タンク増設工事現場で電源ケーブルを誤って切断、一部が停電していたことが発覚~東電定例会見 2014.7.14

記事公開日:2014.7.14取材地: 動画
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 2014年7月14日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。図面のない電源ケーブルを未使用と誤判断して切断してしまい、メタクラで地絡警報が発生し、運動場の照明などが停電していることが判明した。

■全編動画

  • 日時 2014年7月14日(月)17:30~
  • 場所 東京電力本店(東京都千代田区)

6号機SFP冷却系弁から漏洩

 福島第一原発6号機使用済燃料プール冷却系の弁付近から水漏れを発見したが、漏洩箇所が小さく、まだ見つかっていないことが判明した。

 ”F042B”と呼ばれる6号機使用済燃料プールへ水を入れたり吸引する弁付近の床に、約1m×0.5m×1mm程度にわたって漏洩していることを、7月11日15時30分頃に作業員が発見した。この時、予定されていた6号機原子炉ウェルの水抜きを行うため、使用済燃料プールの冷却の一時停止や、FPCポンプと呼ばれるポンプの停止-起動-停止を行ったという。

 再現テストを行ったが、漏洩は確認されなかった。弁本体は床のモルタル面の下にあるため、モルタル面をけずりとり、今後漏洩した場合に漏洩箇所を特定し、処置する予定だ。

 現在当該箇所の漏洩はなく、また6号機燃料プールの冷却は正常に再開している。

構内車両から軽油漏れ

 構内の車両から軽油が漏れ、双葉消防本部に連絡したところ、「危険物の漏洩事象である」と判断を受けていたことが報告された。

 発電所構内の体育館付近に駐車していた車両の荷台に設置した、燃料タンクの給油口から軽油が漏洩したもので、約1.5m×2mに広がっていたが、吸着マットにより回収済。海から離れているため海洋流出はないという。

電源ケーブルを工事中に誤って切断

 タンクの増設工事現場にて、電源ケーブルを誤って切断し、遮断機が開放(ブレーカーが落ちた状態)、上流側のメタクラで地絡警報が発生したことが発覚した。現在、当該の遮断機部分を回路から切り離している。切断したケーブルの修理は今後検討する、としている。

 切断したケーブルは、多目的運動場照明用受電設備に電源を供給するケーブルだ。汚染水タンクを増設する箇所にあるという。東電は「古いケーブルは一部図書が回収できてない」という。図面は旧事務本館等にあったが、汚染されてしまい回収できないものが多く残っている。そのため、埋設物の調査のための試掘を行っている。その時にケーブルを発見したが、現場で『使用していないケーブルと誤判断』して切断したと説明している。

 なぜ誤判断したのかは、まだ調査中で分かっていない。図面がないケーブルについても、誤切断してしまった一本だけではないと思われる。

 ケーブル切断によって地絡が発生、過電流が流れ、上流側にある構内配電線2号線の遮断機が開放した。さらに、上流側の予備変メタクラで地絡警報が発生したという状況である。

 当該遮断機の下流側には、発電所の安全に関わる機器はないという。現在、当該遮断機を回路から切り離し、電気が流れない状態にしてある。

ALPS火災警報が動作

 7月14日の7時31分頃、多核種除去設備(ALPS)の電気品室にある火災警報が発生した。しかし、東電社員が現場確認したところ、火炎や煙、ALPSの運転状態には全く異常がなかったという。

 そこで東電は、火災報知機の故障だと判断し、報知機の点検や感知器の交換を行い、通常状態に復帰させている。

C排水路出口の付替え工事を実施

 発電所敷地内のC排水路の出口を、港湾外から港湾内へ付け替える工事が行われている。14日に排水先の切替え工事が行われ、港湾内へ排水するようになったことが報告された。

タンク増設計画を見直し、10万トン分を追加増設

 汚染水貯留タンクの増設計画が見直され、さらに10万トン分を増設することが判明した。

 東電は、2014年度中にフランジ型のタンクなどに貯留している汚染水全てをALPS等で浄化し、新設する溶接型タンクに貯蔵することを計画して、公表している。

 しかし、もしタンク新設の遅れや、地下水流入対策の遅れが発生すると計画通りの汚染水浄化ができなくなる恐れがあるため、タンク増設計画を見直し、余裕のあるタンク増設計画となるようにした。

 従来に比べてさらに10万トン分のタンクを増設するとともに、施工工程も確実に達成できる工程に変更、工程も施工完了時期ベースから共用可能時期ベースに変更するなど、確実に使用できるタンクの容量を基にした工程に変更された。

海水の連続放射線モニタの設置計画を公表

 港湾にて、海水の連続放射線モニタの設置計画を発表した。(1)港湾口、(2)北防波堤、(3)南防波堤の三か所への設置を予定している。(1)は6月から工事を始めており、8月から試運転を開始することが報告された。(2)は2015年2月から試運転を開始する予定だが、(3)はまだ設置要否を検討している段階だ。

 この連続放射線モニタでは、1時間に1回自動測定し、Cs-134、Cs-137は0.1Bq/L、全βは10Bq/Lを目標に海水のサンプリング、測定を24時間連続して行う。これにより万が一に海洋漏洩が発生しても、影響把握が確実にできると東電は期待しているという。

海水浴場の土壌の他の核種測定「要請があれば相談させていただく」

 海水浴場のサンプリングデータとして、四倉海水浴場、勿来海水浴場の波打ち際の海水を直接採取し、セシウム、全β、トリチウムについて分析した結果を発表した。

 「海底土の調査はしないのか」と記者が質問したところ、東電は「海水浴場で泳いでいる人の状況に合わせて水に接する部分のサンプリングを実施しており、海底土はサンプリングしない。今後も行う計画はない」と回答した。ただし、海水浴場の土壌の核種測定や、他の核種の測定も「要請があればご相談させていただく」と答えている。

2013年8月の3号機がれき撤去で大量放出か

 福島第一原発から20km以上離れた南相馬市の米から基準値超のセシウムが検出され、農水省等が福島第一からの飛散の可能性を指摘、東電に対策を求めたことが報道されている。

 昨年2013年8月に3号機の大型瓦礫を撤去した際、ダストが飛散して構内に居た作業員が被曝した事故があったことから、本件との関連が強く疑われる。

 「南相馬市のコメが基準値を超えたのは、がれき撤去と因果関係があると考えているのか」と記者が質問。東電は「当社としては現段階では不明、可能性は0ではないが、調査する術がないので現段階では不明」、「ダストが出ることは想定されるが、影響が不明なので不明」と回答にならない回答に終始した。

 今後、1号機で建屋カバーを撤去し、瓦礫を取り除く作業が予定されている。同様の飛散があるのではないかと心配するのは当然だろう。「1号機解体での対策、抜本的対策はどうするのか」と記者が訊ねると、東電は「カバー頂部に穴を開けて飛散防止剤散布、カバー撤去後はモニタリング強化して飛散防止等対策、現実的に可能な対策の中で」と答えた。

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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

2014年7月14日

2014年7月13日

2014年7月12日

2014年7月11日

東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響

道関係各位一斉メール

2014年7月14日

2014年7月12日

2014年7月11日

写真・動画集

2014年7月14日

2014年7月11日

福島第一原子力発電所 データ集

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