小沢幹事長定例会見~沈黙する検察、饒舌なマスコミ、この異様な光景~ 2010.1.12

記事公開日:2010.1.12取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根)

※会見の動画と文字起こしは会員ページでご覧になれます

 2010年1月12日(火)、東京都千代田区の民主党本部記者会見場にて行われた小沢一郎幹事長の記者会見の模様。小沢幹事長の側近で元秘書ある石川知裕議員の秘書時代の政治資金収支報告書の記載漏れ疑惑と、それに対する小沢幹事長の関与に関連する質問に答えた。 

 会見には、100名を越す記者が集まった。今回、石川知裕議員の秘書時代の政治資金収支報告書の記載漏れに関して行われた。(この会見の3日後、1月15日に石川議員は政治資金規正法違反、虚偽記載容疑で逮捕された)。

 冒頭、まとめて質問を受け、小沢幹事長がそれらの問いに答えた。日本テレビ、読売新聞、産経新聞、共同通信、毎日新聞、フリーランスジャーナリストからはIWJ代表 岩上安身、安積氏が発言をした。4億円の原資の説明、石川議員の金銭授受の真偽、会計処理の説明、検察とメディア報道のあり方、今回の騒動の民主党や再選への影響、幹事長の説明責任の有無などの質問が記者たちから寄せられた。

 小沢幹事長は、最初に今回の件について謝罪し、「捜査中でもあり弁護士に一任している。よって今、個人的なことには答えるべきでない。ただ、計算上のミスなどはあったかもしれないが、意図的に法律を犯す行為はしていない。また、東京後援会事務所、盛岡事務所、水沢の実家の事務所が強制捜査の対象となり書類等すべてが押収されている。さらに真実はすべて弁護士を通して検察には伝えてある」と答えた。

 また記者の「事情聴取は応じるのか、否か」との問いには「個人的なことは控えたほうがいい」と答えると、たたみ掛けるように「それを解釈しますと、事情聴取には応じるつもりはないということですか。違いますか」と記者が執ようにせまり、それを小沢氏と会見司会者が、名指しをしてから答えるようにとたしなめた。

 また小沢幹事長は、日本改造計画に書かれている政治資金制度についての趣旨と所見と秘書から政治団体の代表議員名に変わった理由、外国人地方参政権の進捗状況と党議拘束の有無、首相になる意思についても、それぞれ答えていった。

 最後に岩上が、この検察リークの実態と、それに乗じたマスコミの偏向報道についてどう思うかと質問した。それに対して小沢幹事長は「自分は国民から20数年間批判ばかりを受けてきた。それに対して特に批判したり反論をするつもりはない。ただ、今まで自分自身を貫いて生きてきて、なにもやましいところはない。政治家という立場上、こういうことは甘んじて受けていかないといけないのかもしれない」と答え、記者会見は終わった。

 1月12日、平河町の民主党本部の記者会見場は、100人を超す報道陣でひしめきあっていた。テレビカメラは、私がぐるっと首を回して数えただけで17台。本部前の玄関にも、中継車とテレビクルーが待ち構えている。

 国会の開会を目前にして、急激な「盛り上がり」を見せる「小沢幹事長および側近の疑惑」報道。民主党本部での定例会見に、小沢幹事長が姿をあらわす、ということで、この日の会見場には、各社の政治部の記者だけでなく、司法記者クラブの記者、社会部の記者たちも詰めかけている。さらに、雑誌記者やネットメディア、そして私のようなフリーランスのジャーナリストも。

 たびたび書いてきていることだが、小沢幹事長の会見は、フルオープンである。テロ対象ともなりかねず、今、日本で最も警備を必要とする人物のはずであるが、それでも会見場に入るために事前登録すら必要がない。

 あちこちで、記者たちのひそひそ話が聞こえる。ほとんどの記者たちは、おそらくは検察のリークであろう、出所不明の情報にどっぷりと浸かってきて、この会見場に臨んでいる。検察は、小沢氏本人について、何らかの被疑事実を示したことも、被疑者として名指ししたことも、公式には一度もない。にもかかわらず、連日、「小沢氏本人が関与した不透明なカネの流れ」の詳細な情報が洪水のように流れ続けているのだ。

 捜査が行われているのは、小沢側氏近の石川知裕議員の、秘書時代の政治資金収支報告書の記載漏れである(この会見の3日後、1月15日に石川議員は政治資金規正法違反、虚偽記載容疑で逮捕された)。

 単純なミスの記載漏れであった場合は、形式犯として処分され、罰金を支払ってすまされるのが普通である。だが、日々の過熱報道は、石川議員の容疑を突破口に、小沢氏の立件まで、検察が描いたストーリーそのままに、無批判にたれ流し続け、「推定無罪」の原則も、「冤罪可能性」への配慮のかけらもない。

 だいたい、検察のリークは、国家公務員の守秘義務違反に当たる。罰則は、一年以下の懲役または50万円以下の罰金である。

 1994年、オウム真理教が長野県松本市においてサリンをまいて、8人が死亡、重軽傷者が600人を超えた事件では、妻も被害にあった会社員、河野義行さんがいわれのない疑いをかけられた。

 捜査機関の見込み捜査と、そのリーク情報を無批判にたれ流したマスメディアによって、河野さんが、何重もの被害に苦しめられたことは、決して忘れてはならないはずだ。捜査機関の暴走、権力の乱用、そしてメディアスクラムの危険性は、この時、さんざん指摘されたのではなかったか。

 捜査機関は、決して無謬ではない。メディアもまた、無謬ではない。誰であれ、過ちは犯しうる。権力ある者は、その行使に慎重の上にも慎重でなくてはならないし、特にメディアは一方的な方向からのみ報じるということは、決して望ましくない。

 私は、渦中の当事者である小沢一郎という男にたずねた。あなた自身は、この検察の権力行使とメディアの状況をどう受けとめているのか、と――。

以下、会見の文字起こし

司会「発言なさる前に会社名と氏名をおっしゃってからお願いいたします。なお、時間に限りがありますので、重複した質問はなさらないようにご理解をお願い申し上げます。なお、一社一問とさせていただきたいと思っております。それではどうぞ」

日本テレビ-細川「日本テレビの細川と申します。よろしくお願いします。東京地検特捜部から幹事長に任意の事情聴取を要請されていると思いますけれども、幹事長がお受けになるお考えがあるのかどうかということと、あともう一点、陸山会の資金に関して陸山会は銀行の定期預金を担保に4億円の融資を受けたということで、これまで説明されていますが、石川議員は、特捜部の調べに対して4億円は現金で小沢幹事長から渡されたと話していますが、この4億円の原資についてご説明いただけますでしょうか」

(…会員ページにつづく)

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