2012年01月24日(火)、東京電力本店で、記者会見が行われた。
2号機格納容器上部にあるベローシール付近の温度が上昇傾向にあるが、過去にもふらついているので計測機器の問題と見ていることを示した。協力企業作業員の全面マスクが作業中に一時的に外れてしまい、WBC線量測定を行ったが記録レベル未満であり、内部被曝はないと判断したことこを発表した。
(IWJ・中埜)
2012年01月24日(火)、東京電力本店で、記者会見が行われた。
2号機格納容器上部にあるベローシール付近の温度が上昇傾向にあるが、過去にもふらついているので計測機器の問題と見ていることを示した。協力企業作業員の全面マスクが作業中に一時的に外れてしまい、WBC線量測定を行ったが記録レベル未満であり、内部被曝はないと判断したことこを発表した。
■全編動画
福島第一原子力発電所内のプラント並びに作業の状況について。
タービン建屋内地下の溜まり水の処理に関して、本日は第1セシウム吸着装置、キュリオンに関してはヴェッセルの交換。
第2セシウム吸着装置、サリーに関してはフィルターの洗浄のために一時運転停止。
トレンチ立坑、各建屋地下の溜まり水移送に関しては、2号機を5時間半移送停止したが、再開。3号機も同様。
6号機の溜まり水移送に関しては屋外仮設タンクへの移送を6時間行った。
Q.「モニタリングの値に関して23日午前から24日午前にかけて、関東地方で最大放射線量が上がったが、これはどういった原因だと見ているか。」
A.「柏崎等観測しているが、経験として雪や雨で空間放射線量が上がる、ということはある。あらためて確認をさせて頂きたい。」
Q.「トラックの洗浄作業中に協力企業作業員の方のマスクが外れた件、内部被ばくに関して値は有るか?」
A.「内部被曝測定のためWBC線量測定を行なったが、記録レベル・2ミリシーベルト以下だったため、内部被ばくとしては特定出来ないレベルとして、記録手帳にはその様に記録。マスク内面、鼻スミヤ(鼻の内側を濾紙で擦って放射性物質の検査を行う)の検査を行ったが、汚染はなかった。」
Q.「2号機圧力容器、ベローシール上部とはどの辺りか。」
A.(模型を取り出す)「フランジ部の付け根の部分です。ここの温度計で計っているため、圧力容器内の温度を測るというよりは、圧力容器と格納容器のつなぎ目の温度を測っているということ。」
Q.「では、この部分の温度が上がっているという事はどういうことか。」
A.「熱電対のかたちなので、絶縁の状況が湿度などで変化したのではないかと推定している。これまでにも温度の降下等の不安定があったので、計器の不良も考えられる。」
Q.「建屋からの追加的放出量が0.7億Bq/hというのは、地震によって建屋内の放射性物質放出ということではないのか。」
A.「可能性としては、建屋が地震で揺すられて埃のような形で舞い上がることは可能性として考えられる。震度3・4(10~20ガル)なので、舞い上がると言うよりは、たまたまダストモニタを動かしている時間帯に作業をしていた影響ではいか。3号機はオペフロ5階クローラークレーンでサンプリング装置吊り下ろす形でダストのサンプリングを行っているため、瓦礫に付着している放射性物質を風で拾いやすい状況だったのではないか。サンプリングの測定方法の違いも、測定結果の違いとなると考えている。」
Q.「海底土の固化については来月2月から始めるとされてるが、具体的にはどれくらいからなのか、また、固化度とは具体的にどういったことなのか。」
A.「来月から始めると予定示されているが 具体的には2月上旬から4月にかけて。1~4号機の取水口前面港湾内と、5〜6号機取水口前面に粘土とセメントを混ぜたものを海底に敷き詰める形を考えている。イメージとしては粘土とセメントを混ぜたものなので、海の中に重たい粘土層が出来る形でセメントがカチカチに固まっているような物ではない。あくまでも、今沈着している放射性物質を舞い上がらないようにするためのもの。」
Q.「モニタリングでサブドレンの話があったが、上昇があったのは2号機、1℃落ち込んでまた上がったということなのか。」
A.「2号機タービン建屋サブドレンは、浄化装置を隣のホールににいれて浄化試験を行った関係で値が下がってきていた。一旦ポンプを停止した関係で上昇したのではないか。」
Q.「昨日法発表があった、高濃度汚染水の放射性物質の除去装置に関しては今秋ということだが、海洋放出を見越した上での設置ではないのか。」
A.「2つ理由があるが、12月末に施設運営計画その3の中に、液体廃棄物に関して安易な海洋放出しないという文言があるが、その条件の中に東電として3つの対策を約束している。その二つ目に、多各種除去設備に関する記載もあり、その取り組みの一環として今回紹介をした。もう1点は、先般蒸発濃縮装置からストロンチウムを含む水が海洋へ流れ出たこともあることから、現在発電所の中にある放射性物質を含む10万tの水が漏れださない様に、告示濃度限度をいかに下げて、漏洩時の環境影響を出来る限り低減することが重要と考えている。」
Q.「限度以下に下げたとしても処理水はどんどん増えて行くと思うが、処理方法に関してはどういった見解を東電として示しているか」
A、「増え続ける原因となっている、タービン建屋に入って来る地下水を減少させたいと考えている。多各種除去装置等で放射性物質の量を下げたい。タンクの増設も行って行く。」
Q.「例えば固化土に関してなど、東電側の守備範囲ではない事に関しては、例えば外部を入れる等、どのような体制でやっているのか。」
A、「東電として専門ではないことも勿論有るので、今回の事に関しては、いわゆるゼネコン企業と一緒に検討している。」
Q.「放射性物質に対してではなく、生態に対しての影響など、別の意味の環境や検討が範疇に入っているのか。また、政府の方で中長期対策会議の方で対策や指示は受けているか。」
A、「東京電力中長期対策会議でご報告しているが、政府側からの指示は確認共に確認する。生態系に対しての影響に関しても確認する。」
Q.「固化土は敷き詰めるという話だったが、全てまんべんなくカバーという感じなのか。」
A、「海底に対して大体60cmくらいの厚さで、粘土とセメントを混ぜたもの敷き詰める様な感じになる。セシウムを吸着するというよりは固定化。期間は2か月から3ヶ月を予定している。」
Q.「再臨界の可能性は低いという見解についてもう少し詳しく聞かせて欲しい」
A、「温度上昇が検知されている温度計は、ベローシールで相当上部にある。2号機に関しては損傷燃料が圧力容器底部と格納容器に一部落ちていると考えている。上部の温度が上がるケースを考えると下の方で蒸気が伝わって発生量が多くなるとは考えられるが、圧力容器の底部温度は安定しているので、下に熱源があるとは考えていない。」