2012年7月31日(火)、経済産業省本館で、枝野幸男経済産業大臣 定例会見が行われた。
(IWJテキストスタッフ・西村)
2012年7月31日(火)、経済産業省本館で、枝野幸男経済産業大臣 定例会見が行われた。
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枝野大臣から、以下の3点について報告があった。
一点目は、日本再生戦略を閣議決定したことについての報告。大臣は、日本再生戦略について、「4大プロジェクト(グリーン、ライフ、漁業、農業、中小企業)が居続けられるなどの議論が、十分に反映された内容となっている」とした。そして、「政策資源のメリハリの利いた配分を含め、環境省との連携を通して日本再生戦略を力強く進めていきたい」と述べた。
続いて、原子力災害対策本部が開催されたことについて。大臣は、「楢葉町などにおける避難指示区域、警戒区域の見直しについて楢葉町との調整が整ったので、区域見直しが決定した」ことを報告した。また、「東京電力福島第一原子力発電所から半径20キロ圏の警戒区域(海側の区域)の海上交通の利便性や警備の実効性を考慮して、陸域から約5キロメートルの範囲に縮小することを決定した。楢葉町の区域見直しについては区域対象が広域であり、人口が多いことから、必要な準備期間を考慮し、8月10日午前0時より実施する。海域の警戒区域の縮小についても同日同時刻に実施する」ことを明らかにした。そのうえで、枝野大臣は、「これはあくまでも、警戒区域を解除すると言うのは、一時的に立ち入ることはできるが、すぐに従来の生活に戻れるわけではな」く、「除染、生活インフラの復旧など本格的な準備作業に入るということ」であると繰り返し述べ、すぐに生活できるようになるということではないということを強調した。
さらに、枝野大臣は、「災害対策本部において細野大臣から、これまでの取り組みを反映させた改定が行われたと報告を受けた」と報告した。枝野大臣は、改定のポイントについて、一つに、「周辺設備が仮設であるという脆弱性に対し、恒久的な設備に更新し信頼の向上」すること、そして、「これまでの作業の成果を明らかにし、今後の作業工程、実施時期を提示していく」ことであると述べた。また、改定したロードマップに従って、今後とも政府と東京電力が一体となって、作業員の安全確保を大前提として取り組んでいきたいと語った。
最後に、大臣は、本日(7月31日)から「原子力損害賠償支援機構から東京電力への出資が実行され、東京電力は一時的に公的管理の下に置かれることになる」ことを報告した。大臣は、これについて、「賠償、開始措置、電力の安定供給という3つの課題を国民負担を最小化するなかで、しっかりと実現するためのものである」と説明して会見を締めくくった。
記者からは、「除染などの費用負担の在り方を含めて、東京電力再建の目途はどこにあるか?」という質問などが出た。この質問に対し、大臣は、「賠償や除染などいくらかかるのかの見通しは、現時点では立てられない」と述べた上で、大切なことは、東京電力が、「東京電力のユーザーや福島のみなさんのことを、第一に考える対策ができる企業体質に変わっていく」ことであると回答した。その他、震災時において、国民へ事実関係が明らかにされ、もっと伝えられるべきではないかという質問も出た。