【愛媛・大義なき解散総選挙】「安倍さんの言いなりの議員を増やしても役に立たない」民主党・福山哲郎政調会長が安倍政権を徹底批判、愛媛1区の永江孝子候補を応援 2014.12.7

記事公開日:2014.12.9取材地: 動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(取材:IWJ中継市民・芝達也、記事:IWJ・ぎぎまき)

特集 総選挙2014

※12月9日テキスト追加しました!

 愛媛1区から立候補した永江孝子候補の個人演説会が12月7日、愛媛県松山市で開かれ、民主党の福山哲郎議員が応援に駆けつけた。福山議員は、アベノミクスの失敗を批判。安倍首相を「ドヤ顔」と揶揄し、庶民の生活を無視した経済政策や、自民党のための自民党政治の復活に怒りをぶつけた。

 民主党政権時代、介護士の賃金アップや高校の無償化、子ども手当の実施など、無駄を削減して確保した3兆円で成し遂げた政策をアピールした福山議員は、安倍政権になって、企業献金、天下り、無駄な公共事業が復活していると指摘。圧倒的多数で集団的自衛権や秘密保護法を強行した政府に対し、「好き勝手なことをさせていいのか」と、首相にもの申す議員を一人でも多く送り込みたいと、支持を訴えた。

 「自民党は総攻撃をかけて、一人一人の首をもぎ取ろうとしている。悔しくてならない」。永江候補は苦しい選挙戦になっていると訴え、弱者に寄り添える候補者への応援を呼びかけた。

■全編動画 1/2

■全編動画 2/2

  • 日時 2014年12月7日(日)19:00~
  • 場所 余土公民館(愛媛県松山市)

※以下、発言要旨を掲載します

安倍政権の失政続きをうやむやにもみ消すための解散総選挙

福山哲郎議員(以下、福山・敬称略)「民主党政調会長の福山哲郎です。お前なんか知らんぞ、誰やねんと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、最近はたまにテレビに出ています。今日は私の大好きな永江さんの応援に来た。永江さんは、無駄を削ることとか、子育て支援、障害者支援、弱い人に寄り添った仕事をしていただいていた。

 今回、誰のための選挙だと言われている。まずはこの国会、辞任した大臣が2人出た。実は、次から次へと続きそうになっていた。このままでは国会がもたない。自分が任命した閣僚だからまずいと、それをうやむやにするために解散になった。そして二つ目。株をやっている人は儲かったかもしれないが、(GDPは)マイナス1.6%になり、円安のおかげで物価は高くなっている。国民の生活が苦しくなってきた。このままではアベノミクスは失敗だと言われる。うやむやにしちまえ、と解散。

 三つ目。集団的自衛権。集団的自衛権の閣議決定を決めた。しかし、当の防衛大臣が疑惑まみれだった。これでは国会の答弁がもたない。うやむやにしちまえと解散した。実は選挙が始まる時にびっくりしたことがある。自民党の選挙政策に『集団的自衛権』という言葉が一個も入っていない。あれだけ大騒ぎをしたんですよ。流行語大賞にもなりました。にも関わらず、自民党の政策集には一つも入っていない。さすがに国民をバカにしているのではないか」

安倍首相、ドヤ顔するも…「庶民の生活は成り立っていない」

福山「昨日(12月6日)、応援で津軽に行きました。大雪一面のところ、多くの方が集まってくれた。津軽の方が言うには、灯油代が1.5倍になったと。灯油代が上がるだけで食費を切り詰めなければいけないが、その食費が上がっている。生活が成り立たないとご老人が泣いて訴える。本当にこんな感じなんですよ。

 安倍さんはドヤ顔して景気は良くなるといつも言っている。補正予算を組むと言っているが、補正予算のお金が落ちるのが4月。冬は関係ない。そして、この解散は誰のためか分からない。こんなのを許していては駄目だと、みなさんにお伝えしたい」

天下り、無駄な公共事業、企業献金――悪しき自民党政治が復活

福山「この2年間、天下りも増えてます。復活している。もう一つ、無駄な公共事業が増えている。我々の時に、永江さんに、事業仕分けとか、行政刷新会議でいろいろと手伝っていただいて、恒久財源で我々1年目、2年目でいくら出したかというと、3兆円確保した。この3兆円のおかげで、高校の無償化とか子供手当とか病院の診療報酬改定とか介護で働いている方の給料を上げることをやった。

 他に復活したもの。企業献金です。天下り、無駄な公共事業、企業献金、定数削減は約束を反故にされた。こういうものがどんどん戻ってきています。もう一つ、私は調べたんです。日本の人が、どれだけ株を持っているのかなと。株を持っている人は、100人の個人がいたら、12.1%しかいない。88人の人は関係ない。また、その中で、1000万円の証券を持っている人は1人。

 景気が悪くなっているのは、物価が上がっているから。ところが、この1人の人のために、みなさんが毎年毎年積み立ててきた年金を今、株にぶち込んでいる。長妻さんががんばった『消えた年金』。ひょっとしたら3回目の消える年金は、株に投資をして、株が下がったらみなさんの年金基金が落ちて、本当に消える年金になりますよ」

「首相に物申せない自民党議員が増えたって意味がない」

福山「集団的自衛権の話も、特定秘密保護法の話も、数が多いから好き勝手するんですよ。自民党の議員が100人増えようが、200人増えようが、300人増えようが、安倍さんに何も言わない議員が増えたって、意味ないじゃないですか。この解散なんてしたくなかった議員、いっぱいいるんですよ。でも誰も何も言わないじゃないですか。

 集団的自衛権だって、誰がそれを行使できないか、誰が40年決めてきたか。自民党の総理大臣や外務大臣や防衛大臣が決めてきたんじゃないですか。それを閣議決定で決めるときに、おかしいと思っていた議員はたくさんいるのに、誰も声をあげない。安倍さんの言いなりの議員を増やしたって、何の役にも立たない」

「所得制限」を批判、子供の世界に親の地位を持ち込むのは差別につながる

福山「ちゃんと物事が言えて、弱い人に寄り添えて、子育て世代の気持ちも分かって、老後の安心、子育て支援、雇用を安心させるということを安倍さんに向かって言える人が必要なんじゃないですか、みなさん。もう一つだけ。高校の無償化。自民党になって、所得制限が出た。お金持ちだから自分で払えばいい、と思われるかもしれない。しかし、何で子供の世界に、親の職業や地位や年収を持ち込むんですか。あいつは授業料を払っている家の息子だ、あいつは払ってない家の息子だと。

 我々の考え方は、どんな家庭に生まれようが、子供には無限の可能性があるから、みんなで応援しようというのが我々の考え方。今の安倍政権は、すべてを不安に変えている。不安で脅している。一生懸命頑張らんやつは知らないという態度。不安では駄目なんですよ、お金は使わない。不安を希望に変える。介護で働いている人の賃金を上げることによって、将来設計できるから、子供になんか買ってやろうかなって、地域の商店街でゆっくり使うようになる。

 今のように物価が上がって、年金が目減りして、お金使いますか? 我々は、漢方薬かもしれないけども、人に対してお金を投資していきたいと考えている。その中で、永江さんは間違いなく、先頭を切って、おかしいものはおかしいと言ってくれる。自民党の300人いようが350人いようが関係ないんだから」

高校無償化はバラマキではない「各家庭の責任だと言っているのは日本だけ」

永江孝子候補(以下、永江・敬称略)「いい男でしょ。こういう素敵な人がいっぱいいたんですよ。今、みんな苦しい闘いをやっています。志を持っていて、この人は本当にいい政治家になる。私が有権者だったら命がけで応援したいと思うような、若い仲間がいっぱいいました。苦しい闘いの中、自民党は総攻撃をかけて、一人一人の首をもぎ取ろうとしているんです。悔しくてなりません。

 私は文部科学委員会で仕事をしていました。日本は資源のない国ですから、何が宝かと言ったら、やっぱり人だと思います。2000年のちょっと前から、小泉さんが教育予算を削った時から、格差が開いてきた。高校も行けない子供が増えてきて、やっぱり教育だと思いました。3年4ヶ月、国会に送っていただいたことを感謝している。

 2009年の10月が初登院。国会では毎日どこかで集会が行われている。できる限り足を運んでいたある日、卒業クライシスの集会があった。定時制高校に通う子供たちが来ていた。次の3月に卒業だが、授業料が払えないかもしれないという。ある女の子はお父さんがリストラ、家族の食事代を稼がないといけないから、昼間は工場で働き、夜は定時制高校に通っていた。気持ちも身体もボロボロ、後3ヶ月だけど、授業料が払えないかもしれない。後3ヶ月だけだから、何とか助けてくれないかと訴えていた集会だった。

 その時に、1年生議員がたくさん集まっていた。何かしないと駄目だと、すぐさま、文部科学大臣と厚生労働大臣の所に行って、基金を作ってくれとお願いし、何とか、その危機を抜けることができた。そして4月からは高校の無償化をスタートすることができた。みなが勉強できることになった。嬉しかったのはそれだけじゃない。授業料を払わなくていいなら、勉強をし直す子供たちが増えてきたことも嬉しかった。こういう子供たちがこれからの日本を背負って立つのだと思います。

 高校無償化はバラマキだと批判された。高校は、各家庭の責任だというのは、先進国では日本だけなんですよ。他の国はちゃんと国の責任で、高等教育はやっている」

主役は誰か?「国民が納得する努力をしない政府は独裁国家」

永江「今回、特に、国会に送り出していただきたいのは、集団的自衛権の問題。賛成の方も反対の方もおられる。一番の問題なのは、そういう議論なしに閣議決定したこと。おかしいと思いませんか? 集団的自衛権と個別的自衛権があることも知らない方もいる。説明がなかった。言い訳めいた説明だけ。これが問題。

 本当は、民主主義、国民主義の国ですから、私たちが主役。私たちが分かるように国は説明しないといけない。そして、時間をかけて意見を闘わせて議論しないといけない。それが民主主義の手続き。国民が納得する努力をしなかったら、独裁国家と同じ。今、そういう状態。

 憲法解釈を閣議決定でしたことは、とても危険なこと。国家権力を縛るものが憲法。国民的議論もなく決めたのは暴挙。許してはいけない。国会に行って、断固抗議したい。右へ右へといく流れを変えたい」

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です