【IWJウィークリー第5号】[発行] 「慰安婦は合法」の詭弁!安倍内閣閣僚の歴史認識を問う(epub版・PDF版を発行しました!) 2013.6.2

記事公開日:2013.6.2 テキスト独自
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※ サポート会員の方は、IWJウィークリー第5号【PDF版・全103ページ】がご覧になれます。

 総字数6万字におよぶボリューム満点の第5号、その冒頭を少しだけ公開します!

 そのほか、先週のIWJが追ったニュースを、コンパクトにまとめて掲載。その日その日のニュースの現場で、IWJスタッフが感じた思いや、補足情報を加えた寸評も。

 読み物企画としては、裁判ウォッチャー・阿曽山大噴火さんの好評連載「日刊地裁新聞」や、IWJ技術統括・古田晃司がその苦笑涙の日々を綴った「たーふる的青春の門」なども掲載。また、先週に引き続きIWJ安斎さや香記者の「ペルー取材報告」も。そして、先の見えないトンネルの中を彷徨い続ける「岩上安身の健康への再挑戦」も連載維持中です!

 他にはない情報を追いかけて、他にもある情報はより深く掘り下げて。岩上安身とIWJ記者が1週間走り回って取材し、まとめた渾身レポートをお届けします!

┏━━━もくじ━━━━━━━━━━━━━
—【前編】—
┠■【岩上安身のニュースのトリセツ】
|・「慰安婦は合法」の詭弁!安倍内閣閣僚の歴史認識を問う

—【中編】—
┠■【ニュース STF 〜Saturday to Friday~ 5月25日(土)~31日(金)】

<25日 土曜日>
|・反モンサント世界同時多発デモ in東京、アムステルダム ほか

<26日 日曜日>
|・辺野古埋め立て申請反対集会/貧困の実態について宇都宮健児氏講演会 ほか

<27日 月曜日>
|・日印原子力協力協定に向けた交渉停止を求める記者会見/小沢一郎代表定例会見/小平住民投票後の記者会見

<28日 火曜日>
|・共通番号法案に関する院内集会/第54回 日本の司法を正す会/自民党の憲法改正案についての鼎談 第11弾/PC遠隔操作事件 4回目の勾留理由開示公判後の記者会見

<29日 水曜日>
|・国連での福一事故の実態報告と、それを受けての東京での院内集会 / TPP国際シンポジウム ほか

—【後編1】—
<30日 木曜日>
|・震災がれきの広域処理に関する住民監査請求/福一事故賠償請求提訴後の記者会見/反TPP国際シンポジウム/IWJ緊急レポート~ペルー現地報告

<31日 金曜日>
|・新藤総務相会見/下村文部相会見/福島原発告訴団抗議行動」/小沢一郎氏と小出裕章氏の対談

┠■【IWJスタッフの視点から】
│・「Don’t think. FEEL!!. 要するに『あまり期待するな』」第5弾(古田晃司)
│・TPP交渉会合について、現地ペルーから生報告(その2)!!

—【後編2】—
┠■【連載企画】
|・阿曽山大噴火「日刊東京地裁新聞」
|・おいでませ!長州へ!〜IWJ的やまぐちナビ 第二弾

┠■【切実ダイエット企画】
|・岩上安身の「健康への再挑戦!」第4回

┠■【編集長編集後記】
|(編集長:岩上安身・今週のデスク:佐々木隼也)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

岩上安身のニュースのトリセツ

以下、ウィークリー第5号より、主要な部分を抽出して掲載しました。全文をご覧になりたい方は、ぜひIWJサポート会員へ登録をお願い致します。

橋下発言以降一変した、安倍内閣閣僚の歴史認識

 橋下市長の慰安婦をめぐる発言に対し、大阪を中心に、各地で市民団体による抗議行動が行われています。5月27日に行われた外国人特派員協会での会見をもって幕引きをはかろうとした橋下氏ですが、同氏への批判は下火になる気配がありません。IWJはその模様を報じ続けてきました。

 橋下氏が、米軍司令官に対して、「合法な風俗」の「活用」をすすめたこと、「合法性」を強調していた橋下氏自身が、大阪府長になる前に、「違法な売春」の横行が常態化している大阪市西成区の飛田新地の飲食業組合の顧問弁護士であったことなどについて、橋下氏は有権者に対して十分な説明をしていません。

 謝罪を表明したのは、米国と米軍に対してであって、日本の有権者に対してではありません。これは批判されてしかるべきであり、橋下市長への抗議の声がやまないのは、当然のことだと思います。

 また、「違法な売春」が横行している飛田新地の飲食業組合の顧問を引き受け、弁護士として何を助言していたのか、弁護士としても、市民としても、政治家としても明らかにする説明責任があります。

 しかし、責められるべきは、橋下氏ひとりだけではないはず、という点も急ぎ指摘しておかなくてはなりません。

(中略)

 稲田朋美行革担当大臣は、5月14日の定例会見で「慰安婦制度は大変な女性の人権に対する侵害だ」と語り、橋下氏を批判しました。

 しかし、稲田朋美行革担当相は、昨年8月31日に産経新聞に寄稿した論説文の中で、「慰安婦問題については、強制連行した事実はない」「当時は慰安婦業は合法だった」と記していました。

 稲田行革担当相の発言は、明らかに一貫性を欠いています。

 IWJは、5月24日の稲田大臣の定例会見で、慰安婦に関する認識を質問しました。稲田大臣は「戦時中は、慰安婦制度が、悲しいことではあるけれども合法であったということも、また事実であると思います」と語り、慰安婦制度が戦時中は合法であったと発言しました。

(中略)

 記者クラブメディアの足並みをそろえた「沈黙」の理由は、「慰安婦は合法」という発言が根本的に間違っていると理解できない無知によるものか、または、政権与党の閣僚に対する政治的なおもねりか、どちらかでしょう。あるいは、その両方かもしれません。

 ここで、稲田大臣が発言した「戦時中、慰安婦は合法だった」という発言のどこが問題で、何が間違っているか、あらためて整理しておきたいと思います。

「慰安婦は合法」の詭弁! 安倍内閣閣僚の歴史認識を問う

 従軍慰安婦が「合法」であるという主張は、国外の戦地において、従軍慰安婦に対し、日本国内の公娼制度の法的枠組みが適用されていたという「理屈」にもとづいています。しかし、「従軍慰安婦制度」と「公娼制度」はイコールではありません。

 従軍慰安婦の「合法性」を論じる文脈とはまったく無関係に、「公娼制度はかつて合法だった」というならばともかく、「慰安婦」と「公娼」を意図的にか混同させ、「公娼制度のもと、慰安婦も合法だったのだ」と主張するのは、たいへんな詭弁です。稲田氏は、橋下氏と同様、政治家であるとともに弁護士でもあります。法律家がこんな虚偽を公然と口にして許されるものではありません。

(中略)

 すなわち、所定の場所以外で娼妓稼業を行うことも違法であり、行政が許可しない貸座敷以外での営業も違法であり、女性の意に反して稼業につかせる、すなわち売春を強要するなどはもってのほかだったのです。

 「公娼制度」の存在した当時にあっても、女性に売春を行わせるために、仕事があるからなどと、騙して連れ去れば、略取・誘拐の罪に問われます。旧刑法第225条には、「営利、猥褻又ハ結婚ノ目的ヲ以テ人ヲ略取又ハ誘拐シタル者ハ一年以上十年以下の懲役ニ処ス」とあります。

 女性に合意なく性交を強要すれば強姦です。力づくで、暴力と脅迫によって従わせた場合には、暴行、脅迫の罪にも問われるでしょう。騙されたことを知って、帰りたいと言う女性の行動の自由を奪い、外部と連絡をとらせず、閉じ込めておけば、監禁の罪に問われます。これらの行為は当時でも違法であり、犯罪です。

 言うまでもなく、大日本帝国にも刑法はあり、法治国家であって、「無法国家」ではありませんでした。「戦時中だったからやむをえなかった」というのは、大日本帝国がまるごと無法の許された国家だったというようなものです。事実ではありませんし、敗戦までの日本という国家への侮辱です。

 ひるがえって、戦地に目を転じて見れば、すべての女性が合意のうえで従軍慰安婦になったわけではありませんでした。

(中略)

 「慰安婦こそは戦場の花」と書いた伊藤桂一氏は、1938年から終戦の45年にかけて断続的に招集され、戦地に赴いた経験を持つ人物で、直木賞と吉川英治文学賞を受賞した作家でもあります。

 伊藤氏が著した「兵隊たちの陸軍史」(文春文庫)は、「後の世代に戦争の実態をきちんと伝えたい」と執筆した貴重な記録です。

 この中に「戦場と性」という項目に一章が割かれ、慰安婦制度と軍の関与について詳述されており、麻生敏男軍医の記録として、「上海軍工路近くの楊家宅に、軍直轄の慰安所が整然としたアパートの形式で完成した」と記されています。

 基本的には、この本は「あの戦争が終わって二十年間ほどは、米国的民主主義に悪影響され、兵士が行ったことを露悪的に伝える戦史などの氾濫が続き…」などと前書きに書かれている通り、戦後民主主義には否定的で、旧軍には肯定的な筆づかいで書かれています。そうでありながら、慰安婦制度に軍の関与はなかった、などという白々しい嘘は、一行も書かれていません。

 今日の目からみれば、日本軍に都合のいい視点からの筆致なのですが、それでも伊藤氏は、「慰安婦がいちばん兵隊の役に立っていることは事実だが、慰安婦も多くは、欺されて連れてこられたのである」と、当たり前のごとく書いています。あっけらかんとしたものです。当時でも「略取」は間違いなく犯罪だったはずです。

 「兵隊たちの陸軍史」には、従軍慰安婦どころか、軍が強姦を認めた、という話も登場します。

 「これはビルマでの話だが、某兵団で、どうしても強姦が絶えないとみて、内々に強姦を認めた」というのです。なんという部隊だろうか、と呆れるばかりですが、話はそこで終わりません。

「ビルマは親日国で、かつ民衆は熱心な仏教徒であり、強姦など行えない。残された方法は証拠の隠滅――つまり、犯した相手をその場で殺してしまうことであった。これによって事故は起こらなかった」。

 何というおぞましさ。ところが話はまだ続きます。

「一婦人が暴行された、と軍へ訴え出てきた。やむなく調査をしたら、兵長以下三人の犯人が出てきた。かれらは顔を覚えられているし、三人で輪姦したと白状した。准尉が『なぜ殺さなかった』ときくと、三人は『情においてどうしても殺せなかった』と言った。よって軍法会議にかけられ、内地に送還された。一方では強姦したら殺せ、といい、一方では発覚すると厳罰がくる。奇妙な軍隊の規律である」

 強姦した女性を殺せと命じていたその軍で、殺せずに強姦した将兵を軍法会議で裁くのも軍であるという異常さが、ここにははっきりと記されています。

 これほどひどい犯罪的なケースは、まれであったかもしれませんが、慰安婦が騙されて連れてこられ、売春が強要されていたことは、常態化していたとみて間違いなさそうです。

 これらは明白な犯罪行為なのですから、官憲には、当然、悪質な業者を取り締まり、犯罪被害にあった女性たちを救出する義務が生じます。旧日本軍にも警察権を持つ憲兵が存在しました。しかし、旧日本軍も警察も、こうした違法行為の横行を、見て見ぬふりを決め込むか、手をこまねいていました。

 つまり、従軍慰安婦の問題は、何よりもまず、「公娼制度」が認められていた当時であっても決して許されない略取、監禁、国外移送などの違法な行為が横行し、それらの違法を、旧日本軍や警察が拱手傍観していたという、不作為の罪にあります。

(…サポート会員ページにつづく)

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