東京電力 福島原子力事故調査報告(中間報告)について、及び定例記者会見 14:00

記事公開日:2011.12.2取材地: 動画
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 2011年12月2日(金)14時より、東京電力本店で福島原子力事故調査報告(中間報告)について記者会見が行われた。

 昭和35年チリ地震津波高さ3.12m、三陸沖から房総沖までM8.2超える地震が起こることを想定し、AM(アクシデントマネジメント)対策を行なってきたが、事故対応に必要な機器の電源はほぼ喪失した。結果として安全への取り組みだけでは対応出来なかったと述べた。

※映像記録はありません

▲山崎雅男氏(2012年6月20日 「東電・最終報告の公表について、山崎副社長の記者会見」より)

  • 会見者
    山崎雅男 氏(東京電力株式会社 代表取締役副社長 /福島原子力事故調査委員会 委員長)

【概要】

 原子力事故調査報告書中間報告書本文の他に、添付資料として今まで会見で公表した資料を今回の報告書に沿って編成したもの、別冊として、今回の事故の経緯を調査する過程で特定の論点や視点に焦点をあてた。

 今回の地震と津波の規模は、M9.0、長さ500 幅200kmであり、発電所襲った津波の大きさは、福島第一原子力発電所では高さ13m、第二は9mと推定した。津波浸水高は敷地OP(小名浜基準)10mで、主要エリアほぼ全域浸水した。

 津波や地震対策は、設置許可当初に昭和35年チリ地震津波による潮位を設定潮位として3.12m 土木学会津波評価技術が標準的評価方法にしており、福島第一原子力発電所の津波水位はOP5.4~5.7、更に、地震本部見解に基づく試計算で、三陸沖から房総沖までM8.2超える地震が起こる可能性をもとに試算、対策を行った。

 このようにAM(アクシデントマネジメント)対策を行なってきたが、今回の津波影響により主要な機器を含め、事故対応時に必要な機器の電源はほぼ喪失した。結果として安全への取り組みだけでは対応出来なかったと述べた。

 地震発生時、1、2,3号機は運転中、4,5,6号機は停止中だった。地震発生直後に制御棒が正常に挿入され問題なく停止した。HPCI 配管破断等の損傷は発生していないと評価したが、津波が到達し、1~6号機交流電源は全て喪失、6号機非常用DGのみ残存した。電源盤も多数飛水、電動機駆動冷却設備含め注水冷却設備全て喪失した。

 今回の被害を食い止めることが出来なかった国と会社で深刻に受け止めるべきである。全電源喪失といった事故想を定行わなかったことは、AMによる想定が不十分と評価せざるを得ない。

 一方、発災直後の過酷な環境考慮すると、最大限努力したものと評価できる。今回これだけの大事故を振り返ってみると、東電は真摯に反省すべきであることは言うまでもない。現場視察で全電源喪失下の暗闇、余震や死に対する恐怖、混沌の中誰が指揮作業していても同じような結果となった感触を得た。

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