解剖台の上で露と消えた3000人を超える中国人――松村高夫・慶応大名誉教授が紐解く日本軍「731部隊」による人体実験の実態 2015.4.11

記事公開日:2015.4.15取材地: テキスト動画

 日本は、世界で最初に細菌兵器を実戦使用した国となった――

 1936年、陸軍軍医学校防疫研究室の石井四郎の指導の下、日本軍は、当時の満州、ハルビン郊外の平房(へいぼう)に、細菌実験と製造のための「ロ号棟(ろごうとう)」の建設を開始。1940年までには、100メートル四方3階建ての冷暖房完備の近代的なビルを中心に、毒ガス実験室、動物飼育室、死体焼却炉、発電所、専用飛行場などの施設を完成させた。

 以後、3000人以上の「マルタ(丸太)」と呼ばれた中国人が、ここ、ロ号棟において、解剖台の上で露と消え、証拠隠滅のために毒ガスで殺害されたという。

 731部隊や細菌戦に関する数々の著作を持つ、慶応大学名誉教授の松村高夫氏が4月11日、「731部隊を検証する」と題した講演会を行ない、これまで明らかになった731部隊の実態を、資料発掘の経緯に沿って紐解いた。