日刊IWJガイド「相次ぐ自民党議員の『黒いカネ』問題!野党共闘の追い風なるか!?『岩上安身のIWJ特報』発行いたしました!みなさまのご購読をお待ちしております!」2016.2.1日号~No.1236号~


■■■ 日刊IWJガイド「相次ぐ自民党議員の『黒いカネ』問題!野党共闘の追い風なるか!?『岩上安身のIWJ特報』発行いたしました!みなさまのご購読をお待ちしております!」2016.2.1日号~No.1236号~ ■■■
(2016.2.1 8時00分)

 おはようございます!IWJ学生記者の城石エマと申します!

 今日から2月。もう2016年は1ヶ月も過ぎてしまったんですか?早いものです。2月は29日までだからもっと早く過ぎ、3月は辛い花粉に気を取られているうちにあっという間に過ぎ、4月は寒いのか暖かいのかよくわからないから着るものに悩んでいるうちに過ぎ去ってしまうでしょう。そうしたらもう、7月です。参院選です。各地では、その前哨戦とも言うべき市長選が始まっています。

 この前の宜野湾市長選に際しては、IWJの佐々木隼也記者と谷口直哉カメラマンが沖縄入りしましたが、実はIWJの財政状況は穏やかではありません…。また、ここ最近、ご寄付やカンパの低迷に苦しんでいるところでもあります。

 これからまだまだ、さらなる取材に邁進したいところです。マスメディアが報じない市民の声をIWJは伝え続けます。どうか、そうしたIWJの取材を、会員としてお支えくださいますよう、お願いいたします!!

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 IWJの貴重なコンテンツは、一定期間が過ぎれば、サポート会員の方しか見られないようになっています。サポート会員は、1ヶ月に3000円、1年まとめてのお支払いでしたら3万円です。衛星放送を含んだNHKの1年契約は、2万4770円。え、サポート会員はNHKより6000円も高いの?いえいえ!サポート会員であれば、IWJのすべてのコンテンツを含んだアーカイブが自由にご覧いただけます!動画だけでも、1万5000本以上もあります!

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 今日も日刊IWJガイドでは、豊富な話題をお届けします。本日お伝えするのは、以下のラインナップです!

┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━
┠■またもや自民党議員の「カネ」問題!熊本選挙区の松村祥史議員から3500万円もの「出所不明金」が明らかに 神戸大学大学院・上脇博之教授に電話インタビュー!「松村議員と政党支部の共謀だろう」!(城石エマ)
┠【中継番組表】
┠■天皇、皇后両陛下のフィリピン訪問で元慰安婦のフィリピン人女性たちが抗議集会!日本のマスコミの報じない事実!(安道幹)
┠■「事件は貧困と裕福、安定と不安定といった環境の境目で起こる」――「死刑弁護人」安田好弘弁護士インタビューをメルマガ「岩上安身のIWJ特報」で発行しました!(原佑介)+特報の内容をチラ見せ!(平山茂樹)
┠■自民党への鞍替えが噂される民主党・鈴木貴子議員、民主党大会の議長に選出!父・宗男氏は自公推薦候補支援でオール野党共闘を裏切り!(青木浩文)
┠■マスコミ大はしゃぎのハリス米軍司令官の「尖閣守る」発言に、ジャーナリストの春名幹男氏が「日本への『リップサービス』」と冷ややか!(城石エマ)
┠■お知らせ~「岩上安身の直近のインタビュー・講演」
┠■わとはぷ~What happened today?―都内で私立中学の受験初日!11年前の受験の思い出(城石エマ)
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■またもや自民党議員の「カネ」問題!熊本選挙区の松村祥史議員から3500万円もの「出所不明金」が明らかに 神戸大学大学院・上脇博之教授に電話インタビュー!「松村議員と政党支部の共謀だろう」

 「悪代官と悪徳商人」のごとき甘利大臣の騒動の裏で、もう一つ、自民党議員の「怪しいカネ」問題が浮上しています。

 熊本選挙区の松村祥史(まつむらよしふみ)参議院議員に、3500万円もの出どころの不明な「寄付金」があることが発覚しました。

 松村議員の疑惑が明らかになったきっかけは、神戸学院大学法学部の上脇博之教授が共同代表を務める「政治資金オンブズマン」が、1月21日、熊本地検に告発状を送付したことでした。

 同じく上脇教授が呼びかけ人を務める、「落選運動を支援する会」によると、この松村議員は、2010年の参院選に際し、選挙資金として「政党支部」から3500万円の寄付を受けた、と熊本県の選挙管理委員会に届けながら、一方の政党支部の収支報告書には3500万円の寄付の記載をしていませんでした。

 議員が寄付金を受けた場合には、収支報告書に寄付金額を記載しなければならず、記載がないということは、「政治資金規正法」に違反します。

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※落選運動を支援する会
「松村祥史議員(熊本県選挙区)を7月実施の参議院選挙における落選対象議員第2号として告発しました」
http://rakusen-sien.com/topics/4032.html
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 1月29日の日刊ゲンダイ(http://goo.gl/bn0BGo)が報じたところによると、松村議員の事務所は、出どころ不明の3500万円について、「一部は、松村の『自己資金』だった可能性があります」とし、さらに報告書への不記載については、「収支報告書に『記載ミス』をした恐れ」があるなどと述べ、事実関係を調べたうえで会見を開くとしています。

 しかし、今のところ松村議員自身による説明はありません。

 甘利氏騒動に続き、今回もIWJでは、松村議員の疑惑に関して、上脇教授にさっそく電話インタビューしました!

 上脇教授は、まず、「3500万円という金額に驚きましたよ。目を疑いました。見間違いかな?とか、桁の記入ミスかな?と思ったんですけど、やはりほんとうに3500万円でした」とコメントしました。

 甘利元大臣の時にも、甘利氏自身の受け取った額は100万円、秘書が使い込んだとされる額は500万円ですから、松村議員の3500万円は文字通り桁違いということになります。

 さらにこの巨額の「黒いカネ」について、上脇教授は次のようにもおっしゃりました。

 「松村議員と政党支部の会計責任者が共謀して、政党支部の収支報告書に記載しなかったのだろう。一方で、選挙運動の出納責任者は、正直に3500万円の収入を書いてしまったのだろう」

 議員と政党支部の会計責任者の癒着は、甘利氏の件でも問題になったばかり。さらにこの熊本支部は、党のお金で地元の婦人バレーボール協会に、毎年3万円を「会費」として払っているとのこと。自分の選挙区内の団体に寄付をすること、寄付を「会費」として記載することは、公職選挙法、政治資金規正法のどちらにも違反します。つまり、この政党支部と松村議員の「カネ事情」は真っ黒。

 ちなみに熊本では、全国に先駆けて一人区での野党統一候補として、阿部広美氏が擁立されました。オール野党の共闘にはこれだけでは安心できませんが、自民党議員のこうした「しょうもない」カネ問題が、野党議員たちをさらに燃え上がらせてくれれば、げんなりした有権者も希望が持てるかもしれません。野党議員のみなさん、お願いしますよ!

…(後半へ続く)

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◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表をお送りします。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2016.2.1 Mon.**

【Ch4】14:00~「選挙市民審議会・第三部門会議『民主主義の条件』」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※「公正・平等な選挙改革に取り組むプロジェクト」が主催する「選挙市民審議会」メンバーによる、各部門会議の模様を中継します。第三回目のテーマは「民主主義の条件」です。

【Ch5】15:00~「出張 関西100人のドラム隊 首相官邸前 年金返せ抗議『GPIF株式運用11兆損害抗議』」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※「関西100人のドラム隊」らによって行われる、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が年金積み立て金運用で、多額の損失を出したことに対する抗議を中継します。首相官邸前で行われます。

【Ch2】17:30~「東京電力 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力による定例会見を中継します。

【IWJ_OSAKA1】19:00~「9条は日本の宝!吹田の集い2016 ~講演・小林節さん(慶応大学名誉教授)」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-osaka1
※「9条は日本の宝!吹田のつどい2016実行委員会」が主催する講演会を中継します。講師は慶応大学名誉教授の小林節氏。

【録画配信・Ch6】20:30~「蓮池透氏・刊行記念トークイベント『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※1月26日に開催された、拉致被害者家族連絡会元副代表・蓮池透氏の刊行記念トークイベント『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』を録画配信します。

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◆明日の中継番組表◆

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2016.2.2 Tue.**

【Ch未定】15:30~「東京・生活者ネットワーク 新春の集い・第1部『右傾化する日本政治』―地域から市民政治を拡げる 講師:中野晃一さん(上智大学 国際教養学部教授)」
※「東京・生活者ネットワーク」主催の「新春の集い」第1部を中継予定です。講師は上智大学 国際教養学部教授の中野晃一氏。

【Ch未定】18:00~「TPP調印式に大抗議! STOP TPP!! 官邸前アクション」
※各界参加者、国会議員からのスピーチ等が予定されている、「STOP TPP!! 官邸前アクション実行委員会」主催の抗議行動を中継します。

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(前半の続き)…

 後半最初は、いつも爽やかな安道幹(あんみちまさ)記者より、ご報告いたします!

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■天皇、皇后両陛下のフィリピン訪問で元慰安婦のフィリピン人女性たちが抗議集会!日本のマスコミの報じない事実!

 おはようございます。IWJの安(あん)と申します。

 おととい1月30日、日比国交正常化60周年の友好親善を目的として、フィリピンを訪問していた天皇、皇后両陛下が日本へ帰国されました。

 1月29日には両陛下が戦没者の慰霊のためルソン島のカリラヤを訪れ、日本人戦没者を悼む「比島戦没者の碑」に供花され、また27日には、フィリピン側の「無名戦士の墓」にも訪れて拝礼されたことを、IWJの日刊ガイドでもお伝えいたしました。

 27日の夜、大統領の晩餐会で陛下は、太平洋戦争でフィリピン側が受けた被害について触れ、「日本人が決して忘れてはならないことであり、私どもはこのことを深く心に置き、旅の日々を過ごすつもりです」と述べられたようです。戦時中の日本のフィリピンに対する「加害者性」について、天皇陛下がこうして率直に言及されていることに、日本のメディアはもっと注目すべきなのではないでしょうか。

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※平和の願いフィリピンに…帰国の途に (毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20160130/k00/00e/040/222000c
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 今回の両陛下によるフィリピン訪問について、日本のメディアは主に両陛下の現地の動向に焦点を当てるのみで、フィリピンの市民たちが実際どのようにお二人の訪問を受け止めたのかについては、具体的な報道が乏しかったように思います。

 「欧米の帝国主義からのアジア解放」を謳いながら、実際には「帝国主義」の当事者としてアジアを侵略した日本の当時の最高責任者は、昭和天皇でした。戦後70年が経つとはいえ、被害者がまだ生存し、侵略の記憶が根強く残っている被害国で、その昭和天皇の息子の今上天皇自身が実際に姿を現すとあっては、現地の市民から長年くすぶっていた葛藤の入り混じった複雑な感情で受け止められたとしても、不思議なことではありません。

 実際、今回も両陛下のフィリピン訪問に合わせて、マニラの大統領府近くでは「元慰安婦の女性たちによる抗議集会」が開かれていました。

 被害者の一人は「日本が韓国の元従軍慰安婦問題の支援に合意したのなら、フィリピンの元慰安婦はどうするのですか?我々も犠牲者であるので、日本は我々にも対応しなければなりません」と語っていたとのことです。被害者の立場に立てば、これは当然の主張だと思います。

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※【映像】フィリピンの元従軍慰安婦ら、訪問中の天皇陛下へ訴え (AP通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160127-00010000-aptsushinv-asia
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 1941年12月、日本軍はフィリピン・ルソン島へ上陸し、すぐにマニラを陥落させたあと、1942年1月3日から軍政を実施しました。フィリピンでは、マニラをはじめとして、各都市に軍慰安所がつくられました。日本人、朝鮮人、中国人の慰安婦が送り込まれましたが、現地のフィリピン人女性も慰安婦にされたことは、今の日本でどれくらい知られているでしょうか?

 IWJでは、支援団体「リラ・ピリピーナ」の協力を得て、フィリピン人の元慰安婦エステリータ・デイさんに、岩上さんが直接お話しをうかがったことがあります。

 同団体が確認しただけで、フィリピン人女性の被害者は174名。スタッフのレチルダさんは「お金を稼ぐために慰安婦になったケース」は「われわれが知る限りない。174人全員が強制連行され、レイプされた」と述べておられました。エステリータさん自身、市場に踏み込んできた日本軍将校に力づくでさらわれた、と自身の体験を証言しています。

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・2013/08/12 「力ずくの強制連行はなかった」という安倍総理の発言を覆す、日本軍による拉致監禁・性暴力の証言者へ岩上安身がインタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/95966
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 また2013年には、当時、内閣府の特命担当大臣(規制改革担当)だった稲田朋美氏が、IWJ記者の質問に答えて、日本軍による韓国従軍慰安婦について「戦時中合法であったことは事実」と発言しています。政府・与党内の議員からは歴史的事実をはなから無視し、認めようとしない心ない発言がずっと繰り返されてきました。

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・2013/05/24 稲田大臣、従軍慰安婦制度について「戦時中、合法であったことは事実」 ~稲田朋美行政改革担当大臣 定例会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/81090
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 IWJでは、こういった状況に憂慮し、岩上さんが従軍慰安婦問題に詳しい専門家にインタビューするなどして、歴史的事実に基づいた記事を配信してきました。

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・2013/06/24 「日本軍慰安婦制度は、国内法上も国際法上も明らかに犯罪である」「韓国併合は無効である」~岩上安身による国際人権法学者・戸塚悦朗氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/86605

・2013/06/24 【IWJブログ: 従軍慰安婦制度は「奴隷制度であり、 醜業条約違反であり、強制労働条約違反」~戸塚悦朗氏インタビュー】
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/90389
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 慰安婦問題は、決して「日韓」だけの問題ではありません。両陛下のフィリピン訪問でも見えてきたように、日本軍が侵攻したアジア諸国の至るところで起こした問題であり、その苦しみ、痛みの記憶は、被害を受けた現地の人々に深く刷り込まれています。

 IWJでは引き続き、この問題と日本政府の挙動に注視し続けたいと思います。どうぞご注目ください。アーカイブの動画やテキストも、ぜひこの機会に、会員登録をしてご覧になってください。
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 安記者、ありがとうございました!

 続いては、原佑介記者が本気で心を打たれたというある本について紹介しながら、メルマガ発行をお知らせいたします!

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■「事件は貧困と裕福、安定と不安定といった環境の境目で起こる」――「死刑弁護人」安田好弘弁護士インタビューをメルマガ「岩上安身のIWJ特報」で発行しました!

 「なんらかの形で犯罪に遭遇してしまい、結果として事件の加害者や被害者になるのは、たいていが『弱い人』たちなのである。他方『強い人』たちは、その可能性が圧倒的に低くなる」

 おはようございます、IWJの原です。冒頭にあげたのは、『死刑弁護人 ~生きるという権利』(講談社)のまえがきの一節です。

 著者の安田好弘弁護士は新宿西口バス放火事件、オウム真理教事件、和歌山カレー事件、光市母子殺害事件など、多くの「死刑事件」の弁護人をつとめてきました。「死刑弁護人」を自称する所以です。

 昨年6月24日、岩上さんのインタビューに応じていただきましたが、昨日はその安田さんインタビューの詳報を、メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」でお届けしました。

 安田さんが手がけてきたような死刑事件の犯人は、血も涙もない冷徹な「凶悪犯」だと報じられがちですよね。しかし、本当にそうなのでしょうか。「凶悪犯」を数多く弁護してきた安田さんのお話を聞くと、一概にそうとは言いきれないことがわかります。むしろ、僕たちはかなり誤解させられていることに気づきます。

 安田さんは言います。

 「事件は貧困と裕福、安定と不安定といった環境の境目で起こる。『強い人』はそうした境目に立ち入らなくても生活していけるが、『弱い人』はそうではない。さまざまな社会的不幸が重なりあって犯罪を起こしてしまう」

 世の中には「善い人」「悪い人」がいるわけではない、僕たちが知る「凶悪犯」の犯人像は、実はあまりに一面的なものなのかもしれない、そこには検察によるストーリーの捏造もあるでしょう。であれば、やはり凶悪事件の本質は、我々の知るところとは様相が異なってきます。

 例えば、1980年に起きた「新宿西口バス放火事件」。と言っても、1984年生まれの僕はまだ生まれていなかったので、この事件のことは安田さんのご著書を読んで初めて知りました。

 1980年8月19日夜、新宿駅西口のバスターミナルに停車中だったバスの車内に、男が後部ドアから火のついた新聞紙とガソリンが入ったバケツを車両後方へ投げ込み、バスは一瞬にして炎上。6人が死亡、14人が重軽傷を負う大惨事となりました。

 犯人とされた「Mさん」は、「日頃の鬱憤、嫉妬でバスを放火した」と信じられてきましたし、Wikipediaにも「男の自供によれば、犯行の動機は『日ごろのうっぷんを晴らすため』だった。事件当夜、駅前広場に通じる階段に座って酒を飲んでいたところ、何者かに『ここから出て行け』と言われ、カッとなって犯行に及んだという」と事件のあらましが描かれています。

 戦中の1942年、北九州市で5人兄弟の末っ子として生まれたMさん。幼くして母を亡くし、父は定職を持たないアルコール依存症。小学2年生頃からほとんど学校にも通っておらず、文字の読み書きも満足にできなかったそうです。

 しかし、Mさんは人の悪口ひとつ言わず、腰も低くて誰からも好かれる性格でした。学がなく、その日暮らしの生活を余儀なくされていましたが、真面目に一生懸命働いていたのです。安田さんも、岩上さんのインタビューの中で、Mさんについて、とにかく「いい人」だったと振り返っています。バスを放火するような人間では決してなかったんですね。

 事件の第一報を聞き、キナ臭さを嗅ぎとった安田さんは、「国選弁護人に任せてはいられない」と思い立ち、すぐに「押しかけ弁護」に駆けつけたといいます。そこでMさんと信頼関係を築き、浮かび上がった事件の真相は、報じられていることとはまるで異なるものでした。「日頃の鬱憤を晴らすための犯行」というのは、まさに検察による「ストーリーの捏造」そのものだったんですね。

 真実は、やはり「弱い人」が、「安定と不安定といった環境の境目」で、「さまざまな社会的不幸」が重なりあって起こしてしまった悲しい事件であり、また、社会のセーフティネットがもっと充実していれば防ぎ得た事件でもあったのです。涙なしには語れない事件の真相は、メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」をご購読ください。

 安田さんには、岩上さんの帯広出張のスタッフとしてついていったときに、僕も実際にお会いしてご挨拶しましたし、『死刑弁護人』や『「生きる」という権利』などの著書も読ませていただきました。岩上さんによるインタビューの事前準備も担当し、もちろん、インタビューも拝見しました。

 「安田好弘」という弁護士の生き方や哲学、人間性に触れた僕は、「世界の不条理や不公平を散々目の当たりにして、なぜ、なおもああまで優しく、そして強くいられるのか」と不思議に思ったと同時に、我々のような報道をなりわいとする人間も、常に「弱者」の側に立つ視点を忘れてはいけないと、改めて肝に銘じました。

 『死刑弁護人』は、僕の人生に多大な影響を与えた、超重要な一冊です。今では品切れ重版予定なしとなってしまっているようですが、中古で売っていると思いますので、機会があればご一読されることを強くおすすめします。もちろん、その前に「IWJ特報!」もよろしくお願いします。

 昨日は「その1」から「その5」まで一挙発行しました!ぜひこの月の変わり目に、「IWJ特報!」をご購読していただきたく思います。

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※2015/02/21 【北海道】「石川さん、検察に対して『ツケを返せ!』と言ってくれ」 ──陸山会事件を振り返る
石川知裕前衆議院議員の裁判報告会(コーディネーター・岩上安身)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/234574

※※2015/06/24 全体が“山谷”化した日本――事件は「貧困と裕福」の境目で起こる?新宿西口バス放火事件、オウム事件…「死刑弁護人」安田好弘弁護士に岩上安身が「生きる権利」を訊く!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/250390#more-250390
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 原記者、ありがとうございました!

 ここで、日刊IWJガイドをお読みのみなさまへ特別に、「岩上安身のIWJ特報!」の内容を少しだけ、ご紹介したいと思います。平山茂樹記者、よろしくお願いいたします!

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 平山です。ここではIWJ特報の一節を引用してご紹介したいと思います。新宿西口バス放火事件の最後の一節です。

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岩上「しかし残念な話ですが、Mさんは、1997年に所内の作業場で自殺しました。あまりに悲しい結末です。その時の、安田さんの言葉です。

 『私はMさんの刑が確定したことで、弁護は終わったと錯覚していた。Mさんにとって刑の確定は、いつ終わるともわからない長い受刑の始まりにすぎなかった。長い受刑の期間こそ、弁護が、そして支えが必要だったのである』。」

安田「これはもう、本当に自分の馬鹿さ加減を思い知らされましたね。法廷で仕事を全うすればそれでいいと思っていた自分の馬鹿さ加減がね、よくわかりましたね」

岩上「しかし、安田さんは、弁護士としての仕事は、十二分に果たされているのではないですか」

安田「いや、結果を見れば、何の役にも立っていないわけです。それからは、やはり弁護の仕方も変わりました」

岩上「変わったというのは」

安田「ひとりの人が、将来の長い時間に耐えていけるだけの自覚というか、いや、自覚というとちょっと僕が偉すぎますね。それだけの思いを持って、刑が確定していく手助けをしなければならないという気持ちになりました」

岩上「刑が確定したあとも、支えは続く。それも含めて弁護だということですか」

安田「そうですね」

岩上「それはしかし、重い責務をご自分に課されていますね」

安田「将来どう生きていくかということを常に相談しながら、一所懸命関わっていく。例えば懲役12年の人がいたら、10年近く刑務所から出られない。10年間、どう生活するか、その後どう生きていくかというようなことも話し合いながら、まあ、何もできないですけれどもね。常に、『頑張っているか』と手紙をやりとりしながら、あるいは、『面白い本が出たよ』と、本を送ったりするんですよ」

岩上「寄り添うということですよね」

安田「ネットワークの一つですよ」

岩上「(放火事件の被害者の)杉原さんは、『生きてみたい、もう一度』(※56)という手記を出版されていますね。本当に情けない話ですけれども、私は、このインタビューの前に、この本を入手して読むことができなかったんです。至らないと思っています」

安田「杉原さんは、去年、『炎を越えて 新宿西口バス放火事件後三十四年の軌跡』(※57)を出していらっしゃいます。迫力のある本でしたね」

・杉原美津子著『炎を超えて 新宿西口バス放火事件三十四年の軌跡』
(写真URL:http://bit.ly/1nw6arB

岩上「では、書かれたのは1冊ではないんですね」

安田「はい。3冊ぐらいあります。僕は、やはり最後の本が、杉原さんの思いを強く表していると思いました。杉原さんは杉原さんなりに、何とか事件を乗り越えて理解しようとしていたけれども、やはり大変な時間がかかる。その乗り越える過程を書いておられます。去年でしたか、ガンが発覚して、あまり生きる時間がないというので、新宿の現場に行ったと書かれていましたね」

岩上「(中略)今日のインタビューで、安田さんの弁護士としての原点の第二歩ぐらいまで、少しわかったかと思います。安田さんの視座から見る事件の被害者と加害者。その関係は、必ずしも完全な対立関係にあるわけではないんですね」

安田「そうですね」

(後略)
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(※55)杉原美津子さん:1944年生まれ。1980年8月19日、「新宿西口バス放火事件」の被害に遭い、全身80パーセント以上の熱傷を負う。6人が死亡した、無差別犯罪の原点ともいえる事件だが、杉原氏は加害者であるM氏の不幸な生い立ちを知るにつれ「自分もまた彼を加害者の側に追いやった人間のひとりではないか」と問い、本人との接見を希望する。
1986年に無期懲役が確定してからは、Mさんの身元引受人を申し出る。手記『生きてみたい、もう一度』(文藝春秋)はベストセラーとなり、映画化もされた。その後ノンフィクション作家として活動。治療時の輸血がもとでC型肝炎となり、2009年、肝臓がんで余命半年の宣告。2014年12月7日、肝臓がんのため死去。(参照:杉原美津子×入江杏「喪失から蘇生へ『新宿西口バス放火事件』と『世田谷一家殺害事件を語る』」2014年8月19日【URL】 http://bit.ly/1OsVeDC

(※56)『生きてみたい、もう一度』:1980年8月に起きた新宿西口バス放火事件の被害者である杉原美津子氏が書いた手記。1983年、文藝春秋より発刊。1985年に映画化されている。

(※57)『炎を越えて 新宿西口バス放火事件後三十四年の軌跡』:新宿西口バス放火事件の被害者である著者は獄中の「加害者」に面会を求める。その後、夫の認知症と死。事件の輸血によるC型肝炎が原因で、肝臓がんによる余命宣告。杉原美津子氏による手記。2014年、文藝春秋より発刊。
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 平山記者、ありがとうございました!

 憎しみを煽ることでは、憎しみを乗り越えることはできませんね。深く考えさせられます。みなさま、ぜひ「岩上安身のIWJ特報!」をご購読ください!お申し込みはこちらから!

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 そしてぜひ、安田弁護士への岩上さんによるインタビュー動画も、アーカイブからご覧になってください。サポート会員であれば、いつでもご覧になることができます。

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2015/06/24 全体が“山谷”化した日本――事件は「貧困と裕福」の境目で起こる?新宿西口バス放火事件、オウム事件…「死刑弁護人」安田好弘弁護士に岩上安身が「生きる権利」を訊く!
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 続いて、ご本人は「輪郭のはっきりしない変なおじさん」を自称していますが、実はとても実直で紳士な青木浩文記者より、ご報告いたします。

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■自民党への鞍替えが噂される民主党・鈴木貴子議員、民主党大会の議長に選出!父・宗男氏は自公推薦候補支援でオール野党共闘を裏切り!

 IWJで中継やテキスト関係のお手伝いをしながら報道現場の勉強をしています青木浩文です。

 2016年1月30日に開催された民主党大会での出来事です。会の冒頭、大会実行委員会・事務局長の黄川田徹衆議院議員から、「本大会の議長の選出を行ないたいと思います」と宣言がされました。

 「議長には大会実行委員会から、鈴木貴子衆議院議員、そして、小西洋之…」

 「えーっ」(会場に笑いが起こり、その後どよめきに変わる)

 「…参議院議員、この二人をご推薦いたしたく思っております。両代議員を議長に指名することにご異議ございませんか?」

 「やだぁー」(再び会場はどよめき、そして、パラパラと拍手)

 「はい、ご異議なしと認めさせていただきたいと思います」

 小西議員と言えば、昨年9月17日の参院平和安全法制特別委員会において、強行採決をすべく与党議員が作った「人間かまくら」に対して、議長からマイクと紙を取り上げようと、その中心に向かってダイブをし、ヒゲの隊長こと自民党の佐藤正久参議院議員にパンチを食らった、あの議員です。

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※2015/09/19 岩上安身による小西洋之議員緊急インタビュー!票決が盗まれた犯行現場・委員会室でヒゲパンチを食らいながら目の当たりにした一部始終!「憲法奪還」の戦いがこれから始まる!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/265985
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 党大会で議長として小西議員の名前が告げられると、会場から「えーっ」という声があがり、その後笑いに変わりました。小西議員は1年生議員。44才というその若さに加えて、いい意味で空気を読まない猪突猛進型、勇往邁進型の性格などもあって、民主党内では「いじられキャラ」なのでしょうか?「えーっ」の声には、同議員に対する親しみのようなものも感じました。

 しかし、その後に続いたどよめきは、小西議員だけでなく、もう一人の議長候補、鈴木議員に向けられていたのかもしれません。

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※2016/01/30 民主党 2016年度定期大会
(冒頭に紹介した議長指名の場面など、党大会の全編をご覧になるには、入会当月お試し無料の会員登録が必要です)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/285069
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 自民党はこの鈴木議員を自民に引き抜き、次の衆院選で候補として擁立することを検討中とされています。鈴木氏の父で、地域政党「新党大地」の鈴木宗男代表との連携を強める狙いがあると、報じられています。

 離党の噂のある鈴木氏を、党大会の議長に指名した理由について、朝日新聞は「自民に行かせないためだ」という関係者の言葉を紹介しています。

 「新党大地」は衆院北海道5区補欠選挙(4月24日投開票)で、自民党公認候補の支持を表明。オール野党共闘に待ったをかけた状態となっています。

 補選は昨年の町村信孝前衆院議長(享年70)急逝に伴い行われます。自民党は町村氏の娘婿の和田義明氏(44)を擁立。一方、民主党は池田真紀氏(43)、共産党は橋本美香氏(45)が出馬表明していました。

 すると「国民連合政府」を提唱し、オール野党結成を呼びかけている共産党は橋本氏の取り下げを示唆し、自民VS野党統一候補の構図になると目されていました。

 ところが、今月上旬、鈴木氏は共産党を含む野党共闘を批判、自民党公認の和田氏支持に回ってしまいました。鈴木氏は前回の衆院選で町村氏を落選させるべく活動していたこともあり、町村氏は亡くなったとはいえ、鈴木氏の後援者からは戸惑いと驚きの声があがっているそうです。それはそうでしょう、あまりにも極端な変わり身ではないでしょうか。

 さらに、鈴木氏の娘である貴子議員は、2013年の衆院選で新党大地から民主党に移行し、比例復活している身分なのです。民主党に「借り」がないとは言えません。当然のことながら、その父である宗男氏と共に、民主党候補の池田氏を応援するものと見られていました。

 民主党、そして支援者への「裏切り」、「寝返り」、「手のひら返し」となるこのような動きを、宗男氏はなぜ取るのでしょうか。奇しくも、この原稿を書いている1月31日は宗男氏の誕生日。68才となった宗男氏がブログに綴った言葉の中に、その答えが隠されていそうです。

 続きは、ぜひIWJのウェブで、お読みください!

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・ 「ちょっと『市民連合』ってよくわかりませんので…」って岡田代表、まさか!?―自民党への「転身」が噂される鈴木貴子議員の何様な発言、そして鈴木宗男氏の「男の勝負」とは!?
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/285069
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 青木記者、ありがとうございました!ちなみに昨日1月31日は、ムネオさんのお誕生日だったそうです。お祝いはしてもらえたのでしょうか?少なくとも、裏切られた野党議員や野党共闘を応援する市民からは、お祝いされていないのではないでしょうか。

 続いて、私よりご報告させていただきます。

■マスコミ大はしゃぎのハリス米軍司令官の「尖閣守る」発言に、ジャーナリストの春名幹男氏が「日本への『リップサービス』」と冷ややか!

 アメリカは尖閣諸島を守ってくれる――日本のマスコミは頑なに日米同盟を信じているかのように報じますが、本当でしょうか。米軍が日本を守るために、中国軍と戦う、というのは、日本が「そうであって欲しい」と願望を込めて信じようとしている「神話」なのではないでしょうか。

 1月27日にワシントンで行われた講演海で、米海軍司令官のハリー・ハリス氏が、「中国に攻撃されれば尖閣を守る」と発言したとされますが、これについて朝日や読売は、米軍による「踏み込んだ発言」は「異例」だと報じたり、ハリス氏が「中国の行動は挑発的だ」と発言したことを取り上げたりし、大はしゃぎをしています。

 一方で、1月28日に岩上さんがインタビューをしたばかりの、外交問題に詳しい国際ジャーナリストで、早稲田大学客員教授(私も学生として授業を受けました!)の春名幹男さんが、ハリス発言について1月30日の日刊ゲンダイ(http://goo.gl/Imm1sk)で「冷ややかな」コメントをしています。

 「オバマ大統領もそうでしたが、ハリス司令官もあくまで言葉だけですから、中国への警告と日本への『リップサービス』と受け止めた方がいいのではないでしょうか」

 春名先生は、南シナ海で米中が本気で衝突するなどとする「脅威論」には、懐疑的ですが、それもそのはず。というのも、昨年2015年の10月27日に、アメリカは、横須賀に停泊する米海軍のイージス駆逐艦「ラッセン」を、南シナ海に浮かぶ中国の人工島の12カイリ内で航行させ、「航海の自由」をアピールしたとされていますが、実はこの時アメリカは、航行の前に米海軍高官を中国に訪問させた、とされているのです(AP通信 http://goo.gl/7A6kAO)。

 つまり、日本のマスコミが騒ぎ立てたような「アメリカがついに中国対策に本腰を入れ始めた」というようなものではなく、はなから米中間の同意の上でのパフォーマンスだった可能性がある、ということです。

 他にも米中は、パイロットが空中で遭遇した際の安全確保に関する合意に達したり、民間企業の提携関係も加速したりするなど、関係はむしろ良くなっているのです。

 良好な状態にある米中関係を見比べれば、アメリカが本気で中国を警戒していて、いざとなったら尖閣諸島防衛のために中国軍と戦ってくれる、などと真剣に信じ込んでいたり、期待をかけたりするのは、ちょっとナイーブすぎるのでは、と思わざるを得ません。

 ハリス発言は、リップサービスなのか、軍部の大見栄なのか、これについては、後日、岩上さんが春名先生にインタビューの後編をすることになっていますので、さらに深く突っ込んでお聞きするはずです!ご期待ください!

 ちなみに、先日岩上さんが行ったインタビューで春名氏は、「在日米軍は日本を守るために日本に駐留しているわけではない」と、ネトウヨ顔面蒼白の事実を明かしています。「いったいどういうこと!?」という気になる真相は、ぜひ、こちらのインタビューをご視聴ください!

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・2016/01/28 「米国は日本を守らない!」 日米新ガイドラインに施された翻訳上の仕掛けとは~『仮面の日米同盟』著者・春名幹男氏に岩上安身が直撃インタビュー(動画)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/284665
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 インタビュー動画をフルでご視聴いただくためには、会員登録が必要です。どうぞ、この機会にIWJの会員にご登録ください!

■岩上安身の直近のインタビュー・講演などのお知らせ

 毎回好評をいただいている、岩上さんによる各界知識人の方々へのインタビュー。今後も、「あの人にお話を聞いてみたい!」という方にお願いをして、貴重なインタビューをお届けします!

・2月4日(木)15時~ 津田敏秀さん
※岡山大大学院教授で「福島の子供の甲状腺がん発症率は20~50倍」と論文で発表した津田氏に、論文の内容や福島県の現状について、詳しくお話をお聞きします。

・2月8日(月)14時~ 本山美彦さん
※京都大学名誉教授で、『金融権力~グローバル経済とリスク・ビジネス』(岩波新書)、『人工知能と21世紀の資本主義―サイバー空間と新自由主義』(明石書店)などの著書がある本山氏に、現代世界を席巻する新自由主義の暴走についてお話をお聞きします。

・2月11日(木)14時~ 太田昌克さん(後編)
※共同通信社編集委員・論説委員で、『日本はなぜ核を手放せないのか~「非核」の死角』(岩波書店)、『日米<核>同盟~原爆、核の傘、フクシマ』(岩波新書)などの著書がある太田氏に、2018年に期限を迎える日米原子力協定(包括協定)など、日本の原子力政策についてお話をうかがいます。大好評を博したインタビューの、その続編です。ぜひ「前編」もアーカイブでご視聴ください(http://iwj.co.jp/wj/open/archives/281578)。

・2月13日(土)13時30分~ 水島朝穂さん
※早稲田大学法学学術院教授で憲法学が専門の水島氏に、自民党の憲法改正草案、とりわけ緊急事態条項の危険性について、水島氏の共著の『「有事法制」を診る』を参考にしつつ、お話をうかがいます。水島氏は、緊急事態条項について、安保法制を補完するものであると、その本質を見抜かれています。ドイツへ長期間行ってしまう前に、岩上さんがぜひに!と頼み込んで、ご多忙の渡欧前に、時間を作ってもらいました!必見です!

・2月15日(月)【司会】19時~20時 山本太郎氏・小林節氏 対談
※「<政治>こそ、山本太郎の天職だ!~小林節さん(慶應義塾大学名誉教授)VS山本太郎さん(政治家)」と題したイベントの司会を岩上さんが務めます。イベントの模様は、IWJで中継します。

・2月18日(木)14時~ 中野晃一さん
※上智大学教授であり、立憲デモクラシーを牽引し、SEALDsのよき理解者であり、「市民連合」結集の立役者でもある中野晃一さんは、今のシーンのキーパーソンです。各地のデモや集会などで野党共闘の必要性を訴えている中野氏に、お話をうかがいます。中野さんは、民主党の態度をどう見ているのでしょうか?「市民連合とはよくわからない」という岡田代表の発言をどう思っているのでしょうか?

・2月23日(火)13時~ 高山佳奈子さん
※京都大学大学院教授で、国際刑事法が専門の高山先生は、「学者の会」の記者会見の際、岩上さんのインタビューに応えて、「マスコミの経営幹部と政権トップが会食を重ねることは、刑法上、贈収賄を構成する」と発言された方です!
その時の記事は以下の通り(http://iwj.co.jp/wj/open/archives/254388)。じっくりインタビューを、とお願いしても、なかなか時間の調整がつかなかったのですが、ようやく実現しました!

・2月26日(金)19時~ 蓮池透さん(後編)
※北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)元副代表で、新刊『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』を出した蓮池氏に、1月27日に引き続き、お話をお聞きします。

・3月3日(木)15時~ 施光恒さん(後編)
※新刊『英語化は愚民化~日本の国力が地に落ちる』が話題沸騰中の九州大学准教授・施光恒氏。1月26日に「前編」のインタビューを行いました。施氏は、安倍政権が「成長戦略」の名の下に進めている「グローバル化=英語化」を厳しく批判。3月3日には続編のインタビューをお届けします。

■わとはぷ~What happened today?

 本日2月1日は、首都圏の私立中学で受験が始まる日です!お子様を送り出し、ハラハラしながらご自宅でこの日刊ガイドをお読みの親御さん、そのご心境を拝察いたします。

 「小学生から遊びの時間を奪って、毎晩遅くまで塾に行かせて、大量の知識を詰め込むなんて、日本の教育はどうかしている!」うんぬん、という話は置いておいて、今日は、城石エマの中学受験の思い出話をしたいと思います。

 たまたま東京で生まれ育った私は、今から11年前、2005年のちょうど今日、都内の中学を受験しました。

 小学生の頃の私の勉強嫌いはすさまじく、成績の悪すぎるテストの結果と白紙の宿題を、毎日親の目から隠すのに必死でした。親に名前を呼ばれたり、家の電話が鳴ったりすると、「なんかバレて怒られるのかな?塾の先生が何か言いつけるために電話をしてきたのかな?」と身を固くするほどでした。ちなみにその後遺症で、高校生になるくらいまで、家の電話が鳴ると、何もやましいことはないのに緊張していました。

 けっきょく小学生が考えつく隠蔽工作なんて、あっという間にバレるもので、引き出しの奥底に眠らせていた、憎き成績表やまっさらの宿題ノートは白日の下にさらされ、「あんたこれ、なんなのよ?」と母親に詰め寄られます。「あれ、おかしいな、宿題やったはずなんだけど、やったページだけどっかになくしたみたいで…」とワケの分からない嘘をつき、「バカ言ってんじゃない!」と、母の稲妻が落ちてきたのは言うまでもありません。

 そういうわけで、3年間も塾に通ったわりにほとんど勉強をした記憶のない私は、とうぜん「偏差値」の高い学校を受けられるわけもなく、塾の先生が、「んー、エマちゃんが受けられるのはこのへんかなあ…」と進めてくれた学校を、2月1日に受験しました。

 結果は合格。受験日が近づくに連れて、成績が上がるどころか下がってばかりいた私には、奇跡的とも呼べることでした。どんな試験だったか、何を考えながら問題を解いたのか、驚くほど何も覚えていませんが、鉛筆を転がして答えを選んだのだとしても不思議ではありません。

 受験をしたその日の夜にインターネットで合格を確認したため、たった1日で受験から解放され、次の日から遊びほうけて、また母から「浮かれてんじゃない!」と叱責されたのを覚えています。かろうじて滑りこんだその中高一貫校は、進学校ではないし、誇るような大学の合格実績をもっている学校でもなかったため、母はさぞがっかりしたと思います。

 しかし、本当に不思議なのですが、私は中学に入ってから勉強が大好きになりました。学校の先生は、「なんのために勉強をするのか」ということは言わず、ただ、「竹取物語が日本最古のフィクションであること」「秦の始皇帝が暴君だったこと」などをいかにも楽しそうに教えてくれ、私もぐいぐい引き込まれたのです。あんなに勉強嫌いだった私が、楽しそうに勉強するのを見て、親もずいぶん不思議がっていました。

 そうして行き着いた今の私が「どれだけちゃんとした大人になれたのか?」と聞かれると、「うう…」と口ごもってしまいますが、とりあえず毎日それなりに笑いながら生きることができているので、小学生のときの苦い思い出も、無意味ではなかったのだと思います。

 手を組み合わせて祈っている親御さんのみなさま、どうか良い結果となりますように。

 今日も1日、IWJをよろしくお願いいたします!

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
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