「事故以前から日常的に行われていたトリチウムの海洋放出」東電会見文字起こし 2013.8.7

記事公開日:2013.8.7 テキスト
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「事故以前から日常的に行われていたトリチウムの海洋放出」東電会見

 今月2日、東電は地下汚染水の海洋流出問題をめぐり、2011年5月からの2年2ヶ月間で、40兆ベクレルにも達するトリチウムが、海に流出していたという試算を発表した。

 これをどのように評価しているのか、この日開かれた定例会見で記者からの質問が相次いだ。

 以下、きーこ(twitterアカウント @kiiko_chan)さんが、自身のブログに同会見の文字起こしを掲載しているので、一部文字を修正し、ここに転載する。


 (※きーこさんブログ「みんな楽しくHappy♡がいい♪」

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松井(テレビ朝日):
いま大変データが少ない中で試算量を出さなければいけないという苦しさはよく分かったんですが、
いま尾野さんがおっしゃった2011年5月から、2013年7月までの
一応、一番保守的に見た、出たとされるトリチウムの量を
10の何乗オーダーと言われてもちょっと分からないので、
なんとか億とかですね、そういった数値で改めて教えてほしいのと、
その数字というのは、もともとの既定の何倍だとか、どこに収まっているとか、
まずそこのところを教えて下さい。

尾野(東電):
はい・・・えっと10の13乗ですと、
ちょっと確認して回答させていただきます。
(イチ、ジュウ、ヒャク、セン、マン、・・・・計算中)

黒田(東電):100兆

尾野:
100兆?
えっと、100兆のオーダーですね。
100兆ベクレルのオーダーかと思います。
それから、確かにこういった数字をなにかと比べるというのはなかなか難しいんですけれども、
57ページの下の方に「参考」という事でちょっと書かせていただいたんですが、
福島第一の平常時。通常運転時の年間トリチウム放出量の目安というのが、
2.2×10の13乗という事ですので、13乗のオーダーというのはその位だという事でございます。

ん?
あ、ごめんなさい10兆です。すみません桁を間違えました。
13乗というのは10兆です。10兆のオーダーです。

松井:
オーダーとかそうではなくて、ベクレルを付けて、年間とか、積算で何年間とか、
ちょっとそういう言い方で教えていただけませんか、すみませんが。

尾野:
はい、そういう事で申し上げますと、
仮に2011年の5月から今年の7月までの枠で積算を(…これは保守的な仮定ですが)行ったとすると、
10兆ベクレルのオーダーということになります。

これは、福島第一原子力発電所の平常時のトリチウム放出量というものが、
やはり年間で10兆オーダーという事ですので、
ほぼそれと同程度レベルの放出量という事になります。

松井:
そうすると、年間でそうですから、今回は2年以上かかっている訳ですから、
年間の割合ですると半分以下というオーダー?

尾野:そうですね。オーダー感としてはそのようなオーダー感になります。

松井:
ちなみにこの3.7×10の12乗×6基というんですが、
これはそれぞれ出量が全く違うんですが単純に6でよろしいんですか?

尾野:
はい、これは過去のプラントの運転経験等々から出しているものでございまして、
現状、実力としてのプラントの実力値というものは違いがございますが、
管理放出の目安として、6基分という事でこのような計算をしてございます。

TBS:
TBSのおざわと申します。
トリチウムなんですけど、これ、平時でもこれだけ出ているんですか?
それとも基準はこうであるけれども、ほとんど出ているとか出ていないとか、
基準がこうだから平時でも出ていると、それはどういうこトで、出てもいい事になっているんですか?

尾野:
まず、これは保安規定に示されている、要は上限の目安値という事でございます。
ですので、実際のプラントの運転時、通常運転時の実力という事で言いますと、
大体その1オーダー下ぐらい(10兆ベクレル/年の1オーダー下=1兆ベクレル/年)
というような所かと思います。
定検等が沢山あるタイミングと、定検が無い年度とで変わってまいりますが、
大体10分の1から、定検の少ない年度であれば、その100分の1のオーダーという事ということで、
1オーダー下から、2オーダー下というのが実力値かと思っております。

で、こちらにつきましては、
通常の発電所の運営の中で、どうしても放出されてしまうものというのがございますので、
これにつきましては法令等々に基づく管理をしていくという事になっている訳でございますけど、
トリチウムにつきましては法令の上限という事は御座いませんけれども、
過去のプラントの運転経験などから、通常運転している時のトリチウムの放出量という事の目安から、
大体各プラントこれくらいという上限目標を設定して、
それを超えないように運転しているというのが通常の状態でございます。

TBS:定期検査の少ない時が少ないという事は、定検の時に出るという事ですか?

尾野:
そうです。
定期検査のようなところで、炉内の水の処理、交換等々を行っていきますと、
処理された水の側にトリチウムが残りますので、そうしたことで増減があります。

TBS:となると、トリチウムをそんなに問題視する必要はあるんですか?

尾野:
これはですね、私どもは管理されている放出と管理されていない放出というのを、
明確に概念として区分けしておりまして、
ようは、我々がしっかりと管理して、どれだけ出している、どういうふうに出している、安全をちゃんと確認したうえで放出している、という管理できている状態と、

それから今のように全く我々の管理が及ばない形で出ているというものについては、
考え方としては分けてございます。
従いまして、いまの状態は決していい状態というふうには思ってございません。

TBS:
ただ、量としては基準と同等という事なんですよね?
たとえば、これを強調すると漁民の方が不安に思ったりですね、
だからどちらかというと、たとえば全ベータとかセシウムとかそっちの方が大事な気がするんですけど
その通りですか?

尾野:
えっと、そうですね、なにを持って
その、何乗というオーダー感をイメージするかということでいいますと、
トリチウムに関して言えば、今申し上げた通り、
平常の状態な時と極端に変わっているわけではないというふうにご理解いただいても良い状況だと思いますけれども、セシウムであったりあるいはストロンチウムであったりというものにつきましては、
やはりあの、よく見ていく必要があるというふうに思っておりまして、
ただ、土の中での拡散性という所では、トリチウムとは相当違っておりますので、
そういう事を見てまいりますと、単純にトリチウムと同じような評価をしていくことが難しい、
現実的に難しいという事がございますので、
ここは専門家の意見を踏まえて、ちょうどこういった事の専門の委員会なども立ち上がってきましたので、
よくご指導を受けながら評価をしていきたいと思っております。

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