【東京都知事選】「文春」記事で渦中の鳥越俊太郎氏が報道陣にコメント「事実無根。法的手段を取ることがまずは第一」~岩上安身は7月15日の時点で鳥越氏本人に「疑惑」の真偽を直撃していた! 2016.7.21

記事公開日:2016.7.21 テキスト動画
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(取材:阿部洋地・平山茂樹、記事:平山茂樹)

 「鳥越俊太郎都知事候補に『女子大生淫行』疑惑」――

 7月21日発売の「週刊文春」が、東京都知事選に立候補している鳥越俊太郎氏に関する「スキャンダル」を報じた。

 記事によれば、2002年の夏、鳥越氏は当時大学2年生だった女子学生・Aさんを富士山麓の別荘に誘い、抵抗するAさんに対して「強引に」キスを迫ったという。

 記事は、Aさんの夫であるという永井一晃(仮名・30代後半)氏という男性の証言を中心に構成されており、鳥越氏からA子さんに「これを公表したら自殺する」というメールが送られてきたことや、3人で面会をした際、鳥越氏が「だから、そういうことをまわりに話すと不幸になると言っただろ」と発言したことなどが紹介されている。

▲「週刊文春」の紙面

▲「週刊文春」の紙面

 鳥越氏はこの記事について、7月21日、報道陣に対して「事実無根であり、選挙妨害だ」と反論。午前10時40分づけで、東京地検に対し、名誉毀損と公職選挙法違反の疑いで「週刊文春」の辣腕編集者・新谷学氏に対する告訴状を提出した。

■鳥越氏の弁護団から報道陣に届いたFAX(pdf)

 スクープを連発してきた新谷学編集長は、表に出ることはほとんどなかったが、先日、参院選で自民党から出馬し、当選を果たした元榮太一郎(もとえたいちろう)弁護士が社長を務める弁護士ドットコムのインタビューに登場している。

 その記事で「訴訟対策にはどう取り組んでいるんですか?」との質問に新谷は次のように述べている。

「おそらく読者のみなさんが思っているよりも、しっかり証拠固めをしていると思います。噂レベル、推測レベルで書くようなことは決してせず、事実であることの裏付けや、事実と信じるに足りる『相当の理由』を入念に調べています。

 週刊文春に書いてあることは事実だ、と読者の皆さんに信頼していただけるよう努力を続けています。それこそが、週刊文春が今後もメディアとして存続するうえでの生命線だからです」

 しかし今回の記事に関しては、十分な証言や証拠を掲載するにはいたっているとはいえず、そのため事実だと読者が信頼するような記事にいたったとは言えないのではないだろうか。

鳥越氏「弁護士に一任している」~「疑惑」の真偽に関してはコメントせず

 今回の「週刊文春」の記事に関しては記者会見を行わない、としている鳥越氏だが、7月21日(木)17時からJR中野駅で行われた街頭演説の後、囲み取材に応じた。多くの報道陣が詰めかけ、中野駅前は一時騒然とした状態となった。

■鳥越氏に対する囲み取材の様子(YouTube)

――一部週刊誌の報道について、コメントをお願いいたします。

鳥越氏「『週刊文春』の記事の件についてですが、これはまったく事実無根でございますので、今日午前中に、私の法的代理人の弁護士の方が、東京地検に告訴状を提出しましたので、私は、弁護士の方に一任をいたしております。それ以上のことを言うつもりはありません。以上です」

――昨日はなぜ、こういった質問にお答えにならなかったのでしょうか。

鳥越氏「昨日は、まだ見ていませんから。(『週刊文春』が)出たのは、今日でしょ。今日、見ました」

――鳥越さんはジャーナリストであるわけですけど、司法の手に委ねるのではなく、言論で返すというお考えはないのでしょうか。

鳥越氏「それはもちろん、ありますけれど、とりあえずは事実無根なので、きちっと法的措置をとるということがまず第一だと思いますので、それから始めたいと思います」

――記事に書かれた女性と別荘に行ったということは事実なのでしょうか。

鳥越氏「そういうことも含めて、裁判になったり法的な問題ですので、具体的な事実についてあれこれ言うのは控えたいと思います。そういう問題については、私の法的代理人である弁護士の方に一任しています」

――「政治的な力が働いたのではないか」とおっしゃっていましたが、何か根拠があるのでしょうか。

鳥越氏「いやいやまあ、それは私の感想なので。事実を確認したわけではありません。こういう事実があるからこうだ、と言うつもりはまったくありません」

――相手の女性に心当たりはありませんか。

鳥越氏「そういうことも含めて、私の法的代理人が窓口になっていますので、そこを通してください。それ以上のことを言う気はありません」

――結果として、今回の報道でイメージダウンが避けられないと思うのですが、そういった点についてはどうお考えですか。

鳥越氏「まあそれも、私は私なりにちゃんと受け止めていますので、具体的にそれがどうなるか、ということについては、私が感想を言う立場にありませんので、影響がどうかということをお聞きしたいのだったら、私の弁護士のほうに聞いていただければ、お答えできると思います」

――この件について、少なからず不安に思っている都民もいると思うのですが。

鳥越氏「まあそれは、私がきちっと法的措置を取ったということで、不安はできるだけ解消していただきたいと思います」

――政治家になろうとしているのであれば、まず説明する責任があると思うのですが、いかがでしょうか。

鳥越氏「説明の責任はきちっと、私の法的代理人のところから、きちっと説明させていただきます」

――ご本人が説明するというお考えは。

鳥越氏「これはもう、告訴状を提出しましたので、今後は法的な裁判ということになってまいりますので、具体的なことについては、やはり私の一存で言及することはここでは控えさせていただきたいと思います」

鳥越氏が岩上安身だけに話した「疑惑」の「核心部分」とは

 IWJでは、「週刊文春」が発売される前のタイミングで、鳥越氏に関する「疑惑」を複数のメディアが追っているとの情報をキャッチ。その動きを独自に追っていた。また、岩上安身は、7月15日に鳥越氏への単独インタビューを行った際、文春の報道を先取りして、直接本人にこの「疑惑」の真偽を聞いている。その際、鳥越氏はこの「疑惑」を完全否定した。

 15日時点での中継配信時には流さなかった、その「核心部分」のインタビューを、今回、会員限定で公開しているので、その内容をぜひ、御覧いただきたい。

 東京都の行政は、猪瀬直樹氏、舛添要一氏と2代続けて「政治とカネ」の問題で都知事が辞任したことで、著しい停滞を強いられている。しかし、東京都には、待機児童問題をはじめ、築地市場の豊洲への移転問題、2020年東京オリンピックのスリム化、横田基地へのオスプレイ配備問題など、解決すべき政治課題が山積した状態にある。

 増田寛也氏と小池百合子氏との間で、保守が「分裂」した今回の東京都知事選挙。そのため、民進党、共産党、社民党、生活の党の4党による「野党統一候補」である鳥越俊太郎氏にかかる市民の期待は大きなものがあった。1999年4月に石原慎太郎氏が都知事に就任して以降、17年ぶりに「革新都政」が復活する可能性が現実のものとなりつつあるのである。

 そのような中で飛び出した、今回の鳥越氏に対する「疑惑」。この日の街頭演説でも、聴衆から「鳥越がんばれ、文春に負けるな!」という声があがるなど、鳥越氏にかかる期待はまだまだしぼんではいないようだ。とはいえ、文春の記事を読まない人にも、中刷り広告に出た「淫行疑惑」という大見出しは目に入り、一人歩きをしてゆくだろう。

 選挙期間中「ノーコメント」を貫くだけで、文春の記事の影響を最小限に抑えられるのか。また、文春は今後、続報を出すとも言われており、そうなれば、鳥越支持者の間にも動揺が広がる可能性がある。仮に名誉毀損の裁判でのちのち勝利をおさめても、選挙で負けるかもしれない。

 都知事選まであと10日。これから先、また何が起こるのか。有権者は誰に一票を投じるべきか、まだまだ思い悩むことになりそうだ。

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