2013年08月09日(金)17時35分頃から、東京電力本店で定例記者会見が行われた。2年前に作成された福島第一原子力発電所1~4号機近傍の地下水の流れ、流量の評価図が初めて公表された。
2013年08月09日(金)17時35分頃から、東京電力本店で定例記者会見が行われた。2年前に作成された福島第一原子力発電所1~4号機近傍の地下水の流れ、流量の評価図が初めて公表された。
■会見本編
■今日のまとめ
高濃度地下汚染水が滞留し、海洋に放出している疑いが強いことから、東京電力、経産省、規制庁や、メーカー、有識者らによる汚染水処理対策委員会が設置され議論が行われている。昨日8月8日に委員会第4回が開催され、その時の資料が参考に配布された。その中に、2年前に作成された福島第一原子力発電所1~4号機近傍の地下水の流れ、流量を評価した、地下水流下のイメージ(PDF 821KB)図があり、初めて公表された。同評価図中に、山から敷地内に、一日辺り約1000トンの地下水が流入し、そのうち400トンが建屋内に流入、残り600トンは海へ流れていると評価されている。
この評価図は2年前に作成されたものであり、今回初めて公開された。なぜ今まで隠されていたのか記者が質問すると「質問は建屋内への直接な流入量の評価ではなかったかと思う。精密に確認して回答する」と答えた。
微妙な言葉のニュアンスの違いを意図的に利用したはぐらかしではなかろうか。記者は「次回からは2年後と言わずもう少し早く公表してほしい」と意見したが、この皮肉は理解できたのだろうか。
海洋放水を抑え、地下水位を下げるために、1~2号機取水口間のウェルポイントから地下水を汲み上げることを計画している。それに先立ち、本日(8月9日)午後2時10分から、ウェルポイント付近に設置した南側集水ピットからの汲み上げを開始したことを発表した。
東電の説明では、汲み上げ開始後一時間で約3トンを汲み上げている。集水ピットはピットに集まった汚染水を汲み上げるしくみであり、能動的に汲み上げる仕組みではないという。基本的に24時間稼働し、立坑Cへ移送する。北側集水ピットも設置し、準備出来しだい汲み上げを開始する予定。一方、ウェルポイントは、ポンプで強制的に地下水を汲み上げるため、能力は向上するということだ。
汲み上げた汚染水はいずれ地上の鋼製タンクに移送し、貯蔵することになる。タンクの増設設置可能な敷地の確保、地盤評価、増設可能容量の見込みについて記者が質問した。
東電は「容量は充分だ」とし「現状40万トン、増設し合計70万トンとなる見通しがあり、汚染水対策に関する指示で80万トンに向けての増設を検討中」と回答した。しかし、単なる机上の見込みであり、「実際の地盤調査に基づく増設見込みはどううか」と質問すると、東電の回答は「確認する」となった。
港湾内外の海水サンプリングについて、前回の会見(8月7日 会見者:今泉氏)の記者質問では「表面の海水採取」という回答だった。今回改めて質問すると、東電は「経産省、汚染水処理対策委員会があるが、東電と国との間では海底を調査するという意見はでていない。但し、海洋に関する専門家のワーキンググループができることから、規制委員会との話合いの中で調査がどうなるかは、今後の動き次第だ」と回答した。
汚染水の海洋放水により、海洋汚染として諸外国への説明が求められる。東電は「(一民間企業が)国を差し置いてどうのこうのできることではない」と回答。
また、兼ねてより何度も記者が質問している「トレンチの立体構造図」「汚染水に関する作業者の、足指へのリングバッジの装着」については未だ回答がこない状況である。
以下、東京電力ホームページより、リンクを表示