【IWJ・争点山盛り選挙日報24】安倍総理が九州入り 川内原発再稼働には言及せず ~12月11日の動き まとめ 2014.12.12

記事公開日:2014.12.12 テキスト
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特集 総選挙2014

投開票まで:残り3日

再稼働最有力候補の川内原発でも語られない「原発再稼働」という争点

 選挙戦も終盤に突入し、各地での街頭演説が一層熱を帯びている。

 この日、安倍総理は九州入り。4県の激戦区をめぐり、自民党候補者への支持を呼びかけた。

 九州といえば、原子力規制委員会の安全審査をクリアし、再稼働候補1番手となっている九州電力川内原発の行方が注目されている。しかし、同原発を抱える鹿児島県薩摩川内市を訪れた安倍総理は「安全第一の上に皆さまのご理解をいただきながら、しっかりしたエネルギー政策を進めていく」と述べるにとどまり、「原発再稼働」という言葉を使った直接的な言及は避けた。

 安倍晋三首相は11日、九州電力川内原発が立地する鹿児島県薩摩川内市で街頭演説し、エネルギー政策について「低廉で安定的なエネルギー供給は、国民生活、雇用を守るために必要だ」と訴えた。さらに「安全第一の上に皆様のご理解を得ながらしっかりエネルギー政策を進める」と述べ、国内原発の再稼働に改めて意欲をにじませた。

 首相は、再稼働に対して慎重論が根強いことを踏まえ、原発に直接言及するのは避けた。ただ、同市が立地自治体として川内原発の再稼働を容認したことを念頭に「川内の皆様には九州、日本に電力を供給していただき、本当に感謝したい」とも語った。(毎日新聞 12月12日 衆院選:安倍首相「川内の皆様に電力供給で本当に感謝」)

 安倍総理は衆院解散を表明した先月18日の会見で、原発政策について「有意義な論戦を行っていきたい」と語っていたが、今回の選挙戦では福島県内での演説をはじめ、原発に直接触れるような発言はしていない。

自民党の猛攻により激戦必至の埼玉5区! 民主・枝野氏は地盤を守れるのか!?

 自民党優勢の報道を受け、民主党幹部は焦りの色を隠せない。

 民主党の枝野幸男幹事長はこの日、地元・埼玉5区内のさいたま市で、予定外の街頭演説を追加。蓮舫元行政刷新担当相らを弁士に招き、政権批判に力を込めた。

 蓮舫氏はJR大宮駅前で「自民は大物議員が連日入り、狙い撃ちしている。本当のことを指摘する政治家が許せず、落とそうという策略だ」と批判。枝野氏も「安倍さんが耳を傾けざるを得ない緊張感ある国会を作るのは皆さんの1票だ」と支援を呼びかけた。

 埼玉5区には安倍首相をはじめ、石破茂地方創生担当相、自民党の茂木敏充選対委員長ら閣僚や幹部が集中的に応援に入っている。(毎日新聞 12月11日 衆院選:枝野幹事長が蓮舫氏らを弁士に 首相投入に対抗)

 埼玉5区は枝野氏が21年間に渡って守ってきた地盤だが、前回の選挙では自民党の牧原秀樹候補が9400票差まで迫った。

▲同日、京都タワー前で民主党の支持を呼びかける枝野氏と岡田克也代表代行

選挙報道の公平性をめぐり共産党がNHKに抗議

 安倍総理の「お友達人事」による明らかな偏向報道が。

 NHKが秋田の県内ニュースで放送した衆院選候補者インタビューにおいて、各回の冒頭に安倍総理の映像が流されていたとして、共産党秋田県委員会はこの日、NHK秋田放送局に申し入れ書を提出した。

 NHK秋田放送局によると、秋田1~3区の候補者にアベノミクスに関する見解を聞いたインタビューを3~5日の3回に分けて、午後6時10分と同8時45分のニュースで放送。毎回、冒頭に安倍首相の「まだまだ厳しい地方経済へと景気回復の暖かい風を送り届けてこそ、アベノミクスは完成する。私はそう考えています」との記者会見での発言映像を13秒間流した。

 申し入れ書は「選挙戦を戦っている政権党の党首の主張と映像が繰り返し流されるのは、報道の不偏不党・中立・公正に反する」「厳重に抗議します」などとしている。

 これに対して、NHK秋田放送局の吉富亮平放送部長は「アベノミクスに対して視聴者に理解を深めてもらうため安倍首相の発言を使用したもので、これに対する各候補の主張は公平・公正に伝えている」とコメント。あくまで公平な選挙報道であるとの見解を示した。

 投開票まであと3日。IWJでは、目まぐるしく状況が変わりゆく選挙戦を最後まで追いかけ続けますので、ぜひ、ご覧下さい。

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