2015年2月23日(月)17時30分から、東京電力定例記者会見が開かれた。福島第一原発の側溝排水路の連続放射線モニタが高高警報を発し、全ベータ5000~7000Bq/Lの汚染水が港湾内へ流出した。現在、流出は止まったが、流出源はまだ分かっていない。
2015年2月23日(月)17時30分から、東京電力定例記者会見が開かれた。福島第一原発の側溝排水路の連続放射線モニタが高高警報を発し、全ベータ5000~7000Bq/Lの汚染水が港湾内へ流出した。現在、流出は止まったが、流出源はまだ分かっていない。
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発電所構内を流れる側溝排水路の下流にある”放射線モニタ”が、2月22日の10時10分ごろに”高高警報”を発した。およそ1時間30分後に、BC-1と呼ばれる排水路最下流のゲートを閉じたが、それまでの間、汚染水が港湾内開渠部分に流出したと東電は判断している。排水路の構造上、港湾の外、外洋へは流出していない。
排水路放射線モニタの警報は、全ベータ1500Bq/L以上を検出すると『高警報』、3000Bq/L以上を検出すると『高高警報』を発生する設定になっている。排水路を流れる水は、通常100Bq/L強の放射能濃度だ。今回、高高警報を発生した時、3000Bq/Lから最大7230Bq/Lまで高まった。
全ベータで数千Bq/Lの汚染水が海洋へ流出したと考えられるが、その量は不明。BC-1ゲートを閉じたのち排水路に残っている水はバキューム車で約289トンを回収し、1000トンノッチタンク群へ移送した。この時、水の放射能分析等は行っていない。回収した水は、今後、浄化処理を行う予定だ。
その後、排水路放射線もモニタの計測値は徐々に下がった。しかし、測定器自体が汚染されたため、放射線モニタを清掃。2月23日16時現在、排水路内の水の放射能濃度も通常の範囲内まで低下し、警報は解除されたという。
どこから汚染水が流出したか、その原因は未だ判明していない。東電は現場を調査し、汚染水を貯蔵している全てのタンクの止水弁が「閉」状態で、水位に変動がないことを確認している。さらに、水が漏れた形跡もないという。
もし、汚染水タンクから直接漏洩したのであれば、放射能濃度はさらに4~5桁高いものになる。今回の数千Bq/Lという値は、タンクからの漏洩水が地下水等で希釈されたものや、過去の漏洩汚染水の残留水がしみだしてきたものということも、可能性としては考えられる。しかし、原因は未だ分からない状態だ。
今回のトラブルは、2月22日10時00分ごろに側溝放射線モニタが「高警報」を発したことから始まる。その後10時10分ごろに「高高警報」を発した。
この時、東京電力は、漏洩源の可能性がある汚染水タンクの、止水弁の閉状態の確認と水位の確認を行った。その後、11時35分に、ようやく側溝の下流側ゲートを閉じた。
最初の警報発生時に、まず側溝の下流側ゲートを閉じ、それからタンクの状態を確認すれば、少なくとも海洋への流出は抑えられたはずだ。
排水路の水質をリアルタイムに監視できる装置を備え付けたが、万が一放射能が漏洩したかもしれない時に、どうすれば海洋漏洩を止められるか、どのように対応すればよいかといった点の考慮が足りなかったのではないだろうか。
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