飯舘村 蓬莱住宅住民懇談会 2011.12.1

記事公開日:2011.12.1取材地: 動画
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(IWJテキストスタッフ・久保元)

 2011年12月1日(木)18時30分、 福島県福島市の県営住宅蓬莱団地第4集会所において、「蓬莱住宅住民懇談会」が行われた。この懇談会には、福島第一原発事故によって全村避難を余儀なくされ、蓬莱団地に移り住んだ飯舘村からの入居者のほぼ全員が参加した。 

  • 日時 2011年12月1日(木)18:30~
  • 場所 県営住宅蓬莱団地(福島県福島市)

 懇談会の冒頭、飯舘村の菅野典雄村長が、「避難生活で大変な思いをさせていることについて、村長として申し訳なく思う」と出席した住民に詫びた。その上で、「村に戻れるよう、復興プランを作っている。途中の話ができるようになったので、お集まりいただいた。説明するだけでなく、疑問や心配も聞かせていただきたい」と述べた。

 続いて、菅野村長は、飯舘村が置かれている現状や課題について、住民に説明した。それによると、震災前の飯舘村は、およそ1700世帯、人口6000人ぐらいの村だったが、「震災後は2700世帯に膨らんだ。普通なら嬉しい話だが、事情は全く逆だ。1軒の家庭が、2軒、3軒、4軒と別れて暮らさなければならなくなった」と述べた。

 その後、懸案となっている、除染によって発生した汚染土などを集めておく「仮置き場」について説明を行った。参加者から「除染はうまくいくのだろうか」と心配する声が上がったのに対し、菅野村長は、「12月中に除染の効果を確かめる実験を行い、その結果を見て、次の手を打つ」と答えた。また、仮置き場については、遮水性のシートの上に汚染土を置き、その上に30~50センチのきれいな土を被せて放射線を遮断し、あわせて放射線量のモニタリングを実施するとした。このほかにも、帰村後の収入を心配する声などが住民から上がった。

 懇親会の最後に、菅野村長は、岐阜県白川村から届いた「いいたてっ子の皆さんへ」と題する応援文集を紹介した。この中から、「人は誰でも歳を取ると故郷が恋しくなる。故郷は大切なところだから、今はつらい状況でも、我慢して一生懸命勉強して、5年後、10年後、大人になったら、自分たちの力でもう一度、飯舘村を立て直してもらえるような人になってほしい。私たちも応援する」というメッセージを読み上げた。

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