日刊IWJガイド・非会員版「米国はトランプ主導でイランへの軍事介入へ!『戦争をしない大統領』の化けの皮が剥がれた! トランプもシオニストの手先に他ならない!」2025.6.18号~No.4552


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~<イラン・イスラエル戦争と米国の分裂が、米国内外で同時進行中! その4>米国はトランプ主導でイランへの軍事介入に動き出した!「戦争をしない大統領」というトランプの化けの皮が剥がれた! トランプもまた、シオニストの手先に他ならない!

■<イラン・イスラエル戦争と米国の分裂が、米国内外で同時進行中! その5>イランとイスラエルの交戦激化! イスラエルはイランの体制転覆を画策! しかし、そのイスラエルの体制も2つの戦争で経済的に大きく揺らいでいる! イスラエルの戦闘1日あたりの費用は4億2500万シェケル(約175億円)! ミサイル迎撃コストが1回あたり200万~600万シェケル(約8268万円~約2億4804万円)! イランは10分の1! イスラエルは、戦費急増のために、付加価値税を18%に! 不足分は米国の納税者の負担に!? 国外移住を考えているイスラエル国民は4割!

■6月も半月が過ぎました! 6月1日から17日までのご寄付・カンパは、27万8000円で、月間目標額の約8%です! 今期第15期の期末である7月末まで、あと1ヶ月半です! 今期のご寄付の目標額の不足分は、8月から5月までの10ヶ月間で約1863万円にのぼっています! 代表の岩上安身の個人貯金で支えるのは、もはや限界です! 緊急のご寄付、カンパをどうぞよろしくお願いいたします! 会員登録もぜひ、よろしくお願いいたします!

■【中継番組表】

■<イラン・イスラエル戦争と米国の分裂が、米国内外で同時進行中! その6>6月15日までに、イランはイスラエルに向けて、370発の弾道ミサイルと数百機のドローンを発射! イスラエルの死者は、発表ベースでは計24人、負傷者は500人以上。成功率90%を誇るイスラエルの防空システムも、ミサイルを100発発射すれば10発は突破! 一方イスラエルはイランの防空網をほぼ壊滅! イランの防空部隊、ミサイル貯蔵施設、国防省本部を含む100以上の標的を攻撃し、イラン情報機関トップを殺害! さらに体制転覆と核施設の完全破壊をもくろむ! イラン民間人の死者は、発表によれば200人以上、負傷者は1200人以上!!
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■はじめに~<イラン・イスラエル戦争と米国の分裂が、米国内外で同時進行中! その4>米国はトランプ主導でイランへの軍事介入に動き出した!「戦争をしない大統領」というトランプの化けの皮が剥がれた! トランプもまた、シオニストの手先に他ならない!

 IWJ編集部です。

 『アクシオス』は16日付で、トランプ大統領は15日、G7サミットの同盟国に対し、「イランが米国人を攻撃しない限り、米国は戦争には参加しないと通告」した、と報じました。

 『アクシオス』によると、トランプ大統領は、イスラエルが求めるハメネイ師殺害にも反対し、思いとどまらせたと報じています。

※Scoop: U.S. tells allies it won’t join war unless Iran targets Americans(AXIOS、2025年6月16日)
https://www.axios.com/2025/06/16/us-join-war-bomb-iran-target-americans

 しかし、トランプ大統領は16日、『トゥルース・ソーシャル』に、「イランは核兵器を持つことはできない。何度も言ってきた! 誰もが直ちにテヘランから避難すべきだ!」と投稿し、イランは米国との核合意に署名すべきだったと繰り返し、テヘランから全員直ちに避難すべきだと警告しました。

 イランの首都のテヘランが廃墟になるほどの猛烈な爆撃が行われない限り、テヘランから住民が退避する必要はありません。誰が、そんな爆撃を行うのでしょうか?

※テヘランから全員直ちに避難を、トランプ氏投稿(ロイター、2025年6月16日)
https://jp.reuters.com/world/us/OO2ZXKSIPNJ27CI4IVTTISQH3Y-2025-06-16/

 同時に、中東情勢が緊迫する中、米軍空母「ニミッツ」が16日午前、南シナ海から西方に向けて航行を開始しました。『ロイター』が16日付で報じました。

 「ニミッツ」は、ベトナム中部ダナン市に寄港して公式歓迎式典を行う予定でしたが、「緊急の作戦上の必要性」のために予定を変更し、西に向かった、とのことです。

※米空母、南シナ海から西進 中東情勢緊迫化(ロイター、2025年6月16日)
https://jp.reuters.com/world/us/BOPUNNSNMBOSREGKWYJVFW7ZIQ-2025-06-16/

 続いて17日、『ロイター』は、米軍が中東地域により多くの戦闘機を配備し、他の軍用機の配備期間を延長していることがわかった、と報じました。F16、F22、F35戦闘機などが配備され、中東地域における米軍の戦力を増強する、とのことです。

※米軍、中東に戦闘機追加配備 イスラエル・イラン衝突受け=当局者(ロイター、2025年6月17日)
https://jp.reuters.com/world/security/YTRD65W2TFJCFL6RSTA7AD7RW4-2025-06-17/

 『スプートニク日本』は16日、全米基地から少なくとも30機以上という、「前例のない規模」の空中空輸機が発進している、と『X』で報じています。

 米軍はこれまでに、フィンランドで予定されている軍事演習「NATO大西洋トライデント25」に参加するため、と発表していますが、米軍事メディア「ミリタリーウォッチ」は「イスラエル・イラン戦争へ参加しようとしているのではないかとの憶測が広がっている」と指摘しています。

※Sputnik 日本@sputnik_jp(午後3:45・2025年6月16日)
https://x.com/sputnik_jp/status/1934502682175082812

 米軍の海軍と空軍が中東地域を目指して集結しつつあります。

 トランプ大統領の発言は、過去の発言と整合性がなく、本人も整合性のある、責任をもった発言をする気はないようです。

 18日には、「我々の忍耐は限界に達している」「我々はイラン上空を完全に掌握している」と投稿しました。

 いったい、何の忍耐を、トランプ大統領が、したというのでしょうか。ネタニヤフに、尻を叩かれた、とでも言いたいのでしょうか。

 「いわゆる『最高指導者(ハメネイ師のことを指す)』がどこに隠れているか、我々は正確に把握している。

 彼は格好の標的だが、そこにいれば安全である。少なくとも今のところは、彼を排除(殺害!)するつもりはない。

 しかし、民間人やアメリカ兵へのミサイル攻撃は避けるべきだ。我々の忍耐は限界に達している。(後略)」

 他国への武力侵攻は、確実に国際法違反です。国連決議を経てもいません。

 イランがイスラエルに対して先制攻撃したわけでもないので、侵略に対する防衛にもあたりません。

 トランプが我慢の限界に来たとかなんとか、チンピラの喧嘩のような言い草です。

※Donald J. Trump@realDonaldTrump(Jun 18, 2025, 1:19 AM)
https://truthsocial.com/@realDonaldTrump/posts/114699610769479275

 「今や我々はイラン上空を完全に掌握している。イランには、優れた追跡装置やその他の防衛装備が大量に存在していたが、アメリカが考案し、製造した『物』には及びません。古き良きアメリカ以上に優れた技術を持つ国は他にいないのである」。

※Donald J. Trump@realDonaldTrump(Jun 18, 2025, 12:55 AM)
https://truthsocial.com/@realDonaldTrump/posts/114699514822488706

 その30分後、トランプ大統領は、イランに対して「無条件降伏」を突きつけました。

 「無条件降伏!(UNCONDITIONAL SURRENDER!)」

※Donald J. Trump@realDonaldTrump(Jun 18, 2025, 1:22 AM)
https://truthsocial.com/@realDonaldTrump/posts/114699621000737127

 「戦争をしない大統領」というトランプの化けの皮が剥がれてきました。まだもなお、トランプ大統領のことを、「戦争をしない大統領だったはずだ」などと、美化している人は、自分の目の鱗を落とす必要があります。

 そもそも、パレスチナでのイスラエルによるジェノサイドに、土地を没収して、手を貸そうという人物が、まともな人間なはずがありません。

 トランプ大統領は、いよいよ、米軍による軍事介入に向けて動き出したとみて良いでしょう。バイデン前大統領と同様、あるいはそれ以上に、トランプは、シオニストの手先に他なりません。

■<イラン・イスラエル戦争と米国の分裂が、米国内外で同時進行中! その5>イランとイスラエルの交戦激化! イスラエルはイランの体制転覆を画策! しかし、そのイスラエルの体制も2つの戦争で経済的に大きく揺らいでいる! イスラエルの戦闘1日あたりの費用は4億2500万シェケル(約175億円)! ミサイル迎撃コストが1回あたり200万~600万シェケル(約8268万円~約2億4804万円)! イランは10分の1! イスラエルは、戦費急増のために、付加価値税を18%に! 不足分は米国の納税者の負担に!? 国外移住を考えているイスラエル国民は4割!

 13日金曜日の、イスラエルの先制攻撃から5日目、17日夜も、イランとイスラエルの応酬が激化しています。

 先の記事でご紹介したように、トランプ米大統領は、17日、イランに対し「無条件降伏」を呼びかけ、米国の忍耐は限界に近づいていると警告しましたが、それから数時間後の18日未明、イランは夜間の攻撃で、イスラエルに向けて極超音速ミサイルを発射したと発表しました。

※イラン、イスラエルに極超音速ミサイル発射 トランプ氏の「無条件降伏」要求後(AFP、2025年6月18日)
https://www.afpbb.com/articles/-/3584035

 16日までに、各々の発表によると、イラン側で220人以上が死亡、イスラエル側でも24人が死亡し、犠牲が拡大しています。

 イランの保健省によると、16日、イラン国内でけがをした人が少なくとも1800人に上り、死傷者のほとんどは一般の市民だと明らかにしました。

 また、イスラエル軍は、15日、イラン中部のイスファハンにある核関連施設に激しい攻撃を加えたと発表したほか、テヘランでも核開発の中心となっている施設など、80以上の標的を空爆したと発表しました。

※イスラエルとイラン 攻撃の応酬続く 激化が懸念【16日の動き】(NHK、2025年6月17日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250616/k10014836131000.html

 それでも、地中深くにある核施設の中核部分は破壊されていないとの情報があり、イスラエルは米国に、地中深くの標的を破壊するバンカー・バスターの提供を求めているとの情報もあります。

 イスラエルのネタニヤフ政権は、あくまでイランという国を、丸ごと破壊する強硬姿勢を貫く構えを崩していません。

 他方、カナダ西部カナナスキスで、16日(日本時間17日未明)、主要7ヶ国首脳会議(G7サミット)の討議が2日間の日程で始まりました。

 当然、議題には、このイラン・イスラエル戦争への対応がのぼりましたが、たとえそれが偽善的で、建前だけだったにせよ、G7で協調して停戦を求める方向性が、気に合わなかったのでしょう。トランプ米大統領は、サミットを初日で離脱し、16日夜にワシントンに戻ってしまいました。

 G7での協調や連帯よりも、米国にとって、イスラエルとの同盟関係の方がよほど彼にとって重要なのだ、ということがわかります。

 ホワイトハウスのレビット報道官によると、このG7からの中途退席について、表向きの説明として、イスラエルとイランの衝突を含む多くの「重要問題」に対応するためとしています。

※G7サミット トランプ氏、初日で離脱 中東情勢に対応(毎日新聞、2025年6月17日)
https://mainichi.jp/articles/20250617/dde/001/030/026000c

 しかし、それならば、はじめから欠席すればよかったはずです。参加してみて、対立の緊張緩和を求める他のG7各国との温度差が面白くなかったのでしょう。やはり、「西側」はもはや分裂しており、その結束はボロボロになっているのです。

※はじめに~赤沢亮正経済再生担当大臣に突き付けられた米国からの要求は、アメ車、農産物、兵器を買え! 米国への輸出に対する高関税! 駐留米軍コストのさらなる負担、その本音は、米国の52番目の州(属州)になれ!? もっと米国債を買い支えろ!? 日米関税同盟を結んで中国を叩こう!? 他方、フォン・デア・ライエンEU委員長は、米国との「離婚」宣言! しかし、新たなパートナー探しは難航の気配!! その先にあるのは欧州の自滅か?(日刊IWJガイド、2025.4.23号)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20250423#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54615#idx-1

※<岩上安身による最新インタビュー報告!>「フォン・デア・ライエン委員長は『我々が知っていた西側は、もはや存在しない』と宣言!『日本人がもっと真面目に考えないと。日本の立ち位置って何ですか?「西側の一員です」と。でも、その「西側」はないんです』!『米国債がクラッシュしてしまえば、最大保有国である日本は、最大の被害国に』! 岩上安身によるインタビュー第1195回ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 第2弾 後編を配信しました!(日刊IWJガイド、2025.6.16号)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20250616#idx-6
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54755#idx-6

※貿易政策と安全保障政策の融合!?『トランプ関税』の衝撃波が世界を襲う! 逆に米国には、経済破綻と社会崩壊の危機が迫る!? 岩上安身によるインタビュー第1195回ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 第2弾 後編
視聴URL:https://iwj.co.jp/wj/open/archives/527782

 このG7サミットは、トランプ大統領抜きで討議し、16日(現地時間)、イラン・イスラエル危機の解決を求める共同声明を発表しました。

 トランプ大統領は、当初、イランとイスラエルの緊張緩和を求める共同声明に署名しない方針でした。

 しかし、米当局者によると、トランプ米大統領は、草案に修正が加えられた後、他の首脳との協議を経て、かろうじて声明に署名しました。

 草案では、国際法にのっとり、両国に自制を求める内容や外交的解決が危機を解決する最善の方法だとする表現などが含まれていました。

 これらは、米国の反対で削除されてしまいました。

 トランプ大統領がいつも言っていることを盛り込んだだけですが、こと、イスラエルになると、米国はいつも、特権的な例外扱いをします。とりわけ、トランプ政権は、はなはだしい、といえます。

 イスラエルが、あたかも国際法を超越した存在であり、それを守る「聖なる任務」が米国には、神から与えられているかのごときふるまいです。

※G7首脳、イラン危機の解決促す―イスラエルとの交戦停止求めず(ブルームバーグ、2025年6月17日)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-06-17/SXZEH1DWX2PS00

 できあがってきたG7の共同声明の内容は、それはひどいものです。

 イスラエルの国際法違反の先制攻撃作戦である「ライジング・ライオン」作戦を「イラン危機」と呼び、イスラエル自身が、中東で唯一の核保有国であることや、パレスチナ人に対する残虐なジェノサイドと土地の収奪、周辺への脅威やテロ行為には一切触れることなく、この危機はイランに一方的な原因があり、イスラエルは自衛権を行使しただけという、極めて不公平で偽善的なものです。

 世界中の誰が見ても、イスラエルの先制攻撃に対して自衛権を行使したのはイランであることは明らかです。G7のこんなイスラエルびいきの茶番にG7以外の世界中の圧倒的多数の他の国々が、いつまでもつきあいきれるはずもなく、国際社会におけるG7の「権威」や「信頼性」の低下は、ますます加速してゆくことでしょう。

 「私達G7の首脳は、中東における平和と安定へのコミットメントを改めて表明します。

 この文脈において、私達はイスラエルが自国を防衛する権利を有していることを確認します。

 また、イスラエルの安全保障への支持を改めて表明します。

 私達はまた、民間人の保護の重要性を確認します。

 イランは、地域の不安定化とテロの主要な原因です。

 私達は、イランが決して核兵器を保有することがあってはならないという立場を一貫して明確にしてきました。

 私達は、イラン危機の解決が、中東におけるより広範な緊張緩和、特にガザでの停戦につながることを強く望みます。

 私達は、国際的なエネルギー市場への影響に引き続き注意を払い、市場の安定を守るために、志を同じくするパートナーと協調する用意があります」。

※G7 Leaders’ statement on recent developments between Israel and Iran(カナダ首相官邸、2025年6月16日)
https://www.pm.gc.ca/en/news/statements/2025/06/16/g7-leaders-statement-on-recent-developments-between-israel-and-iran

 読み返せば読み返すほど、言葉を失うほど、ひどい共同声明です。

 G7が、倫理的にきわめて堕落しており、昔の自分達と同じく「入植者植民地(セトラー・コロニアリズム)国家」という非道な犯罪国家であるイスラエルを、嘘でぬりかためて守ろうとする、旧植民地主義帝国主義国家の集まりであることを、この共同声明ははっきりと示しています。

 ここへ来て、わかってきたことがあります。

 それは、イスラエルの大規模攻撃の目標が、イランの核開発を止めるだけでなく、イランの体制転覆であり、イランという国の破壊であるということです。

 イスラエルは、今回の奇襲攻撃で、革命防衛隊の最高幹部と、核開発の科学者達を殺害しましたが、それだけにとどまらず、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師の暗殺を狙っていたことが明らかとなってきました。

 米国は、そのことを察知していました。

 イスラエルから、暗殺の共同作戦、あるいは事前承認を持ちかけられた可能性が、あります。

 米政府高官は、15日、ドナルド・トランプ大統領が、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師の暗殺を狙ったイスラエルの計画を拒否したことを明らかにしました。

 16日付『AFP』は、「高官は匿名を条件に『AFP』に対し、『イスラエルがイラン最高指導者を攻撃する計画であることが分かった。トランプ大統領はそれに反対し、イスラエルにやめるよう伝えた』と述べた」と報じています。

※トランプ氏、イラン最高指導者暗殺を拒否 米高官(AFP、2025年6月16日)
https://www.afpbb.com/articles/-/3583450

 しかし、本当にトランプ米大統領が反対したのか、当事者の証言も証拠もないので、この情報をうかつに信じるのはためらいます。

 問題は、共犯となることを拒否してからどうしたかです。イスラエルの単独行動に対し、米国は明示的な承認を与えなくても、知っていながらの黙認、もしくは、最低でも、日本の刑法の共謀罪でいうところの、「黙示の共謀」が成り立つ関係にあったかどうかです。

 トランプ政権は、怒り狂うイスラエルをなだめている役割を表向き演じており、裏の行動は違う疑いがあります。

 そもそも、これから先、イスラエルがハメネイ師を殺害して、1978年のホメイニ師によるイスラム革命体制の転覆を企てていないとは断言できません。

 イスラエル情勢に詳しい防衛大学校の立山良司名誉教授は、「(前略)イスラエルがイランの現在の体制が転覆すればいいと思っているのは確かで、イラン国内で経済・社会不安を起こすためにインフラを攻撃していると思う」と分析しています。現在の徹底的な攻撃を見ていれば、それは明らかでしょう。

※イスラエルとイラン 攻撃の応酬続く 激化が懸念【16日の動き】(NHK、2025年6月17日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250616/k10014836131000.html

 さらに、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、13日未明の大規模攻撃の直後、イラン国民に対し、政府を転覆させるよう、テレビを通じて、呼びかけているのです。

 13日付『RT』は、こう報じています。

 「ネタニヤフ首相は、イスラエル軍がイラン全土の核施設や軍事施設を爆撃し、ナタンズのウラン濃縮施設を攻撃、複数の高位の司令官や核科学者を殺害したわずか数時間後に、この呼びかけを行った」。

※Netanyahu tells Iranians to revolt(RT、2025年6月13日)
https://www.rt.com/news/619227-israel-calls-revolt-iran/

 このイスラエルの大規模先制攻撃の目的が、当初から、核施設と軍事施設の破壊、そしてイランの体制転覆であったことは間違いないでしょう。それは「自衛」の範囲を逸脱しています。

 イラン革命で退位に追い込まれた故パーレビ国王の息子で、米国に亡命しているレザ・パーレビ元皇太子も、13日、イスラエルによる軍事攻撃を受けたイランの治安部隊に対し、体制からの離反を呼び掛け、イスラム共和国イランの打倒を望む考えを表明しました。段取りのよいこと、この上、ありません。

※亡命中のイラン元皇太子、イラン国民に体制離反を呼び掛け(AFP、2025年6月14日)
https://www.afpbb.com/articles/-/3583327

 体制転覆という目的のための、周到に練られた攻撃計画であることは、イスラエルの攻撃目標が、第1段階から、次の第2段階へと、順を追って変化してきたことからもうかがえます。

 X(旧ツイッター)最大のインタビュー番組を主宰するマリオ・ナワファル氏が、15日、ダグラス・マクレガー米陸軍退役大佐にインタビューを行い、ライブ配信しました。

 この中で、マクレガー退役大佐は、こう答えているのです。

ナワファル氏「イスラエルは、(次の段階として)石油施設を標的とする攻撃を開始しました。

 昨夜の最新の攻撃波で、その様子が見られました。

 これは、イスラエルの戦略変更なのでしょうか?

 それとも、イランの報復に対する対応なのでしょうか?」

マクレガー退役大佐「そうですね、判断は難しいです。

 当初、最初の攻撃が、首脳部排除戦略に焦点を当てていたとすれば、現在は首脳部排除を(達成した上でそれを)超えて、イランの国家軍事力、国家産業力、経済力の源泉を破壊する段階に移行していると考えられます。

 つまり、現在はあらゆる選択肢がテーブルの上にあるということです。それが悪いニュースです」

※Col. Macgregor On The Israel – Iran Conflict As Iran Retaliates(Mario Nawfal、2025年6月15日)
https://www.youtube.com/live/BlNx0WJbTUA

 攻撃の目標が、核施設の破壊や首脳部排除から、「イランの国家軍事力、国家産業力、経済力の源泉を破壊する段階に移行している」ということは、イランという国家の機能を順次、破壊することをめざしているということです。

 これは、完全な体制転覆のための準備の攻撃です。

 しかし、この目的は果たして完遂できるのでしょうか?

 イランの体制転覆を目指すイスラエルのネタニヤフ政権自体が、このままガザとイランで戦争を続けていくと、先に、自らが財政破綻し、体制転覆してしまうかもしれないのです。

 イスラエルとユダヤ世界のニュースに特化した独立系メディア、『ジェイフィード』は、5月29日付で「イスラエルの戦費が急増、戦闘1日あたりの費用が4億2500万シェケル(約175億円)を超える」という注目すべき記事を配信しました。

 『ジェイフィード』は、こう報じます。

 「イスラエルによるガザでの長期にわたる紛争は、莫大な財政的負担を招いており、1日あたりの戦闘費用は数億シェケル(1億シェケル=約41.4億円)に達している。

 予備役の動員や、ミサイル迎撃といった費用が増大し続けており、戦後の明確な戦略が見えない中で、国家経済を脅かす事態となっている」。

※Israel’s War Costs Skyrocket: One Day of Fighting Now Tops 425 Million Shekels(ジェイフィード、2025年5月29日)
https://www.jfeed.com/news-israel/israel-gaza-war-costs

 さらに、同日付『ジェイフィード』は、戦争にかかった総費用は、すでに3000億シェケル(12兆4000億円)を越えていると、次のように報じています。

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 6月も半月を過ぎましたが、IWJの財政が、危機的状況です!

 6月は、1日から17日までの17日間で、22件、27万8000円のご寄付・カンパをいただきました。これは、目標額の約8%に相当します。92%がまだ足りません。

 ご支援くださった皆様には、感謝いたします。本当にありがとうございます!

 IWJの今期第15期は、昨年8月にスタート、5月末で10ヶ月が経過し、7月末の期末まで、あと1ヶ月半を切りました。

 残念ながら、昨年8月からの今期第15期は、5月までの10ヶ月間で一度も、月間目標額に達していません!

 この不足総額は、寄付部門だけで、1862万9645円にもなります! 現在、こうした不足額は、IWJ代表の岩上安身が、個人の貯金を投じて穴埋めしていますが、資産家でも、金持ちでもない、一介のフリージャーナリストとして半生を生きてきた岩上安身には、限界があります! その限界は近づいています!

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 岩上安身 拝

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◆中継番組表◆

**2025.6.18 Wed.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2025.6.19 Thu.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

大阪・関西万博の開催を口実に、大阪府・市と関西財界はカジノ・IR運営に必要なインフラを税金で整備する算段!! しかし、カジノを中核とした統合型リゾートは既に時代遅れ! 岩上安身によるインタビュー第1196回ゲスト 一級建築士・建築エコノミスト森山高至氏 第2回後編
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/527852

◆昨日テキストアップした記事はこちらです◆

フォン・デア・ライエン委員長は「我々が知っていた西側は、もはや存在しない」と宣言!「日本人がもっと真面目に考えないと。日本の立ち位置って何ですか?『西側の一員です』と。でも、その『西側』はないんです」! 米国債がクラッシュしてしまえば、最大保有国である日本は、最大の被害国に! 岩上安身によるインタビュー第1195回ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 第2弾 後編
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/527782

大阪関西万博で、レジオネラ菌だらけの海水が水上ショーで撒き散らされていた! ミストを吸い込めば、命に関わる危険性も! ユスリカの大量発生もレジオネラ菌の増殖も、写真映えだけで結果を想定せず、溜まり水を作ったことが原因! 岩上安身によるインタビュー第1196回ゲスト 一級建築士・建築エコノミスト森山高至氏 第2回 前編
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/527826

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■<イラン・イスラエル戦争と米国の分裂が、米国内外で同時進行中! その6>6月15日までに、イランはイスラエルに向けて、370発の弾道ミサイルと数百機のドローンを発射! イスラエルの死者は、発表ベースでは計24人、負傷者は500人以上。成功率90%を誇るイスラエルの防空システムも、ミサイルを100発発射すれば10発は突破! 一方イスラエルはイランの防空網をほぼ壊滅! イランの防空部隊、ミサイル貯蔵施設、国防省本部を含む100以上の標的を攻撃し、イラン情報機関トップを殺害! さらに体制転覆と核施設の完全破壊をもくろむ! イラン民間人の死者は、発表によれば200人以上、負傷者は1200人以上!!

 13日金曜日に、イスラエルの奇襲先制攻撃(海外では、ネットなどで「パールハーバー」という言葉がたびたび使われている)で、突如始まったイラン・イスラエル戦争について、インドのネットメディア『ファーストポスト』が、6月16日、この4日間をふり返ってまとめています。

 「イスラエルは、金曜朝、イランの核施設を攻撃した。また、イラン軍司令官を含むイランの高官らを殺害した。

 当初、イランは衝撃を受けた。何が起きたのか、まったくわからなかった。しかし、金曜の夜までに、彼らは反撃を開始した。

 そして、それ以来、イランは、土曜、日曜と、毎晩弾道ミサイルを発射しており、今夜(16日月曜の夜)も発射される可能性がある」。

※イラン、イスラエルの攻撃への報復として弾道ミサイルを発射 Vantage with Palki Sharma N18G(Firstpost、2025年6月16日)
https://youtu.be/-VbfBifiFF8

 この『ファーストポスト』は、イランの攻撃について、次のように報じています。

 「これまでにイランはイスラエルに向けて、370発の弾道ミサイルと、数百機のドローンを発射した。

 弾道ミサイルのうち、40発は夜間に発射された」。

 『ファーストポスト』が報じた映像には、ヨルダンやイラク、ヨルダン川西岸地区など、西アジアの夜空を弾道ミサイルが飛び交う光跡が、鮮やかに映し出されています。

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