2012年11月14日(水)、神奈川県横浜市中区の神奈川県庁で「黒岩祐治神奈川県知事 定例記者会見」が行われた。黒岩知事は地産地消の学校給食を検討する会議の設置などについて報告。また、被災地の漁網の受け入れに関して、岩手県から「漁網を広域処理でお願いしたい」と頼まれたことを明かした上で、23日に控える横須賀の地元説明会に向けて「新しい案をご理解いただきたい。誠意を尽くしてご説明していきたい」と語った。
(IWJテキストスタッフ・小山内/澤邉)
2012年11月14日(水)、神奈川県横浜市中区の神奈川県庁で「黒岩祐治神奈川県知事 定例記者会見」が行われた。黒岩知事は地産地消の学校給食を検討する会議の設置などについて報告。また、被災地の漁網の受け入れに関して、岩手県から「漁網を広域処理でお願いしたい」と頼まれたことを明かした上で、23日に控える横須賀の地元説明会に向けて「新しい案をご理解いただきたい。誠意を尽くしてご説明していきたい」と語った。
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冒頭、7日に横須賀三浦地域で開催した「対話の広場」地域版で、料理研究家の辰巳芳子氏から学校給食のあり方について提言を受けたことを説明。それを受けて、「県教育委員会が配置している栄養教諭の連絡会に、地産地消の学校給食を検討する会議を設置することにした」と述べた。
黒岩知事は「現在、教育委員会では、子どもたちの望ましい食習慣の形成に向けて、今年度の栄養教諭の配置を、前年に比べ約3倍、164名に拡大している。そして、給食での野菜の残食率を8%から5%以内とすることを目標に掲げて、食育の充実に取り組んでいる」と明かした上で、「地場産物を活用した地産地消の給食のあり方、また、学校給食における医食農同源の実現を検討することにした」と併せて発表した。
また、平成24年度の神奈川県保育賞の受賞者が決定したことにも触れ、受賞者である清水妙子さんのこぼれ話を次のように紹介した。「新人保育士のころ、園児の鼻にドングリが入って、取れなくなった。その時に、ほかの園児がもう片方の鼻をネコジャラシでくすぐると、途端にくしゃみが出て、いとも簡単にドングリが飛び出した」。
質疑応答では、被災地の漁網の受け入れに関して、12日に行った岩手県への視察を、最終処分場のある横須賀での説明会にどう生かすかについての質問があった。黒岩知事は「放射性物質の汚染の具合は、ほとんどが不検出。洋野町は福島第一原発から320キロ離れている。野田村も300キロ離れている。福島第一原発から横浜は250キロだから、それよりもはるかに離れている。しかも、海の中にあったというものだから、放射性物質はほとんどない」と答えた。
今年7月の段階では洋野町の1600トンを受け入れるという案だったが、今回の視察で野田村の400トンが追加された経緯を問われると、「7月26日に『災害廃棄物受入に係る新しい提案』として出したものがある。何と書いてあるかというと、『岩手県内の市町村のうち、当面は、分別が進んだ洋野町の漁網(1600トン)を受け入れたいと考えています』ということで、『当面は』ということで申し上げている」と答えた。その上で、「洋野町の漁網から受け入れる、ということを言っているので、もともと洋野町だけに限ったという話ではなかった」と述べた。
さらに、「その時には野田村から受け入れるという話はなかったが、野田村にもそのご要望があるということなので視察に行った。ご要望があったことを受けて帰ってきただけだから、野田村も受け入れると決めたわけではない」と漁網受け入れが未定であることを強調した。
また、今回の漁網を受け入れたとした場合に、野田村以外にも岩手県から要望があった際には、それも対象に加わる可能性が出てくるかという点については、「ないと思います」とコメント。これ以上はもう増えることはないかと念を押されると「ない」と断言した。
朝鮮学校に対する補助金支出の判断を問われると「議会からいろいろなご意見がある。そういったことも踏まえながら、12月の議会で報告して、議会での議論の内容を踏まえた上で、最終的に年内に私自身が判断する」と話した。
2つある県立図書館を横浜に集約した上で川崎を廃館にして、閲覧と貸出サービスを廃止するプランに、県民から「市の拠点がなくなるのは寂しい」との声が上がっていることには、「緊急財政対策の一環」とした上で、「利便性を高める必要がある。わざわざ横浜まで行かなければ閲覧や貸出ができないのが現状。市町村の図書館でそれができるならば、県内全体を見ると利便性が高まる」と述べた。
文科省のデータでは、図書の貸出、中学生の借りた本が調査開始以来、最多になっていることを問われると、「市町村で全部の図書館で借りられたりすると、もっと利用が広がる。サービスを切っていくだけの話じゃない」と答えた。