日刊IWJガイド「現代版・徴兵制が復活?民間船員を『予備自衛官』に!?よみがえる第二次世界大戦の記憶!徴用され、約6万人もの船員と漁民が戦死した過去!」2016.1.31日号~No.1235号~


■■■ 日刊IWJガイド「現代版・徴兵制が復活?民間船員を『予備自衛官』に!?よみがえる第二次世界大戦の記憶!徴用され、約6万人もの船員と漁民が戦死した過去!」2016.1.31日号~No.1235号~ ■■■
(2016.1.31 8時00分)

 おはようございます。IWJの原です!

 あまり大きく報道されなかったので不覚にも見逃していたのですが、戦慄するほど重要なニュースが流れていました…。「民間船員を予備自衛官として有事の際に活用しよう」などと防衛省が企てている件です。さっそく山本愛穂記者がご紹介します!

┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━
┠■現代版徴兵制!?誰もが10日間で予備自衛官になる時代が来る!?~民間船員を「有事」において予備自衛官にする、防衛省の計画とは??(山本愛穂)
┠【中継番組表】
┠■もはや安倍総理はまともな答弁を拒否(!)するほど危険な緊急事態条項が進行中!もう野党を待ってはいられない!!全国各地の市民の「立憲主義を取り戻す」闘いをIWJは、赤字覚悟で可視化!(佐々木隼也)
┠■「まあ、ちょっと『市民連合』ってよくわかりませんので…」って岡田代表、まさか本当に知らないのでしょうか?そして、自民党への鞍替えが噂される渦中の鈴木貴子議員の「至極ごもっともな」回答(青木浩文)
┠■差別本の著者サイン会が抗議殺到で中止!差別は表現の自由じゃないぞ!今日も川崎では醜悪なヘイトデモ・・・IWJはカウンターを中継します!
┠■本日「死刑弁護人」の異名を持つ安田好弘弁護士のインタビューを特報で発行します!(安道幹)
┠■ファシズムをぶっ飛ばす3冊!『前夜・増補改訂版』、『米国が隠す日本の真実』、『「今を伝える」ということ』大好評発売中!
┠■岩上安身の直近のインタビューのお知らせ
┠■わとはぷ~What happened today?
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■誰もが10日間で予備自衛官になる時代が、来るのか?~民間船員を「有事」において予備自衛官にする、防衛省の計画とは??

 おはようございます。山本愛穂です。

 昨日発行の日刊ガイドでは、新刊『前夜・増補改訂版』のご紹介として、自民の改憲草案によってもたらされるディストピアについてお話しさせていただきました。

※日刊IWJガイド「日銀がマイナス金利導入でどうなる日本経済!?
戦時中は激戦地となったフィリピン・ルソン島を訪問中の天皇陛下は安倍政権の『暴走』に何を思う?
はやくも蓮池透氏インタビュー第2弾が決定!」2016.1.30日号~No.1234号~

http://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/23984

 残念ながら今朝お届けする話題も、不穏な話の続編です。

 1月30日の毎日新聞によると、29日、全国の船員で構成される労組の「全日本海員組合」が東京都内で記者会見をしました。目的は、防衛省による「事実上の徴兵制」に反対するためです。

 その計画は、「強制ではない」と前置きをしながら、「有事の際には、民間船員を予備自衛官として活用し、操縦を可能にする」という、徴兵制を想起させるとんでもない代物。

 記者会見で労組の森田保己組合長らは、「事実上の徴用で断じて許されない。会社や国から見えない圧力がかかることは容易に想像できる」との声明を出し、危機感を強めています。

 民間船員を予備自衛官として活用する――。戦前のニュースかと思える内容ですが、虚構新聞の記事でも、ディストピア小説でもありません。

 毎日新聞によれば、28年度の防衛関係費は、5兆541億円。前年比1.5%の増額とともに、防衛省は「南西シフト」を進めるとの方針を明らかにしています。

 「南西シフト」とは、中国を念頭に南西諸島周辺の有事を想定し、この地域一帯に防衛政策の重心を置く方針です。昨年9月1日の朝日新聞は、28年度の防衛予算案の中で、防衛省は「離島奪還やゲリラ戦に対処するための機動戦闘車(36両)」、さらに「有事」に対応するため、陸自の師団を改編、戦闘機や師団の隊員を輸送するために「輸送機C2」も購入していると報じています。

 しかし、そもそも安倍政権がこういった防衛予算拡大の根拠として、執拗に主張している「中国脅威論」には正当性があるのか、疑問であると言わざるを得ません。

 また、いざという時、米軍は本当に頼りになるのか?
日米安保、日米同盟があるとはいっても、米国は中国と直接正面衝突する気はなく、日本と外国(この場合、主たる仮想敵は中国)の間で紛争が起きた場合、主として防衛するのは日本であって、米軍はサポートをする、という程度まで、関与のレベルを後退させています。これは先週の水曜日、1月27日に行われた『仮面の日米同盟』の著者、春名幹男さんへの岩上さんのインタビューで明らかになった事実です。これからこのインタビューの続編も行われますが、ぜひとも御覧になってください!
一般会員の方なら、あと1ヶ月の間はフルバージョンをいつでもご視聴できます。

※2016/01/28 「米国は日本を守らない!」
日米新ガイドラインに施された翻訳上の仕掛けとは~『仮面の日米同盟』著者・春名幹男氏に岩上安身が直撃インタビュー(動画)

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/284665

 米軍は決して日本を守らない。ということは日本が独立で中国と立ち向かうこととなりますが(外交による平和ではなく、あくまで戦争での決着をのぞめば、ですが)、日本単独で勝算はあるのでしょうか。

 そもそも、「中国脅威論」は正しいでしょうか? この点については、下記アーカイブが秀逸です!
これは1ヶ月以上、経過しているので、格納されていますが、サポート会員なら全編御覧になることができます。既存のメディアは絶対に伝えない情報ばかりです。

※会員登録のご案内

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 1ヶ月以上過ぎているのでサポート会員になれば全編見ることができます。岩上さんが矢吹晋先生に食い下がるようにいたこのインタビューで中国の実相がかなり明らかになってきます。

※2015/07/29 東シナ海ガス田開発と南沙諸島埋め立て問題「日中間の摩擦は外交で解決すべし」――「中国脅威論」を煽り安保法制を進める安倍政権の狙いとは
岩上安身が矢吹晋氏に聞く

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/255325

 そしてそもそも中国軍に自衛隊が単独軍事で「対抗」できるのか?
という疑問については、ぜひとも、岩上さんによる伊波洋一さんのこのインタビューを御覧になっていただきたいと思います!
中国との戦争に反対の人も、やってやる! と戦う気マンマンの人も、日本人なら全員、必見、必聴の衝撃のインタビューです!
実況ツイートをまとめたかなりくわしい文字起こし記事がありますので、まずは、そちらを読んでいただき、その上で、ぜひ、アーカイブの動画をフルバージョンで御覧ください!

※2015/12/21 「中国のミサイル1400発で日本は一度壊滅させられ、中国に花を持たせて戦争を集結させる。それが米国の戦略」~岩上安身による伊波洋一・元沖縄県宜野湾市長インタビュー

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/279853

 防衛省は、今回の計画の根拠として、人員不足を挙げ、防衛費の増額にも拘わらず、輸送のための船や操縦者が足りないのだと主張しています。とはいったものの、民間人の船員を戦地に送るのは問題があることから、「自衛隊の勤務経験がなくても10日間の教育訓練などで予備自衛官になれる制度」を導入しようとしているとのことです。

↓元自衛隊レンジャー隊員井筒高雄氏が語る「戦場のリアル」はこちらのアーカイブをご覧ください!
こちらのアーカイブも必見ですが、格納されているのでサポート会員の方なら、全編ご覧になれます!

※2015/12/19 元レンジャー隊員・井筒氏「緊急事態条項で徴兵制の復活は簡単」~PKO法改正で激白「今の陸自隊員に実戦は無理」──
自衛隊を戦場へ送るな!総がかり集会

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/279650

※2015/09/07 「国会は戦場のリアルに追いついていない」元レンジャー隊員・井筒高雄氏――元首相菅直人氏「避難計画の最終判断はどこが決めるのか?」川内原発再稼動に懸念表明

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/261906

 10日間で民間船員を予備自衛官に!という計画を、ただ荒唐無稽な話だ、と笑い飛ばせない歴史が、この国にはあります。忘れてはならないこと――それは、第二次世界大戦時、およそ6万人もの民間船員が戦死したことです。

 漁業を営む各地で漁船が徴用され、操縦士や民間の船員が、太平洋や南方で監視船の役割を強制されました。ほとんど武器も支給されず、分厚い鉄鋼で守られていたわけではない漁船で、その無謀な任務は遂行され、多くの人々が亡くなりました。戦闘だけではなく、漁船や船員を奪われた漁村の人々もまた経済的に追い込まれることになりました。

 なお、これらを追った秀逸なドキュメンタリーは、「NHKがまだまともだったころの秀作」とTwitterでも昨今皮肉な評価をされている「戦争証言アーカイブス」にも、「漁船は戦場に消えた~静岡県・焼津港」として記録されています。

↓IWJが追うNHK問題はこちら!

※IWJ NHK問題アーカイブ一覧

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/nhk%E5%95%8F%E9%A1%8C

 漁業に携わらない人にとっても、これは人ごとのニュースとは言えないと思います。民間人を戦地に送るのが問題だから、という理由で、私たちの誰もが10日間の訓練を経て、「予備自衛官」にされる日が来ないとは言い切れないからです。

 さらにそんな笑えない未来が、国家緊急権が現実になったら、一気に実現してしまうことになります。緊急事態が宣言されたら、日本の全国民は公権力に服従することが義務づけられてしまいます。問答無用です。その中には兵士として、若者が借り出されるだけではなく、民間船舶など、戦争遂行に必要なロジスティクスのために、民間の物資、財物の提供が強要されることもあるでしょう。

 四の五の言うことは許されません。抗議することも、異議を唱えることもできなくなるでしょう。国民は生存権だけでなく、財産権も侵されてしまうのです。

 また戦場の兵士として役に立たない中年以上の男性、女性、学生、子どもにいたるまで、勤労動員させられることでしょう。

 こんなムチャクチャなことをいっぺんに実現してしまうためには、国民主権、生存権や財産権、幸福追求権など基本的人権を保証した現行の日本国憲法秩序を、まるごと「緊急停止」して「眠らせてしまう」必要があります。それが「緊急事態条項」なのです。

※2015/05/01 自民党が憲法改正で盛り込む「国家緊急権」はナチス以上!?
大震災の被災地で動いた弁護士らが全権委任法も含まれた国家緊急権の「正体」に迫る!

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/244316

 IWJでは、こうした日々のニュースの中にも、日本政府がなし崩しに進める無謀な戦争準備の過程が紛れ込んでいます。すっかり萎縮しました大メディアが、批判的な報道を控えても、我々IWJはしっかり目を光らせて取り組んでいきます。今、日本で何が起きているのか、ご理解いただくために、ぜひ、お時間のあるときに、各アーカイブをご覧いただければと思います。

 皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。

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 山本記者、ありがとうございました!

…(後半へ続く)

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◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表をお送りします。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2016.1.31 Sun.**

京都市長選挙に関する中継を、【IWJ_KYOTO1】&【IWJ_KYOTO2】で配信します。
【IWJ_KYOTO1】
ご視聴はこちらから→ http://www.ustream.tv/channel/iwj-kyoto1

【IWJ_KYOTO2】
ご視聴はこちらから→ http://www.ustream.tv/channel/iwj-kyoto2

【IWJ_HYOGO1】10:00~「篠山市主催・篠山市でのヨウ素剤の事前配布説明会」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-hyogo1
※関西電力高浜原発から約50キロに位置する、篠山市がおこなう「篠山市でのヨウ素剤の事前配布説明会」を中継します。

【Ch4】13:00~「川崎ヘイトデモを許すな カウンター抗議」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※在特会らが行うヘイトデモに対するカウンター抗議の模様を中継します。

【Ch5】13:30~「第55回放送フォーラム『受信料支払い義務化』~NHKはどう変わる?~」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※「放送を語る会」により開催される、第55回目の放送フォーラム。パネラーは全日本放送受信料労働組合書記長・勝木吐夢氏、立教大学准教授・砂川浩慶氏ら。

【IWJ_AKITA1】13:30~「九条の会 新春講演会『憲法九条の力』立憲主義を守る市民運動のこれから ~講師・中野晃一氏」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-akita1
※安全保障関連法に反対する学者の会、立憲デモクラシーの会、96条の会などの呼びかけ人として活動する、中野晃一・上智大学教授を招いて開催する「九条の会秋田県連絡会」主催の講演会を中継します。

【IWJ_AICHI1】14:00~「1.31 ママたちのパレード☆栄」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-aichi1
※安保関連法に反対するママたちによるパレードを中継します。集会では、ママたちと野党議員数名によるスピーチを予定。

【録画配信・Ch6】19:00~「【第1弾】安冨歩・片岡祐介の『魂の脱植民地化で読み解くクラシック名曲』シリーズ『ベートーヴェン交響曲5番「運命」』を主たる題材にしたレクチャーとコンサート」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※1月18日に開催された、「魂の脱植民地化の観点から、音楽史を振り返り、名曲の名曲たる所以を追求する」レクチャーとコンサートの模様を録画配信します。IWJでは、第1弾~第4弾までの全ての開催を配信予定。

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◆明日の中継番組表◆

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2016.2.1 Mon.**

【Ch未定】14:00~「選挙市民審議会・第三部門会議『民主主義の条件』」
※「公正・平等な選挙改革に取り組むプロジェクト」が主催する「選挙市民審議会」メンバーによる、各部門会議の模様を中継します。第三回目のテーマは「民主主義の条件」です。

【Ch2】17:30~「東京電力 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力による定例会見を中継します。

【IWJ_OSAKA1】19:00~「9条は日本の宝!吹田の集い2016 ~講演・小林節さん(慶応大学名誉教授)」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-osaka1
※「9条は日本の宝!吹田のつどい2016実行委員会」が主催する講演会を中継します。講師は慶応大学名誉教授の小林節氏。

【録画配信・Ch未定】20:30~「蓮池透氏・刊行記念トークイベント『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』」
※1月26日に開催された、拉致被害者家族連絡会元副代表・蓮池透氏の刊行記念トークイベント『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』を録画配信します。

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(前半の続き)…

 続いては佐々木隼也記者より、本日の秋田県発の重要中継について告知があります!

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■もはや安倍総理はまともな答弁を拒否(!)するほど危険な緊急事態条項が進行中! もう野党を待ってはいられない!!
全国各地の市民の「立憲主義を取り戻す」闘いをIWJは、赤字覚悟で可視化します!

 おはようございます!IWJで記者をしている佐々木隼也と申します。

 明日は、秋田にて「秋田九条の会」が主催する講演会に、上智大学教授の中野晃一さんが立ち、それをIWJが中継します!

 テーマは、「『憲法九条の力』立憲主義を守る市民運動のこれから」です。

 安倍政権によって、日本の民主主義・立憲主義が脅かされている今、多くのマスメディアが口をつぐまされ、多くの学者も圧力をかけられ、こうした講演会も(以前よりも)開きづらくなりつつあるといいます。

 そんななかにあって、中野教授は真正面から安倍政権の姿勢を批判し、安倍政権の目論む憲法改正がいかに危険かを、論理的に分かりやすく国民に知らせています。ここ最近は、全国津々浦々で、講演を行っています。

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※中野教授の最近の講演は以下の動画記事よりぜひご覧ください! 1ヶ月以内のアーカイブは、一般会員の方は、全編ご覧になれます!
以下の動画は、ぜひ、一般会員に登録して御覧になってください!

 以下の3本の動画は、一般会員の方の視聴期間(1ヶ月)をあいにく過ぎています。サポート会員の方は全部ご覧になれます!
ぜひ、サポート会員にお切り替えのご検討を皆さん、よろしくお願いします! 1万5000本以上のアーカイブがあなたをお待ちしております。

・2016/01/08 立憲デモクラシー講座 第4回
中野晃一・上智大学教授(政治学)「グローバルな寡頭支配vs.立憲デモクラシー:集団的自衛権、TPP、安倍談話」(動画)

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/281579

・2015/12/22 【山口】立憲主義を考える。上智大学・中野晃一教授 講演会(動画)

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/280006

・2015/12/14 奥田愛基氏、中野晃一氏、水上貴央氏が市民のためのシンクタンク「ReDEMOS」 設立を記者会見で発表(動画)

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/278647

・2015/10/2【スピーチ全文掲載】「野党に踏み絵を踏ませよう! 国家権力の暴走に組みするのか!?
それとも個人の尊厳を守る私達の側に来るのか!?」―中野晃一氏が大演説「1002安倍政権NO!」大行進

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/268381

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 IWJはこれからも、中野教授をはじめとした、勇気ある発言を行う優れた知性の講演活動等を、可能な限り中継し、多くの国民に可視化したいと考えています。

 今、自民党の憲法改正をめぐり、国会では不気味な光景が繰り広げられています。

 安倍政権が一丁目一番地で新設をめざす緊急事態条項について、もちろん野党側はその「ナチスの手口」そのものであることを指摘し、追及するのですが、なんと安倍総理…「まともに答えない」という驚きの姿勢を貫いているのです。

 最後に採決を強行し、数の暴力と、本当の暴力で無理やり成立させた安保法制ですら、安倍総理は、矛盾と嘘と事実誤認にまみれながらも、総理自身のロジックを披露していました。

 しかし今回は、答弁そのものを拒否しているのです。それほど、この緊急事態条項が、少しでも内容に触れてしまうと、たちまち国民のなかにその恐ろしさが拡がってしまう危険極まりない代物である、ということを表しています。

 つい先日の1月27日にも、衆議院本会議の代表質問で、日本共産党の志位和夫委員長が緊急事態条項」について、「独裁政治、戦争国家に道を開き、憲法9条改定につながる危険きわまりないものだ」と追及しましたが、安倍総理は「政府としてお答えすることは差し控える」と回答を避けました。条文の内容への質問に答えず、どうやって議論をすればいいというのでしょうか!?
どうやって国民はその中身を理解できるというのでしょうか!?

 このまま国会で条文の説明を一切せず、野党の質問にこたえず、マスコミは「緊急事態条項」の恐ろしさから目をそむけて、はるかに優先度の低い話題を延々と報じて、「目くらまし」を続けていれば、国民の大半が「緊急事態条項」の怖さを知ることもなく、他のこと、たとえば軽減税率で政府・与党から「恩恵」を受けるからとか(軽減ではなく税率を一時すえおいたというだけのことで、これは政治的トリックですが)、高齢者に選挙直前に3万円配るという「恩恵」だとか、そんなことだけ頭に入れて投票所に向かう人も少なくないかもしれません。

 NHKが正しく、優先順位をきちんとつけて報じる、真面目で、信頼に値するメディアだと、まだこの期におよんで本気で信じている方々がたくさんいます。マスメディアが行う方法操作に、本当にもろい層がこの世に確実にいることも実感しています。

 国会で答弁を避け、国民に理解をさせないまま参院選まで時間稼ぎを続ける安倍総理の卑劣さには、怒りと、そして焦りを覚えます。

 この驚愕の国会質疑の模様は、IWJは全文文字起こしし、解説を加えたハイライト記事を作成しましたので、ぜひそちらをご覧になり、ともに驚いていただければと思います。

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・【国会ハイライト】安倍総理、またまた逃げた!「緊急事態条項は独裁政治、9条改定につながる!」~共産・志位氏の追及に回答濁す“とんずら総理”「正々堂々、逃げずに議論する」は口先だけ!

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/285103

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 あまりにも危険すぎる事態が、国会で進行中です。にもかかわらず、参院選まで半年をきりながら、野党共闘がいまだ結束しきれていない現状では、もはや、野党に頼ってばかりではいられません。全国各地で、市民それぞれが声をあげ、野党議員を焚き付けていく必要があります。

 そういう意味でも、本日の秋田での中野教授の講演も、非常に重要です。

 市民の皆さんの会費やご寄付・カンパに支えられて活動しているIWJは、常に財政的な不安定さとリスクに直面しています。ある日にカンパをいただいても、翌月にはほとんどない、ということも珍しくありません。しかし、これほどまでの日本の危機を目の前にすると、「おカネがないから人を出せない…」などとも言ってはいられません!
参院選までの、こうした地方での重要な動きを漏らさず伝えるべく、青森でいつも中継市民として奮闘していただいている「しーずー」さんに、今回はIWJのペイスタッフとして出動していただきました。

 参院選が近づくにつれ、今後はさらに、IWJスタッフや岩上さんの出張取材や、近隣の中継市民の方にペイをしつつ出動してもらう機会が格段に増えると思われます。

 しかし、これからの半年間、IWJはフル回転し、国民にとってのこの「緊急事態」を報せ続けていきたいと思いますし、岩上さん自身がその決意を固めています。

 私財をIWJに投じてきた岩上さんは、不退転の決意です。自宅を抵当に入れて借金までしてIWJのオフィスをようしてきました。これまでIWJが毎月の支払いを滞りなくおこなってこれたのも、厳しい時は岩上さんからの借り入れに頼ってきたからです。岩上さんの個人的な貯金が尽きるときが、IWJの命運の尽きる時とも言われています。

 本当に苦しい財政状況が、さらに圧迫されることは必至だと思います。どうぞ、このIWJの出血赤字覚悟の取材活動を、みなさまの手で、お支えいただけないでしょうか。残り半年間、精一杯走り続けます!
その軍資金が必要です!

 IWJの会員にご登録していただくことで、またご寄付やカンパによって、取材に必要な経費、人件費などを捻出させていただければ幸いです。

※IWJ定額会員登録はこちらから!

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※ご寄付・カンパも取材費にあてさせていただきます!

http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

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 佐々木記者でした! 続いて、昨日行われた民主党の党大会の模様を、取材に行った青木記者がご報告します!

■「まあ、ちょっと『市民連合』ってよくわかりませんので…」って岡田代表、まさか本当に知らないのでしょうか?そして、自民党への鞍替えが噂される渦中の鈴木貴子議員の「至極ごもっともな」回答

 IWJで中継やテキスト関係のお手伝いをしながら報道現場の勉強をしています青木浩文です。昨日は、民主党大会の中継・取材を行ないました。

 「どこ見て政治やっているんだ!」

 これは、SEALDsの本間信和さんが、遅々として進まぬ今夏の参院選挙に向けての野党共闘体制に業を煮やして、講演会で叫んだ言葉です。

※2016/01/19 「共産党とは同席したくない」と言う民主党議員「でも安倍ちゃんよりいいでしょ」―慶大名誉教授・小林節氏、「絶対野党共闘!どこ見て政治やってるんだ」―SEALDs・本間信和氏

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/283129

 同じ言葉を、今日は私が叫びたくなりました。

 党大会が行われたのは、東京プリンスホテルの鳳凰の間。議員、立候補予定者、来賓等、800名程が参加していました。壇上に向かって最前列中央に座っていたのが岡田克也代表。その右隣に来賓席が2つ用意されていました。
岡田代表に近い方から、日本労働組合総連合会(連合)の神津里季生(こうづいきお)会長。この新会長の神津さんは、基幹労連の出身の方です。基幹労連とは日本の主要な基幹産業である金属産業のうち、鉄鋼、造船、非鉄鉱山、航空・宇宙、産業機械、製錬、金属加工、情報関連・物流産業、建設のほか、多くの関連業種の労働組合が結集した産業別労働組合です。そして、維新の党の松野頼久代表の席でした。岡田代表と長妻昭代表代行が挟み込む形で着席されていました。

 来賓の席次からも、民主党にとっても最も大切な人が誰であるのか、うかがい知ることができるのではないでしょうか。

 昨年9月に安保法案が「強行採決」された直後の19日、日本共産党はいち早く野党連立政権「国民連合政府」構想を提唱し、国政選挙における野党間の選挙協力を呼びかけました。民主党の有力な支持者・支援者の中でこの提案に強く反対している一人が、この連合の神津会長です。

 さて、今回の党大会で最も注目されていたのが、維新の党との新党結成に関する発言でした。岡田代表は「新党結成も選択肢として排除されていない。私と松野頼久代表との間で議論を集約していきたい」と述べ、代表間で協議を進める考えを示しました。

 他方、松野氏や民主党の一部には、民主、維新両党を解党した上で新党を結成すべきだとの意見がありますが、岡田代表は「解党」には触れませんでした。

 しかし、私がこの「新党結成」以上に気になったのは、大会後に行われた記者会見での一場面でした。

 フリーの記者から、「新潟選挙区は『市民連合』とかが中心になって、森裕子さんで行こうということにほぼ固まっているんですが、報道によると民主党から菊田真紀子さんを立候補させるということが決まったように伝えられております。それはいかがなんでしょうか?」との質問に対して、岡田代表は次のように答えたのです。

 「まず、森さんでかたまっているという認識は、私はそう思っておりません。今まで『連合』、各党
が集まって議論してきました。そこではまだ結論は出ていないというのが、私の認識です」

 なんと、岡田代表は『市民連合』を『連合』(日本労働組合総連合会)と取り違えたと思われる回答を始めたのです。思わず質問した記者が、「私が『連合』っていうのは、『市民連合』です!
『市民連合』!!」と念を押しました。

 すると、岡田代表は、「まあ、ちょっと『市民連合』ってよくわかりませんので。少なくとも、各党プラス『連合』で今まで話し合ってきたと、いうことです」と答えたのです。

 この答えを聞いて、青ざめなかったSEALDs関係者、「学者の会」の関係者、ママの会の関係者、立憲デモクラシーの関係者はいるでしょうか?

 どこ見て政治やっているんでしょう!? 岡田代表は!
大企業の正規社員の組合が集まった『連合』の方を見ているのであって、様々な党派あるいは無党派の市民・学生・知識人らがあつまった『市民連合』の方ではないことは明らかではないでしょうか!?

 「まあ、ちょっと『市民連合』ってよくわかりません」という物言いも、かなり『市民連合』に対して失礼なのではとも思います。結局、『市民連合』の存在自体が、民主党にとっては、票田、集票組織として見たら、取るに足らない小さな存在なのだろう、ということなのかもしれません。

 ただ、岡田代表の「ちょっと『市民連合』ってよくわかりません」という言い方からすると、「本当に『市民連合』のことを知らないのでは?」という雰囲気も漂っておりました。

 もし『市民連合』の存在を本当にまだご存じないようでしたら、ぜひ岡田代表に次のアーカイブをご覧いただければと思います。これをご覧になった方は、ぜひぜひ、民主党へ、岡田事務所へ、お知らせしてあげてください。

※2015/12/20 SEALDsなど5団体が「非自民」の「市民連合」結成!来年夏の参院選にむけ「個人の尊厳と自由が蔑ろにされる安倍政権の諸政策にトータルで対抗していく」

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/279815

【スピーチ全文掲載】「参院選に向けて、気合を入れろ!」SEALDs・本間信和氏が「市民連合」街宣で訴え――「今、求められているのは、立憲民主主義を回復させること」

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/281324

【スピーチ全文掲載】「野党は四の五の言わずまとまるべき!」~「市民連合」大規模街宣で小林節・慶應義塾大学名誉教授が野党共闘の必要性を訴え
「参院選で勝てば暴走は止まる!」

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/281323

 さらに、別の記者からは、「安倍総理が次の選挙で、新党大地との全面的な選挙協力を実現するよう自民党幹部に指示したことがわかったという報道があります。さらに、鈴木貴子さんについて、離党を促して次の衆院選で自民党公認候補とすることも検討している」ことについてもコメントを求められました。

 鈴木貴子衆議院議員はこの日、小西洋之参議院議員とともに、党大会の議長を勤めていました。会が終わった直後、鈴木議員はある同僚の議員から「(民主党に)残ってください!」と声をかけられていました。

 さて、渦中の鈴木議員は何と答えたでしょうか?
議長席のマイクがオンになって中継されていました。中継をご覧になれなかった方は、ぜひ、IWJのサイトでチェックして下さい。ハイライト動画で、鈴木議員の「至極ごもっとも」な返答をお聞きいただけます。

※民主党 2016年度定期大会

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/285069

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 青木記者でした!

■差別本の著者サイン会が抗議殺到で中止!差別は表現の自由じゃないぞ! 今日も川崎では醜悪なヘイトデモ・・・IWJはカウンターを中継します!

 さて、本日もIWJは全国から多元中継を行うわけですが・・・皆さん、先日こんなニュースが流れたのをご存知でしょうか?

・「『難民しよう』著者のサイン会中止 告知後に抗議相次ぐ」朝日新聞

http://digital.asahi.com/articles/ASJ1W6D21J1WULZU00M.html

 差別的な漫画を次々とインターネット上にアップしていることで有名な自称ホワイトプロパガンダ漫画家・はすみとしこさん。彼女が出版した作品集「『そうだ難民しよう!』はすみとしこの世界」をめぐり、著者のサイン会などが開かれる予定だった書店「書泉グランデ」は1月27日、イベントを中止することを明らかにしました。

 同書店によると、サイン会は2月11日、著者の「トーク&サイン会」を開催予定でしたが、26日に書店のホームページで告知すると、たちまちSNS上で「書店が差別に加担するのか」と炎上。数10件の抗議電話もあり、中止が決定しました。

 はすみさんの漫画といえば、シリア難民の女の子をモチーフにしたイラストの後ろに、「生きたいように生きていきたい 他人の金で
そうだ難民しよう!」と書かれているものなどが有名です。検索すればすぐにヒットするので、もし日刊IWJをご覧の中で、はすみとしこを知らないという方がいれば、検索してみてください。ここにリンクを貼ることは差別の拡散になるので、控えます。

 日本でも生活保護バッシングがありますが、はすみさんの目には、シリア難民は「カネ目的でわざと難民をやっている卑しいやつらだ」としか映っていないようです。

 はすみさんの本の目次には、他にも、「そうだ在日しよう!」「そうだ慰安婦しよう!」などというタイトルが並んでおり、ネット上に出回っている複数の作品と照らしあわせても、はすみとしこが「差別扇動」を目的とした漫画家であることは誰の目にも明らか。書店がサイン会を中止したのは賢明な判断だと思います。

 むしろ、こんなデマと差別を煽る作品集を書店に置くこともやめていただきたい、と思います。差別は「表現の自由」ではありません。抗議し、中止に追い込んだ皆さんに敬意を表したいと思います。IWJは「差別と出版」をめぐる取材もしていますので、ご参考ください。

※2014/10/16 「ジャーナリスト魂があるかどうかだ」――差別を煽動する「ヘイト本」が蔓延する社会と対峙する時~平和を訴える出版社らが即売会を開催

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/183151

※2014/11/01 「本当の意味で社会のためになる本を出し続けることが我々の信念だ」出版社23社が右傾化に抗して即売会を開催

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/201709

 悲しいことに、今日も神奈川県の川崎市では、差別を扇動する「ヘイトデモ」が行われます。ヘイトデモの告知文には、「反日を叩き出せ!自国を貶め、金と快感を得る馬鹿サヨ・老害パヨク日本に居座り日本人を強請り・集り、恫喝する密入国者テロ集団が政党を自称し国家破壊を画策し蠢く!こんな日本を子孫に残す訳には行かない!」という、馬鹿丸出しの文言。これも差別を拡散することになるので、URLは貼りません。

 IWJは本日、このヘイトデモに対し、「差別をやめろ!」と叫ぶ市民の皆さんのカウンター行動を中継します。日本でいかに醜悪な差別が蔓延しているかを再認識し、考えると同時に、差別に毅然と立ち向かう市民がいることにもご注目いただければと思います。

【IWJ Ch4】本日13:00~

http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php

 IWJのこうした取材活動は、すべて会員さんの会費、ご支援いただいている皆さんのカンパで成り立っています!

 現在の会員数は5637名様です!

 宜野湾市長選の取材や、スタッフ増員で経費がかかっています。先日もお伝えした通り、PCやWifiなどが消耗し、壊れて買い替えを必要としたり、修理に出したりで、予定外の出費がかかっています。今月は本当に厳しそうです!!
今の会員数では、IWJの活動規模を維持するのには、足りません・・・!
その不足分をこれまでも、有志の方々のご寄付、カンパによって埋めていただき、支えられてきました。本当にご寄付・カンパをして下さった方々には、心から感謝申し上げます。本当にありがとうございます!
いつもいつも感謝しています!

 どうかIWJの取材活動を市民の皆さんでお支えください!
政権におもねる大手メディア、特にNHKなどとはまったく違う、妥協なく真実をお伝えする真剣勝負のファイティングスタイルをお見せしてきたと自負していますし、これからも岩上さん以下、スタッフ一同、徹底的に書いてまいります!
どうか会員としてIWJをお支えください! 今年こそ会員数6000人に到達したいと本気で願っています!
会費だけで安定的な運営ができるまで、まだまだ皆様のお力添えが必要です! ご寄付・カンパを、どうぞよろしくお願いします!

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※ご寄付・カンパもよろしくお願いします!

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 続いては、安道幹記者より、まもなく発行するメルマガ「岩上安身のIWJ特報」のご紹介です!
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■本日「死刑弁護人」の異名を持つ安田好弘弁護士のインタビューを特報で発行します!

 おはようございます。IWJの安(あん)と申します。

 山谷争議団事件、新宿西口バス放火事件、宇都宮病院事件、あさま山荘事件、オウム真理教事件、和歌山カレー事件、光市母子殺害事件、陸山会事件など・・・。時代の転換点となったこれだけの重大事件を、安田好弘という一人の弁護士が全て引き受けてきたことを、皆さんはご存知ですか?

 安田氏は2008年4月には『死刑弁護人~生きるという権利』(講談社+@文庫)を刊行し、弁護士としてのこれまでの仕事を振り返っておられます。

 岩上さんが初めて安田氏と会ったのは、昨年2月21日、北海道の帯広で開かれた石川知裕元衆議院議員(小沢一郎氏の元公設第一秘書)の、陸山会事件の「裁判報告会」でした。安田氏は、普段なかなかメディアの取材を受けてくださらない方として有名ですが、「裁判報告会」で岩上さんが取材を申し込んだところ、快く承諾してくださいました。実をいうと、これまでも岩上さんは、安田弁護士にインタビューの申し込みを続けてきたのですが、そのたびに「忙しいので」と断られてきたのだそうです。念願がかないました。

※2015/02/21 【北海道】「石川さん、検察に対して『ツケを返せ!』と言ってくれ」 ──陸山会事件を振り返る
石川知裕前衆議院議員の裁判報告会(コーディネーター・岩上安身)

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/234574

 昨年6月24日、安田氏へのインタビューが実現し、その模様を動画と記事で配信させていただきました!

※2015/06/24 全体が“山谷”化した日本――事件は「貧困と裕福」の境目で起こる?
新宿西口バス放火事件、オウム事件…「死刑弁護人」安田好弘弁護士に岩上安身が「生きる権利」を訊く!

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/250390#more-250390

 インタビューでは自身の弁護士としての原点である「山谷争議団事件」や、1980年に社会を震撼させた「新宿西口バス放火事件」の知られざる悲しい真実を語っておられます。私たちの「事件」へのとらえ方を根底からひっくり返してしまうような、ディープで、重要な歴史証言を含んでいて、かつ読み応えがあるこのインタビューを、ぜひ、フルテキストにして、読みやすいようにリライトし、IWJの有料メルマガ「IWJ特報!」で、発行することに致しました。本日は「その1」「その2」「その3」を発行します。

 このインタビューのメルマガシリーズは、読者の方からたいへんな反響をいただいています。長時間に及びがちなロングインタビューでは、すべてを把握しきれなかったという人も、このメルマガでじっくり、注釈付きで読むことで、安田好弘という人物と、彼の視座から見えてくる重大事件の真実の姿を深く理解することができるでしょう。

 以下、インタビューの中のいち説をご紹介します。今まさに話題の民主党と連合にも言及されているくだりです。どうして連合が、貧しい労働者の味方と、到底いえないような組織になったのか、その不可解さが、岩上さんと安田弁護士とのダイアローグでみごとに解き明かされています。

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岩上「ところで、私は最近、山谷に行ってみたんですけれども、昔は、山谷は非常に大きく、労働者がたくさんいましたね。でも今は、高齢化も進み、前よりも小ぎれいになっていますね。

 労働者が品行方正になったと言うとおかしいかもしれませんけれども、大変きれいになって、自転車も規律正しく停めているし、まあ、お年を召した人も多く、人数も少なくなって。寄せ場が小さくなった感じがしたんですね。

 昔は、寄せ場と外の世界のコントラストがすごくはっきりしていました。非正規労働者に対する搾取が象徴するように、すごく明白なコントラストだったけれども、今は例えば、ネットカフェに若い人が寝泊まりしている状態など、社会全体が寄せ場化している気がするんですけれども」

安田「ただネットカフェは、その値段といい広さといい設備といい、山谷のドヤよりももっとひどいですよね。ドヤは少なくとも、1人につき畳一畳半ぐらいの大きさはありましたからね。ネットカフェはそこまでの広さはありませんね。

 非正規雇用がどんどん広がってますし、最低賃金が維持されていない場面もありますし、サービス残業なんて当たり前担っているわけでしょ。当時は、勤め人は正社員がほとんどで、それ以外が日雇い労働者だったわけですね」

岩上「そうですね。終身雇用だったし、年功賃金制もあったし、社員になって、丸ごと会社に抱え込まれて、そこで一応福利厚生もあって。そういう時代だったわけだけれども、今、どんどん正社員が消えて不安定化していますよね」

安田「そうですね。社会全体が山谷化していますよね」

岩上「あの山谷の、激しい対立があった時代が終わって、資本主義の景気高揚によって、寄せ場が払拭されていくのかと思いきや、実は社会全体が山谷化していった。

 80年代のバブル景気を挟んで、それまでの労働闘争というものが、ある意味、時代遅れになったかのように見えたんですけれども、今こそ、この映画『山谷、やられたらやりかえせ』を見る必要性があるような気がします。時代がもう一度巡ってきているような」

安田「でも、その基盤が失われていますから」

岩上「闘うという基盤ですか」

安田「全体の中で失われていますね。やはり山谷は、外からはっきりとその矛盾が見えたわけですよ。若い労働者がそこに行くと、目の前にその矛盾を広げられるし、自分もそれを体験させられるわけですから、やはり頑張ろうという話になるわけですね。

 ところが今はもう、どこへ行ってもそれがあって、当たり前のことになってしまっている。もう、小さい頃からそれを体験して見ているわけですから、当時の山谷を見る新鮮さなどなくなってしまっているんですね。それを異常だと思わない社会になってしまっているわけです。

 正規雇用の人たちは、その中に安住してしまって、非正規雇用の人たちのために動こうなんて思ってませんから」

岩上「連合なんて、まさにそうですよね」

安田「そうですね。場内平和というんですかね。自分たちの権利の範囲内だけで安心し、満足しているということですね」

岩上「正規雇用の世界が平均化して、それがだんだん小さくなって、そこから少しずつ少しずつ外へ排除されているという」

安田「そうですね。今のヨーロッパがそうですよね。自分たちの安全のレベルを、どんどん狭くしていく。移民が来ても、どんどん追い出すということをしています」
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 2月に入ってからも「その4」「その5」「その6」と発行していく予定ですので、ぜひこの月の変わり目に、「IWJ特報!」をご購読していただければと思います!

※メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」ご購読はこちらから
・まぐまぐ:http://www.mag2.com/m/0001334810.html
・ブロマガ:http://ch.nicovideo.jp/iwj
(月額864円、初月無料です!!)

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 安記者、ありがとうございました!

■ファシズムをぶっ飛ばす3冊!『前夜・増補改訂版』、『米国が隠す日本の真実』、『「今を伝える」ということ』大好評発売中!

 ここで、現在IWJで「売り出し中」の本をご紹介します!

 『前夜 日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』は、梓澤和幸弁護士、澤藤統一郎弁護士と岩上さんによる共同著書の増補改訂版です!

 安倍総理は参院選で「改憲勢力」での3分の2議席の確保を目指すと明言。そして「緊急事態条項」をまっさきに新設する方針を打ち出していますが、信じられないことに、選挙での争点化を避けたいのか、国会で自民党改憲草案、とりわけ緊急事態条項に言及されるたびに、「政府としてお答えすることは差し控える」と、逃走をくり返しています。IWJは「国会ハイライト」としてまとめていますので、その情けない総理大臣の言い訳をご覧ください。

※超重要!!【国会ハイライト】ついに国会で緊急事態条項の危険性が取り上げられる!緊急事態条項は「ナチスドイツの国家授権法と全く一緒だ」福島議員が追及!
なんと安倍総理は中身について答弁せず逃走!

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/283468

※【国会ハイライト】「緊急事態条項がなぜ必要なのか」民主・岡田代表の質問に安倍総理がまた逃走!IWJ岩上安身「質問を受け付けない安倍総理は詐欺師!」

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/284792

※【国会ハイライト】安倍総理、またまた逃げた!「緊急事態条項は独裁政治、9条改定につながる!」~共産・志位氏の追及に回答濁す“とんずら総理”「正々堂々、逃げずに議論する」は口先だけ!

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/285103

 改憲の議論から逃げた上で、大多数の国民に知らせないまま、改憲には踏み切る。これが自民党の本音です。「アベノミクス解散」と銘打った2014年の衆院選で、安倍総理率いる自民党は、公約にひと言も「集団的自衛権」という文字を入れていませんでしたが、翌2015年の国会では集団的自衛権行使を可能とする「安保法制」を通しました。これが、彼らの常套手段なのです。憲法改正でも同じ手を使ってくるのでしょう。

 岩上さんは、契約書の中身も、条文も読ませないで、契約を結ばせようと迫るセールスマンは詐欺師であると安倍総理が「政治的詐欺師」であることを喝破しています!

※岩上さんのツイートはこちらです:

https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/692422984708046848

https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/692751322651623424

 鳴りを潜めたからといって改憲を断念するわけではない。むしろ、改憲に本気だからこそ、息を殺す。黙る。逃げる。ごまかす。話題をそらす。そして参院選までに時間切れに持ち込む。

 どうか皆さん、自民党改憲草案が受け入れていい代物なのか、『前夜・増補改訂版』をお読みいただき、ご判断ください!

※【増補改訂版・岩上安身単独サイン入り】『前夜 日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』

https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=171

※【増補改訂版】前夜 日本国憲法と自民党改憲案を読み解く

https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=169

 『米国が隠す日本の真実』と、岩上さんが母校の早稲田大学で行った講演「王様は裸だと君は指摘する(できる)だろうか?――ネットメディア・市民ジャーナリズムの可能性,あるいは耐えがたい認知的不協和について――」を含む、『「今を伝える」ということ』も、IWJ書店でお買い求めいただけます!
どれも、今こそ皆さんに読んでいただき、ひたすら対米追従を続けながら、愛国者を偽装しつつ、日本を滅びの方向にみちびいてゆく、その道筋が見えてきます!
参院選前の今ならまだ引き返せますし、我々は戦えるからです!

 迫りくるファシズムを何としてもはね返すための、必読の書となっています! 是非お買い求めいただき多くの人にお知らせください!

※『米国が隠す日本の真実』(岩上安身単独サイン入)ご購入はこちらから!

https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=159

※『米国が隠す日本の真実』(サインなし)ご購入はこちらから!

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※【岩上安身単独サイン入り!】『「今を伝える」ということ』

https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=194

■岩上安身の直近のインタビューのお知らせ

・2月4日(木)15時~ 津田敏秀さん
※岡山大大学院教授で「福島の子供の甲状腺がん発症率は20~50倍」と論文で発表した津田氏に、論文の内容や福島県の現状について、詳しくお話をお聞きします。

・2月8日(月)14時~ 本山美彦さん
※京都大学名誉教授で、『金融権力~グローバル経済とリスク・ビジネス』(岩波新書)、『人工知能と21世紀の資本主義―サイバー空間と新自由主義』(明石書店)などの著書がある本山氏に、現代世界を席巻する新自由主義の暴走についてお話をお聞きします。

・2月11日(木)14時~ 太田昌克さん(後編)
※共同通信社編集委員・論説委員で、『日本はなぜ核を手放せないのか~「非核」の死角』(岩波書店)、『日米<核>同盟~原爆、核の傘、フクシマ』(岩波新書)などの著書がある太田氏に、2018年に期限を迎える日米原子力協定(包括協定)など、日本の原子力政策についてお話をうかがいます。大好評を博したインタビューの、その続編です。ぜひ「前編」もアーカイブでご視聴ください(http://iwj.co.jp/wj/open/archives/281578)。

・2月13日(土)13時30分~ 水島朝穂さん
※早稲田大学法学学術院教授で憲法学が専門の水島氏に、自民党の憲法改正草案、とりわけ緊急事態条項の危険性について、お話をうかがいます。水島氏は、各国の「『有事法制』を語る」という著書もものしています。緊急事態条項について、安保法制を補完するものであると、その本質を見抜かれています。ドイツへ長期間行ってしまう前に、岩上さんがぜひに!と頼み込んで、ご多忙の渡欧前に、時間を作ってもらいました!
必見です!

・2月15日(月)【司会】19時~20時 山本太郎氏・小林節氏 対談
※「<政治>こそ、山本太郎の天職だ!~小林節さん(慶應義塾大学名誉教授)VS山本太郎さん(政治家)」と題したイベントの司会を岩上さんが務めます。イベントの模様は、IWJで中継します。

・2月18日(木)14時~ 中野晃一さん
※上智大学教授であり、立憲デモクラシーを牽引し、SEALDsのよき理解者であり、「市民連合」結集の立役者でもある中野晃一さんは、今のシーンのキーパーソンです。各地のデモや集会などで野党共闘の必要性を訴えている中野氏に、お話をうかがいます。中野さんは、民主党の態度をどう見ているのでしょうか?「市民連合とはよくわからない」という岡田代表の発言をどう思っているのでしょうか?

・2月23日(火)13時~ 高山佳奈子さん
※京都大学大学院教授で、国際刑事法が専門の高山先生は、「学者の会」の記者会見の際、岩上さんのインタビューに応えて、「マスコミの経営幹部と政権トップが会食を重ねることは、刑法上、贈収賄を構成する」と発言された方です!
その時の記事は以下の通り(http://iwj.co.jp/wj/open/archives/254388)。じっくりインタビューを、とお願いしても、なかなか時間の調整がつかなかったのですが、ようやく実現しました!

・2月26日(金)19時~ 蓮池透さん(後編)
※北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)元副代表で、新刊『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』を出した蓮池氏に、1月27日に引き続き、お話をお聞きします。

・3月3日(木)15時~ 施光恒さん(後編)
新刊『英語化は愚民化~日本の国力が地に落ちる』が話題沸騰中の九州大学准教授・施光恒氏。1月26日に「前編」のインタビューを行いました。施氏は、安倍政権が「成長戦略」の名の下に進めている「グローバル化=英語化」を厳しく批判。3月3日には続編のインタビューをお届けします。

■わとはぷ~What happened today?

 本日1月31日は、「愛妻の日」だそうです。日本愛妻家協会が2006年に制定しました。1月の1を『I』に見立て、「あい(I)さい(31)」の語呂合わせだそうです。

 僕は歴史小説や時代劇が好きですが、格好つけた高名な武士でも、女性や妻、側室に対する扱いは最低ですよね。他の国はどうか知りませんが、とにかく日本の男尊女卑は根深い問題ではないかと思います。「側室」という制度もおかしいでしょ。女性への接し方に関してギリギリ合格ラインに到達していそうなのは…まぁ、しいて言えば明智光秀くらいでしょうか。

 「愛妻の日」である今日は、都合よくも日曜日です。全国のお父さんは、西洋の「レディーファースト」の精神を汲みとって奥さんに日頃の感謝を表してみてはいかがでしょう。そして日曜日ということで、新たに始まった大河ドラマ「真田丸」も見逃せません。

 あ、それから、現在の日本国憲法には「男女平等」がしっかり明記されていますが、これは戦前、戦中の明治憲法にはなかった条項です。男女平等は、現在でも様々な女性差別が残り、実現していない点もありますが、その理念をまき込んだ、ということはすごいことだと思います。

 自民党の改憲草案、一応は男女平等の言葉は残っていますが、そこかしこに「家制度」の尊重が書き込まれ、結婚しない人、できない人、離婚した人、異性愛者じゃない人、子どもを持てない人などにとっては、もっっっのすごく住みにくい世界になること間違いなしだなと感じさせる内容になっています。

 『前夜』で、読んどいてくださいね、特に女性の皆さん。そして大事にしたい女性のいる男性の皆さん。

 それでは今日も1日、よろしくお願いします!

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/

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