ALPS洗浄作業中に約1トンが漏えい~東電定例会見 2014.4.16

記事公開日:2014.4.16取材地: テキスト動画
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 2014年4月16日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。通常使用していない仮設ポンプが動作していたことによる、建屋地下滞留水の誤移送について、2013年11月ごろから当該仮設ポンプが動作していた可能性もあることが発覚。一方で、ALPS-B系の洗浄中にHIC(高性能容器)から約1トンがオーバーフローしたことが報告された。

■全編動画

  • 日時 2014年4月16日(水) 17:30〜
  • 場所 東京電力本店(東京都千代田区)

建屋地下滞留水の誤移送について追加情報

 4月14日に公表された、通常使用していない仮設ポンプが動作していたことによる、建屋地下滞留水の誤移送について、追加情報が発表された。

 建屋内水位の長期的なトレンドグラフが公表され、その結果、2013年11月ごろから当該仮設ポンプが動作していた可能性もあることが発覚した。

 ポンプを動作させるスイッチは、仮設の配電盤の中にあるが、電源スイッチにはID番号が書かれているだけで、何が動くか、その場での識別はない状態だという。人為操作が疑われるが、特定のポンプを狙ってスイッチを入れるのは難しく、単なるヒューマンエラーの可能性もあるということだ。

 原因が何であるにせよ、東電としては原因調査に向けた検討をしていくこととしている。

 また、誤移送先である焼却工作建屋の中の水位はop4250~4377mm、外側にあるサブドレンNo.125はop8400mmである。分析結果でも、建屋内は全β:10e6~10e7Bq/Lだが、サブドレンは10e2Bq/Lのオーダーと異なっていることから、外部への漏えいはないと、東電は判断している。

ALPS-HICオーバーフロー

 16日12時19分ごろ、ALPS-B系を洗浄する作業を行っていたところ、HIC(高性能容器)からオーバーフローして漏えいしたことが発表された。

 ALPSはCFF(クロスフローフィルター)の性能異常が発生し、ALPS-B系を洗浄していた。吸着塔に濾過水を流し込み、吸着塔に入っている樹脂製の吸着材をHICに移す作業を行っていたところ、HICからオーバーフローし、漏えいしたという。原因等はまだ判明しておらず、調査を始めた段階だ。

 オーバーフローした水は6m×6m×3cmに広がり、約1.1トンと推定。分析結果は、Cs-134:2.6×10e3Bq/L、Cs-137:6.7×10e3Bq/L、全β:3.8×10e6Bq/Lであった。

H5エリア、プラスチックタンクの漏えい再現テストの結果、原因が判明

 4月14日にH5エリア脇のプラタンクから1トン漏えいしたことが発表されている。事故前後の状況から、そばを重機が通った際にひっかけたことが考えられており、再現テストを行った結果が発表された。

 建設重機(バックホー)を当該タンクに接触させると、同様の穴があくこと、接触した際に運転手はほとんど気がつかないという事がわかり、当該事象が原因だと断定したという。

 今後、不要なプラスチックタンクを撤去する、バリケードやカラーコーンの設置などの対策を実施する予定だと報告された。

地下水バイパス水位計故障

 地下水バイパスは、16日から、汲みあげた地下水をGr2(グループ2)の一時貯留タンクに蓄える予定だったが、Gr2タンクの水位計が故障したため、汲み上げを一旦停止していることが判明した。汲み上げは、水位計の交換後に再開する予定となっている。

故障した2号機温度計の引き抜き作業

 2号機原子炉圧力容器の温度計の一つ(T-E-2-3-69R)が短絡故障している。17日から温度計の引き抜き作業を行う予定だという。

2号機建屋にドライアイスブラスト装置を入れる予定

 建屋内の除染方法の一つとして考案されているドライアイスブラスト装置について、実機試験を行うことが発表された。2号機の一階に、16日にロボットを搬入、準備が整い次第、除染実験を行うということだ。

 ドライアイスブラスト法は、固体のドライアイスを吹き付けて表面を削り取る除染方法で、ドライアイスは昇華し、なくなるため、少量の汚染物のみを回収すればよいという。

2号機床に穴をあける予定

 2号機トーラス室に調査のためにロボットを入れるが、その準備作業として17日から、2号機原子炉建屋一階北東部の床に穴をあけることが発表された。ロボットを入れる調査は、2014年7~8月に計画されている。

700トン完成型タンクを海上輸送により受け入れる予定

 工場で完成した700トンタンクを、海上輸送により受け入れ、陸揚げ、搬入する予定が発表された。17日の朝、発電所に入港することが予定されており、順次陸揚げ作業を行う予定だという。700トンタンクは、直径9m、高さ16mで、G7エリアに設置する。

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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

2014年4月16日

2014年4月15日

プレスリリース

2014年4月16日

東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響

道関係各位一斉メール

2014年4月16日

写真・動画集

2014年4月16日

多核種除去設備(ALPS)におけるHICからの吸着材とろ過水の混合物のオーバーフローおよびクロスフローフィルタAスキッドの漏えい警報発生について
福島第一原子力発電所集中廃棄物処理施設焼却工作建屋への滞留水の誤った移送について

2014年4月15日

福島第一原子力発電所20km圏内の海域における魚介類サンプリングの調査風景

お知らせ

2014年4月16日

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