【安保法制反対 特別寄稿 Vol.32】「日経、産経、読売はとくに政府寄り。マスコミが報道しない重要な情報はIWJで」 2015.7.14

記事公開日:2015.7.14 テキスト
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 私が生まれた昭和17年、不殺傷を旨とすべき仏教僧侶であった父は、当時の臨済宗大本山妙心寺管長の檄に従って、大日本帝国陸軍の一兵卒となり、支那大陸に派遣され、病弱の身で、渋々と大東亜戦争を戦い、昭和20年2月に支那中部で戦死。遺骨は無く、死因は戦病死とされましたが、おそらくは餓死したのでしょう。

 昭和20年3月10日のアメリカ空軍による東京大空襲では、約10万人が焼き殺され、東京市の東半分が焼け野原に変わりました。

 浅草に住んでいた私たちも被災し、家は焼失、祖母が行方不明に成りました。当時3歳だった私は母に負われて脱出し、小さなやけどですみました。

 戦争は人間が作り出す最も悲惨な災厄、気違いにしか出来ない残酷な殺し合い、甚大な環境破壊です。絶対にやってはいけない。

 私はもともと論争嫌いで、政治的人間ではないですが、今の日本の政治には何とも言いがたい怖れを感じています。

 安倍晋三政権による、新聞・テレビ等マスコミへの言論統制、労働法の改悪、教育機関への介入、なかんづくアメリカに追随するための集団的自衛権の行使容認=海外での武力行使の解禁のくわだて、これらは我々日本国民の生存権、基本的人権を侵そうとする試みだと感じています。

 2012年、大震災や原発の崩壊などの未曾有の災難の中、民主党が瓦解し、その弾みで自民党に多くの票が集まった結果、安倍晋三はこの機に乗じて、特定秘密保護法など、政権に取って都合のいい、思い通りの法制を整備し、少しずつ国民を隷属させようと試みていると思います。麻生副総理がつぶやいたように、まさにヒトラーが採用したやり方に沿っています。

 安倍の積極的平和主義とは米国の尻馬に乗っての武力による威嚇・鎮圧であって、親善友好の世界平和を追求するのとは正反対です。武力行使は日本国憲法の精神に反し、日本国民に対する諸外国の疑念や警戒を招くだけです。

 小さな火山列島である日本の資源は「人間の徳義と知恵などの能力:仁・義・智・信」しかありません。貿易国家である日本は善隣友好、専守防衛に徹するしか、生き延びることは出来ません。

 日本が世界から信用され、立派な国だと認められるのは、国際正義を守って平和主義を貫くこと、文化を高め、技術を磨き、人道的に世界に貢献することを通じてのみです。

 武力は凶器でしかありません。武力は武力を招くだけです。

 もっとも肝心なことは、違憲か合憲かと言う観点での議論のみで判断するのではなく、将来にわたって日本国民が世界の中でどのように生きて行くのかという根本的な考察をしなければいけないと思います。ポツダム宣言に則って作られた日本国憲法の前文を、改めて確認・考察することが肝要です。

 今、日本中で、安倍晋三政権の傲慢で愚劣な方針に対する抗議の声が挙っていますが、大手のメディアはすこししか報道してくれません。

 日経、産経、読売はとくに政府寄りです。NHK、朝日もかなり遠慮気味に感じます。赤旗、東京、毎日は健全でおおむね民意を反映していると思います。

 6月12日夜は始めて国会周辺で学生たちによる集会とデモがありましたが、大手マスコミは無視しました。

 その模様は、【スピーチ全文掲載】 24歳女子が安倍総理に物申す!「戦場に安全なんて存在しない。安倍さん、あなたが行って証明してください」〜6.12 SEALDs主催 戦争立法反対・国会前抗議 2015.6.12で紹介されています。IWJ Independent Web Journal と言うサイトが発信しています。

 IWJは、その他にもマスコミが報道しない重要な情報をいろいろ紹介しています。

 戦争法案の国会での審議の様子もNHKは報道を制限しています。

 こちらは衆議院のインターネット中継放送 http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php ですべて見ることが出来ます。過去の録画も見ることが出来ます。是非、生の質疑を見て下さい。

 安倍晋三とお友達の不誠実で不真面目な答弁を確認できれば、自民党がいかに危険な政党であるか、腑に落ちると思います。

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