【IWJウィークリー6号】アベノミクス・バブルの終焉と外資優遇の成長戦略(epub版・PDF版を発行しました!) 2013.6.9

記事公開日:2013.6.9 テキスト独自
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 ボリューム満点の第6号、その冒頭を少しだけ公開します!

 そのほか、先週のIWJが追ったニュースを、コンパクトにまとめて掲載。その日その日のニュースの現場で、IWJスタッフが感じた思いや、補足情報を加えた寸評も。読み物企画としては、裁判ウォッチャー・阿曽山大噴火さんの好評連載「日刊地裁新聞」や、IWJ技術統括・古田晃司がその苦笑涙の日々を綴った「たーふる的青春の門」なども掲載。また、先の見えないトンネルの中を彷徨い続ける「岩上安身の健康への再挑戦」も連載維持中です!

 他にはない情報を追いかけて、他にもある情報はより深く掘り下げて。岩上安身とIWJ記者が1週間走り回って取材し、まとめた渾身レポートをお届けします!

┏━━━もくじ━━━━━━━━━━━━━

┠■【岩上安身のニュースのトリセツ】
|・はじけたアベノミクス・バブル
|・暴落するほど株価が高騰していたのはなぜか
|・株高円安の停滞から目を逸らせようとする安倍政権
|・リストラを進めて利益を確保する大企業
|・日用品の値上げに対して上がらない給料
|・薬が大量に売れる社会を目指す安倍政権
|・外資と外国人を優遇するのが日本の成長!?
|・日本でも起こり得るボリビアの「水戦争」
|・「脱原発」の公約を反故にして、原発を推進する自民党
|・日本とフランスが原発輸出で協力
|・原発輸出以外の成果はなし
|・原発輸出先のトルコで史上最大のデモが発生
|・トルコと米国間の「軋轢」と「協力体制」
|・復古主義の看板を掲げ、新自由主義に走ったエルドアン首相
|・イスラム化政策の背後に潜むもの
|・トルコと日本の共通点

┠■【ニュース STF 〜Saturday to Friday〜 6月1(土)〜6月7日(金)】

<1日 土曜日>
| ・【築地市場移転問題】シンポジウム/最高裁事務総局の社会支配と戦う市民集会

<2日 日曜日>
| ・反原発☆国会大包囲/「子ども・被災者支援法」勉強会 谷岡郁子議員

<3日 月曜日>
| ・「がれき広域化政策の責任追及と被災地の2次被曝を阻止!」院内集会/「脱原発テント裁判を考える」講演会/小野俊一(onodekita)氏インタビュー

<4日 火曜日>
| ・稲田朋美行政改革担当大臣 定例会見

<5日 水曜日>
| ・堀江貴文氏 記者会見/橋下徹大阪市長 定例会見/福島県「県民健康管理|調査」検討委員会/PARC事務局長 内田聖子氏インタビュー/「立憲フォーラ|ム」勉強会

<6日 木曜日>
| ・大飯発電所3・4号機の現状に関する評価会合

<7日 金曜日>
| ・全国農業協同組合 万歳章会長 記者会見/日仏首脳会談抗議!反戦・反原|発アクション

┠■【たーふる的青春の門 テクニカルヒストリー】
│ ・「Don’t think. FEEL!!. 要するに『あまり期待するな』」第6弾(古田晃司)

┠■【連載企画】
| ・阿曽山大噴火「日刊東京地裁新聞」
| ・IWJ福岡中継市民 こうの みなと「北九州震災がれき騒動を振り返る(前編)」

┠■【読者からの声】
| ・IWJウィークリーへの感想紹介、誤字の訂正

┠■【緊急特別企画】
| ・岩上安身の「健康への再挑戦!」

┠■【編集長編集後記】
|(編集長:岩上安身・今週のデスク:ぎぎまき)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

岩上安身のニュースのトリセツ

はじけたアベノミクス・バブル

 2013年5月23日、それまで上昇一辺倒だった日経平均株価が、1000円以上急落しました。リーマンショック時を超える値下がり幅となったことで、大手マスコミも一斉に大きく報じたのでご存知のことだと思います。

 NHKは、市場関係者の話として、「このところの株価上昇が過熱気味だという警戒感が強まるなかで、中国で発表された製造業に関する経済指標が悪化したことをきっかけに、売りが売りを呼ぶ展開となり、株価が一気に急落した」と報道しました(※1)。

 その後、小幅に反発するも、5月30日には737円、6月3日と4日には2日続けて500円以上も下落。6日の終値は1万2,904円02銭と、約2カ月ぶりに1万3,000円を割り込み、5月22日のピークから2,000円以上急落しました。

 暴落の理由として、「中国の経済統計の悪化」「投資家の利食い売り」「米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和縮小の可能性」など、さまざまな憶測が飛び交っています。エコノミストらは、今回の急落は行き過ぎた株高の調整であり、株価はここから1万5,000円台を回復して、夏にかけて1万6,000円台に達するとの見方でおおむね一致しています(※2)。

暴落するほど株価が高騰していたのはなぜか

 今回の問題の本質は、「なぜ急落したのか」ではなく、「なぜ急落するほど、株価が高騰していたのか」であると思います。

 その答えを探るにあたって、重要な出来事があります。それは、急落翌日の24日、衆議院財務金融委員会での、黒田東彦(はるひこ)日銀総裁の以下の発言です。

「長期金利は、景気・物価への期待で決まる部分と、リスクプレミアム部分で決まってくるが、後者は日銀が年間50兆円を買い入れるオペが進むにつれ圧縮が強まるとみており、したがって長期金利が跳ね上がるとはみていない」(※3)

 この発言は、「リスクプレミアムの圧縮」という専門用語を使っているため、一般的には少し分かりにくい発言です。「リスクプレミアム」というのは、リスクを伴う投資に対して、投資家が求める上乗せ利益(=Premium)のことです。当然、リスクの大きな投資ほど、リスクプレミアムも大きくなります。この理解の上で、黒田総裁の発言を見なおしてみると、次のように言い換えることができるでしょう。

『国債は日銀が大量に買い支えるから、高い値段の割にリスクプレミアムは少なく、投資妙味はないですよ。だから、株や外債に投資した方が儲かりますよ』

 黒田総裁は、2013年3月の就任以来、「リスクプレミアムの圧縮」という言葉を頻繁に使用しています。2013年4月4日の金融政策決定会合後の記者会見で、「株式のリスクプレミアムに圧縮の余地がある」と述べています(※4)。これは、「日銀は株価をどんどん上げますよ」と言っているに等しい。また、2013年5月22日の会見で、日銀による巨額の国債買入れで「リスクプレミアムを圧縮する効果がある」とし、「買入れが進むにつれてその効果が強まっていく」とも述べています(※5)。

 黒田総裁は、このような発言を繰り返すことによって、結果的に投資家を株式市場へと誘導していったわけです。加えて、5月15日の参院予算委員会では、「(株式市場は)現時点ではバブルと考えていない」との認識を示しています(※6)。

 これら一連の日銀の行動は、投資家にとって「おいしい」ポジショントークになっていたと考えられます。つまり、昨今の株式市場の上昇は、日銀による『相場操縦』だと見なされてもおかしくない状況だったのです。

 黒田総裁は、「バブルではない」という言葉によって、自ら「バブルを生んだ」とも言えます。実体のない「バブル」は、まさに空虚な言葉によって生み出されるからです。いつから、日銀はトレーダーになったのでしょうか。

株高円安の停滞から目を逸らせようとする安倍政権

 一方、日銀金融政策のもうひとつの柱である「円安誘導」はどうでしょうか。1ドル103円台にまで進んでいた円安は、株価急落に引きずられるように円高方向に転じ、1ドル98円をつけたあと、現在1ドル100円近辺をつけています。

 乱高下が激しい株式相場の局面では、潤沢な流動性を持つ円は買われやすく、円安トレンドの転換点となる可能性が高いと言われています。ロイター通信の報道も、「理屈が通用しないポジション調整のドル安/円高が続いている」と、先行きに警戒感を示しています。

 一方、調整が一段落つけば、為替は再び円安の流れに戻るとの見方が市場関係者の大勢です。また、「ミセス・ワタナベ」と呼ばれる日本の個人投資家も、102円や101円といった節目で逆張りの円売りを仕込む、といった指摘もあります。

 短期的な株価の変動や為替の水準が問題なのではなく、重要なのは、アベノミクスがこれまで演出してきた「株高円安」という政策が、ここにきて陰りを見せていることです。そもそも、日銀による金融政策だけが先行して、目先の相場を誘導することには、おのずと限界があるのです。

 安倍総理もそれを見越してか、今月に入って、「民間活力の爆発」をキーワードに、政策の焦点を「第3の矢」である「成長戦略」にシフトしています。6月4日には経団連の総会で、「成長戦略の主役は、民間企業の皆様であります」と挨拶し、相場の逆戻りによって企業の投資マインドが萎縮しないようハッパをかけました)。

 6月5日には、内外情勢調査会の講演で「成長戦略」の第3弾を打ち出し、公共事業への民間投資や、国家戦略特区の創設などの政策を発表しました。その講演では、「この数年間で失われた50兆円に及ぶ国民総所得(GNI)を3年間で取り戻す。1人当たりの国民総所得は、10年後には150万円増やすことができる」と豪語しました。あとで詳しく述べますが、「取り戻す」というよりも、50兆円を外国に「追加払いする」ようにしか見えません。…

(…サポート会員ページにつづく)

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