日刊IWJガイド・非会員版「6月末、岩上安身は新たに300万円の私財を投入! 財政危機のIWJに、サーバー移転費用も加わる重大危機! IWJをお救いください!!」2026.7.6号~No.4767


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~6月末に、IWJのキャッシュフローが底を尽き、岩上安身は新たに300万円の私財を投入せざるをえず! また、財政危機のIWJに、サーバー移転費用も加わる重大危機! 6月は30日までに236万1200円のご寄付をいただいています。この金額は、月間目標額350万円の67.5%に相当します! IWJが存続できるかどうかは、皆様からの会費と、ご寄付・カンパにかかっています! どうぞ皆様、IWJをお救いください!!

■ウクライナによるロシア深部へのドローン攻撃に対する反撃か!? ロシアはウクライナの首都キエフを、開戦以来最大となる大規模攻撃!(その3)プーチン政権はより攻撃的な「カラガノフ」路線へと転換したのか? プーチン大統領は「ドンバスとノヴォロシアの解放」が最終目標だと発言! ロシアの対ウクライナ戦略は新しい段階に入りつつあるのか?

■ウクライナ戦争は欧州とロシアの直接対決へ!?(その4)ロシアの新核ドクトリンを嘲笑うかのように飛び越えていくウクライナと西側諸国! ロシアでは、限定的な先制核攻撃も辞さないカラガノフ氏の主張が主流派に! ミアシャイマー教授は、「ヨーロッパ人とロシア人を破滅へと向かう滑りやすい坂道に突き落」とすという、きわめて危険な戦略だと懸念!
┗━━━━━

■はじめに~6月末に、IWJのキャッシュフローが底を尽き、岩上安身は新たに300万円の私財を投入せざるをえず! また、財政危機のIWJに、サーバー移転費用も加わる重大危機! 6月は30日までに236万1200円のご寄付をいただいています。この金額は、月間目標額350万円の67.5%に相当します! IWJが存続できるかどうかは、皆様からの会費と、ご寄付・カンパにかかっています! どうぞ皆様、IWJをお救いください!!

 IWJ代表の岩上安身です。

 連日お伝えしているように、IWJのサイトのデータそのものが、今年の10月にも消えてなくなるかもしれないという、大問題が発生しています!

 現在IWJのサイトのサーバー運営を委託している会社(W社とします)が、「9月末にサーバーサービス事業を廃止する」と通知してきました。

 W社を岩上安身に紹介してくれたのは、故・坂本龍一さんでした。2011年の東日本大震災による福島第一原発のメルトダウン後、原発の再稼働反対デモを実況中継したのが契機となり、坂本龍一さんと知り合い、その後、W社を紹介してくれたのです。

 そうした経緯もあって、W社からは比較的安価に、サーバーへのデータ保存、保守・管理サービスなどを安定的に提供してもらっていたのですが、事業を撤退するという知らせを受けて、大至急、データの引越し先を探さなくてはならなくなりました。動画の総本数は、約3万5千本もあります。

 大急ぎで複数社に見積もりを出してもらい、検討した上で、事前調査次第で、安く済むか、他社と同程度の約1000万円までかかるか、現時点ではわからない、というB社にお願いすることにしました。

 事前調査には、さっそく取りかかってもらっています。この先の成り行きは、またご報告させていただきます。

 7月に入り、IWJの第16期は、最後の1ヶ月となりました。

 6月は、1日から30日までの30日間で、72件、236万1200円のご寄付をいただいています。この金額は、月間目標額350万円の67.5%に相当します。

 昨年8月から始まったIWJの第16期は、今年の2月のみ、ご寄付・カンパによるご支援の月間目標金額350万円を達成できましたが、それ以外の10ヶ月間は、月間目標額を大きく下回りました!

 会期末まであと1ヶ月。6月末時点で、概算での予測ですが、今期の赤字幅は、約1千600万円になる見込みです。本当に深刻な事態です。

 6月の月末には、IWJのキャッシュフローが底を尽きかけてきたため、300万円、急遽、工面して、会社に貸しつけることとなりました。

 そうしなければ、資金ショートを起こして、IWJの運営ができなくなるところでした。

 こうした赤字は、これまでも岩上安身個人の私財を投じてカバーしてきました。

 しかし、このまま日毎に増えてゆく赤字を、私の私財で、ずっと埋め続けてゆくことはできません。

 その上、上記のように、サーバーのデータの移転で、最小で約300万円、最大で約1000万円程度のコストがかかることとなってしまったわけです。

 赤字がこれ以上、拡大しないうちに、この機会に会社を整理するべきなのか、それともまだ継続すべく粘るべきなのか、今もなお、真剣に悩んでいます。

 コロナの際に経営が危機に至った時に、私、岩上安身が会社に貸しつけたお金のうち、返済されていない残高がまだ約1千万円残っており、前記の新たな貸付金300万円を含めて、貸付金残高は、合計で1300万円となります。

 また、コロナの時の特例で自治体が利子を補助してくれて、無利子で金融機関から借りたお金も返済し続けており、あと返済が約1800万円残っています。

 金融機関からの借り入れは、会社がつぶれようが、待ったなしで返し続けなければいけません! 保証人は、岩上安身個人となっています。

 つまり現時点で2850万円もの借入金が、まだ残っており、それが最終的には私、岩上安身個人の肩にのしかかってくる、ということです。その上でさらに今期は、現時点でも1100万円を超える赤字が出ている、ということになります。

 合計すると4000万円弱の負債となります。プラスして、新たなサーバーへのデータの引っ越し代を含めると、最大で約5000万円が必要となります。個人としては、とてもではありませんが、背負いきれません!

 それでも、この狂気に支配された歴史的な危機の時代に、IWJとして皆様にお伝えしたい正しい情報は山ほどあります!

 イランが、米国とイスラエルに侵略され、日本だけでなく、全世界が、かつてないエネルギー危機に見舞われつつあるというのに、高市政権を筆頭に、イランだけを非難し、国際法違反の米イスラエルの侵略を正当化しているかのような、愚かな政府見解や報道や情報があふれかえっています。

 そうした報道・論評は、共通して、イスラエルと米国にまたがって存在するシオニスト達の存在と、その支配的な影響力、彼らの戦争犯罪の責任について、見て見ぬふりをして、頬かむりしています。

 高市政権は、無自覚なシオニズム・アシスト政権であり、自国の国益、国民の生活を第一に考える政権ではありません! そのことを見抜けず、対米隷従的で、結果、間接的にシオニズムを是とするような政府発表・報道・言論が多すぎます。

 政治家も官僚もマスメディアも、いまだに、米国こそが、世界の「主役」である、という誤った認識を改められない点も、「対米従属」外交を続けていく、大きな原因となっています。

 米国の外交政策を牛耳っているのは、イスラエルと、米国内のイスラエル・ロビーです(在米ユダヤ人だけではなく、福音派ら、キリスト教シオニストを含む)。その傾向は年々強まり続け、トランプ政権では、過去に前例のないレベルにまで達しています。

 「陰の主役」であるイスラエルと、イスラエル・ロビーは、この秋の中間選挙やその後の大統領選挙で、共和党が敗北し、民主党が勝利しようとも、マイナスの影響を受けません。

 イスラエル・ロビーは、共和党と民主党のどちらにも多額の献金という「保険」をかけており、選挙結果に関係なく、米国の政権には「イスラエル・ファースト」の外交政策をとらせ、中東ではイランと平和的に共存する道を米国にとらせません。石油危機が起ころうが、世界恐慌となろうが、「世の終わり」を待望している原理主義的な狂信者達は、そんなことは恐れないのです。

 イスラエルは、パレスチナ人とも、シリアとも、イラクとも、イランとも、最終的にはアラブとも、トルコとも、エジプトとも平和共存を望まず、中東において、「ナイル川からユーフラテス川まで」の「大イスラエル」建設を目指して、この地域における圧倒的に優越的な支配だけを望んでいます。

 かつては隠していたその「大イスラエル」建設の野望を、近年はもはや隠さなくなりました。公職にあるネタニヤフ首相ですら、こうした野心を公的な場で認めています。

 その侵略的な植民地主義の欲望には、際限がなく、米国を内部から操作・支配して、国際法や国際秩序を破壊しています。

 イランと米国との交渉に入る合意署名がかわされても、イスラエルは、レバノン南部への侵略をやめず、ガザでもヨルダン川西岸でも、パレスチナの民間人を殺し続けているのは、『旧約聖書』にもとづく彼らの「大イスラエル」構想の狂信的侵略イデオロギーが、少しも揺らいでいないことを示しています。

 もっと言えば、ユダヤ人と、ユダヤ人以外の人類を区別し、後者は前者より劣り、奉仕するべき存在だ、というのが、宗教極右のシオニストの考え方です。イスラエルの街頭インタビューで明らかになった一般のユダヤ人のもつ選民意識を、ぜひ、直視してください。

※衝撃! イスラエルの街頭でのランダムなインタビューで明らかになった、ユダヤ人の一般市民の選民意識!「我々は、彼ら(非ユダヤ人=ゴイム)を人間とは呼ばない」!(その1)(日刊IWJガイド、2026年5月22日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20260522#idx-2
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/55586#idx-2

※イスラエルの街頭インタビューで、ユダヤ人達の「本音」が露わに!!『旧約聖書』を絶対視!「ユダヤ人は選ばれた民族だと思います。ユダヤ人は、神に選ばれました」!(日刊IWJガイド、2026年5月27日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20260527#idx-3
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/55591#idx-3

 シオニスト批判の極端な欠落も問題ですが、1973年の石油危機から53年間も経過して、この危機の大きさが、日本国民の大半に共有されなくなっているのも大きな問題です。

 未来の見通しを見誤るような、「正常化バイアス」のかかった「楽観的」な分析・情報・報道・論評が、日本では多すぎます!

 そうした歪みをただす、カウンターの情報を、IWJは伝え続けていかなければならないと思っています!

 エネルギー自給ができないのは、日本の宿命です! 日本は、何よりも石油危機に対しては、無為無策のまま、手をこまねいていてはいけません!

 緊急事態条項を含む、憲法改悪だけは熱心な高市政権と日本政府に、ロシアを含めて、代替の石油確保の道を早急にとらせないと、迫り来る石油危機の津波に、我々日本国民丸ごとのみ込まれて、つぶされてしまいます! そのためには、世論を変える必要があります!

 私もスタッフも、真実を伝えるために全力を尽くしていますが、今は、IWJの活動が続けられるかどうかの瀬戸際です!!

 どうぞ皆様、IWJの存続のために、緊急のご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします!

 岩上安身 拝

※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です(各金融機関ごとに口座名が非統一ですが、どれも、各銀行の仕様に従ったもので、間違いではありません)。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

※会員の再開、新規会員登録はこちらからお願いします。ぜひとも、皆様、会員となって、お支えください!!
(会員登録済みの方)
https://iwj.co.jp/ec/mypage/login.php
(新規会員登録の方)
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 YouTubeの登録と、高評価ボタンのプッシュもよろしくお願いいたします! 登録者が10万人を突破しました! ありがとうございます! この勢いで、20万人突破を目指します! 好評価ボタン、拡散、温かいコメントも、よろしくお願いします!

※Movie IWJ
https://www.youtube.com/@IWJMovie

 なお、動画の告知など、大事なお知らせのためにも、以下のSNSのアカウントを登録しておいてください!

※岩上安身のXのアカウント
https://x.com/iwakamiyasumi

※岩上安身のフェイスブック
https://www.facebook.com/iwakamiyasumi/

※岩上安身のインスタグラム
https://www.instagram.com/iwakami.yasumi/channel/

※IWJのXのアカウント
https://x.com/iwakami_staff

※IWJのフェイスブック
http://facebook.com/iwj.jp/

※IWJのインスタグラム
https://www.instagram.com/iwj_jp/

■ウクライナによるロシア深部へのドローン攻撃に対する反撃か!? ロシアはウクライナの首都キエフを、開戦以来最大となる大規模攻撃!(その3)プーチン政権はより攻撃的な「カラガノフ」路線へと転換したのか? プーチン大統領は「ドンバスとノヴォロシアの解放」が最終目標だと発言! ロシアの対ウクライナ戦略は新しい段階に入りつつあるのか?

 ウクライナと欧州諸国によるロシア領内深部へのドローン攻撃が激化している中、プーチン大統領は「ノヴォロシア」の会報に言及し、ロシアはウクライナの首都キエフに対して、2022年の侵攻以来最大となる大規模攻撃を行いました。これはロシアの新しい段階へのエスカレーションを示すものなのでしょうか!?

<プーチン大統領は「ノヴォロシア」全域の獲得をめざす!?>

 プーチン大統領は、6月28日、ロシア国営テレビ「ロシア1」のジャーナリスト、パーヴェル・ザルービン氏によるインタビューに応じました。

 プーチン大統領は、ウクライナ軍によるロシアのエネルギー関連施設および産業施設への攻撃、そしてクリミアとセヴァストポリへの燃料供給について、「重要インフラ全般、特にエネルギーインフラへの攻撃は、もちろん問題を引き起こしている。それは明白だ」と認めた上で、しかし、「それらは深刻なものではない」とダメージが重いわけではないことを強調し、防空システムの生産の迅速化など、対処すべき課題に取り組んでいると説明しました。

 プーチン大統領は、ウクライナ軍によるロシア領内への攻撃は「民間インフラへの攻撃は、我々に損害を与えることだけを目的としているわけではない」と述べました。

 プーチン大統領は、これらの攻撃は「情報作戦を煽」り、「(ロシアの)自信と能力を損ない、理想的には、ロシア社会に分断を生み出し、接触線沿いの我々の部隊の進軍を、たとえ一時的であっても停止」することで、「有利な条件で交渉を開始するための状況を作り出すこと」を目的としているとの冷静な見解を示しました。

 つまり、『日刊IWJガイド』7月1日号でもお伝えしましたが、灯油を積んだドローンが火災を派手に引き起こし、それらの映像がロシア国内外に流されることを狙った「プロパガンダ」であるという見立てを述べたわけです。

※ウクライナ戦争は欧州とロシアの直接対決へ!? ロシア軍がドネツク州の要衝コンスタンティノフスカを事実上制圧!(日刊IWJガイド、2026年7月1日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20260701#idx-3
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/55639#idx-3

※【1】ウクライナ戦争でも、イラン戦争でも、厳しい報道管制が敷かれている! 報道自身が、自ら報道の自由を踏みにじっている! 岩上安身による日本安全保障フォーラム会長・矢野義昭元陸将補インタビュー
https://youtu.be/ARBFXrrD7vo

※【3】アイアンドームもPAC3も、極超音速ミサイルの前ではまったく無力! 戦車も、空母も、有人戦闘機も、過去の遺物! 岩上安身による日本安全保障フォーラム会長・矢野義昭元陸将補インタビュー
https://youtu.be/mpKiQOu0_9U

※【3】欧州は対ロシアで、イスラエルは対イラン・中東で暴走! イスラエルに完全に牛耳られているトランプ政権は、どちらもコントロールできない! 岩上安身による矢野義昭元陸将補インタビュー (第2回)
https://studio.youtube.com/video/FI69vYaPLo4/edit

 続けて、プーチン大統領は、「我々は彼らにそのような機会を与えない。これらのテロ攻撃が前線の状況にまったく影響を与えないことを理解することが、なおさら重要だ。それが肝心な点である。我々のインフラに対するこれらの攻撃がどこで行われようとも、接触線沿いの最前線の状況にはまったく影響がない」と断言しました。

 プーチン大統領は、ウクライナ側との接触はまだ続いており、ウクライナ側からは「双方が互いの領土深くへの長距離攻撃を停止すべき」だという提案があったことを明らかにしました。プーチン大統領は、ロシア側がウクライナに与えている損害の方がはるかに大きいため、このような提案が出てくるのだ、と説明しました。

 このようなロシア側の姿勢や認識は、日本の大手メディアも、あまたあるウクライナびいきのYouTube番組も取り上げない事実です。

 日本のメディアの多くは、大小問わず、攻撃目標の戦略性の分析には踏み込まず、ウクライナ人の民間人が何人犠牲になったかだけをヘッドラインやサムネで伝えます。

 しかし、他方でウクライナ軍が若い女性達の学生寮を狙った明白なテロ攻撃とは区別をつけません。

※ウクライナがルガンスクの大学学生寮をドローンでトリプルタップ(三度同一箇所攻撃)の確信犯的攻撃! 21人の学生が死亡、その多くが女学生!(日刊IWJガイド、2026年5月29日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20260529#idx-3
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/55593#idx-3

 これは、「どっちもどっち」で片づけるべき問題ではありません。

 さらに、ウクライナ側からは「軍事作戦をヘルソン州、ザポリージャ州、ドネツク人民共和国、ルハンスク人民共和国の4つの地域に限定」するという提案もありました。プーチン大統領は、ウクライナ軍は深刻な兵力不足に悩まされているため前線を縮小したいのだ、と説明し、「キエフ政権を救うことは、我々の計画には含まれていない」と述べました。

 プーチン大統領は「現状では、ウクライナ軍が特殊部隊による限定的な目標を追求する奇襲的な陽動攻撃を仕掛ける可能性も否定できない。彼らの目的は、我々の注意と資源を、我々の主要目標であるドンバスとノヴォロシアの最終解放から逸らすことにあるだろう」と、述べました。

 「ノヴォロシア(新しいロシア)」とは、何を指すのでしょうか。ドンバスのルガンスク人民共和国とドネツク人民共和国は、2014年に分離独立を宣言した際に、自ら「ノヴォロシア」を名乗りました。しかし、プーチン大統領は「ドンバスとノヴォロシア」と述べており、両者が異なる概念であることを示しています。

 これは、8世紀後半、ロシア帝国のエカチェリーナ2世の時代に、オスマン帝国との戦争を経てロシアが獲得した黒海北岸地域一帯を指す歴史的な行政地域名「ノヴォロシア」を意味しているのではないかと思われます。そうだとすれば、かつての「ノヴォロシア」の中核的な存在であった、黒海沿岸の都市オデッサもそこに含まれることになります。

 オデッサは、ウクライナにとっては黒海に対して唯一開かれている都市です。ここをロシアが取れば、(あるいはロシア側から見たら奪還すれば)、ウクライナは海への出口を持たない内陸国になります。ロシアから見れば、オデッサから、ロシア系住民の多い沿ドニエストル共和国とも回廊がつながります。

 同インタビューで、プーチン大統領は、前線の状況について言及し、北部の「スムイおよびヴォルチャンスク地区におけるロシア軍の目的は、国境沿いに安全保障地帯を構築することだ。この任務は、ウクライナ軍によるクルスク州への侵攻と、国境地帯への継続的な攻撃を受けて設定された」と述べています。

 ロシアとの国境地域に、安全保障地帯となる地域をスムイ州に構築することがロシア軍の目標となっていると明言したわけですが、その狙いについて、プーチン大統領は「ウクライナ政権は、(ウクライナ軍がロシア領内に侵入した)クルスクの地で犯した罪の代償として、この国境警備区域を設置するために必要な領土を失うことになるだろう」と宣告しました。

 ウクライナとロシアの国境周辺に安全保障帯を設けるとすれば、もちろん、ハリコフ州のクピャンスクからスムイ州までの連続的な国境沿いの地域、そしてハリコフ州の州都で、ウクライナ第2の都市であるハルキウも含まれる可能性があります。

 プーチン大統領が言及した「ノヴォロシア」には、南部のオデッサだけではなく、北部の安全保障地帯も含んでいると推測されます。

 これまでにもロシアは、安全保障地帯の設定を求めてきましたが、プーチン大統領は、欧州のバックアップを受けたゼレンスキー氏相手の交渉ではらちがあかないと、軍事力で安全保障地帯を構築する決意を固めたものと思われます。

 欧州諸国とウクライナによるロシア領内へのドローン攻撃の激化を受けて、「ロシアはどう出るのか」という疑問が広がっていますが、プーチン大統領は欧州とウクライナが攻撃を激化するならば、ロシアは前線を拡大し、軍事力でより広い地域を制圧する方針を示したと解釈できます。

※Answers to questions from a Russian journalist(President of Russia, 2026年6月28日)
http://en.kremlin.ru/events/president/news/80176

<ロシアが開戦以来、キエフに対する最大の攻撃を実施>

 ロシア側の対応は、プーチン大統領が言及した「ノヴォロシア」への目標拡大だけではなさそうです。ロシア軍は、7月2日、首都キエフを含むウクライナの各地で、2022年の特別軍事作戦の開始以来、最大と見られる攻撃を実施しました。

 ロシア側の対応は、プーチン大統領が言及した「ノヴォロシア」への目標拡大だけではなさそうです。

 ロシア軍は、7月2日、首都キエフを含むウクライナの各地で、2022年の特別軍事作戦の開始以来、最大と見られる攻撃を実施しました。

 ロシア国防省は、7月2日の夜に実施された大規模攻撃で破壊された標的の一覧を公表しています。

 一連の攻撃は、モスクワとクリミア半島に対するウクライナの最近の攻撃に対する報復攻撃だと見られています。

 首都キエフに対する攻撃では、60発以上(74発との報道もあり)のミサイルが使われ、ウクライナの軍事製造産業の中枢をなす軍産複合体の企業群、ドローンやミサイルの生産拠点、ロジスティクスセンター、そしてNATO将校を含む外国人顧問などが出入りする「シティ・ホテル レジデンス」「プリミエール・パレス」も標的になりました。NATO将校6名が排除されたとの情報もあります。

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

―――――――

■ウクライナ戦争は欧州とロシアの直接対決へ!?(その4)ロシアの新核ドクトリンを嘲笑うかのように飛び越えていくウクライナと西側諸国! ロシアでは、限定的な先制核攻撃も辞さないカラガノフ氏の主張が主流派に! ミアシャイマー教授は、「ヨーロッパ人とロシア人を破滅へと向かう滑りやすい坂道に突き落」とすという、きわめて危険な戦略だと懸念!

 ウクライナと欧州諸国によるロシア領内へのドローン攻撃が激化しています。ロシアの新核ドクトリンを嘲笑うかのように飛び越えていく状況に、ロシア国内では限定的な先制核攻撃も辞さないセルゲイ・カラガノフ氏の主張が主流派になりました。カラガノフ氏は、プーチン大統領にさらなる核ドクトリンの見直しを迫っています。

 一方、ジョン・ミアシャイマー教授は、早くからカラガノフ氏の核戦略に注意を払い、注目してきました。

※ウクライナ戦争は欧州とロシアの直接対決へ!?(その1)(日刊IWJガイド、2026年7月1日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20260701#idx-3
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/55639#idx-3

※ウクライナ戦争は欧州とロシアの直接対決へ!?(その2)(日刊IWJガイド、2026年7.月3日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20260703#idx-5
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/55643#idx-5

<ロシアの新核ドクトリンを無視するウクライナと西側諸国>

 ウクライナ軍によるクルスク侵攻を受けて、ロシアは2024年11月に新しい核ドクトリンを発表し、核兵器使用の閾値を引き下げました。

 しかし、欧州諸国とウクライナは、2025年4月にクルスク侵攻の失敗が明らかになっても諦めませんでした。ロシアの新核ドクトリンを嘲笑うかのように、同年6月1日に「蜘蛛の巣作戦」を展開し、4ヶ所のロシアの戦略爆撃機基地を攻撃しました。そのひとつは、ウクライナ国境から約3000キロ離れたロシア・イルクーツク州のベーラヤ空軍基地でした。

※【検証】 ウクライナによるロシア爆撃機破壊、新たな衛星画像とドローン映像から分かること(BBC、2025年6月5日)
https://www.bbc.com/japanese/articles/cq85pzdlezvo

 ウクライナ軍はロシア国内にあらかじめドローンの部品を秘密裏に運び込み、ロシア国内で組み立て、標的となる空軍基地に攻撃をかける手法を用いていました。

 「蜘蛛の巣作戦」の12日後となる6月13日、イスラエル軍が「ライジング・ライオン作戦」で、まったく同じ手法でイラン国内の軍事拠点を破壊し、イランの要人を暗殺しました。

※<ウクライナ紛争とイスラエルが展開してきた一連の軍事行動の背後には、米CIA、英MI6、モサド、ウクライナの諜報機関による、国際諜報機関連合が存在!?(その1)>(日刊IWJガイド、2025年7月17日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20250717#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54876#idx-1

※ <ウクライナ紛争とイスラエルが展開してきた一連の軍事行動の背後には、米CIA、英MI6、モサド、ウクライナの諜報機関による、国際諜報機関連合が存在!?(その2)>(日刊IWJガイド、2025年7月21日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20250721#idx-4
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54882#idx-4

 ロシアの核戦力は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、戦略爆撃機の3本柱で構成されています。ウクライナ軍によるロシアの戦略爆撃機基地への攻撃は、ロシアの核戦力の3本柱の一角に直接的な打撃を与えるものでした。

 2025年8月15日、トランプ大統領とプーチン大統領がアンカレッジで直接会談を行い、ウクライナ紛争は和平交渉に移行するかのように見えました。ウクライナの支配層の汚職問題とエプスタイン問題が拡大し、不穏な状況が続きました。

 2025年12月24日、ゼレンスキー氏は国民向けの演説を行い、「彼が野垂れ死すればいい」と述べ、名指しはしなかったものの、プーチン大統領の死を願うメッセージを口にして、波紋を呼びました。

 そして実際、5日後の12月29日には、ロシアのノヴゴロド州にあるプーチン大統領のヴァルダイ公邸が91機のドローンで攻撃されました。これは事実上の「斬首作戦」であり、プーチン大統領を殺害しようとするテロ攻撃であるとロシア側は受け取りました。

 ロシア国防省は、「91機のドローンはすべて撃墜された」と発表し、ウクライナによる攻撃と断定しました。

 1945年3月10日に米軍が行った東京大空襲では、10万人の民間人の命が残酷な形で奪われましたが、米軍でさえ皇居を攻撃したり、天皇を暗殺したりはしませんでした。日本の首脳部を「斬首」してしまえば、強硬派が逆に力を得て、外交が成立しなくなるからです。イランを見れば、むごたらしい「斬首」作戦が、小国相手ならばともかく、歴史と文明をもつ大国相手には決して通用しない「暴挙」であり、「悪手」であることは明らかです。

 ウクライナによるヴァルダイ公邸攻撃は、プーチン大統領の命を直接狙うテロ攻撃であり、ゼレンスキー政権と彼らの黒幕に、和平交渉に本気で望む気がないことを示す明確な意志表示の攻撃だったといえます。

 このヴァルダイ公邸へのドローン攻撃こそ、欧州とウクライナによって、2026年3月ごろから過激化してきたロシア領内深部のエネルギー関連施設、首都モスクワ、サンクトペテルブルグなどへのドローン攻撃のエスカレーションの第1歩だったといえます。

※Минобороны РФ подтверждает, что Киев атаковал дронами резиденцию Путина(ロシア国防省は、キエフがドローンでプーチン大統領官邸を攻撃したことを確認した、ストラーナ、2025年12月29日)
https://strana.news/news/497489-minoborony-rf-zajavljaet-chto-kiev-atakoval-bespilotnikami-rezidentsiju-putina.html

<ロシア国内で、カラガノフ氏の主張が主流に>

 ロシアの新核戦力を嘲るかのごとき挑発的な攻撃を続けるウクライナと欧州諸国に対して、ロシア国内では苛立ちの声が強くなっています。

 今年4月30日、セルゲイ・カラガノフ氏は、「いかにして世界大戦で勝つか」という論考を発表しました。

 カラガノフ氏は「新たな世界大戦が本格的に進行している」と切り出し、「世界大戦はウクライナを中心とする欧州の焦点と、米国とイスラエルが地域全体を不安定化させようとする中東の焦点という2つの焦点を中心に進んでいる」と述べています。

 また、「ウクライナにおける現在の闘争を勝利的に終わらせることは不可能であり、ましてやそれが世界的な熱核戦争へとエスカレートするのを防ぐことは不可能であり、核抑止力への依存を質的に高めなければならない」と、核兵器使用の柔軟性を高め、核抑止力を強化するように訴えました。

 「ロシアの核使用を強化することは、ヨーロッパ社会が『戦略的寄生主義』──戦争は起こらない、すべてが最善にうまくいくという信念──から目覚めさせるために必要である。我々は、過去の戦争や犯罪を忘れた人々に自己防衛の感覚を返さなければならない」。

 カラガノフ氏は、新たな核ドクトリンで、「ロシアの指導部は核兵器を使用する権利と義務を有することを明示すべき」だと訴えました。

※SERGEY KARAGANOV, How to Win a World War(2026年4月30日)
https://karaganov.ru/en/how-to-win-a-world-war/

 5月10日、カラガノフ氏は、グレン・ディーセン教授の番組に登場しました。カラガノフ氏とディーセン教授は、ロシア版『フォーリン・アフェアーズ』と言われ、カラガノフ氏が名誉会長を務めている『ロシア・イン・グローバル・アフェアーズ』の論客です。

 カラガノフ氏は、「西側の侵略をあまりにも長く容認してきた」ため、現在は解決策が見えなくなってしまったと述べ、「3年前(2023年)、この考え(ロシアは欧州諸国に対して先制核攻撃を行うべきであるという主張)を提示し始めた時、私は少数派の誇り高き代弁者であった。今や私は、軍部、政界、そして社会において、圧倒的多数派の代弁者となっている」と、自らがロシア国内で「圧倒的多数派」の代表的な存在になったと述べています。

 カラガノフ氏は、「(ウクライナ戦争を)エスカレートさせ、ロシアに対して全面戦争を仕掛けている、欧州の敵を懲らしめなければならない」と主張しました。

 カラガノフ氏によれば、欧州のエリート層は「正気を失い、歴史感覚を失」っており、「彼らには全責任があり、罰せられるべき」であり、「欧州のエリート層の侵略への意志を挫くこと」が、今、最も重要だというのです。

 カラガノフ氏は、ロシアが勝利しなければならない理由を2つあげています。「1つは、ウクライナでの流血の戦争を止めるため」、もう1つは「すでに始まっている水平的なエスカレーションを防ぐため」だと説明しています。これは、欧州にバックアップされたウクライナの攻撃が、ロシア深部にまで届き、面的にエスカレートしていることを指します。

 前出の論文「いかにして世界大戦で勝つか」で示されたように、カラガノフ氏は、ウクライナ戦争と中東での対イラン戦争はつながっており、ひとつの世界大戦であると考えています。

 それは、歴史的な優位性を失いつつある西側諸国を「500年にわたって世界を略奪することを可能にしてきた勢力」と定義し、衰退しつつある彼らによる「歴史的な復讐」だと指摘しています。言いかえるならば、ロシア(そしてソ連)は、植民地収奪を欲しいままにしてきた西欧の帝国主義列強とは同じではないという自意識の表明です。

 この自意識に、異論を唱える人は少なくないでしょう。近世・近代の帝政ロシアもまた、間違いなく領土を拡張してきた帝国であったし、ソ連もまた、版図を最大限に拡大した「赤い帝国」でした。

 しかし、彼が強調している点で耳目を引くのは、自分達はユーラシアの国であり、アジアの国でもあって西欧の国ではない、という点です。

 否定的に語られることしかないモンゴル帝国(ロシアを含めスラブ民族の国々は征服された)の歴史を、自らの歴史の一部であるとカラガノフ氏は肯定します。

 その逆にナポレオンとヒトラーによる2度の侵略とNATOの東方拡大を重ねあわせ、西方からは何もいいことがなかったと言いきり、積極的に西欧を峻拒して、ロシアの未来は東を向いており、西にはないと言いきるのは、過去の歴史を肯定的に読みかえ、同時に未来において中国やインドとともに「生きる」という決意の表明でもあります。

 カラガノフ氏は、この世界大戦に勝利し、世界を崩壊から防ぐためには、「新たな核ドクトリン」が必要であり、そこには「経済的、技術的、そして民主的な潜在能力において、我々を圧倒する国々の集団から攻撃を受けた場合、我々は核兵器を使用する権利があるだけでなく、その義務がある」と明記されるべきだという主張を繰り返しました。

※Sergey Karaganov: How Russia Will Win the New World War(Glenn Diesen、2026年5月10日)
https://youtu.be/2Gd5jdl36cg

<真剣にカルガノフ論文に注目してきたミアシャイマー教授の洞察>

 ミアシャイマー教授は、かねてより、カラガノフ氏の主張に注目しており、特に最近になって、ロシア国内で支持を高めてきたカラガノフ氏の論文や発言について、一部は評価した上で、直接、言及しています。

 日本にも、ごまんといる凡百の「ロシア・ウクライナ・ウォッチャー」とは違い、ミアシャイマー教授は、カラガノフ氏を「過激な狂人扱い」せず、彼の言動に真剣な関心を寄せてきたのです。

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください! 緊急のカンパもお願いします!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

―――――――

― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ―

 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

 YouTubeの登録と、高評価ボタンのプッシュもよろしくお願いいたします! 登録者が10万人を突破しました! ありがとうございます! この勢いで、20万人突破を目指します! 好評価ボタン、拡散、温かいコメントも、よろしくお願いします!

 ご支援のほども、よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20260706

IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵)

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト【 https://iwj.co.jp/
公式X(旧ツイッター)アカウント【 https://twitter.com/iwakami_staff