2012年11月12日(月)、米代川の清流といのちを守る流域連絡会の主催による、「山本太郎さんと語ろう!大館ミーティング」が、秋田県大館市の大館市北地区コミュニティセンターで行われた。山本太郎氏は「これは小坂町だけの問題ではなく、米代川流域に住む人々全員の問題」と述べ、首都圏の汚染焼却灰受け入れ再開に反対する住民に対して、流域周辺の人々と連携した運動を提唱した。
(IWJテキストスタッフ・長尾/奥松)
2012年11月12日(月)、米代川の清流といのちを守る流域連絡会の主催による、「山本太郎さんと語ろう!大館ミーティング」が、秋田県大館市の大館市北地区コミュニティセンターで行われた。山本太郎氏は「これは小坂町だけの問題ではなく、米代川流域に住む人々全員の問題」と述べ、首都圏の汚染焼却灰受け入れ再開に反対する住民に対して、流域周辺の人々と連携した運動を提唱した。
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米代川上流域の秋田県鹿角郡小坂町の最終処分場、グリーンフィル小坂では、従来から首都圏のごみ焼却灰を一般廃棄物として受け入れてきた。2011年7月、千葉県から搬入された焼却灰から、最高2万8100ベクレル/キロという放射能が検出されたことが問題となり、受け入れを停止した。当時、グリーンフィル小坂の排水からも、放射性物質が検出されている。しかし、2012年8月、小坂町は焼却灰の受け入れ再開を表明し、周辺住民からは不安の声があがっている。
原発事故当初から、汚染焼却灰の問題に言及してきた山本氏は、処分場の排水に含まれる放射性物質は、水で薄まるからいいのではないか、という世間の声に対して、川の上流に原発がある、アメリカのコロラド川の研究データを例に挙げて反論した。「流域の生物の体内濃縮は、川の水の汚染度を1とすると、プランクトンは2千倍、それを食べた小魚は1万5千倍、またそれを食べた鳥は4万倍になる。川の虫を食べた子燕は50万倍に、そして水鳥の卵の黄身は100万倍に生態濃縮された」と話し、「この生態濃縮の危険性を知ったからには、行動するしかない」と訴えた。
続いて、翌13日に、環境省に対し『小坂町の処分場に埋め立てられた、国の基準を超える放射性物質を含む焼却灰の対策についての要望書』を提出する代表者3名から、報告が行われた。代表者は「町や処分業者が受け入れを容認する背景には、国の決めた8000ベクレルという基準がある。その基準がある限り、受け入れを止めるのは難しい」と述べた。
また、首都圏の焼却灰の受け入れ再開にあたって、小坂町では13日に住民説明会が急遽行なわれるが、対象は小坂町の住民のみで、近隣市町村の住民の参加は許可されないという。
後半には、質疑応答が行われた。「メディアに対して、どう訴えればいいのか?」という質問に対して、山本氏は「良い記事に対しては、応援のメッセージを。逆に、問題に触れない記事に対しては、その問題を指摘する、適切な言葉をみんなで練り、ひな形を作ったうえで共有したらどうか」と提案した。
小坂町が焼却灰受け入れを容認する姿勢に落胆する声に対して、山本氏は「米代川の上流域から下流域に住む多くの住民に、水の問題として訴えて、連帯していくしかない」として、流域全体の運動にすることを呼びかけた。また、「新聞記事に掲載されたとしても、ただ現状を伝えるだけで主張してくれない」と不満を訴える住民に対しては、「歯がゆいだろうが、我々が記事を作る意識で、アクションを起こすことが大切」と語った。