2012年5月1日(火)、神奈川県庁で黒岩祐治神奈川県知事による定例記者会見が行われた。内容は、①「かながわ国際ファンクラブ」スタート、②「第47回神奈川県看護賞」受賞者決定、③「2012年度再生可能エネルギーなど導入推進基金(グリーンニューディール基金)」交付先に選定──などに関するもの。
(IWJテキストスタッフ・富田)
2012年5月1日(火)、神奈川県庁で黒岩祐治神奈川県知事による定例記者会見が行われた。内容は、①「かながわ国際ファンクラブ」スタート、②「第47回神奈川県看護賞」受賞者決定、③「2012年度再生可能エネルギーなど導入推進基金(グリーンニューディール基金)」交付先に選定──などに関するもの。
■ハイライト
最初に黒岩知事は「“かながわ国際ファンクラブ”がいよいよスタートする」とし、これは神奈川県の新外交戦略の具体策であると述べた。
かながわ国際ファンクラブは、留学生など神奈川県に親しみを持つ外国人と、その外国人を支える人たちが集まる場。「世界と神奈川のきずなを深めていくために活用していきたい」と抱負を語った知事は、5月2日に神奈川県国際研修センターで行われる、同クラブの発足式に参加すると言った。
また同日、県のホームページ上に同クラブ(通称KANAFAN)のサイトを開設するとも。サイトでは“神奈川県で働きたい”“神奈川県に住みたい”などのニーズ持つ外国人への、情報面での支援が行われるという。
続いては、今年度の「神奈川県看護賞」の受賞者を決定の知らせ。今回で47回目となる同制度は、神奈川県で保健師、助産師、看護師としてその業務に励み顕著な功績を上げた人を表彰するものだ。今年度の受賞者は保健師2人、助産師1人、看護師7人の計10人。受賞者にはブローチ兼帯止めが贈られた。
黒岩知事は3人の受賞者につき、実名でその活躍ぶりを紹介。そのうちの1人、横浜市立大学附属市民総合医療センターに勤務する看護師、折津礼子氏については──。
「折津さんは、エイズ患者の看護に大変熱心に取り組まれており、全国組織のHIV・AIDS看護研究会の代表として活躍している」
約20年前、黒岩知事はキャスター時代に折津さんを取材した経験がある。当時はエイズに対する偏見が強かったと指摘する知事は「現場を見せてくれる病院を探すのが大変だった」と明かす。そして、そんな中、折津さんが唯一、自分たちが働くエイズケア病棟への取材をOKしてくれたのだ──と。
「折津さんと部下のナースの人たちの、たとえ相手がエイズという病気の患者さんであっても、分け隔てなく真剣に看護に取り組む姿をテレビで紹介したところ、非常に大きな反響があった」
こう言って黒岩知事は20年ぶりに、表彰という形で折津氏と再会を果たしたことに縁を感じると付言した。
そして会見の項目は、神奈川県がグリーンニューディール基金の交付先に決まったことに移った。この基金は、防災拠点などへの再生可能エネルギー導入を目的に新設されたもので国の予算額は121億円、実施期間は2016年度までの5年間だ。
同県への内示額は10億円。事業スキームに関し黒岩知事は、「環境省からの補助金で県が基金を造成し、県有施設への再生可能エネルギーなどの導入を進める。と同時に、市町村や民間事業者の分野でも、補助を通じて再生可能エネルギーの導入を促進していく」と述べた。
会見終了後の質疑応答では、記者から「看護賞は、2年ほど前の事業仕分けで見直しが必要という指摘があった──」との質問があった。これに対し黒岩知事は、「かつはそういう判断があったのかもしれないが、私は頑張っているナースに光を当てることは仕分けの対象だと思っていない」と答えた。