【岩上安身のツイ録】岩上安身のワールドカップ観戦記② 日本対コートジボワール戦~守備には攻撃的アグレッシブさを 2014.6.14

記事公開日:2014.6.14 テキスト
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(岩上安身)

 始まった、日本代表第一戦。対コートジボワール。日本、一本のパスミスから、ピンチに。日本の守備、甘いなぁ、と感じる。岡崎の飛び出しに縦パスも長すぎ。

 相手がボールを持った時、寄せが甘い。囲みにいくのも足りない。テレビ解説者が、重苦しい、と耐えかねて、言う。スロースタート、というのと、違う。ちょっと気になる。

 岡崎が倒される。14分。長友にパスが通り、クロスを遮られ、コーナー。ニアサイド、岡崎、次ショートコーナー、本田、左足シュート! ゴール!先制16分!

 最初のシュートがゴール、幸先よい。が、勝負はこれから。内田の鋭いシュートはキーパー正面! 惜しい! 日本のシュート、ミドルだが、みんな枠に。セレビエのドリブル突破、吉田たまらずファウルで止める。ゴール正面、直接フリーキック、上に外す、助かる。

 日本、ボールを持つが、パスのミスが目立つ。というか、ボールを持っている時、パスを受ける選手の、コースを作る動きが足りない。つまらないミスでピンチになるが、コートジボワールの選手のミスで救われている。足元も滑るようだ。かなりの雨。

 また、攻めている時に不用意なパスをカットされ、ドリブル突破される。止めるには強引にせざるを得ず、岡崎、ゴール前でファウル。フリーキック、またゴールの枠の外で助かる。シュートの下手なアフリカ人、わずかなシュートチャンスをものにした日本人、という不思議な構図。

 危ない!日本の守備の甘さをつき、縦にパスが通って、ゴール前まで運ばれる。吉田のクリア、そのあと、ロングシュートが枠に飛び、ひゃっと!はねかえりに寄せたコートジボワールにオフサイド。反転、速攻、本田が遠間からシュート、ティフェンダーがあたりコーナーキック。

 コーナーはいかせず、逆にコートジボワールのチャンス。崩され、クロスを12番がインサイドでボレー、枠に飛ばず。相手の詰めの甘さに助けられている前半。また左サイドを崩されクロス、ヘディング、これも枠の外へ。もうコートジボワールのシュート、10本。

 回される、ポールポゼッション、圧倒的にコートジボワール、左からシュート、これは枠へ。川島セーブ!

 今度は右から大きく崩され、ライン際からクロス。また、川島がキャッチ!コートジボワール、ボールを支配し、ついにシュートも枠に飛ぶようになってきたが、そこで前半終了。日本は最後の守りで決定的なパスを最後にカットしてしのいで零封したが、危ない。動きは必ずしも良くない日本。プレス不足。

 昨日6月14日のオランダースペイン戦を思い出す。オランダの攻撃的で獰猛ですらある守備は凄かった。守備というと受身のイメージだが、今のフットボールには、もっと積極的な役割を担う。ボールを奪い、ドリブルだけでなくパスコースを封じ、反撃の起点を作り、カウンターを仕掛ける。守備の力は侮れない。守備は、攻撃でアグレッシブでなければならない。

 後半、早々にコートジボワールに崩され、ヘッド、これも不正確、助かっている。決定力のあるドログバが不調なのか、出ていないことが日本の幸運。次に日本のチャンス、ルーズボール、長谷部がシュート、枠を外す。続いてロングも大きく外す。

 故障上がりの長谷部が下がって、遠藤が入る。遠藤、さっそくファーストタッチ。パス交換から右ライン際、内に切り込むところで、岡崎、倒された。後半10分。ファウルもらい、セットプレー、はね返される。

 惜しい。左サイド、本田から香川が走って、スルーパス通らず。そのあと、危ない!反撃くらい吉田が倒す。PKを取られるか、というシーン。が、スルーされ、ホッと。日本は大久保準備、ドログバも準備。コートジボワール、正面から長いシュート、外れる。

 日本、左サイドからパス交換から激しく動いて攻めるが攻めきれず、息が切れて、一気に下がる。コートジボワールも力のないルーズなシュート。ゴールラインを割ったところでドログバ。入ってすぐシュート場面。

 19分、右サイドバックから浅いクロス、ヘディングシュート! コートジボワール同点! そのすぐあと、カウンターのチャンスがあったが、ぼんやりとした攻めで上がりが悪く、ボールをあっさり失う。そのつぐあと、まったく同じ形で右から崩され、ヘッドで逆転され、2ー1。ああ、もう。

 ここまで、不正確だったコートジボワールのシュートが急に正確に。そうなると立て続けに得点されてしまう。試合開始早々から感じていた日本の守備の甘さ、消極性が、はっきり失点という結果に。

 日本の攻めも、生命線のパスが大事な時に通らない。これも受け手の動きの鈍さ。AからBに通った時に、次のCが動いていてパスコースを作り出していなきゃいけないが、その動きが足りず、パサーが出しどころがなく一瞬ためらい、仕方なく無理目のパスを出し奪われている。

 12番のボニ、下がる。前半に何度もシュートミスした男。後半に決定的な仕事をした男。大きなミスもしないが、決定的な仕事もしない、という男より、ずっといい。

 直接フリーキック、ドログバ、凄いシュート、川島が左へ飛んでクリア!

 もう後半37分。日本、頑張れ! 力を振り絞る動きを! プレスをかけて!ボールを奪え! この時間帯で、まだボール支配はコートジボワール。しかも奴らは攻める。右から崩され、中央に戻し、ドログバのシュート!危ない!

 香川にかえて柿谷。コーナーキックを得たが、いかせず、逆にカウンターくらう。センターバックの吉田がなんとか独走を一人で止める。吉田がいなかったら、この試合、何点とられていたか。

 右サイドから攻めのチャンスあったが、また奪われ、カウンター。アディショナルタイムは4分。コートジボワールの選手、倒れて時間を使う。

 日本は、高さのあるセンターバックの吉田が最前線まで走る。ロングボールを前に蹴り込み、捨て身の一発狙い。ものにできず。ホイッスル。1ー2の敗戦。これは惜敗とは呼ばない。勝てた試合だった。

 戦いだ、というにはほど遠い、淡白な日本代表の試合のあと、切り替えて世界を眺め渡すと、ムチャクチャな文字通りの戦いが。イラクで、ウクライナで、シリアで。ピッチの外で武器を持って戦うな、ピッチの上で武器を持たずに戦え。血を流すな、汗を流せ、と叫びたい日曜日の昼下がり。僕は2人の孫に会いに行く。梅雨の晴れ間、郊外行きの電車で。「父の日」と娘の誕生日祝いもかねて。

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