岩上安身より残暑見舞い&お知らせ


残暑お見舞い申し上げます。

今年は8月7日が立秋でした。

まだまだ昼間は強い陽射しが照りつけますが、夜は涼しくなり始め、虫の音も聴こえるようになりました。

季節はめぐり、盛夏のときは少しずつ遠去かりつつあるようです。

お盆休みも終わり、子供たちの夏休みも後半に。ご家族での楽しい夏の思い出がたくさんできますように。

いつもIWJをご支援いただきまして、心から感謝いたします。

私事ですが、本日8月18日、55回目の誕生日を迎えることができました。無事、こうしてジャーナリストとして、IWJの代表として、仕事を続けていられるのも、お世話になっている皆様のおかげです。心から御礼申し上げます。

55歳ということは、四捨五入すれば60になります。とうとうそんな年齢にさしかかったのかという思いもあり、本人としては「おめでたい」と素直には思えない屈折した心境にもなりましたが、この日は、私の方から、これまでお世話になった方々、あるいは現にお世話になっているすべての方々に対して、「ありがとうございます」と、感謝の気持ちを贈る日にしようと思ったら、心が晴れ晴れとしました。

私も、もう若くにはないのだ、ということを自覚し、健康を損ねて皆さまにご心配をおかけしないように気をつけながら、この先の道のりを、IWJの基礎を固め、未来のある若い後進を育成し、自身としても迷いやおじけることのない、報道・言論活動を行なって、歩んでまいりたいと存じます。

この先は、一年一年が、一日一日が大切な、取り返しのつかない日々になると思います。悔いのないように、第4コーナーを回っていきたいと存じます。今後とも、どうぞよろしくおつきあいを願います。

さて、本日は、お知らせがひとつあります。5月29日に、前期の第3期(平成24年11月~平成25年10月末)の収支のご報告をさせていただきました。
http://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/19919

ご報告したとおり、前期の第三期は、IWJ創立以来の赤字を記録。赤字額は421万円でした。この厳しい財政事情をご理解いただき一層のご支援をいただけますよう、お願いをしてまいりました。

その後、この活動内容に関していくつか質問が寄せられました。本日はそうした質問を整理してご回答するとともに、現状のご報告をさせていただければと存じます。

ご質問は以下のようなものです。

■ 販売管理費として

【質問1】販売管理費計の4400万円というのが、よくわかりませんでした。人件費のことでしょうか。外注なのでしょうか。

販売管理費は、取材にかかった諸経費及び事務所の維持費用等の合計です。人件費は含まれていません。人件費は「スタッフ/外注報酬」「スタッフ/アルバイト」「役員報酬」という費目ですでに計上しておりますので、ご参考にしてください。

販売管理費を、どこまで公開するべきなのか、迷いましたが、経費がどれだけかかるものか、会員・サポーターの皆様にご理解いただくために、主なものを一部公開いたします。

主な支出の項目及び金額は次のとおりです。

(1) 備品リース料 496万4,000円→システムのサーバー代などが含まれます。これはネットメディアとして必須の支出なので、削るのはなかなか難しい支出です。
(2) 修繕費 351万3,000円→WEBのヴァージョンアップです。システムの構築整備のためどうしても必要な支出でした。今期は抑制しているので、これほどの支出にはならないかと思われます。
(3) 備品消耗品費 744万8,000円→これはビデオカメラなどの撮影機材等を購入したため、第三期は金額が大きくなりました。ネットメディアとしてどうしても必要な最小限の設備投資でしたので、ご理解をお願いいたします。おかげさまで最低限度のベーシックな機材はひととおりそろいましたので、今期はこの費目の支出は小さくなる見込みです。
(4) 取材交通費 304万5,000円
(5) スタッフ通勤交通費 155万4,000円
(6) 通信費 255万4,000円

IWJのアクティビティーを示すのが(4)の取材のための交通費であり、(6)の通信費です。取材活動を活発にすればするほど、膨れ上がることはどうしても避けられません。ここが頭の痛いところです。

(1)のように、サーバー代などネットメディアとして、システムの維持管理に、どうしてもかかってしまうベーシックな支出があります。他方、(3)のようにカメラやミキサーやPC等の機材は、一定程度そろえば、追加支出はそう大きなものではなく(メンテナンス費用はかかりますが)、(2)のようにシステムもある程度のレベルまで構築できれば、支出は抑えられるようになります。

もっともシステムに関連する支出は欲を出せば、きりがありません。会員管理システムのバージョンアップと、サイトのリフォーム、そしてアーカイブを整理して検索性をいっそう高めるための改修は、現在もコツコツと続けて行っております。会員(とりわけサポート会員)の皆様がアーカイブを御利用になる時に、便利にするためには、どうしても欠かせない作業です。

もっとコストをかけられれば、ユーザーの皆さんにとっても、より見やすく、使いやすいシステムをスピーディーに提供できるようになると思うのですが、今、コストを最小限にしながら、最大限のサービスを提供することは、どうしたらいいか、懸命に取り組んでいるところです。

もちろん、コストを最小限に、といっても、システムの再構築やアーカイブの整備ためには、どうしても人手がかかります。会員の皆様の利便性を高めるためにも、ご理解をいただき、ご寄附・カンパによる、ご支援をよろしくお願いしたいと存じます。

■役員報酬として

【質問2】360万円役員報酬を、つまり、月額30万円が計上されていますが、岩上さんは役員報酬をカットしていると、言われています。ということは、岩上さん以外の役員の方がいらっしゃるのでしょうか。あるいは、もらった役員報酬をカンパしているということなのでしょうか。

IWJの役員は、岩上安身1名であり、役員報酬として計上した360万円は、全額岩上安身の役員報酬です。平成25年10月17日にみなさまへお願いを申し上げた際にもお伝えした通り、役員報酬のうち、私は50%をカットすることを決定しました。

ただ、期の途中で役員報酬を変更することできないこと、実行するには、役員報酬を全額計上し、受け取った報酬の中から、50%分をIWJに寄付するようにすべきであると、顧問の税理士法人からご指導を受け、そのような会計処理をすることになりました。

従って皆さまにご報告した収支報告は、役員報酬は360万円計上しているかたちなっています。

ここにご指導いただいている税理士法人からの文面を、ご了解を得て、転載記載いたします。

株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
代表取締役 岩上安身 様

お問合せのありました「第3期収支報告に関するご質問」の件についてご説明させていただきます。

平成24年11月~平成25年10月の第3期につきましては、期中において岩上社長より役員報酬の減額についてのご相談を受けました。
役員報酬の支払いについては、年度中途の減額改定は、「経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由」(業績悪化改定事由)による改定の場合以外は「定期同額給与」とみなされず、一部が役員報酬の損金不算入の対象となってしまいます。
また、通常は定時株主総会での決議により、期首から原則3ヶ月以内に改訂が行われ、遡って期首からの額を変更することも、定期同額給与と認められません。
IWJ様の場合、ご相談を受けた段階においては非常に厳しい経営状況ではございましたが、その後皆様からのご支援が高まれば業況が好転することも予測されるため、前述の業況悪化改定理由に該当しない可能性が高いと判断して役員報酬の減額処理はしないようアドバイスいたしました。
岩上社長からは、それでも減額をとのお申し出がありましたので、役員報酬は通常通り支給し、資金繰りの関係から改めて(株)IWJへ貸付ける経理処理をしていただきました。
その後、実際にカットした5割分の役員報酬額については、岩上社長から(株)IWJへのカンパとしてきちんと会社へ全額寄付されるという決定がされた為、平成25年11月からの第4期において収入に計上する形となっております。
以上のような事情から、第3期の収支報告上では役員報酬がいったんは支払われたかたちで全額計上されております。

平成26年6月19日
税理士法人西川会計
監査担当:横山裕子

ご指導頂いたとおり、期が変わり、業況の好転を期待しておりましたが、2ヶ月過ぎた時点でも、依然厳しい財政状態が続いておりました。そのため、期首から3ヶ月目にあたる、平成26年1月から岩上安身への役員報酬を5割ダウンの月額30万円から15万円に変更することを正式に決定しました。

その後、3月29日の緊急支援のお願いに際して、「何よりも私自身が先頭にたって支出削減の範を示すため、従来の役員報酬の8割カットする」とお約束した通り、第四期の4月以降は、15万円に減額した役員報酬のうち、従来の役員報酬の2割に当たる、月額6万円のみ受け取り、9万円をIWJへと寄附することとしました。報酬の2割分だけ受け取っているのは、所得税の支払いがあるためで、本来受け取る金額のほとんどをIWJへ寄付しております。

なお、IWJとしては、スタッフや外注への給与や報酬など、他の支払いを優先し、岩上安身への平成24年11月~平成25年10月の第三期役員報酬の支払いについては、これまでずっと後回しにして、未払いとなっていました。しかし、第四期も半期を過ぎたので、本年7月付けで、第三期分の支払いを行いました。その内訳をご報告致します。

役員報酬額 360万円
源泉徴収額 9万9,000円
差し引き支給額 350万1,000円

役員報酬額の50%相当の180万円(360万円 x 50%)を、岩上安身個人としてのカンパとしてIWJへ寄付しました。残りの170万1,000円(350万1,000円-180万円)をIWJから第三期の役員報酬として受け取りました。

すでにお知らせした通り、第四期(平成25年11月~平成26年10月)は、平成25年11月から3月までは、従来の報酬額30万円の5割相当である15万円を、4月から10月までは、2割相当の6万円を受け取ることとし、本来の報酬年額210万円との差額の93万円(15万円 x 2ヶ月(11月~12月)、9万円 x 7ヶ月(4月~10月))をIWJに寄付します。これはIWJの赤字が続く限りは続けるつもりです。

私自身の報酬は以上のように、月額30万円から、その8割を返上またはIWJへ寄付をして、ボランティアに近い報酬で働き続けています。黒字になるまでがんばります。どうぞ皆様、IWJを今後ともご支援ください。現状の会員規模ですと、まだ財源が足りません。どうしても皆様のご寄付が必要です。ご寄付・カンパを、何とぞよろしくお願いします。
http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

また、一般会員の方には、ぜひともサポート会員への切り替えをおすすめしております。アーカイブの大整理プロジェクトも進行中です。いささかコストと手間はかかりますが、完遂したら格段に、アーカイブをご利用しやすくなります。この機会にぜひご登録いただき、IWJをお支えいただけるよう、お願いいたします。
http://iwj.co.jp/join/

長文のメールとなってしまいました。失礼がありましたら、お許しください。

皆様のご多幸をお祈り申し上げますとともに、今後とも、倍旧のご支援を、どうぞよろしくお願い申し上げます。

岩上安身拝