饗宴Ⅳ symposion 『前夜』〜取り返しのつかない軍事属国化と経済植民地化に抗うために 2013.12.16

記事公開日:2013.12.16 テキスト
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(インディペンデント・ウェブ・ジャーナル代表 岩上安身)

特設サイト 饗宴Ⅳ symposion

ごあいさつ

 「原発を抱えたまま、戦争が始まる。それも『大義も、主権も、国益もない戦争』が」――

 昨年末の衆院選と今年7月の参院選で大勝し、過去に例を見ない巨大勢力となった自民党・安倍晋三政権。その安倍政権は、日本を米国につき従って戦争のできる国に作り変えようとしているかに見えます。

 安倍政権は、原発の輸出や再稼働どころか、原発の新増設まで含みをもたせはじめました。隠されてきた核兵器保有の意志は、今や半ば公然化しつつあります。米国への国家機密の「献上」を制度化する特定秘密保護法と日本版NSCの創設。自衛隊を米軍の下請化する集団的自衛権の行使容認。そして、消費税増税とTPPによる日本の経済植民地化。

 今年になって急速に広まった「排外差別デモ」に見られる、隣人への憎悪をかきたてるだけの悪性レイシズムの高揚が、このような安倍政権の政策を後押ししています。

 私たちの目の前に広がっているのは、かつての、大日本帝国による侵略戦争という「いつか来た道」を、そのままたどる道ではありません。米国につき従って、米国の都合で、日本にとって大義もなく、主権もなく、国益もない戦争に巻き込まれてゆく。その遂行のために真実が隠される秘密だらけの国になってしまう。かつて経験したことのない、属国のファシズムです。このような事態が、間近に迫っているのです。

 先日、12月6日に可決した特定秘密保護法は、その始まりに過ぎません。安倍政権は驚くべきことに、立て続けに、基本的人権を踏みにじる共謀罪の創設を打ち出しました。

 過去の戦争は、国民に情報を隠し、権力に都合の良い方向へと世論を誘導することから始まりました。情報は、本来、主権者たる我々国民のものです。本来、私たち国民一人一人のものである情報主権を、国家権力と特権的な既存メディアから取り戻し、「主権なき戦争」を始めようとする現在のこの国の風潮への抵抗を図ること。それを、既に社会に網状に張り巡らされたインターネットやSNS、さらにネットでは拾いきれない社会の潜勢力とも結びあって実現すること。これこそが、現在の社会において、IWJが自らに課すべき「使命」であると考えています。

 日本列島には54基の原発を抱え、戦争ができる「身体」ではない。にもかかわらず、日本が戦争に乗り出せば、それは再生の望みなきまったき自滅を意味します。国破れて、山河も残りません。愚かさと臆病さと個々の保身と打算しかない我が日本政府は、絶望的な自滅の道へと国民を道連れにしつつあると言わざるをえません。主権者である国民に抵抗権はあるのだということを、思い起こさなくてはなりません。

 従前からお伝えしています通り、IWJは資金難に直面しています。ですが、現在の日本が直面している危機的状況を打開したいという、やむにやまれぬ思いから、今年も「饗宴」を開催することになりました。

 IWJは、市民一人一人の皆様に、直接支えられるメディアとして誕生しました。会社が正式に設立してまだわずか3周年、定額会員制がスタートしてまだ2周年の、幼い会社です。この「饗宴」は、そんなIWJから、日頃からお支えいただいている、会員とサポーターの皆さん、そして「中継市民」をはじめとするボランティアの皆さんへ送る、懇親と謝恩の場です。

 本日は、どうぞ、多彩なゲストの皆さんと、存分に交流を深めていただければと思います。


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