2号機海水配管トレンチの凍結止水、モックアップ試験結果を評価中~東電定例会見 2014.9.18

記事公開日:2014.9.18取材地: テキスト動画
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 2014年9月18日17時30分から、東京電力で定例記者会見が開かれた。東京電力福島第一原発2号機海水配管トレンチの凍結止水は92%凍結を維持するため、氷、ドライアイスの追加投入を継続。モックアップ試験は終了し、結果を評価している状態。

■全編動画

  • 日時 2014年9月18日(木) 17:30~
  • 場所 東京電力本店(東京都千代田区)

2号機海水配管トレンチの凍結止水、92%凍結を維持

 2号機海水配管トレンチの凍結止水は、水流があり、上手く凍結しないことから、対策を検討している状態が続いている。水流を抑えるため、間詰剤の施工方法や効果を、実物大モックアップで試験している。モックアップは協力企業で実験終了し、結果を評価している。

 温度の測定値から92%までの凍結が維持されていると評価したことで、実物の海水配管トレンチは、92%まで凍結していると報告。さらに、92%凍結の現状維持のために、追加の氷とドライアイスを投入し続けている。本日9月18日朝までの累計投入量は、氷972トン、ドライアイス22トンに及ぶ。

地下水バイパスの効果を試算、評価

 地下水バイパスの本格運用が始まり4カ月近くが経過し、その有効性が問われている。これまでの会見でも地下水バイパスの効果を問う質問が複数の記者から続いていた。

 東京電力は、地下水バイパスの稼働に伴う地下水の水位低下、建屋の地下水流入量の抑制効果について試算、評価した結果を発表した。

 建屋への地下水流入量も徐々に減少傾向を示し、現時点までのデータから、地下水バイパス稼働前の平成24年1月から平成26年1月に比べ、一日あたり100から130トン程度低減していると評価した。内訳として、HIT建屋(高温焼却炉建屋)の止水工事効果を50トン/日と仮定、地下水バイパスの効果は50ト~80トン/日程度と評価している。

 東電はこれらの評価にて、累積雨量と地下水流入量の相関関係をグラフ化、相関関数を導き出している。「地下水バイパス流入調査結果にて、累計雨量との相関は以前からあるのか?」と記者が質問、東電廃炉推進カンパニー広報担当・川村信一氏は「試行錯誤の中でこういうプロットをしたら直線が上手く引けた」と答えている。

 ここで示されている地下水流入量の抑制効果は、あくまでも東電の数値評価であり、第三者の査読や検証を受けていない疑いが強い。

凍土式遮水壁、山側工事の実施計画変更を認可

 昨日9月17日の原子力規制委員会にて、陸側凍土式遮水壁の山側部分の工事に関する実施計画変更認可申請が、認可された。事実上工事の着工が認可されたことになる。

 準備が進み次第、本格的な工事がはじまるが、現時点でまだ具体的な日時までは出ていない。

制動X線やベータ線放射の環境下、作業員の被曝対策は通常通り

 9月4日にG4南タンクエリアにあるタンク間の連結弁から、RO濃縮水が滴下漏洩する事案が発生した。その際、ビニール袋による養生を施したことを東電は発表している。

 G4エリアでビニール養生の作業を行った作業者の防護体制、被曝線量の管理はどのようにしたのか、記者が質問。川村氏は、「通常の装備ですね。通常のAPD(個人線量計)、ガラスバッチ」と答えた。制動X線やベータ線を浴びてると思うが、防護装備は通常の装備だったという。

浪江町のADR、回答を変えることが困難な理由は?

 東電と浪江町の間のADR(裁判外紛争解決手続)和解案について、回答を変えることが困難な理由を記者が質問。東電広報担当者は、「事故との因果関係が明らかに認められない中、お支払した場合、中間指針に基づき賠償を受けられている方との公平性を著しく欠くことになる」 と回答した。

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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

2014年9月18日

2014年9月17日

プレスリリース

2014年9月18日

2014年9月17日

福島第一原子力発電所の状況について(日報)(東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響)

道関係各位一斉メール

2014年9月18日

2014年9月17日

写真・動画集

2014年9月17日

福島第一原子力発電所 データ集

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