緊迫した10日間だった。
小沢氏に任意での事情聴取を要請していた東京地検特捜部が、事情聴取に応じない小沢氏サイドにしびれを切らしたように、小沢氏の政治資金管理団体「陸山会」本部、鹿島本社、石川知裕議員の議員会館事務所など、小沢氏にかかわる関係各所に大規模な強制捜査を行ったのは、1月13日のこと。昨年の3月3日以来、小沢氏関連では2度目の強制捜査である。
この2度目の強制捜査の2日後、1月15日に小沢氏の元秘書の石川知裕集銀議員が逮捕された。国会の召集のわずか2日前である。同じ15日、小沢氏の元私設秘書の池田光智氏も逮捕され、さらにその翌日の1月16日、すでに別件で逮捕・起訴されている大久保隆規元秘書が、再び逮捕された。
国会会期中は不逮捕特権をもつ代議士の石川議員の身柄を、国会の開会前に急いで押さえてしまうのが狙いだったことは明らかである。3人の秘書や元秘書らを逮捕した検察の真の「標的」が小沢一郎氏にあることは間違いない。明らかな別件逮捕だった。
以後、「東京地検は本気だ」「拳を振り上げたからには、小沢逮捕まで一気に突き進む」といった憶測まじりの情報が飛びかい続けた。加熱する小沢バッシング報道の水面下では、「小沢逮捕のXデーはいつか」と、検察の出方を探る動きも激しさを増していた。