人身事故の続発を受け、全作業を中断して安全総点検を実施、作業開始時期は未定~東京電力定例会見 2015.1.22

記事公開日:2015.1.22取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

 2015年1月22日17時50分頃から、東京電力で定例記者会見が開かれた。福島第一、第二、柏崎刈羽原発で重大な労働災害が発生したことから、同原子力発電所では全作業を中断し安全総点検を実施、23日以降も続くという。工程ありきではなく、危険箇所をなくすのが目的であるため、終了時期のメドはない。

■全編動画

労働災害の発生を受け、全作業を休止、安全総点検を実施

 福島第一、第二、柏崎刈羽原発で続いた死亡事故等の発生を受け、福島第一原子力発電所では全作業を中断し、1月21日から安全総点検を実施している。本日(1月22日)も引き続いて安全総点検を実施しており、現場で作業はしていない。タンク作業、凍土壁構築、トレンチ充填、大型休憩所の工事なども全て中断している。ただし、パトロールやサンプリング、分析、汚染水処理といった止められない作業は行っている。

 21日から22日の2日間では安全総点検はまだ終わらず、23日以降も続く予定だ。福島第一だけでなく、福島第二、柏崎刈羽でも行っているという。

 安全総点検では、”現場での意識”、”手順”、”設備”の3ポイントを現場で確認している。主に安全に関する担当者が現場状況を点検。意識については事例検討会で議論し、手順書も単に有る無しだけでなく、手順のレビューも実施。これは東電社員、元請け、下請け、現場作業員など、現場作業員だけでなく幹部も巻き込んで点検を行っている。点検後は今回の3つの事例の深掘り、必要があれば対策を展開するという。

 その後、安全の確認を、責任者含めて承認がとれた現場から作業を再開していく予定だ。

作業再開時期は未定

 安全総点検ののち、安全が確認されれば順に再開する予定だが、いつ点検が終了して開始できるかという予定は立っていない。さらに全体の進捗状況や、どれぐらいまで点検が済んだかについても「数字で言うことは難しい」と東電は説明。どの程度工事作業を停止しているのか、まったく先が読めないという回答に終始した。

 東電広報官の川村信一氏は、今回の総点検は、工程ありきではなく危険箇所をなくすのが目的だとし、現段階でいつから通常の作業を再開するかといった検討はしていないと説明。

 安全総点検により工事が中断しているが、年度内の汚染水浄化やタンク容量の増設には影響がないと言う。水処理設備は「年末年始も運転を続けており、年度末に向けて頑張って処理を続けていく状況」で、タンク増設も「現時点で特に直ぐに影響が出ているわけではない」と説明した。

一連の死亡事故について、福島県から申し入れ

 一連の死亡事故について、福島県が申し入れをしたことが報告された。福島県は東電に対し、安全対策の強化・徹底、根本原因の究明、再発防止策の実施、安全対策の実施徹底といった申し入れを行ったという。事故当日には警察に来てもらい現場確認をしてもらっているが、まだ捜査中のため労基からの指導は受けていないと東電は説明している。

■■■■■■

以下、東京電力ホームページより、リンクを表示  

報道配布資料

2015年1月22日

2015年1月21日

2015年1月20日

プレスリリース

2015年1月22日

2015年1月21日

2015年1月20日

福島第一原子力発電所の状況について(日報)(東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響)

写真・動画集

2015年1月22日

2015年1月21日

福島第一原子力発電所 データ集

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です