したのはロシア軍だと誤報を流し続けました。

 ロシア軍が確保して管理しているザポリージャ原発に、ロシア軍が砲撃するはずがありません。普通に考えれば、誰でもわかるようなデタラメを、しかしほぼ全マスメディアがたれ流し続け、いまだにろくに訂正もされていないのです。IWJは、一貫してこうしたデマとプロパガンダを見破り、事実にもとづいた真実を報じてきました。

 日本も、対中国、対北朝鮮との戦争に巻き込まれれば、ザポリージャ原発と同様に、全国の原発が攻撃対象となり得て、日本にはその攻撃を防ぐ手立てがまったくない、そんな悲喜劇的な現実には、日本のマスメディアは、ほとんど触れることなく、愚劣なプロパガンダに終始してきました。

 中国による台湾侵攻が引き金になろうが、何だろうが、太平洋側にも日本海側にも、ずらっと原発を並べて、何の防御の備えもない(ミサイル防衛網は、日本各地の原発に備えられていません)日本が、米軍の手先として戦争に突入すれば、「核自爆装置」である原発にミサイルを撃ち込まれるだけで、簡単に日本全体が滅亡するという現実的な危機が迫っていることから、ひたすら目を背け続けてきたのです。

 2011年から、岩上安身とIWJが、指摘してきた原発の戦争リスクは、震災リスクとともに、私達のすぐ目の前に迫っています。

 地震と津波に注意するのは当然、必要なことですが、それだけに終わらず、どんなに米国から圧力をかけられ、背中を押されようとも、原発の戦争リスクを回避すべく、戦争そのものを回避するあらゆる努力が必要です。

 IWJは、これまで通り、終始一貫した姿勢で、報道・言論活動を続けます。

■IWJへの緊急支援をお願いします! 2023年12月は、28日時点で月間目標額400万円の57%でした。IWJは事実にもとづいた真実を、市民の皆さまに伝え続けます! そのためには、市民の皆さんのご支持とご支援が何よりも必要です! 1月こそ毎月の月間目標額400万円に届きますように、よろしくお願い申し上げます!

 おはようございます。岩上安身です。

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 12月は28日までの28日間で、141件、226万500円のご寄付をいただいています。ありがとうございます!

 しかし、これは、毎月の活動費の月間目標額400万円の57%でしかありません。この状況は非常に厳しいと申し上げざるを得ません!

 年が改まったこの1月こそは、月間目標額の400万円に届きますよう、IWJへのご支援をよろしくお願いいたします!

 どうか引き続き、IWJ会員登録、YouTube登録、ご寄付・カンパ、協賛広告でIWJをご支援ください!

 前期第13期は、大変大きな赤字を出してしまいました。私、岩上安身が自身の私財の中から、赤字の月のたび、その都度、緊急でつなぎ融資を出し、その額は合計で2200万円となってしまいました。第13期のこの事態は、IWJ創業以来初めての大ピンチです。第14期も同様の事態になると、私、岩上安身1人の力で乗り越えることはもはや不可能です。

 これまでの前期1年間の累積の赤字2200万円(見方を変えると、個人岩上安身からの、会社IWJへの貸し付け)に加え、第14期スタートにあたっての銀行からの新たな借り入れ2500万円を考えると、約5000万円近い累積の債務を返済できてはおらず、危機を切り抜けたなどとはとても言えません。

 今期14期はもちろん、支出を徹底的に削ってきました。今期は、赤字を出さないだけではなく、黒字を出し、累積した債務への返済にあてていきたいと真剣に取り組んでいる最中です。

 月間目標額400万円を超えた分は、これまでに累積した債務約5000万円の返済に回したいと存じます!

 債務を少しずつでも減らしていけば、IWJが経営破綻せず、存続する道が見えてきます! ご寄付いただいた方には、心から感謝いたします! また、消費不況の影響を受け、会員数も減っています! IWJの活動のために、まだ会員登録をされていない方は、ぜひとも会員登録をお願いします!

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、会員番号は変わりませんので、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうぞ、皆さま、IWJを知人・ご友人、地域の皆さまへIWJの存在をお知らせいただき、日本だけでなく、世界にとって危機的な状況に直面している今、不都合なことをごまかす権力に対し、一切忖度しないで真実をお伝えする独立メディアIWJの存在意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!

 岩上安身拝

■ロシアがウクライナ全土に最大規模の一斉攻撃! ゼレンスキー大統領の「39人が死亡し、160人近くが負傷」との発表に対し、ロシア側は「民間人への被害は、ウクライナ防空部隊の迎撃ミサイル誤作動によるもの」と反論! バイデン米大統領は「プーチンはウクライナを消し去り、その国民を服従させようとしている。彼を止めなければならない」と表明するが、2022年3月の和平を壊した米英に批判する資格はあるのか!?『ニューヨーク・タイムズ』は、「プーチン大統領がウクライナでの停戦に前向き」「もはやゼレンスキー政権の退陣を求めていない」と報道!

 12月29日に、ロシアがウクライナ全土を一斉攻撃したと、西側の大手メディアが一斉に報じました。

 12月30日付け『BBC』は、ロシア軍が29日朝、「ウクライナの首都キーウや南部オデーサ、東部ドニプロペトロウシク、北東部ハルキウ、西部リヴィウを攻撃」し、ウクライナのゼレンスキー大統領が「39人が死亡し、160人近くが負傷したと述べた」と報じています。

 この『BBC』の記事は、ウクライナ軍の発表として、ロシア軍が「迎撃が難しい『X22』ミサイルを含む、極超音速ミサイルや巡航ミサイル、弾道ミサイルを使用した」と報じています。

 このウクライナ軍の発表によると、ロシア軍の攻撃は「ミサイルとドローン(無人機)を使った158発」で、ウクライナ空軍は、このうち「114発を撃墜したと発表」しましたが、この発表が事実かどうかはわかりません。事実ならばウクライナの防衛力を誇るべきであり、被害を強調する理由がわかりません。ウクライナ軍の報道官は「これほど多くの標的が同時に攻撃されたのはこれまでにない」と述べています。実際には、ロシア側の攻撃を防ぎきれなかったのではないでしょうか。

※ロシア軍がウクライナ各地に一斉攻撃、侵攻後最大規模 39人死亡とゼレンスキー氏(BBC、2023年12月30日)
https://www.bbc.com/japanese/67838611

 一方この『BBC』の記事は、バイデン米大統領が、ロシアによるウクライナ全土への攻撃に対し、「『この壊滅的な戦争が2年近く続いてもなお、プーチン氏の目的に変化がないことを世界にはっきりと思い出させるものだ。彼はウクライナを消し去り、その国民を服従させようとしている。彼を止めなければならない』と述べた」と報じています。

 しかし、バイデン大統領に「彼を止めなければならない」などと批判する資格があるのでしょうか。

 元外務省欧亜局長で元オランダ大使の東郷和彦氏(静岡県立大学グローバル地域センター客員教授)は、IWJが中継した12月21日のシンポジウムで、2022年3月29日に行われた、トルコのイスタンブールでの和平交渉を妨害したのは米英だと、以下のように明言しています。

 「ウクライナ戦争が始まってから間もなく2年になります。この間、1回だけ本当に停戦の可能性があった。これはご案内だと思いますけれども、去年の3月29日、イスタンブールでの交渉です。これは本当に素晴らしい交渉で、ウクライナが素晴らしい提案を出した。

 『ウクライナのNATO不参加』OKだと。それから、そのためには国際保障が必要だけど、その保障の中にロシアが入っても結構だと。

 それから、さらに領土に関しては、クリミアは、この時点では、今もそうですけども、ロシアの実効支配の下にありますから、その実効支配は変えないで話をしていきましょうと。これはロシアは完全に飲める。

 それからドンバス、これはちょっと難しいんですけど、この時点で国際法上のドンバスというものをロシアは認知していましたから、これを使った何らかの解決が目されていたようです。

 で、ほとんど合意できそうになった中で、最近出てきた話でですね、ゼレンスキーは本当に必死になってたんですね。僕はまったく知らなかったんですけど、この2週間くらい出回っている情報ですけども、この仲介をしたエルドアン、トルコ(の大統領)ですね。だけど、エルドアンだけじゃなくて、プーチンに非常に信用があったドイツのシュレーダー、それからイスラエルの元首相のベネット、この二人をですね、ウクライナが必死になって呼んできて、プーチンと手を打つような仲介をやってくれってことを頼んでたんですね。

 で、この二人は最近喋り始めた。で、ほとんど合意ができているところの中で、『待て』と、『そういう合意をしちゃいかん』と言ったのが、アメリカとそれからイギリスなんですね。

 せっかくそこまで合意ができていたものを、アメリカとイギリスが、『そんなことを今やってしまったら、プーチンの力を弱める、二度と立ち上がれないようなところまで弱めるってことは、できなくなるじゃないか』と。『だからもっと戦え』ということを言った結果、戦争が続いて、それが一番ビジブルに(目に見える形で)出てきたのは、4月の9日、ボリス・ジョンソンがウクライナに飛んで行って、それでキエフでゼレンスキーと会うんですけども、日程からいうともっとその前から、こういうメッセージはしっかり出ていたというふうに思えるんですね」。

※東郷和彦氏「一刻も早く止めるためには、アメリカがプーチンをもっとよく知らなくちゃいけない」~12.21 Ceasefire Now!今こそ停戦を~Cease All Fire Now シンポジウム3 ―登壇:伊勢崎賢治氏(元アフガン武装解除日本政府特別代表)ほか 2023.12.21
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/520481

 バイデン大統領は、プーチン大統領が「ウクライナを消し去り、その国民を服従させようとしている」と、ロシアによるウクライナ全土への空爆を非難していますが、米国はかつて、敗戦が濃厚な日本に対して、民間人(非戦闘員)を約10万人も殺害した東京大空襲をはじめ、日本各地に対して空爆を行い、日本全土を焦土化しました。誰もが知る通り、原爆を2発も落として、民間人を無差別殺戮しました。

 日本国民の犠牲者の数は、膨大な数に及びました。今回のロシアによるウクライナへの攻撃の被害とは比べものになりません。

 米国は、戦後もこの国際法違反を「戦争終結を急ぐため」だと、正当化してきました。謝罪もなければ、補償もありません。しかも米国の占領軍は、そのまま日本に残り、安保条約のもとの駐留米軍として、現在に至っています。

 日本の民間人に対する無差別殺戮を正当化する米国のそのロジックが、仮に正しいとするならば、停戦交渉をウクライナに急がせるためにロシアが空爆したことを非難できなくなるはずです。バイデン大統領の発言は、こうした米国の歴史的伝統的なロジックとも矛盾します。これは米国の典型的なダブルスタンダードです。

 米国のバイデン政権は、戦争終結のために、何の努力もしないばかりか、平和を壊した米英の罪は本当に重いと言わざるを得ません。

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

―――――――

■<IWJピックアップ集・2024年新春特設サイトのご案内>激動の2023年を振り返る! 年末年始12月29日から1月7日(予定)まで新春特設サイトを開設します!【ウクライナ編】【イスラエル編】【新型コロナウイルスとmRNAワクチン編】【安倍派等への強制捜査等(仮)】という4つの主題でIWJコンテンツを一堂に集めました! ぜひこの機会にゆっくりと御覧ください! なお、残念ながら4つ目は年内に作成が間に合っていないので、会員の方はアーカイブで御覧ください! 特設サイトにアップするのは、年明けになります!

 2年目に入ったウクライナ紛争、闇バイト強盗「ルフィ」事件、袴田巌さんの再審開始、木原誠二前官房副長官の家族のからむ疑惑事件、G7広島サミットの開催、ジャニー喜多川氏の性加害問題とジャニーズ事務所の解体、福島第一原発のトリチウム水の海洋放出開始とアジアをはじめとする世界の反発、統一教会に対する質問権の行使と解散命令請求、インボイス制度の導入、東京都下をはじめ全国の米軍基地周辺でのPFAS汚染問題、10月7日に行われたハマスの「アルアクサの大洪水作戦」と、イスラエルによるパレスチナ人の大量虐殺、政治資金をめぐる裏金疑惑…と、2023年は、国内外ともに激動の1年でした。

 そしてその激動のほとんど、特に中東問題などは、年末年始の休みもなく、年をまたいで継続しています。

 2023年を、皆さまはいかがお過ごしになられたでしょうか。どうぞ、皆さまおひとりおひとりにとって、2024年がより良い1年となりますように、祈念いたします。

 同時に、IWJの特にテキスト班としては、クリスマスもニューイヤーも戦火が途切れないイスラエルを中心とする中東の状況を、半ばお休みはとらせていただきますが、ウォッチし続けます。どうぞ、IWJにご支援をよろしくお願いします!

 IWJでは、年末年始12月29日から1月7日(予定)まで「新春特設サイト」を開設しています。激動の2023年のIWJコンテンツを【ウクライナ編】【イスラエル編】【新型コロナウイルスとmRNAワクチン編】【安倍派等への強制捜査等(仮)】という4つの主題で、皆さまにぜひみていただきたい2023年の岩上安身によるインタビューやIWJ取材・ハイライト、そして日刊IWJガイドの記事を一堂に集めました。

 それぞれ以下のリンクから御覧ください。

1)【ウクライナ編】

※IWJピックアップ集・2024年新春特設サイト ウクライナ紛争2年目、米国覇権の凋落が顕著に! ウクライナ軍の『反転攻勢』は失敗! あくまで戦争継続を望むゼレンスキー大統領とバイデン政権、次は米NATOとロシアの直接対決か?
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/520608

※日刊IWJガイド2023年総まくり【ウクライナ編】
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/520733

2)【イスラエル編】

※IWJピックアップ集・2024年新春特設サイト パレスチナ人の大量虐殺と永久追放を進めるイスラエルと、あくまでもイスラエルを支援する米国が世界的に孤立を深める!【イスラエル編】
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/520580

※日刊IWJガイド2023年総まくり【イスラエル編】
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/520743

3)【新型コロナウイルスとmRNAワクチン編】

※今こそ「リスクよりも便益が勝る」と進められたメッセンジャーRNAワクチン接種の検証を! レプリコンワクチン・パンデミック条約の危険性とは?【新型コロナウイルスとmRNAワクチン編】
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/520618

※日刊IWJガイド2023年総まくり【新型コロナウイルスとmRNAワクチン編】
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/520741

4)【安倍派等への強制捜査等(仮)】

※ウクライナ同様、日本が米国の代理戦争の捨て駒にされる、その布石か! 死の直前の故・安倍晋三元総理の発言はプーチンの論理を肯定していた!【安倍派等への強制捜査等(仮)】(仮題)

 残念ながら4つ目は年内に作成が間に合っておりません。会員の方はアーカイブで関連コンテンツを御覧ください。特設サイトにアップするのは、年明けになります!

 普段は忙しくてゆっくりインタビュー動画を見る時間がないという方も、ぜひこの機会にインタビュー全編やハイライト、日刊IWJガイドの記事などを御覧いただければと思います。

■IWJピックアップ集・2024年新春特設サイト ウクライナ紛争は本年2023年2月に3年目に突入! 停戦か、NATO軍の参戦か!?「ロシアの弱体化」を狙ってウクライナを「捨て駒」として使ってきたあざとい米国の単独覇権の凋落が顕著に! ウクライナ軍の『反転攻勢』は失敗! 少なくとも表向き、あくまで戦争継続を望むゼレンスキー大統領とバイデン政権、しかし米国内でもウクライナ支援打ち切りが優勢に! それでもロシアを追い込むことを続けたい勢力は、次は米NATO軍をロシア軍に対して直接対決を挑ませるのか!?【ウクライナ編】

 2022年2月から本格化したウクライナ紛争は、2023年、2年目に、2024年2月になれば3年目に突入します。

 2022年末から、バフムート周辺で「自軍の兵士の死体を踏み越えて前進する」とも言われた激しい攻防戦が続いていましたが、今年から1年前、昨年1月中旬にバフムート近郊の地下要塞・ソレダールが陥落し、ロシア軍側の優勢が明らかになりました。

 米国の軍事シンクタンク、ランド研究所は、昨年1月25日の時点ですでに「ウクライナでの長期戦を回避すべき」とする記事を公開、これ以上の戦争継続は米国の国益にならないと早くも警鐘を鳴らしました。

 もちろん日本政府も、日本のマスメディアも、このような警鐘に一切耳を貸すことなどなく、徹底して無視し続けて、「頑張れウクライナ」のプロパガンダをたれ流し、日本国民を「洗脳」し続けてきました。

 昨年2月、西側諸国は一斉にNATO級の戦車の供与を発表、ウクライナ軍の「春の大攻勢」への支援と期待を表明しました。

 一方で、ゼレンスキー政権では、1月下旬から3名の閣僚がヘリコプター事故で死亡。大統領補佐官オレクシー・アレストビッチ氏の辞任を皮切りに、政府高官の解任・辞任ドミノが次々と連続し、2月にはユダヤ人であるゼレンスキーを大統領に押し上げた、フィクサーであるユダヤ人オリガルヒのコロモイスキー氏に対する家宅捜索も行われウクライナ権力内部の異変が次々を起きていました。

 昨年2月8日、米国で最も著名な調査報道ジャーナリストであるシーモア・ハーシュ氏が、「ドイツとロシアを結ぶ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したのは、米国とノルウェーだった」と暴露するスクープを発表しました。

 おりしも、IWJが、ノルドストリームの建設と米国による妨害工作の歴史を紐解く検証記事シリーズを出している最中に出たスクープでした。IWJはこのハーシュ氏のスクープの全文粗訳・仮訳をいち早くお届けしました。

 岩上安身は、12月から4月にかけて、JOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)調査課長の原田大輔氏に5回連続のインタビューを行い、このノルドストリーム爆破事件の問題に取り組みました。

 原田氏は、ノルドストリーム爆破の翌日にノルウェーからデンマークを経由してポーランドに行く「バルト海パイプライン」が開通している、と指摘しました。あまりに不自然すぎるタイミングでした。

 ノルドストリームが爆破され、このバルト海パイプラインが開通した結果、ノルウェーは、2022年、欧州に対する最大の天然ガス供給国となり、EUのガス輸入需要の約3割を満たすまでになりました。

 しかし、言いかえると、ロシアが供給していた格安の天然ガスを失って、欧州は、天然ガスの需要を満たしきれずにいるのです。欧州産業経済と欧州国民の家計は、一挙に窮に陥りました。

 さらに、岩上安身は、現役の経産官僚で、経済産業研究所コンサルティングフェローである藤和彦氏にも「ノルドストリーム爆破事件」についてお話をうかがいました。

 岩上安身は、2月24日の岸田総理会見で、「ノルドストリームの爆破を行なったのは、米国のバイデン政権とノルウェーというスクープ記事が事実なら、同盟国ドイツへの重大な背信行為! 米国は誠実な同盟国なのか!? 自衛隊の指揮権まで渡していいのか!?」との質問をぶつけました。この質問に対し、岸田総理は「多くの国々が関与を明確に否定している」と、独立した国際調査を要求するロシアを無視する一方的な欧米支持の姿勢を表明しました。

 米国の言うことは無批判に信じてついてゆく、対米追従をはるかに超えた対米盲従の姿勢を示した瞬間でした。

 同時期の2月4日に、イスラエルの前首相ナフタリ・ベネット氏が、2022年3月にロシアとウクライナの間で停戦合意がほぼまとまりかけていたが、「ブチャの虐殺」によって、和平交渉が頓挫した経緯を告白しています。ウクライナ紛争勃発から1年を経て、風向きが変わり、これまで隠されていた重要な情報が出始めたのです。このベネット氏の「告白」も、IWJはその内容全文を報じています。

 ロシア軍がウクライナに侵攻してちょうど1年目となる昨年(2023年)2月24日、中国が12項目からなる本格的な停戦案を発表し、世界の注目を集めました。停戦と戦争停止、和平交渉の開始、人道的危機の解決、民間人と捕虜の保護、原子力発電所の安全性の維持、核兵器、化学兵器、生物兵器の使用停止、一方的な制裁の停止などを求めるものでした。

 ウクライナ紛争勃発から1年が経過し、欧州では、各国の国民レベルで当初の「ロシア許すまじ」「頑張れウクライナ」の「空気」の退潮が明確になり始めました。

 欧州各国では大規模な「反戦・反NATO」市民デモが起きました。ハーシュ氏によるスクープ、ベネット氏による告白、中国による停戦案の提示などとあわせて、ウクライナ紛争において掲げられてきた「ウクライナ=善、ロシア=悪」といったプロパガンダが、日本国内は別にして、もはや通用しなくなっていることは明らかでした。

 昨年3月10日、中国の仲介による、スンニ派の盟主・サウジアラビアと、シーア派の盟主・イランの歴史的な国交正常化が北京で発表されました。中東における平和と安定を保証するのはもはや米国ではない、ということを強く印象付ける「事件」でした。3月27日には、ロシアの仲介で、サウジアラビアとシリアが関係正常化で合意しました。平和と対立の克服に向けての中露の外交努力が実を結んでいく中、さらに一段と、中東における米国の支配的影響力の低下が露呈しました。

 米国の単独覇権、即ち支配的な影響力の低下は、軍事的・政治的な影響力の低下だけにとどまらず、米国の経済的な影響力の低下としても、目に見える形となって現れました。米国が、国際的な決済システムであるSWIFTを武器として対露制裁を行ったため、逆にかえって「脱ドル」化が進んだのです。

 中国は3月28日、UAE(ドバイを抱えるアラブ首長国連邦)との間での液化天然ガス(LNG)の取引で、ドルに代わって、初めて人民弊決済を行ったと発表、ブラジルは同じく3月29日、中国とのすべての二国間貿易を、ドルではなく現地通貨で決済することに中国政府と合意したと発表しました。

 さらにASEAN財務大臣と中央銀行総裁の会議は、同日の29日、米ドル、ユーロ、円、英ポンドへの依存を減らし、決済を現地通貨に移行することを議論したと報告しました。

 「脱ドル」への流れは、対露制裁で見せた米国政府の姿勢に、グローバル・サウス諸国の大半が不信感を抱いた結果でした。

 5月、ドル覇権に翳りがみえてきた米国内で、債務上限引き上げ問題から「デフォルト懸念」が浮上しました。米政府の「デフォルト懸念」はこのときは回避されましたが、9月、11月になって、ウクライナへの軍事支援を連邦議会が承認しないという形で、ウクライナ紛争の行方を揺さぶるほどの大きな問題になっていきます。

 岩上安身は、エコノミストの田代秀敏氏に、G7広島サミットと米デフォルト危機についてお話をうかがいました。田代氏は、2023年は、日本とアメリカのGDP合計が、中国1国に抜かれる「記念すべき年」になると予告し、「G7サミットはもはや世界経済について議論する場所ではなくなった」と述べました。にもかかわらず、岸田総理は、「G7」が国際社会の中心であるという、ズレにズレた世界観を、記者会見で示していました。

 田代秀敏氏は、2023年の9月と10月の岩上安身のインタビューで「米ドルの覇権崩壊は疑いようもない事実」だと述べています。

 昨年の6月4日、ウクライナ軍が東部ドネツク州の5か所で大規模な攻勢に出たというロシア国防省の発表から、遅れに遅れていたウクライナの「反転攻勢」が始まったことが明らかになりました。6月6日には、「カホフカ・ダム爆破事件」が起きました。

 6月23日、「プリゴジンの乱」が起き、民間軍事会社ワグネルの創設者であるエフゲニー・プリゴジン氏が、ワグネルの兵士らを率いてモスクワを目指したが、25日には撤退した。プリゴジン氏は、8月23日、自家用ジェットの墜落によって死亡したことがDNA鑑定で確認されました。

 『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、12月22日付けで、プリゴジン氏のジェット機に、プーチン大統領の最側近・パトルシェフ安全保障会議書記の指示で、小型爆弾が仕掛けられていた、と報じています。ロシア大統領府のペスコフ報道官は、『ウォール・ストリート・ジャーナル』のこの報道を「安っぽい小説」と、否定しています。

 英国と米国は、劣化ウラン弾の供給とクラスター弾など、NATO諸国でさえ反発するような非人道的兵器のウクライナへの供給に踏み切りました。

 『フォーリン・アフェアーズ』7月・8月号に、「勝ち目のない戦争――ワシントンはウクライナで終戦を迎える必要がある」が掲載され、このウクライナ紛争は「ミッション・インポッシブル(遂行不可能な任務)」だという指摘がなされました。

 元外務省国際情報局長である孫崎享氏は、6月28日に行われた岩上安身によるインタビューの中で「ウクライナ紛争というのは、本当に、米国覇権の終わりの始まり、その通りだと思います」と述べました。

 ジャーナリストの高野孟氏は、7月3日に「ちょっと認知のあやしい老大国アメリカを、世界中でどうやってうまく、暴れないようにするか、介護するかということが、実は今、世界の平和の中心課題」だと、岩上安身によるインタビューで述べています。

 8月になると、ウクライナ軍側の損耗が著しく、西側諸国が供与した兵器や装備が次々に破壊され、負傷兵で病院があふれている、といった報道が、グローバル・サウスの国々では増えるようになりました。もはや、ウクライナ軍の劣勢は明白となっていました。

 8月22日から24日にかけて南アフリカのヨハネスブルグで開催されたBRICS首脳会議では、新たに、アルゼンチン、エジプト、イラン、エチオピア、アラブ首長国連邦、サウジアラビアの6ヶ国が、BRICSに正式加盟することが決まりました(その後、政権交代したアルゼンチンは、12月30日に加盟しないことを表明)。

 その5ヶ国のほかにも、40ヶ国以上がBRICSへの参加を希望しているとも報じられました。

 「G7」を置き去りにするBRICS、グローバル・サウスの勢いは、他ならぬウクライナを「捨て駒」として使って「ロシア弱体化」を図った、卑劣な米国の謀略と「代理戦争」の敗北がもたらしたものだといえるでしょう。

 放送大学名誉教授・高橋和夫氏は、7月13日の岩上安身によるインタビューで「もう、(米国の)覇権が弱まっていることは確かだし、『世の中は、アメリカの都合で回っているべきではないし、回ってはいない』ということを、みんなひしひしと感じてますよね」と述べた。

 9月に入ると、西側メディアでもウクライナ軍の劣勢を隠さなくなっていきます。ただただ日本のマスメディアだけが、ずるずるとこれまで通りのプロパガンダを、惰性で続けていきました。「世界最低・最悪の記者クラブ制度」を自ら示し続けたといえます。

 ゼレンスキー大統領は、ワシントンを訪れて米国連邦議会に支援を求めましたが、9月30日にデフォルト寸前で承認された「つなぎ予算案」にも、11月25日に承認された「つなぎ予算案」にも、バイデン政権が議会に要請した600億ドルのウクライナ支援は盛り込まれませんでした。

 11月1日付け英『エコノミスト』に、ウクライナ軍のザルジニー総司令官が「現代の陣地型戦争とその勝ち方」と題する論文を寄稿し、「戦争の長期化はロシアの有利になる」と明確に論じました。ザルジニー総司令官は、戦争は膠着状態にあり、ロシアの動員可能な人的資源はウクライナのほぼ3倍であり、膠着状態が続けばウクライナ軍は敗北するだろうと、はっきりとウクライナ側の劣勢を認めました。IWJは、このザルジニー総司令官の論文の内容も、仮訳・粗訳して報じました。

 岩上安身は、8月、9月、11月と安全保障・国際関係論の専門家である、桃山学院大学法学部の松村昌廣教授に連続してインタビューを行いました。

 松村教授は、米国は「ロシア弱体化・孤立化」を看板にして、実は「米国の同盟国である欧州各国の弱体化」を進めている、潜在的に自分の競争相手となりうる欧州と日本などの「同盟国」の力を削ぐという目的を隠し持っている、米国の覇権は外部要因よりも「自壊」という形で崩壊するだろう、と重要な指摘を行いました。

 その見立てが仮に正しいと考えると、ノルドストリームを爆破したのが米国であるというハーシュ氏の指摘は正しく、ロシアだけでなく、ドイツと欧州にも大損害を与えたのは、米国の故意の謀略である、ということになり、すべて辻褄があいます。

 ウクライナ紛争2年目となった2023年も岩上安身とIWJは、岩上安身によるインタビュー、そしてIWJの取材活動、号外や日刊IWJガイドで、ウクライナ紛争の実相を追い続けてきました。2024年も追い続けます。追い続けなければならない理由があるからです。

 ウクライナ紛争は、決して単なる地域紛争などではありません。落日の覇権国・米国が、必死の悪あがきをして欧州・日本などの従属国を動員し、搾取し、その結果、ロシアだけではなく、その背後にある世界人口の4分の3を占めるグローバル・サウスの国々に、成長の機会と「米国離れ」「脱ドル」の動きを加速させてしまったのです。

 これは、政治・経済的な第3次世界大戦なのです。ロシアは決して孤立していません。その事実を直視しない岸田政権や、日本のマスメディアへの信頼は、地に堕ちました。

 このウクライナ紛争と米国の覇権崩壊に関連するコンテンツを一堂に集め、2024年新春特設サイトとして、年末年始12月29日から1月7日(予定)まで開設します。ぜひ、この機会に御覧になってください。

■「ワクチン」と称するmRNA脂質ナノ粒子製剤接種による死亡・健康被害の実態!! その根底にあるものと対策、民主主義・科学と医学の危機など「5つの危機」――12月発行の『岩上安身のIWJ特報!』は、11月16日収録「岩上安身による京都大学名誉教授・ワクチン問題研究会代表理事・福島雅典氏インタビュー」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行しました! ぜひ『まぐまぐ』からご登録ください!! バックナンバーの単独購入も可能です! IWJのサポート会員になれば、IWJサイトでバックナンバーをすべて読めます! ぜひ、サポート会員にご登録を!!

 IWJでは、メルマガサイト『まぐまぐ』で、『岩上安身によるインタビュー』をテキスト化し、詳細な注釈をつけて「岩上安身のIWJ特報!』として、毎月発行しています。

 12月発行分の『岩上安身のIWJ特報!』は、11月16日に収録した、「岩上安身による京都大学名誉教授・ワクチン問題研究会代表理事・福島雅典氏インタビュー」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行しました。

 2023年5月8日、新型コロナウイルス感染症は、感染症法の分類で季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられました。これに伴い、国が行ってきた感染者数の全数把握は終了し、「マスク、うがい、消毒、3密回避」への人々の意識も急速に緩んでいき、世の中は「コロナ前」に戻ったかのような「空気」が広がりました。

 振り返ると、日本で最初の感染者が確認されたのが2020年1月。感染力が強い未知のウイルスで有効な治療薬もない。この時は、結核やSARSと同じ危険度の「2類相当」に指定されました。コロナ禍の始まりです。

 医療現場をはじめ、人々の生活全般が大混乱に見舞われ、志村けんさんや岡江久美子さんなど、感染した著名人の訃報も相次ぎました。政府は緊急事態宣言を出し、街から人の姿が消えました。そんな中、唯一の光明のように「感染しても重症化を防ぐ」というワクチンが登場しました。

 2021年1月、菅義偉総理(当時)は、河野太郎行政改革担当大臣をワクチン接種推進担当大臣に任命し、自衛隊を使ったワクチンの大規模接種を実施しました。自治体や企業単位の接種も始まり、メディアはこれを大きく喧伝、人々はワクチン予約に殺到しました。

 しかし、国民がワクチン接種を義務や救いのように思い込み、2回、3回と回数を重ねていくうちに、接種後に身体の異変を訴える人が増えてきました。その症状は多岐にわたり、死亡例も少なくありません。いわゆる「コロナワクチン後遺症」と呼ばれるものですが、医療機関を受診しても「ワクチンとの因果関係は不明」とされることも多く、患者は途方に暮れているのが現状です。

 「ああ、バカなことやってる。こんなことやってたら死ぬに決まってる」。

 そう話すのは、世界的に知られる医学事典『MSDマニュアル』日本版の総監修を務めた、京都大学名誉教授の福島雅典氏です。

 福島氏は2023年11月16日、名古屋で岩上安身のインタビューに応じ、薬剤疫学の専門家の視点から新型コロナのmRNAワクチンの問題について、警鐘を鳴らしました。

 過去の薬害に詳しい福島氏は、このワクチン後遺症の原因究明、治療法の開発を目指して、同じ問題意識を持つ医師や研究者らと共同でワクチン問題研究会を立ち上げ、代表理事を務めています。

※「『リスクよりも利益が勝る』と厚労省はずっと言ってきた。じゃあ、その『利益』とは何なのか」レプリコンワクチンの接種が迫る中、私たち日本人がなすべきことは?~9.7「一般社団法人ワクチン問題研究会」設立に関する記者会見 ―内容:会の設立とその経緯 2023.9.7
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/518359

 ファイザーやモデルナが開発した新型コロナワクチンは、メッセンジャーRNA(mRNA)を使って、人工的に合成したウイルスの遺伝情報を体内に入れて抗体を作るものです。しかし、メッセンジャーRNAはヒトに投与すると異物と認識されて炎症反応を引き起こします。そのため、医薬品に使うには難しいとされていました。

 しかし、米国の研究者2人が2005年に炎症を抑える方法を発表しており、それを使って新型コロナワクチンの開発は急速に進みました。2人の研究者はパンデミックの収束に貢献したとして、2023年のノーベル生理学・医学賞を受けています。

 福島氏によると、メッセンジャーRNAの分解酵素は強力で、生体にさまざまな悪さをするため、本来、すぐ壊れるようになっているとのこと。その、壊れなくてはいけないものを、壊れないようにしてワクチンを作ったため、多くの弊害が現れているのだと説明しました。

※「ノーベル賞を取っても被害をなかったことにするわけにはいかない」コロナワクチンの問題指摘する専門家に聞いた(2023年10月3日、CBC news)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/cbc/757044?display=1

 岩上安身は高血圧や狭心症などの既往症があるため、新型コロナのワクチン接種を医師に勧められ、4回接種したところで、その後、後遺症のためか1ヶ月間、全身の痛みで起き上がれないなど、体調を崩しました。5月の収束宣言のあと、新型コロナにも罹患してしまいました。

 それを聞いた福島氏は、「このワクチンを打った人は免疫能力が下がる。4回打ったら、そのあと感染しやすくなるし、どういう病気が起きてもおかしくない。一番起きやすいのは自己免疫疾患的なもの。それから内分泌系が起きやすい。学会報告もちゃんとされているけれど、まだ、本当に氷山の一角ですよ」と語りました。

 その上で、どんな薬も生体にとっては異物、必ず副反応があるのでリスクを重視するべきだと説き、「儲けたいとか、政策としてやってるところは、リスクを議論せずに『効く効く』と言いたくてしょうがないわけ。だけど、実際にこういう被害が出ていて、その人たち(後遺症の患者)に『そんなことはないんだ』って、うそぶいておれるっていうのは、人間性に問題があると思うよ」と痛烈に批判しました。

 多忙な福島氏は、基本的にメディアの単独インタビューをほとんど受けません。しかし、IWJのコンテンツ、過去の岩上安身によるインタビュー出演者のラインナップに共感されたということで、今回、特別にインタビューを受けていただきました。非常に希少価値のあるインタビューとなりました。

 以下、12月発行の『岩上安身のIWJ特報!』の目次です。IWJ会員ではない方も、ぜひご購読ください。

(第627号の目次)
◆かつて京大の薬剤疫学講座を立ち上げた福島氏、新型コロナワクチンについて歯がゆい思いを吐露!「医者は、自分が投与した薬に責任があるんですよ」
◆もともと、薬は毒。今の西洋医学が作り出した薬にはリスキーなものがたくさんある。きちんと警告しないと薬害は頻発する!

(第628号の目次)
◆インフォームド・コンセントがなかった時代、新しい抗がん剤を1人の患者さんに次々と試していた医療現場。「これ、人体実験だよねって…」
◆国家を定義するのは「国民、国土、主権」の3つ。国民の健康は安全保障の最たるもの。それを守れないで国家と言えるのか?
◆「日本では世界に通用しない抗がん剤が年間800億円も使われている」と告発し、医師会が反対したインフォームド・コンセントの法制化を国に進言!
◆「黙っていたら、世の中が良くなるわけがない」。歴代の厚労大臣に建白書を提出、筋道を立てて物申してきた福島氏の足跡

(第629号の目次)
◆国をあげての新型コロナワクチンの奨励は「利益がリスクに勝る」から!? 拙速なワクチン接種開始を見て、すぐに「これは重大なことが起こる」と確信!
◆新しい医薬品の開発をする以上、そのリスクについては責任を持って明らかにしておかないといけない!
◆未熟な医者は次々と投薬し、副作用が起きたら、それにも薬を出す悪循環に。「薬をもらえればいいという患者もいるが、そういうもんじゃないんです」
◆生体にとって、薬というものは常に異物。副作用のない薬はない。ワクチン接種後の体調不良を「気のせいでしょう」と言う医者は不届きだ!
◆物事をあるがままに見るのは難しい。人は「こうあってほしい」と願うから「薬は良いもの、ワクチンは病気予防に必要」と刷り込まれてしまう

 『岩上安身のIWJ特報!』は、まぐまぐ大賞2022のジャーナリズム部門で1位になりました!

 まぐまぐ大賞2022は、2022年にもっとも輝いたメルマガを読者投票とまぐまぐ審査で選出するものです。

 『岩上安身のIWJ特報!』は、2021年の「まぐまぐ大賞2021」のジャーナリズム部門でも第2位に選ばれており、2022年にはついに1位を獲得しました。

※まぐまぐ大賞2022部門別賞
https://www.mag2.com/events/mag2year/2022/list.html?cid=journalism&aid=77

※「岩上安身のIWJ特報!」ご購読はこちらから(月額税込880円、初月無料)
https://www.mag2.com/m/0001334810

 岩上安身による京都大学名誉教授・ワクチン問題研究会代表理事・福島雅典氏インタビューの動画は、以下のURLから御覧ください。

※「ワクチン」と称するmRNA脂質ナノ粒子製剤接種による死亡・健康被害の実態!! その根底にあるものと対策、民主主義・科学と医学の危機など「5つの危機~岩上安身によるインタビュー第1133回 ゲスト 京都大学名誉教授・ワクチン問題研究会代表理事・福島雅典氏 2023.12.7
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519765

― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ―

 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240102

IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵)

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト【 https://iwj.co.jp/
公式X(旧ツイッター)アカウント【 https://twitter.com/iwakami_staff