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百人百話「第六話」紋波幸太郎さん 2011.9.27
特集 百人百話
「妻の出産、情報に翻弄されて・・・・・」
いわき市在住。30歳。飲食店経営。妻と2011年7月生まれの子との3人家族。事故当時、妻は妊娠6ヶ月だった。流産の後、やっと授かった子を無事出産するにはどうすれば良いのか。悩み続けた。一度は他県に避難したが、生活の基盤があるいわきで出産・育児をしたいという妻の希望で自宅に戻った。生まれた子どもの将来を思うと不安は尽きないが、補償もなくすべてが自己責任で片付けられるなか、動けずにいる。いまは、生きていくうえでの安心がほしい。
百人百話「第四話」トシユキさん 2011.9.27
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「父ちゃん、なんで福島なの? 俺、結婚できるかな」
いわき市在住。50歳。自営業。両親、妻、高校生と小学生の子ども2人の6人家族。埼玉県に一時避難したが、家族がこれまでいわきで築いてきた人間関係や地域コミュニティ、長男としての役割を考え、いわきに留まることを決めた。線量や食べ物に気をつけながら日々暮らしている。「結婚できるの?子どもは産めるの?」という子どもたちの言葉が忘れられない。なぜ、電気のために苦労しなければいけないのか。原発はもうご免だ。
百人百話「第七話」鹿目久美さん 2011.8.25
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「福島と神奈川、娘と往き来する中で」
安達郡大玉村在住。主婦。会社員の夫と5歳の娘の3人家族。神奈川県生まれ。結婚を機に福島県へ。事故後、発熱や皮膚疾患といった娘の体調が心配で、実家のある相模原市に避難したが、4月の入園で自宅に戻った。地元行政は放射能対策に積極的だが、健康への影響を考え、再度実家に母子避難した。避難をめぐって被害者同士が傷つけ合うのは腑に落ちない。責められるべきは国や東電のはず。人には健康的に暮らす権利があると思う。
百人百話「第一話」佐藤早苗さん 2011.8.17
特集 百人百話
「何でこんなに避難することが難しくなっているのか」
福島市飯坂町在住。40代。主婦。公務員の夫と、大学生・高校生の子ども2人の4人家族。できれば子どもたちだけでも実家のある岩手に避難させたい。けれど国や県の情報を信頼する夫とは危機感に差があり、避難させられずにいる。このまま福島で復興に向かおうという気持ちと、チェルノブイリの事実を受け止め、現実を見なくてはという思いとのはざまで悩む。除染に希望をつなぎつつ、地元の幼い子どもたちの無事な成長を願っている。
百人百話「第二話」長野寛さん 2011.8.18
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「失ってわかった、豊かな土地・福島」
大阪・東京での17年間のサラリーマン生活の後、自然農をめざして3年前に福島に移住。妻と娘の3人家族。震災後、北海道から鹿児島まで、農業のできる安全な移住先を探して回った。地形や日当たりや降雨量から見て、いかに福島が豊かな生命力に恵まれた土地だったかを実感し、悔しかった。原発は、人間の生活だけでなく自然をも破壊する。事故は二度と起こしてはいけない。責任をとることなく、再稼働を進める人たちに怒りを覚える。