日刊IWJガイド・非会員版「世界各地で続く紛争は台湾・東アジア情勢にどう影響するのか!? 岩上安身によるエコノミストの田代秀敏氏インタビューを生配信しました!」2023.11.29日号~No.4083


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~<インタビュー報告>岩上安身によるエコノミストの田代秀敏氏インタビュー「米国覇権の凋落と日本の転落は明らかだが、少子高齢化の始まった中国経済にも『翳り』が見え始めた? そして、世界各地で続く紛争は台湾・東アジア情勢にどう影響するのか!?」を生配信しました!

■11月は27日までに106件、126万5900円のご寄付をいただきました! これは毎月の活動費の月間目標額400万円の32%です。あと68%、273万4100円が残り2日で必要となります! 現在のペースですと、今月は赤字必至となってしまい、IWJは月が越せず、活動に大きな支障をきたします! また、累積した赤字の返済と、金融機関からの借入の返済のためには、実際には毎月613万円が必要です! IWJが倒れてしまう前に、どうか引き続き、IWJ会員登録、YouTube登録、ご寄付・カンパ、協賛広告でIWJをご支援ください!

■【中継番組表】

■【本日のニュースの連撃! 2連弾!】

■【第1弾! 自民党の統一教会に対する解散命令請求は単なるパフォーマンスに過ぎない! 問題の本質は、統一教会の財産保全を可能にできるかどうか!】(『NHK』2023年11月21日ほか)

■【第2弾! これまでウクライナで徴兵を逃れるために国外に出たウクライナ男性が2万人近く! 徴兵回避にウクライナの伝統芸「汚職」を活用! 18歳から60歳の女性の新兵徴兵も進行中!】(『BBC』2023年11月26日ほか)

■<IWJ取材報告>敗色濃厚のウクライナ紛争停戦に向け、「中立的かつ現実的な和平案を日本自らが示すべきでは?」とのIWJ記者の質問に「ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙。G7議長として『G7は引き続き結束すべき』と訴え、『対ロ制裁とウクライナ支援は不変』との認識で一致できた」と上川大臣! 自分の首を絞めている対露制の裁愚かさに気づかない外務大臣!~11.28 上川陽子 外務大臣 定例記者会見

■米国覇権は凋落から崩壊へか? ウクライナ紛争は、衰退する米国の軍事覇権、経済覇権、政治文化覇権衰退の加速!~11月発行の『岩上安身のIWJ特報!』は、9月1日収録「岩上安身による安全保障と国際関係論の専門家・桃山学院大学法学部・松村昌廣教授インタビュー第2弾」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行します! ぜひ『まぐまぐ』からご登録ください!! バックナンバーの単独購入も可能です! サポート会員になればバックナンバーをすべて読めます! ぜひ、サポート会員にご登録を!!
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■はじめに~<インタビュー報告>岩上安身によるエコノミストの田代秀敏氏インタビュー「米国覇権の凋落と日本の転落は明らかだが、少子高齢化の始まった中国経済にも『翳り』が見え始めた? そして、世界各地で続く紛争は台湾・東アジア情勢にどう影響するのか!?」を生配信しました!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 岩上安身は昨日11月28日夜7時から、エコノミストの田代秀敏氏をお迎えして、24日に次ぐ連続インタビューの第2回をお送りしました。前回24日のインタビューは、ぜひ以下のURLから御覧ください。

※米国覇権の凋落と日本の転落、少子高齢化が始まった中国経済にも「翳り」が見え始めた? そして世界各地で続く紛争は台湾・東アジア情勢にどう影響するのか!? 岩上安身によるインタビュー第1141回ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 2023.11.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519920

 冒頭のイントロダクションとして、岩上安身は、田代氏のご専門である中国経済に触れながら、「中国経済が世界全体に関与したため、(田代氏は)世界経済エコノミストになっています」と、中国経済の現在の世界経済における位置と、それが国際関係に持つ意味について、このインタビューの視点や狙いとも重なる論点を提示しました。

 田代氏は、この話を受けて、次のように述べました。

 「電化製品は、中国は全世界の40%を作っています。その20%を国内で消費し、残りを海外に出しています。中国経済は世界と密接にリンクしているわけです。中国でそういう電気製品を作るためには、世界中から部品や素材を調達しているわけです。

 そこに、アメリカが手を突っ込んでみたら、世界が大混乱になってしまって、今、世界的インフレーションになってきたわけですよね。これは、日本は大変なことになってしまって、日本はインフレーションの起きる条件はないのに、インフレーションが起きてしまっている。生産性が高まったわけでもないし、新たに需要が発生しているわけでもない。ただ、物価が上がっているという恐ろしい時代になっています」。

 この田代氏の話は、現在の日本経済が、米国による中国制裁とロシア制裁という二重の制裁の影響を直接受けてしまっていることを指摘したものですが、問題は、大手メディアが、この日本のインフレーションの根本原因について、「批判を伴った言及」を、一切できないことです。言及するメディアも、それがあたかも「自然現象」かのごとく、良くても、「悪者」の中国とロシアを懲らしめているのだという、現実を直視しない議論ばかりです。

 バイデン政権に、日本人の生活を蝕まれている自覚がまったくないのです。

 岩上安身は、田代氏の話を受けて「一つは円安であり、もう一つはエネルギーを輸入する国家だから」と、インフレーションの原因に触れながら、エネルギー輸入国という点で、中国経済と日本経済が同じ特徴を持っている点を指摘しました。

 さらに、ウクライナ紛争以降、ノルドストリーム爆破やロシア制裁と、それに対応したロシアのエネルギー戦略の転換などにより、世界のエネルギーの流れが大きく変化したことに言及し、エネルギーは世界の生産活動の起点にあるため、このエネルギーの流れの世界的な変化が、中東のありかたとリンクすると述べています。

 冒頭で、中国、アメリカ、中東といった3つの国際関係における、現在のメインプレイヤーが出てきて、大きな図柄が描かれてゆくことになります。

 岩上安身が、ノルドストリーム爆破による欧露分断に触れながら、ウクライナ紛争において、アメリカが、ウクライナをヒットマンに仕立てておいて、戦況が危うくなり、イスラエル支援が大切になってくると、もうウクライナ支援はしないという姿勢を見せ始めている点を、「やくざの世界にも劣る」と批判すると、田代氏は、ギリシャ債務危機の時の話題で、こう応えました。

 「それは、いつものアメリカのパターンです。

 たとえば、ギリシャ債務危機です。もともとはギリシャに国家的財政の帳簿を上手くごまかして、こうやったら、バブルを起こせますよと知恵をつけたのはゴールドマンサックス(ユダヤ系金融機関)でした。それで、ギリシャ国債が飛ぶように売れて、とんでもない値段がついたわけです。

 ところが、次に、ゴールドマンサックスは、これはインチキなんですよというレポートを出したのです。みんなびっくりして一気に売りに出ました。そのときには、ゴールドマンサックスは、空売りも仕掛けているし先物売りも仕掛けているから、下がれば下がるほど大儲けになります。国債が上がるときにも儲けて、下がるときにも儲けたのです」。

 ここから、「現代のユダヤ人問題」へと二人の対談は入ってゆきます。

 現代の米国において、バイデン政権のブリンケン国務長官とイエレン財務長官に象徴されるように、支配層は政治も経済も、メディアも、エンタメもユダヤ人に握られている、という事実があり、そのユダヤ人による米国支配が、現在のガザでのイスラエルのジェノサイドを後押ししているのです。また、そうしたユダヤ人の影響力を指摘することが、現在、タブーではなくなりつつあります。

 これまでのように、ユダヤ人に対して批判めいたことを口にすると、即、反ユダヤ主義のレッテルを貼られて、言論の場から退場させられるという状況が変わってきている、ということなのです。

 岩上安身は、この点について、こう述べています。

 「金融の世界もユダヤ人が牛耳っているところがあって、ゴールドマンサックスもユダヤ系金融機関なわけです。(中略)

 ユダヤ金融機関が、すべてを牛耳っているという話は陰謀論になります。ユダヤ系金融機関の中には、勝ち組があったり、負け組がある。ただ、その勝っている金融機関がかなりえぐいことをやっているのも事実です。それを指摘するのは反ユダヤ主義ではないと思います。そういう指摘がもはやタブーではなくなってきたのです。

 (中略)

 (ユダヤ系と言っても)イスラエルとシオニズムにどれだけ親和性を持っているか。イスラエルを建国したこと自体が神に背くという発想をするオーソドックス(正統派のユダヤ教徒)もいます。シオニストの発想は、非常に好戦的で帝国主義的で植民地主義的です。さらに、アメリカを使うということに何の躊躇もありません。アメリカの富は公平に分配されるべきなのに、イスラエルに傾斜的に使わせろと圧力をかけていることが明らかになってきました。これは大きく世界を変えることになるかもしれません」。

 岩上安身は、アメリカとイスラエルを中心とした「シオニズム」の本性が、今回のイスラエルによるガザのジェノサイドで、世界中に明らかになったことの世界的な影響について、述べています。

 このあと、二人の対談は、11月11日に行われたアラブ連盟(21ヶ国・1機構)と「イスラム協力機構(OIC)」(56ヶ国・1機構)による、イスラエルの空爆や地上侵攻を強く非難し停戦を要求した合同首脳会議に言及しながら、シオニストとそれに連帯する西側諸国の、世界情勢の「読み間違い」という重要な問題に入ってゆきます。

 さらに、中国とイスラエルが、イスラエルの最先端の科学技術系大学、テクニオンを通じて、すでに強固な人的・経済的な関係があるなど、大手メディアが決して伝えない情報が盛りだくさんとなっています。

 詳しくは、ぜひIWJのYouTubeチャンネルで、ライブ配信のアーカイブをご視聴ください。

※【ライブ配信11/28 19時頃~】 岩上安身による エコノミスト 田代秀敏氏インタビュー(その2)
https://www.youtube.com/live/dc3oHDLvS-k?feature=shared

■11月は27日までに106件、126万5900円のご寄付をいただきました! これは毎月の活動費の月間目標額400万円の32%です。あと68%、273万4100円が残り2日で必要となります! 現在のペースですと、今月は赤字必至となってしまい、IWJは月が越せず、活動に大きな支障をきたします! また、累積した赤字の返済と、金融機関からの借入の返済のためには、実際には毎月613万円が必要です! IWJが倒れてしまう前に、どうか引き続き、IWJ会員登録、YouTube登録、ご寄付・カンパ、協賛広告でIWJをご支援ください!

 11月も残り2日となりました。

 11月は27日までに106件、126万5900円のご寄付をいただきました。誠にありがとうございます!

 これは毎月の活動費の月間目標額400万円の32%です。あと68%、273万4100円が残り2日で必要となります。現在のペースですと、今月は赤字必至となってしまい、IWJは月が越せず、活動に大きな支障をきたします!

 また、累積した赤字の返済と、金融機関からの借入の返済のためには、実際には毎月613万円が必要です!

 どうか引き続き、IWJ会員登録、YouTube登録、ご寄付・カンパ、協賛広告でIWJをご支援ください!

 前期第13期は、目標額に到達した月が1回しかなく、平均して半分程度だったため、大変大きな赤字を出してしまいました。私、岩上安身が自身の私財の中から、緊急でつなぎ融資を出し、その額2200万円となってしまいました。

 今期は、その轍を踏まないように、ぜひ、皆さまのご寄付・カンパが、毎月の月間目標額400万円に届きますように、よろしくお願いいたします!

 月間目標額400万円を超えた分は、これまでに累積した債務約5000万円の返済に回したいと存じます!

 債務を少しずつでも減らしていけば、IWJが経営破綻せず、存続する道が見えてきます! ご寄付いただいた方には、心から感謝いたします! 皆さま、本当にありがとうございます!

 これまでの前期1年間の累積の赤字2200万円(見方を変えると、個人岩上安身からの、会社IWJへの貸し付け)に加え、第14期スタートにあたっての銀行からの新たな借り入れ2500万円を考えると、まだまだ約5000万円近い累積の債務を返済できてはおらず、危機を切り抜けたなどとはとても言えません。

 第13期のこの事態は、IWJ創業以来初めての大ピンチです。これは私、岩上安身1人の力で乗り越えることは困難です。

 今期はもちろん、前期の第13期のうちから、支出を徹底的に削ってきました。今期第14期は、赤字を出さないだけではなく、黒字を出し、累積した債務への返済にあてていきたいと真剣に取り組んでいる最中です。

 今年は、私からの借り入れ2200万円を返済しきろうとすると、2200万円÷12ヶ月=183.3万円となり、この183.3万円の返済額と、直接の運営のための月間目標額の400万円とを合計すると、毎月583.3万円が必要になります。

 他方、金融機関からの借り入れ2500万円の毎月の返済額は約30万円ずつ7年間にわたることが決まっており、決して少額ではなく、毎月の返済負担は重いものとなります!

 前述の通り、毎月、583.3万円が必要であり、それに毎月30万円の銀行への返済額を合計すると、約613万円が毎月、必ず必要となります。

 そういうわけですので、月額400万円の目標額に到達して、ようやく、その月の活動費の収支がトントンということであり、累積した赤字を返済してゆくことは、それだけでは足りないということになります。特に金融機関への返済は待ったなしです!

 どうか、613万円近くにまで達するよう、皆さまのご寄付・カンパによる応援、ご支援をよろしくお願いします!

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします!

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 ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、無料で日刊IWJガイド非会員版を読み、ハイライト動画を御覧になっている無料サポーターの皆さまにおかれましては、有料の一般会員登録をぜひともお願いいたします!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
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※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
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 どうぞ、皆さま、IWJを知人・ご友人、地域の皆さまへIWJの存在をお知らせいただき、米国に忖度し、隷従を深める日本政府、大手主要メディアの、連日の「情報操作」の積み重ねの恐ろしさと、権力に忖度しないで真実をお伝えする独立メディアの意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!

 今後とも、ご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます!!

 岩上安身拝

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◆中継番組表◆

**2023.11.29 Wed.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2023.11.30 Thu.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

第49回 福島県「県民健康調査」検討委員会
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519915

米国覇権の凋落と日本の転落、少子高齢化が始まった中国経済にも「翳り」が見え始めた? そして世界各地で続く紛争は台湾・東アジア情勢にどう影響するのか!? 岩上安身によるインタビュー第1141回ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519920

米国覇権は凋落から崩壊へか? ウクライナ紛争は、衰退する米国の軍事覇権、経済覇権、政治文化覇権衰退の加速! 岩上安身によるインタビュー第1132回 ゲスト 安全保障と国際関係論の専門家・桃山学院大学法学部・松村昌廣教授 第2弾
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/518292

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■【本日のニュースの連撃! 2連弾!】

■【第1弾! 自民党の統一教会に対する解散命令請求は単なるパフォーマンスに過ぎない! 問題の本質は、統一教会の財産保全を可能にできるかどうか!】(『NHK』2023年11月21日ほか)

 10月20日から始まっている臨時国会の大きな争点の一つが、統一教会の財産保全です。

 11月21日に、立憲民主党と日本維新の会は、与野党で行われる法案の修正協議において、教団の財産保全に必要な措置を盛り込むため協力して臨むべきだとして、共同で新たな法案を提出しました。

※旧統一教会の被害者救済 立民と維新 財産保全法案一本化し提出(NHK、2023年11月21日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231121/k10014264471000.html

 11月24日現在、旧統一教会の被害者救済をめぐり、自民・公明・国民民主の3党が提出した法案と、立憲民主党と日本維新の会が提出した法案が衆議院法務委員会で審議入りしています。

※旧統一教会の被害者救済 2つの法案が衆院法務委で審議入り(NHK、2023年11月24日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231124/k10014268211000.html

★野党第1党と第2党が、統一教会の財産保全を行う法案を共同で提出した目的は2つあります。

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■【第2弾! これまでウクライナで徴兵を逃れるために国外に出たウクライナ男性が2万人近く! 徴兵回避にウクライナの伝統芸「汚職」を活用! 18歳から60歳の女性の新兵徴兵も進行中!】(『BBC』2023年11月26日ほか)

 『BBC』が26日、『徴兵を逃れるウクライナの男たち』というドキュメンタリーを放映しました。

※ウクライナを出たい男性たち……川を渡り山野を越え 書類を不法入手する人も(BBC、2023年11月26日)
https://www.youtube.com/watch?v=lEVFnE8DPNY

 このドキュメンタリーは、ウクライナの南側で国境を接するルーマニアとモルドヴァに逃れようとするウクライナ人男性らに密着して取材したものです。

 ルーマニアとウクライナの国境線は、ティサ川(Tisa River)と山間部にあります。

 ウクライナ南部で、ティサ川を挟んでルーマニアと国境を接する町、ティアチヴで国境警備の仕事に就く、22歳のヴラディスラヴ国境警備隊中尉は、こう述べています。

 「戦争が始まるまでは平穏でしたが、開戦以降は状況が悪化しています。国境を違法に超えようとする者があとを絶ちません」。

 現在、ウクライナでは、兵役免除の正当な理由がなければ、60歳未満の男性がウクライナを出国するのは違法となっています。逮捕されれば、最高で8年の実刑を受ける可能性さえあります。

 ヴラディスラヴ国境警備隊中尉は、違法に国境を越えようとする人々を国境警備兵としてどう思うか、『BBC』の記者に聞かれて、大変複雑な胸の内を述べています。

 「それぞれが自分で決断するんだと思います。祖国を防衛する人もいれば、別の形で手伝う人もいます。脱出する人もいます。あなたにどう言ったらいいかわかりません、良い悪いを自分は言えません。ほかの人について決めつけられません」。

 この国境警備の現場で毎日脱出者と向き合っている若い中尉の言葉は、戦闘の現場に出てロシア軍と戦うことなく、国境を脱出することは「反逆罪」だと、一方的に、決めつけているゼレンスキー大統領の姿と好対照をなしています。

 ウクライナ国境警備隊によると、2022年2月から2023年8月までの期間に、ルーマニア国境で逮捕されたウクライナ人男性の数は、4321人です。

 他方、ウクライナ南部はモルドヴァとも国境を接しています。ウクライナとモルドヴァの国境地帯は、ドニエストル川とプラウタ川に挟まれた平坦地帯です。

 「モルドヴァの国境では、ウクライナ人の不法入国を完全には阻止できない」と、モルドヴァ国境警察の高官ディヌさんは述べています。

 平均して、毎日20人のウクライナ人男性が、全長1200キロのモルドヴァ国境を越えてウクライナ側から脱出しています。

 ウクライナ国境警備隊によると、2022年2月から2023年8月までの期間に、モルドヴァへ脱出したウクライナ人男性の数は、1万1022人です

 そのうちの一人、建設作業員のエフゲニーさんは、家族のいる英国に行くためと、越境の目的を語っています。物価が高く、生活が苦しく、仕事がないことが脱出を決心した理由といいます。

 エフゲニーさんは、「最初は軍隊経験のある人間が行く。経験のない自分たちはただ待っているだけだ。状況が悪化すればだれでも連れていかれるだろう。障害者も含めて」と述べています。

 現在、ウクライナ紛争では、消耗戦が続き、状況は急速に悪化しています。

★11月27日付『ガーディアン』は、今週中にウクライナの徴兵制度が変更されるとして、次のように伝えています。

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■<IWJ取材報告>敗色濃厚のウクライナ紛争停戦に向け、「中立的かつ現実的な和平案を日本自らが示すべきでは?」とのIWJ記者の質問に「ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙。G7議長として『G7は引き続き結束すべき』と訴え、『対ロ制裁とウクライナ支援は不変』との認識で一致できた」と上川大臣! 自分の首を絞めている対露制の裁愚かさに気づかない外務大臣!~11.28 上川陽子 外務大臣 定例記者会見

 11月28日午後5時40分頃より、上川陽子外務大臣の定例記者会見が、東京都千代田区の外務省にて開催されました。

 質疑応答で、IWJ記者は、ウクライナ紛争について、以下の通り、質問しました。

IWJ記者「岸田総理はゼレンスキー大統領に対し、欧米でも敗色が濃厚との見方が出ているにもかかわらず、ウクライナへの『揺るぎない支援』を表明しています。ですが、これはウクライナ人に無駄な血を流させ、日本国民の税金も無駄に投げ捨てるものです。

 また、ウクライナが提唱する10項目の和平案も、実現不可能であり、停戦する気がないことは明らかです。いずれどこかで戦争は終わりますし、戦後の日露関係の再構築を考えるとロシアに対して我が国を『敵国』として強く印象付けることは得策とは言えません。

 あくまでも、中立的かつ現実的な和平案を日本自らが示し、ウクライナ、ロシア、欧米を説得すべきではないでしょうか?」。

 この質問に対し、上川大臣は、次のように答えました。

上川大臣「まず、我が国の基本的立場でありますが、ロシアによるウクライナ侵略は、国際社会が長きに渡る懸命な努力と多くの犠牲の上に築き上げてきた、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であると考えております。ウクライナ和平につきましては、ロシアはウクライナに対する攻撃を、現在も続けております。

 プーチン大統領は、併合したウクライナの一部地域は、『交渉の対象ではない』との趣旨の発言を繰り返すなど、ロシアが和平に向けて歩み寄ろうとする兆しは一切見られません。この状況は、当事者であるウクライナの考え方から大きく離れたものでもございます。

 このような状況におきまして、日本がまず行うべきことは、『1日も早くロシアの侵略を止める』との目標に向かって、G7はじめ、国際社会と緊密に連携をしながら、対ロ制裁とウクライナ支援を強力に推進していくことであると考えております。

 この点、8日のG7外相会合におきまして、議長の私といたしましては、中東情勢の緊張度が増す中にありましても、対ウクライナ支援において、『G7は引き続き結束すべき』旨、訴えました。その結果、G7として、厳しい対ロ制裁や、また強力なウクライナ支援に取り組む姿勢は不変との認識で一致することができました。

 引き続き、ウクライナに、公正かつ永続的な平和を実現すべく、G7議長国として、リーダーシップを発揮してまいりたいと考えております」。

 記者会見の詳細については、ぜひ全編動画を御覧ください。

※ウクライナ紛争停戦に向け「中立的かつ現実的な和平案を日本自らが示すべきでは?」とのIWJ記者の質問に「G7で対ロ制裁とウクライナ支援は不変との認識で一致した」と上川大臣!~11.28 上川陽子 外務大臣 定例記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/520029

■米国覇権は凋落から崩壊へか? ウクライナ紛争は、衰退する米国の軍事覇権、経済覇権、政治文化覇権衰退の加速!~11月発行の『岩上安身のIWJ特報!』は、9月1日収録「岩上安身による安全保障と国際関係論の専門家・桃山学院大学法学部・松村昌廣教授インタビュー第2弾」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行します! ぜひ『まぐまぐ』からご登録ください!! バックナンバーの単独購入も可能です! サポート会員になればバックナンバーをすべて読めます! ぜひ、サポート会員にご登録を!!

 IWJではメルマガサイト『まぐまぐ』で、『岩上安身によるインタビュー』をテキスト化し、詳細な注釈をつけて「岩上安身のIWJ特報!』として、毎月発行しています。

 11月発行分の『岩上安身のIWJ特報!』は、9月1日に収録した、「岩上安身による安全保障と国際関係論の専門家・桃山学院大学法学部・松村昌廣教授インタビュー第2弾」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行します。

 2023年6月4日に始まった、ウクライナ軍による『反転攻勢』。欧米から供与された最新鋭の武器と、NATO加盟国各国の将校団によって鍛え抜かれて、戦術を授けられ、万全を期してロシア軍を蹴散らすはずでした。

 実際、6月4日以降、日本を含む西側メディアは、連日、その「戦果」を報じ続けました。

 ところが、約半年間にわたる『反転攻勢』の「戦果」は、ウクライナ政府と西側メディアの合作プロパガンダによる白昼の幻でしかありませんでした。

 実際にはロシア軍は、1000kmにおよぶ東南部の防衛線の突破を一度も許しませんでした。11月に入って、突然、ウクライナ軍の敗色濃厚を、日本のメインストリームメディアが手の平返しを始め、伝え始めました。

 日本のテレビに出ている自衛隊元幹部や「専門家」らが、ウクライナ軍の「健闘」を大げさに伝えている間に、ウクライナ軍は人的にも大きく損耗し、戦術的にも破れていたのです。

 IWJは、この半年間、メインストリームメディアがウクライナ優勢を唱えている間、一貫して事実を伝え、ロシア軍の守備の固さ、ウクライナ軍の損失の大きさを伝え続けてきました。この6月から11月までの報道姿勢と内容を見れば、IWJと、日本のすべての新聞・テレビというメインストリームメディアの差は歴然だったとわかるはずです。

 ウクライナ戦線がそのようなプロパガンダまみれになっていた時、10月7日早朝、パレスチナ暫定自治区のガザ地区を合法的選挙によって選ばれ統治するするイスラム組織ハマスが、ガザのフェンスの外へ出て、その周辺地区を奇襲攻撃しました。

 すると、これに対してイスラエル軍は、激しい空爆によるパレスチナ人の無差別殺戮を開始し、国際社会の注目は一気に中東情勢へと移りました。

 米国のバイデン政権は、イスラエル支援を表明。イスラエル軍がガザ地区への地上侵攻を開始して、世界中から非難を浴びても、イスラエルへの巨額支援と、国連でのイスラエル非難にも拒否権を行使して、イスラエルを異常なまでに擁護しました。

 一方、ゼレンスキー大統領のカーキ色のシャツ姿や、「本格的な冬を迎えるウクライナでは……」といったパターン化された報道は、1年前と同じで既視感のあるものになっています。ウクライナ紛争は、いつ、どのようにして決着がつけられるのか。あるいは、つかないまま長期戦に入って、さらに疲弊するのでしょうか。

 2023年9月1日、岩上安身は桃山学院大学法学部教授の松村昌廣氏に2回目のZoomインタビューを行ないました。8月20日の「ロシア弱体化と孤立化は米国の大誤算!『米国の覇権は確実に破綻する! 外部要因ではなく「自壊」によって崩壊する!』」と題するインタビューの続編です。

※ロシア弱体化と孤立化は米国の大誤算!「米国の覇権は確実に破綻する!外部要因ではなく『自壊』によって崩壊する!」~岩上安身によるインタビュー第1130回 ゲスト 桃山学院大学法学部教授・松村昌廣氏 2023.8.20
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/518062

 「戦争がないということは、非常に困ったことなんです」と、松村氏は困惑を呼ぶような言葉をも口にしました。「戦争がない」とは、「核の出現」によって、人類は「大きな覇権をかけた戦争」ができなくなった、ということを意味します。覇権システムを維持していくためには、資金の流動性の確保が重要ですが、核兵器の出現によって世界には大きな戦争がなくなり、戦争による大きな破壊もないので、大きな需要も生まれてきません。米国の覇権システムを支える経済力が弱くなり、覇権が衰退し、覇権国家不在の時代がやってきます。

 「米国の覇権は早晩、崩れるのだから、日本はいつまでも寄りかかっているのではなく、早く自立しなくてはいけない」と説く松村氏に、岩上安身は「おとなしく老いてくれる人と、そうではない人がいるじゃないですか」と前置きし、次のように問いかけました。

 「経営者でも老害になっていく人がいる。(アメリカは衰退する過程で)そういう暴れっぷりをするのではないか。世界を面倒なことに巻き込んでいくのではないか。その一例がウクライナ紛争じゃないんですか?」。

 松村氏は、「実際に今、アメリカという国家の中では政治的な葛藤・対立があって、政治的な内戦状態になっている。我々はそれを注視しながらも、傍観しているしかない」と述べました。

 さらに話題は、台湾有事の可能性、そこに日本がどう関わることになるのか、日本が選択できるシナリオなどについて広がっていきました。

 以下、11月発行の『岩上安身のIWJ特報!』の目次です。IWJ会員ではない方も、ぜひご購読ください。

(第624号の目次)
◆いまだに「ウクライナが反転攻勢」と伝える日本のマスメディアの劣化ぶり!「群盲、象を評する」ごとく、一部の事実は言うが全体をとらえず!
◆日本全体が「自動操縦」されたように動いている! オルタナティブのない日本の民主制は、もう終わっている!?
◆日本敗戦から100年後、2045年にはアメリカの覇権は崩れている!「それまでに日本は自立しなくてはいけない」

(第625号の目次)
◆中国発展の原資は流出した日本マネー! 90年代初め、アメリカは繁栄しすぎた日本を潰すためにバブルを終わらせ、投資先を中国に切り換えた!
◆中国の不動産バブル崩壊!? しかし「破産」という言葉がない中国は絶対に潰れない。むしろ想像を絶する事態になるので余計に悪い!
◆核兵器の出現によって大規模戦争ができなくなった世界。2030年には覇権国が不在の状態になり、多極化へと向かう!
◆「我々は第三次世界大戦の淵にいる」という認識が必要! 中国が第3の核大国になる移行期の今、リスクは高くなっている!

(第626号の目次)
◆台湾有事における日本のオプションは3択。中国の軍門に下るか、核武装するか、スイスのような非核の重武装国家になるか!
◆第二次世界大戦で徹底的に負け、アメリカにマインドセットをされた日本。その「魔法」を解くためには非常に大きな衝撃が必要!
◆「発展途上国で人為的に民主制を実現できる」としたアメリカの中東政策は挫折! 原因は「米国による日本の民主化」を成功体験だと誤解したから!
◆2008年、リーマン・ショックの金融バブル崩壊とNATOの東方拡大宣言!「歴史に偶然はない。起こっていることは全部、必然」
◆冷戦か熱戦か、ぬるま湯か? 第三次世界大戦で血と汗を流せば良くも悪くも早く終わる。それが嫌なら戦争はだらだら続く!?

 『岩上安身のIWJ特報!』は、まぐまぐ大賞2022のジャーナリズム部門で1位になりました!

 まぐまぐ大賞2022は、2022年にもっとも輝いたメルマガを読者投票とまぐまぐ審査で選出するものです。

 『岩上安身のIWJ特報!』は、2021年の「まぐまぐ大賞2021」のジャーナリズム部門でも第2位に選ばれており、昨年ついに1位を獲得しました。

※まぐまぐ大賞2022部門別賞
https://www.mag2.com/events/mag2year/2022/list.html?cid=journalism&aid=77

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 岩上安身による桃山学院大学法学部教授・松村昌廣氏インタビュー第2弾の動画は、以下のURLから御覧ください。

※米国覇権は凋落から崩壊へか? ウクライナ紛争は、衰退する米国の軍事覇権、経済覇権、政治文化覇権衰退の加速! 岩上安身によるインタビュー第1132回 ゲスト 安全保障と国際関係論の専門家・桃山学院大学法学部・松村昌廣教授 第2弾 2023.9.1
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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

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IWJ編集部(岩上安身、尾内達也、浜本信貴)

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