2013年5月6日(月)13時30分から、宮城県仙台市の市民活動サポートセンターにて「プロジェクト99%タウンミーティング@仙台」が開催された。講師の安部芳裕氏は、原発やTPP、改憲の問題を取り上げ、それぞれの問題点を解説。さらに、「政治に無関心ということは、白紙の委任状を渡すことと同じ。政府のやり方を許している国民にも責任がある」と語った。
(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)
2013年5月6日(月)13時30分から、宮城県仙台市の市民活動サポートセンターにて「プロジェクト99%タウンミーティング@仙台」が開催された。講師の安部芳裕氏は、原発やTPP、改憲の問題を取り上げ、それぞれの問題点を解説。さらに、「政治に無関心ということは、白紙の委任状を渡すことと同じ。政府のやり方を許している国民にも責任がある」と語った。
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はじめに、プロジェクト99%の活動内容を紹介した安部芳裕氏は、現在の社会状況を、「1%の既得権益のために、99%の市民が蔑ろにされている」とし、「政府や企業の都合の良いように、情報操作をするマスコミだけに頼ると、社会が間違った方向に進んでしまう」と述べて、その危険性を指摘した。
続いて、原発の問題を解説する中、福島第一原発事故から現在に至る動きを時系列で示しながら、安倍総理の推進する、原発再稼働と原発輸出を問題視した。また、チェルノブイリ原発事故後、ベラルーシに住む15歳未満の子どもたちの甲状腺がん発症率を示して、何年にもわたって放射能による影響が出る点を解説。日本国内では、100万人に1人の発症率と言われていた甲状腺がんが、原発事故のあと、福島県の4万人に対する県民健康管理調査で、すでに数名見つかっていることに懸念を示した。また、総括原価方式の電気料金で損をせず、1000億円もの広告費を使い、マスコミに対して言論統制を行っている電力会社の問題点を解説した。
安部氏は増税問題について、消費税の増税により可処分所得が減り、むしろ税収が減ってしまう構造を説明した。一方、法人税率、高額所得者の税率、相続税が下げられている点を挙げて、「自民党の増税は、高所得者に対する優遇税制である」と指摘。「現在、日本のサラリーマンの約半数は、300万円以下の年収で生活をやりくりしている。今後、増税によって1ヵ月分の給料に相当する負担が市民にのしかかる。物価が上がっても、給料が上がらないと意味がない」と述べた。
TPPについては、「多国籍企業にとって、都合の良い秘密協定である」とし、非関税障壁撤廃によって、労働力の自由化や、残留農薬の規制緩和、自動車の安全基準の緩和、営利企業の医療参入などが進み、社会の構造が激変してしまう可能性を語った。その上で、「TPPによって、国家よりも企業が優先される米国のルールが適応されてしまう。日本の法律で、日本の企業を守れなくなる」と危惧した。
また、自民党による憲法改正草案について、安部氏は「憲法は、国家権力を制限して、国民の人権を保障するものであるが、自民党案では、すべての国民は憲法を尊重しなければならない、と謳っている。本来、国民に憲法を守らせる強制力はない。(1票の格差問題のある衆院選によって)違憲状態で政権を獲得した自民党が、改憲をしようとしている現在の日本の状況は、ある種ブラックジョークのようである」と語った。
「政治に無関心ということは、白紙の委任状を渡すことと同じ」と語る安部氏は、「次の参院選の結果は、どうなるかわからないが、衆院選で掲げた『TPP反対』などの選挙前公約を、現在では翻してTPPを進める自民党は、議会制民主主義を無視している。また、それを許してしまっている国民にも責任がある。次の選挙の結果によっては、日本は大変なことになってしまう」と力説した。