2012年4月20日(金)、東京電力本店で、記者会見が行われた。
3号機原子炉建屋1階の、格納容器機器ハッチ内側にあるシールドプラグのすきまから、工業用内視鏡を進入させ、調査した映像を公開した。窒素ガス分離装置(PSA)が頻繁に故障し停止しているため、対策方針を策定、説明した。昨日の会見で発表した、電気料金値上げ、契約について説明に訂正があった。
(IWJ・箕嶋)
2012年4月20日(金)、東京電力本店で、記者会見が行われた。
3号機原子炉建屋1階の、格納容器機器ハッチ内側にあるシールドプラグのすきまから、工業用内視鏡を進入させ、調査した映像を公開した。窒素ガス分離装置(PSA)が頻繁に故障し停止しているため、対策方針を策定、説明した。昨日の会見で発表した、電気料金値上げ、契約について説明に訂正があった。
■全編動画
【会見資料】
【トピックス】
(1)
・福島第一3号機PCV機器ハッチ調査、内視鏡を挿入して観察した動画を公開。
・視野に放射線の影響による白い点々が見えることから、相当に線量が高いと予想される。今回の内視鏡観察で、新たに分かった事実はない。
(2)
・窒素ガス分離装置(PSA)トラブル原因調査について
・PSA-4のインバータを新しいものに取り換え、トラブルが発生したインバーターはメーカー工場で調査する。
・PSAにトラブルが発生してから、その発見、復旧までに最長160分かかっていた。改善策を二点、1.Webカメラの設置。4月10日に実施済み。2.警報装置の改良。4月に工事、5月から運用開始できるように工事する。
(3)
魚介類のサンプリング調査結果
・木戸川沖合2km、5kmの地点で刺網漁法により採魚した。
・今回の最大値は、沖合2km地点の鱸(スズキ)、134Csが670Bq/kg、137Csが940Bq/kgだった
(4)
・福島第一原子力発電所モニタリングポスト周辺環境の改善対策について
・モニタリングポスト(以下MP)の周辺にある森林などからの影響をさけるため、森林伐採、表土除去、遮蔽壁設置などをおこなった。
・目標10μSv/h以下に抑えることができた。これにより、プラントの異常に起因する1μSv/h以上の線量の上下は検知できる。
【質疑応答】
(日経新聞・クロカワ)
Q:MPの遮蔽は何のためか?
A:特にMP6,7,8は周辺環境の影響、森林や地面からの直接放射線により、計測される線量が異常に高い。それらを、目標値である10μSv/h以下にする為。
Q:遮蔽壁により、新たな漏洩放射線物質が検知できなくなるのではないか?
A:周囲を囲っているだけで、上部は開いているため、原子炉から新たに漏洩した放射性物質はMPの上部からセンサーに降り注ぎ、検知できる。
Q:遮蔽壁の高さは?
A:MPにより160~250cm
(読売新聞・オオヤマ)
Q:MPの目標値10μSv/hは何故か?
A:確認します。
(回答する記者団・佐藤)
Q:福島第一原子力発電所の作業員がTwitterで、4/15に汚染水の漏洩の公表を隠していると言っている。東電は漏洩を100%把握しているか?公表しているか?
A:ニジミなどふき取りで処理できるもの、バケツに漏れたものなどは、現場の保全作業とし、公表していない。
(NHK・ハナダ)
Q:魚介類のサンプリングは、今回は2回目か
A:その通り
Q:今回は100Bq/kgを超えるものが出ている。前回は100Bq/kgをこえていない。何故か?
A:前回は船曳網漁法、海の表層の魚を採魚している。今回は刺網漁法、深いところの魚を捕っている。その違いではないか。
しかし、まだ2回目でサンプリング数が少ない。今後も継続的に調べる。
Q:深いところの魚の方がBq数高いのは何故か?
A:海底土に沈着した物質の影響ではないかと思う。
Q:採漁した深度は?
A:刺網漁法なので、具体的な深さはわらない。
Q:PSA3,4のトラブルの原因について、PSA3はフィルタ、ではPSA4は?
A:まだはっきりしていない。今日インバータを取り換えて工場で検査する。原因がインバータに内在していても、除去されたと考える。
(フリー木野)
Q:MPの遮蔽壁の高さがMPによって異なる。何故か?
A:直接線の影響を避けるためであり、周囲の環境の違いによる。
Q:プラント異常による直接線は検知できなくなるのではないか?
A:距離的にプラントからMPまで、地表に沿って直接線がくること場合は考えにくい。プルームなどになるだろう。
Q:福島第一原子力発電所の1~4号機が廃炉措置になるが、試算としていくらか?
A:現在はゼロ。会計上は1600億位の減損になるだろう。
【明日の予定】
・キュリオン・ベッセルx2を交換する