2012年12月3日(月)、福島県いわき市の、いわき放射能市民測定室たらちねで、「第1回いわき市民の対話の会」が行われた。いわき市の放射能汚染を取り巻く現状や、子育ての悩みなどについて話し合いが行われた。
※対話の会途中からの映像となっております。また、カメラの操作画面が表示され、お見苦しい映像となっております。何卒ご了承ください。
(IWJテキストスタッフ・荒瀬/奥松)
2012年12月3日(月)、福島県いわき市の、いわき放射能市民測定室たらちねで、「第1回いわき市民の対話の会」が行われた。いわき市の放射能汚染を取り巻く現状や、子育ての悩みなどについて話し合いが行われた。
※対話の会途中からの映像となっております。また、カメラの操作画面が表示され、お見苦しい映像となっております。何卒ご了承ください。
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「ここで生きることは、毎日が命の選択だ。娘には『親の身勝手でここにいる』と言われ、何も言えなかった」と高校生の娘を持つ母親は話した。
「去年、小学校の遠足で磐梯山に登った子供が、『湧き水を飲んでおいしかった』と作文に書いた。できる範囲で家庭での防護をしても、学校が始まってから一事が万事こんな感じ。子供の被曝に気をつけると、のびのびと子供を育てる環境ではなくなってしまうが、プルトニウムがある運動場で体育をすることが、子供にとっていいことなのか」と別の母親は語った。
一時避難をした北海道の病院で、子供が甲状腺の検査を受けた母親は、「のう胞が散らばっている状態で、最大3.2mmののう胞があった。結節はなく、医者には大丈夫だと言われた。いわき市の病院でも検査を受けたが、おそまつな診断で、結果も公表しない」と話した。
いわき市の現状に対し、「放射能汚染の被害を認めるか、認めないか、のところで揺らいでいる。教育委員会の対応も、各家庭での考え方が違うため、『給食も屋外活動も、させたい親がいることを、ご理解ください』と言われてしまう。子供を守るということを軸に、教育現場が考えられていないことが問題だ。親個人の選択肢にゆだねっぱなしで、子供たちは厳しい状況におかれている」という意見も出された。
また、「いわきには、原発事故で避難してきた人たち、津波の被害にあった人たちがいて、『戻れない』『戻れたら戻りたい』『戻らない』と、人によって状況や考え方が違う。それが、いわきを、より複雑にしている」と話す人もいた。
「さまざまな立場の人がいる中で、地域を分断させないように話し合うなど、本音を出せる場をつくりたい」「本当は不安でも、声を出せる人は少ない。ひとりで悩んでしまうのではなく、少しでも声を挙げられる場が必要だ」という意見も出て、現状を改善していくための、率直な話し合いの場となった。