【IWJ・争点山盛り選挙日報11】アベノミクスの成果に胸を張る安倍総理の全国行脚 ~11月28日の動き まとめ 2014.11.29

記事公開日:2014.11.29 テキスト
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各地の街頭演説でアベノミクスの成果をアピールする安倍総理

 衆議院選挙の公示前の最後の週末、安倍総理は大分県と東京で街頭演説を行った。

 13時過ぎから大分市の商店街『ガレリア竹町』で行われた演説では、有効求人倍率や大学生らの就職内定率が改善したとして「(アベノミクスの)成果がだんだん出始めています」と主張するなど、約13分間の演説のほとんどをアベノミクス継続への訴えに費やした。

 夕方からは、JR新宿駅西口に場所を移しての街頭演説。IWJでは、この模様を現場から生中継した。

 18時30分――選挙カーの上に安倍首相が登場。安倍首相は、政権交代後の過去2年間の成果を力説した。有効求人倍率の22年ぶりの高水準化や、高卒・大卒の内定率改善、大手企業の賃上げ率2%、パートやアルバイトの時給アップ、100万人の雇用増加、非正規から正規雇用への流れを作り上げたことをアピール。

 消費税を3%上げたことで、国民の消費が伸び悩んでいる点については、10%に上げる2017年までの間に、経済界がまとまって賃上げを重ねていくことで、国民生活を豊かにする環境作りを目指すと訴えた。

 「この経済政策が本当に正しいのか、間違っているか、流れを止めるのか、前に進めていくのか、それを決める選挙です」

 安倍首相は、集団的自衛権にも言及。

 「7月1日、国民の命を幸せな暮らしを守るために、閣議決定を行った。来年(2015年)の通常国会には関連法案を出して、すきまない安全保障法制を整備していく」

 「日本の国土、領海を守るため、何よりも、日本人の命を守ることを約束する」と強調すると、聴衆からは歓声が上がった。

▲新宿駅の聴衆を前にアベノミクスの必要性を訴える安倍総理

 有効求人倍率が改善しているのは派遣や契約社員などの層で、正社員の有効求人倍率は0.65倍と1倍を下回っていることには言及せず、ひたすらアベノミクスの成果を強調する安倍総理。

 多くの国民が景気の回復を実感できていない現状で「景気の好循環を止めるわけにはいかない」と訴える姿には、一国の総理としての頼もしさや聡明さは感じられない。

報道機関に圧力をかける自民党と、批判の目を逸らせたい読売新聞の意図

 自民党が在京のテレビキー局各社に対して「公平中立、公正の確保」を求める文書を送っていた問題で、この日、日本民間放送労働組合連合会が「政権政党による報道介入に強く抗議する」と題した声明を発表した。

以下、全文。

 民放労連委員長談話・政権政党による報道介入に強く抗議する

 2014年11月28日

 日本民間放送労働組合連合会(民放労連)

 中央執行委員会 中央執行委員長 赤塚 オホロ

 衆院解散前日の11月20日付で、自民党総裁特別補佐の萩生田光一筆頭副幹事長と福井照自民党報道局長の連名で、「選挙時期に一層の公平中立な報道」を求める文書を各局の編成局長と報道局長宛てに出したことが、各紙の報道などで明らかになった。その内容も、番組出演者の発言回数や時間、ゲスト出演者やテーマの選定、街頭インタビューや資料映像が一方的な意見に偏らないことなどを要請している。

 選挙に際して公正な報道を求める要請は、これまで各政党から行われてきた経緯はあるが、政権政党が、報道番組の具体的な表現手法にまで立ち入って事細かに要請することは前代未聞であり、許しがたい蛮行と言わざるを得ない。日本国憲法が保障する表現の自由、放送法が保障する番組編集の自由への極めて重大な侵害に当たることは言うまでもなく、私たち放送労働者は、このように露骨な報道への介入に対して、怒りをもって抗議する。

 文書を受けた各放送局には、こうした不当な干渉は毅然とした態度ではねのけ、権力監視という社会的使命に基づいた公正な報道を貫くことを求める。

 以上

※参照: 弁護士ドットコム(11月29日)

 なお、自民党がテレビキー局各社に対して「公平中立、公正の確保」を求める文書を送ったことについて、読売新聞はニュースサイトで、自民党だけでなく、「同様の文書は与野党から在京民放キー局に届いている」と報道。

 同様の文書は、与野党から他の在京民放キー局にも届いており、各局とも自主的に報道の中立公正確保に努める方針。一方、NHK広報部は「個別の件について回答しない」としながらも、選挙報道については放送ガイドラインで「正確な取材と公正な判断によって自主的に行う」方針を掲げているとした。

※参照: YOMIURI ONLINE(11月27日)該当ページ削除

 しかし、日本報道検証機構の取材によると、実際に出していたのは少数野党2党のみであることが明らかになった。

 自民党だけでなく「与野党」から在京民放キー局に選挙報道の中立公正を求める文書が届いていると報じており、与野党の全部もしくは大半が同様の文書を出しているかのような印象を与える。しかし、日本報道検証機構が自民党を除く与野党8党に問い合わせたところ、要請文を出したと確認できたのは日本共産党と新党改革だけ。民主党など6党は出していないと回答している。

※参照: GoHoo(12月3日)

共産党の要請文は以下のとおり。

 総選挙の企画・報道上の政党の扱いについての要請

 総選挙がはじまりました。

 この選挙にあたり、私たちはテレビ・放送各局の選挙報道に関し、放送法にもとづき放送各局が「放送原則」として自らを律している「不偏不党」「公正・公平」を貫くことを、ここに要請いたします。

 特に、今回の選挙は安倍政治にたいする国民の支持が大きく低下しはじめるなかで、任期半ばの解散・総選挙となりました。各社の「世論調査」でも、国民のなかでの政党支持は、「支持政党なし」が最も多く、「支持政党」があると答えた有権者も固定的ではなく、日々、激動的に変化・流動化しています。

 選挙の主役は主権者、国民です。国民から信任をもとめ争うのは政党・候補者であり、私たちは全力を挙げています。

 このような時、放送各局が、選挙報道において特定の政党に偏らず、「公正・公平」を貫き、「国民の知る権利」にこたえることは、公共の電波を使用するテレビメディアとしての国民にたいする責任と考えます。その立場から、特に次の二つの点を要請します。

 第一。党首討論をはじめ各党代表討論について――特定の政党に偏らず、公正な発言の機会と時間を保障すること。選挙は「安倍政権の信任」を求めるものではなく、国会を構成する各党の政権への立場と今後の国政の在り方を問い、決定づけるものです。事実上、選挙戦に入っている以上、これまでの議席をもとに、政党の扱いに格差を持ち込むことは、民主主義の原理に反します。これは公示前、公示後の選挙報道でも同様と考えます。

 第二。選挙の争点、各党の政策の紹介などについて――選挙で問われるのは、アベノミクスだけではなく、消費税増税、集団的自衛権行使、原発再稼働、沖縄新基地建設、「政治とカネ」など、安倍政治の全体であり、各党に問われるのは政権への立場と政策、その裏付けとなるこれまでの実績です。

 以上、要請します。

 日本共産党中央委員会

 テレビ各局・報道局御中

※参照: しんぶん赤旗(11月28日)

 無作為に選出した街頭インタビューまで「偏らない」ことを求める自民党と違い、共産党は、討論会で平等に発言できる機会と、争点を「アベノミクス」に矮小化するのではなく、広範に各党の政策を紹介すべきだ、と機会の公平性を要請している。

 報道機関を萎縮させるような文書を送付することもさることながら、自民党だけが批判の標的となるのを回避させるような読売新聞の報道姿勢も問題視せざるを得ない。

小渕優子氏の事務所に殺害予告「立候補を取り消さなければ射殺する」

 関係政治団体が行った観劇ツアーの収支をめぐる問題で経済産業相を辞任し、群馬5区からの出直し選挙に挑む小渕優子氏の元に、『殺害予告』の脅迫状が届いていたことがわかった。

 小渕氏はこの日、高崎署に脅迫と公選法違反(選挙の自由妨害)の容疑で被害届を提出している。

 事務所によると、27日夕、事務所のポストで職員が見つけた。「小渕優子射殺予告」の表題で「立候補を取り消さなければ次の罪で射殺する」「政治資金規正法及び公職選挙法の何たるかを知らないとは驚愕(きょうがく)」などと書かれ、小渕氏の写真をラベルにしたワインやカレンダーの画像も同封していた。小渕氏宛てで、差出人に「地獄一丁目一番 閻魔(えんま)大王」と書いていた。

 後援会幹部は「卑劣な行為は民主主義社会で許されない」と話した。

※参照:朝日新聞(11月28日)※該当ページ削除

 小渕氏が再起をかけて出馬する群馬5区からは、共産党新人の糸井洋氏と、社民党公認で元同県太田市議の小林人志氏が立候補。小渕氏の『政治とカネ』問題を追及している。

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