汚染水貯蔵タンクの容量が逼迫する恐れ~東電定例会見 2014.2.19

記事公開日:2014.2.19取材地: テキスト動画
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 2014年2月19日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。汚染水を貯留しているタンクの余裕を調査するため、水バランスシミュレーションをした結果、2013年度末から、2014年度初旬にタンク容量が逼迫することが判明した。

■全編動画

  • 日時 2014年2月19日(水)17:30~
  • 場所 東京電力本店(東京都千代田区)

汚染水タンク容量、逼迫

 汚染水を貯留しているフランジ型タンクは、継目からの漏洩が発生したため、溶接型のタンクにリプレースしていくことが予定されている。リプレース計画のスケジュールが進んできたので、データを見直したものが公表された。

 汚染水の発生量、ALPS処理量とタンク容量からみた水バランスのシミュレーションの結果が公表され、2013年度末から、2014年度初旬にタンク容量の余裕が小さくなることが判明した。その上、ALPSの処理量が1日辺り1960トンという、非常に処理量の高い想定をしている。現行のALPSの処理量は250トン×3系統。想定目標を達成するためには、増設ALPS、高性能ALPSの設置、運用の高効率化が必須となる。

 その上で、2015年3月までには汚染水浄化を完了させることを目標としている。

護岸地下水観測孔、位置の表示ミス

 護岸エリアの地下水観測孔において、福島第一原発2-3号機間にあるNo.2-8とNo.2-9の位置が、公表資料で誤って逆に表示されていたことが発覚した。正しくは、北側にあるのがNo.2-9になる。2月19日以降の資料では正しく記載されるとのこと。No.2-8は掘削したが、まだ採水はしていないという。

 サンプリング分析結果を誤って分析していたが、その影響について今泉典之 原子力・立地本部長代理は、「(今まで、あまり分析していなかったので)番号が入れ替わっていても、さいして問題ではない」と説明した。

地下水観測孔、濃度急上昇

 汚染水漏洩を起こしたH4エリアタンク周辺に、Eシリーズと呼ばれる地下水観測井戸がある。その中のE-1について、最近の観測値の推移が次のように急上昇している。

 採取日   採水時刻  全β     H-3    [Bq/L]
 2014/2/15  9:21    7,200    33,000
 2014/2/16  9:06   220,000   170,000
 2014/2/17  9:35   150,000   210,000

 この推移について東電は、「細かく評価していないが、近辺の天候が影響してるのでは」とし、一時的なものなのか、今後の推移を監視していく考えだ。

2号機RPV底部温度計が故障

 2号機格納容器、RPV底部の温度計が壊れていることが判明した。絶縁抵抗が0(ゼロ)を指し、短絡している可能性があるという。東電は、熱電対温度計を調査している最中に、誤って電圧をかけ、損傷したとみている。東電によると、2号機の当該温度計の取り替えはこれからの検討するので、完了までの具体的な期間は分からないということだ。

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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

2014年2月19日

2014年2月18日

プレスリリース

2014年2月19日

2014年2月18日

東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響

道関係各位一斉メール

2014年2月19日

廃炉・汚染水対策現地調整会議

2014年2月18日(第6回)

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