東京電力 記者会見 17:30 2013.8.28

記事公開日:2013.8.28取材地: テキスト動画
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 2013年8月28日17時30分から東京電力本店で定例記者会見が行われた。タンクから水移送作業を行なっていた協力企業作業者が、頭部、顔面、胸部に身体汚染、拭き取り後、頭部に5000cpmを確認した。WBCは後日受検予定。タンクパトロール強化策説明。

■全編動画

  • 日時 2013年8月28日(水)17:30~
  • 場所 東京電力本店(東京都千代田区)

冒頭説明、作業者汚染またも発生

 作業者に身体汚染が発生した。高濃度汚染水が漏洩したH4エリアタンクに関して、漏洩低減のため水移送を行っている。水移送作業の一貫としてポンプの回収作業を行っていた協力企業社の、頭部、顔面、胸部に身体汚染が確認されたと発表。汚染箇所の拭きとり、鼻腔、口腔スミヤで汚染はないが、頭部に5000cpmの汚染を確認したため、後日ホールボディカウンターを受検する予定。

 建屋近傍の地下水位上昇を抑制するため、集水ピットやウェルポイントから地下水を汲み上げ立坑C等へ移送している。集水ピットは8月9日から、ウェルポイントは8月15日からくみ上げ、移送しているが、移送開始後、本日8月28日の16時現在移送総量は981トンだと発表した。

 四半期に一回行っている、4号機建屋の健全性確認のための定期点結果(第6回目)が発表された。前回までと同様、水位による水平確認、外壁面測定、ひびの目視確認、シュミットハンマーによるコンクリート強度試験を行ったが、いずれも問題ないと発表した。社外専門家による、点検の立会結果の確認結果「鉄筋コンクリート構造物は実耐力が大きく、測定者の被曝低減の面からも、年一度程度の測定間隔で充分」というコメントを受けたと発表した。
 また、4号機建屋には水素爆発の影響で鉄骨が露出している箇所があるが、劣化防止の対策としてモルタルを吹き付けていると発表した。

 昨日8月27日に行われた、原子力規制庁の汚染水対策ワーキンググループ(第3回)で、東電が説明した資料を配布、概要を説明した。

タンクのパトロール実績、改善方針は実現性に疑問

 質疑応答では、H4エリアタンクの汚染水漏洩に関して、現状のタンクのパトロール実績、改善方針に質問が集まった。

 フランジ型のタンクは、過去に接合面からの染み出し漏洩が発生しており、その発見対策としてパトロールを行っている。その方法について不備があり、規制庁が何度も指導をしている。どのような指導なのかを記者が質問すると、東電は「いろいろな場面である。昨日の汚染水対策検討ワーキンググループ(以降WG)ではチェックリストでチェックしてないという指摘あった。いまちょっと指摘について確認している」と回答した。

 現状のパトロール時間について、具体的な所要時間を記者が質問したところ、「午前は3~3.5時間ぐらい、その内タンクは2時間。午後はタンクのみ2時間」と東電は回答した。

 タンクエリアはタイベック着用が必要であり、タイベックを着て一日に2回、各2~3.5時間かけて徒歩で点検して回るということになる。

 現状では9名のチームが交代でパトロールしているが、体制と強化するため、増員して60名体制にするという。どのように増員するのか記者が質問すると、東電は「柏崎刈羽から既に10名増員している。これから全社から順次増強する」と回答した。具体的なスケジュール感のある回答はなかった。

 現状、1日に2回行っているパトロールと、1日4回の目視、1日2回の線量測定、1日1回水位確認に増強するという。

 増強するのは良いが、ここまで頻度を上げる必要があるかは疑問である。しかも目視確認は24時にも行うと説明、夜中に目視できるのだろうか。過去の染み出し漏洩の対策としても、作業者の被曝低減や記録性からも、センサーや監視カメラなどを利用し常時監視すると報告していた。報告書に書いて提出しただけだったということになる。

作業者のAPDデータ、被曝量から状態が判明

 H4エリアタンクからの漏洩が、いつから始まっていたかが問われている。タンクパトロール作業者のAPDデータを解析したところ、6月までは4mSvで変化ないが、7月に6~7mSvと高くなる時間があることがわかった。その時から漏洩した可能性があるという。
 モニタリングポスト等、固定的な線量観測は行っていないと東電は説明した。

今後の汚染水対策

 これまでの会見などで汚染水対策として、社外、国内外の専門家の叡智を集めると説明している。どんな専門家をどれくらい集めるのか、枠組みなど決まっているかと、記者が質問すると「土木、地下水の専門家であったり、タンクのプロジェクト管理に長けたエンジニアとかあるが、何人という規模はまだで、人選もまだ」と回答した。

 陸側遮水壁や、凍土式遮水壁についても、維持に多量の電力が必要と予想される。どの程度本気でやるのかと記者が質問すると、「今年の5月31日の検討会で政府もこれでやっていくんだ、と決意しており、実施していくことになる。作る技術はこれから検証するので、もう少し時間がかかる。作成時や、維持にどれぐらい電気が必要か、回答する材料をもっていない。今後検討、検証して決まるだろう」と東電は回答した。


以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

2013年8月28日

2013年8月27日

プレスリリース

2013年8月28日

報道関係各位一斉メール

2013年8月27日

参考

東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について

福島第一

データ集

写真・動画集

その他

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