東京電力 記者会見 11:00 2012.2.3

記事公開日:2012.2.3取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJ・中埜)

 2012年2月3日(金)、東京電力本店で、記者会見が行われた。

■全編動画

  • 日時 2012年2月3日(金) 11:00~
  • 場所 東京電力本店(東京都千代田区)

4号機原子炉建屋1階水漏れの件。
4号機隙間サージタンクの低下に関しては、引き続き原因調査中。
水位の低下が止まっていない状況から、本日30分程、水張りを実施。
補給前は2052ミリ、補給後水位は3230ミリになっている。

1号機の建屋カバーのフィルターユニットによるサンプリングに関して。
フィルターの紙切れにより、出口のサンプリングを停止。
同じく、フィルターの紙切れにより入り口サンプリングも停止。
その後、出口入り口共にろ紙を交換し再起動。
定期的にろ紙の交換をしてるが、近々変える予定だったものが、本日はろ紙切れで停止となった。

発電所の現場公開に関して。
昨年11月に続き2回目の実施の検討を進めて来たが、
3月で事故発生から1年ということで、「3月前」に現在の発電所内の様子を皆さまへ広くお知らせするという観点から、公開について調整検討中。ただし、詳細に関しては決まっていない。
2月6日から3週間、保安院が保安検査を予定している。
この件に関しての公開も現在検討中。

なお、ステップ2が終了した状況とはいえ、発電所内には現在も放射線量の高い所があり、構内の大部分で全面マスクやタイベックを着用するような状況。安全上の観点や作業への影響を少なくする為、人数や時間等の制約があるということは事前にご了承を頂きたい。

Q.「スキマサージタンクの水位の低下に関して。気付かないところや把握出来ていないところで水漏れし続けているということか。」
A.「現状ではまだ調査中。しっかりとした話が出来る状況ではない。」
Q.「補給をして水位が回復したという事は、水位は信じられるということか。」
A.「はい。ご指摘の通りです。」
Q.「建屋の地下の水位というのは、その変化によって何か捉えられるのか。」
A.「仮に漏れたとすると、原子炉建屋の中に水が入っているという事になる。最終的には床ドレン系をつたって地下1階に水が流れて行く。ただ様々な状況を踏まえて判断すると、この程度の水量だと監視だけでどのくらい漏れだしているのかということの確認は殆ど不可能。」
Q.「水の補給をしっかりやれば済むということか。」
A.「これまではプールの水の蒸発分が減っているような状況だったが、それよりも少し多い量が低下している状況なので、調査をして原因を突き止めて行きたい。もし漏れているなら、止めることが必要だと考えている。」
Q.「どこから漏れているかということを作業員が確認出来るくらいの線量なのか。」
A.「4号機は他と比べて中の環境が非常にいいので、点検は可能。」

Q.「現段階での水位の変化スピードは。また、どの水位まで下がってしまうと、支障が出てくるのか。」
A.「スピードは確認しないとわからないが、水位は昨日水位が2349ミリ。その後、今朝の段階では2085ミリ。先程の直近では2052ミリ。」
Q.「では通常の10倍程度のスピードで減っているということか。」
A.「手元にあるデータから判断するとそうなるが、確認させて欲しい。どの水位まで下がってしまうと支障が出てくるのかという事に関しては、水がある程度ないとキャビテーションという状況になり吸い込みが悪くなるため、ゼロになる前に補給して水位の確保が必要。現状では2000ミリあったものを3200まで戻した。これは現在の水位低下から考えると数日間はもつ水の量。」

Q.「ろ紙の詰まりに関して。これまではそういったことは無かったと思うが、詰まりを起こす様な作業をしていたなど、背景として何か原因があったのか。」
A.「詰まりというよりは、ろしが切れた。ろ紙は巻き取り式で自動的に変わってく。2ヶ月程度を目安に交換する時期ではあったが、今回はその前にこのような状況になった。」
Q.「ろ紙のロールのスピードは汚れによって変わるのか、それとも時間によって定期的に変わるのか。」
A.「ろ紙自体は定期的に回って行く。サンプリングの規定時間ごとに回転して行く。サンプリングの度に新しい面になって測定、その繰り返しを自動運転で行っている。ろ紙が送られて行く中で、交換予定前にろ紙が切れた。」
Q.「単純な見積りミスということか。」
A.「ろ紙が何故無くなってしまったのかという事に関しては確認する。例えばろ紙の送りの中で不具合で一時的に多数巻いてしまったりすると、想定よりも沢山のろ紙を消費してしまうことも考えられる。そこも含めて、原因が何であったのか確認する。」

A.「(先程の水位低下率に関しての確認情報)
1月の測定では水位低下率は時間あたり16ミリ。今回30ミリなので、倍くらいになってる状況。直近の寒波で蒸発量が減るなど、その時によって変化がある。ただ、現状の30ミリは少し多いと考えている。」

Q.「水位の低下の件。どこまで水位が下がると支障が出るのか。実際にキャビテーションが起こる可能性が出る水位などは。」
A.「現在確認中。実際にタンクの底の方まで水が下がってきたとしても、すぐに駄目になるということは無いと考えている。」

Q.「水位の低下が周辺の環境の影響を受けるということだが、周辺の気温が下がった状態で蒸発量が増えるということはどういうことか。」
A.「例えば気温が下がって来た時に、プール側の温度が高ければ気発しやすくなる。冷却をしっかり回しているかどうかによっても、流量や中の温度のバランスによっても変化がある。その都度、安定した変動かどうか監視をしている。その中で急激な低下があれば漏洩の可能性があるが、すぐに発見は出来る。」
Q.「下がり方のスピードは前回、30日に抜けて漏れた時とスピード等は同じか。」
A.「30日のデータでは5356ミリだったが、31日では3645ミリ。かなり減っている状態ではある。前回と比べて時間あたり半分ぐらいのスピード。ただ想定より早いスピードで減っているので、どこかに漏れがある可能性があり、建物パトロール等を含めて原因調査中。」

Q.「一昨日のダストサンプリングで銀とルテニウムが出たとの説明があったが、HPのプレスリリースを探しても見つからない。発表はされているか。」
A.「確認する。」
Q.「濃度はどうか。」
A.「これも確認する。」

〈会見終了〉

以下はIWJ平山のまとめ。
「本日は木野さんが保安院へ急いで向かったため、本日は1人でまとめ。
問題になっていた4号機の水漏れの件。
当初は6リットルだとされていたが、昨日になって実は8.5トンだったとのこと。原因は調査中であり、どのくらい漏れているのかについても確認が困難である。スキマサージタンクにはある程度の水がなければいけないので、随時補給はしていくとのこと。

昨年実施された細野大臣同行の福島第一発電所の現場公開に関連して、2回目を3月を目処として実施調整をするとのこと。
詳細は未定だが、前回はフリーの記者は参加出来なかった。次回はどうなるのか注目される。

木野さんから東電側への質問。
周囲の気温が下がっているにも関わらず、水位が下がるという蒸発量の件に関して。
東電側からはどこかに水漏れがある可能性があり、現在調査中とのこと。

本日の会見は20分弱で終了。」

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です