【大阪都構想】維新 vs. 自公共が超党派勉強会で激論 ~市民からは「都構想」実現による「住民サービス低下」を案じる声が続出 2015.5.10

記事公開日:2015.5.15取材地: 動画
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(IWJテキストスタッフ・富田)

特集 大阪都構想
※5月15日テキストを追加しました!

 国政では与野党に分かれる自民党、公明党、共産党がタッグを組んで、大阪維新の会が進める大阪都構想に反対する──。2015年5月10日、大阪市東成区で開かれた大阪都構想の勉強会では、この構図が極めて鮮明になった。

 大阪市廃止・分割を考える区民の会が主催した「特別区設置住民投票に関する党派を超えた勉強会」には、これに反対する自民・公明・共産各党の議員3人と、推進(賛成)する大阪維新の会の議員2人が出席した。

 都構想実現に向け、現在の大阪市を廃止し、5つの特別区に改編することを問う住民投票が5月17日に迫る中、客席に集まった大阪市民からは、「市が5つの特別区に分割され、自主財源が大幅に減っても、住民サービスの水準は保たれるのか」、「住民の間に都構想への理解が深まっていないのに、なぜ、住民投票を急ぐのか」といった疑問が寄せられ、議員たちは、それぞれ賛成・反対の立場から応えていった。

 質疑応答に先立って行われた、二重行政解消の効果をめぐる討議では、自公共と維新の会がぶつかり合った。

 大阪市が、約170万部を市民に配布した都構想説明パンフレットには、「17年間で約4000億円の財源創出」と謳われており、反対派から大きな疑問符を付けられている。それを受け流すかのように、維新の会の議員は、「財政面の効果は、あくまでも行革の一事象」と強調。「結局は、有権者が市の試算と反対派の試算と、どちらを信じるかの問題だ」と述べた。

記事目次

・1/2(18:59〜 1時間9分)パネルディスカッション

・2/2(20:18〜 52分間)質疑応答

  • コーディネーター 吉富有治氏(ジャーナリスト)
  • パネリスト(着席順) 清水忠史氏(日本共産党、衆議院議員)/則清ナヲミ氏(公明党、大阪市会議員)/川島広稔氏(自民党、大阪市会議員)/吉村洋文氏(大阪維新の会、衆議院議員)/岡崎太氏(大阪維新の会、大阪市会議員)
  • 日時 2015年5月10日(日)19:00〜
  • 場所 東成区民センター(大阪市東成区)
  • 主催 大阪市廃止・分割を考える区民の会

維新の会「経済発展のためにも行政再編が必要」

 「橋下徹大阪市長の主張はもっともらしいし、反対派の意見にもうなずける。要するに、よくわからない」──。主催者の代表は、4月の時点でもなお、市民の間にはこうした声が聞かれたと指摘。それが、この勉強会を、急遽、開くことになった理由だと明かし、「超党派という公平な形で実現したこの集会は、集まった市民からの質問に応えることが、主たる目的だ」と話した。

 前半の討議では、「都構想の意義」が最初の議題になった。大阪維新の会の岡崎太大阪市会議員は、「大阪府・市による二重行政は、大阪に横たわり続けてきた問題。今後の人口減少や、見込まれる税収減に対応していくには、大阪の役所の再編が欠かせない」と語り、21世紀の大阪に、さらなる経済的発展を実現させるためにも、府と市がバラバラに戦略を描くようではいけない、と訴えた。

 住民投票自体には賛成した公明党の則清ナヲミ大阪市会議員は、「仮に、住民投票で賛成が反対を上回っても『大阪都』にはならない」と指摘。「今回の都構想は『大阪都』をつくるのではなく、大阪市を5つの特別区に分割するだけのものだ」と話し、大阪市が消滅すれば、大阪市の政令指定都市としての権限は大阪府に奪われることになる、と口調を強めた。

自民「二重行政の無駄の責任は府にあり」

 司会を務めたジャーナリストの吉富有治氏は、則清議員と同様の意見をよく耳にするとし、維新の会に対し、「都構想は本当に『大阪都』を実現させるのか」と答弁を求めた。

 これに対し、大阪維新の会の吉村洋文衆議院議員が、「名称は(しばらくは)大阪府のままでも、中身としては『大阪都』になる」と回答。その根拠に、大都市法を挙げ、「特別区に再編された場合、府は都と見なす」という条文があると説明したが、自民党の川嶋広稔大阪市会議員は、「市民に対して、名称は『大阪府』のままということを、ちゃんと説明すべきだ」と反発。名称を「大阪都」にする際には、新たな法整備が必要になると強調した。

 加えて、特別区が設置された時と、名称が大阪都に変わった時とで、住民には2度の住所記述変更の手間が生じる、とも強調する川嶋議員は、「そういった説明が十分ではないことも含めて、住民投票までの流れが急すぎる」と懸念を表明した。

 共産党の清水忠史衆議院議員からは、「大阪市が特別区になっても、府内に政令市の堺市が残る間は『大阪都』にはならない」との指摘があった。大阪市に隣接する堺市では、2013年の市長選で、都構想反対を掲げた竹山修身現市長が当選している。

 そもそも、大阪には本当に「二重行政」が存在するのか──? これに関する議論では、公明・則清議員が、「今の大阪には『無駄な二重行政』はないと考えている」と断言。都構想推進派が折に触れて口にする、高層ビル建設や大規模開発をめぐる二重行政論については、「バブル期ならではの『政策ミス』によるもの」との認識を示した。

 自民・川嶋議員は、「住民サービスは基礎自治体(市町村)が行うもので、市町村が行えないものは都道府県がカバーするという、補完性原則に基づいたあり方が正しい」と強調。「今の大阪府・市に無駄な二重行政があるとすれば、それは市ではなく、府の責任だ」と言い重ねた。

維新の会「最終的には、市民がどの試算を信用するかだ」

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