「マンションは『自己統治』の舞台になり得るか」を巡り激論 〜上野千鶴子×竹井隆人 「〈仲良し=コミュニティ〉を問い直す」 2013.11.25

記事公開日:2013.11.25取材地: テキスト動画

 「福島での原発事故後、国民の間に高まった危機意識は、すでに風化しかかっている」と指摘する竹井隆人氏(政治学者)に対し、「そう見るのは、まだ早い」と反論する上野千鶴子氏(社会学者)──。2013年9月27日、京都市内の立命館大学衣笠学舎創思館で行われた、両氏による公開対談の一幕である。

 この対談は、6月に上梓された竹井氏の著作『デモクラシーを〈まちづくり〉から始めよう』(平凡社刊)を記念したもの。「〈仲良し=コミュニティ〉を問い直す」が正式なネーミングだ。

 政府系金融機関で長らく「街・町づくり」に従事してきた竹井氏は、マンションの中に「私的政府」を実現させるアイデアを披露。それが「日本人が政治を取り戻すことにつながる」と力を込める。だが、上野氏は「マンションの住民が一枚岩になるのは、そのマンションの資産価値を下げないという点でのみ」と言い切り、竹井氏の考えに真っ向から異を唱えた。