┏━━【目次】━━━━
┠■はじめに~ロシアのプーチン大統領は、ウクライナへの軍事侵攻を開始して以降初めてとなる年次教書演説を行う!「我々はこの問題を平和的に解決するため、この困難な紛争を平和的に解決する方法を交渉し、可能な限りのことをしていたが、我々の背後では、非常に異なったシナリオが準備されていた」!「ウクライナの人々は、キエフ政権とその西側支配者の人質となっており、彼らが政治的、軍事的、経済的な意味で実際にこの国を占領している」!
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┠■<IWJ取材報告>ノルドストリームの爆破を計画・実行させたのは米国!? シーモア・ハーシュ氏のスクープについて「日本政府は検証や情報収集を行っているのか?」とのIWJ記者の質問に「コメントは控えさせていただく」と浜田防衛大臣! 米国政府は完全否定のままだが!?~2.21浜田靖一防衛大臣定例記者会見
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┠■IWJは最大の経済的危機です! 第13期6ヶ月間の累積の不足額は、1月末時点で1117万円にまで増えてしまいました! 岩上安身からのIWJの借り入れ総額は、現時点で1600万円になります! 岩上安身の私財には限界があります! このままでは、皆さまのご支持・応援、会費、そしてご寄付・カンパによるご支援がなければ、活動が立ち行かなくなります。米国が自らの覇権維持のために世界の緊張を高める「新たな戦争前夜」にあって、偏向メディアにかわって、正確な情報をお届けすべく、IWJは精いっぱい頑張りますので、緊急のご支援のほど、よろしくお願いします!
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┠■「応援しております」「ウクライナ紛争報道でその本領を発揮したIWJの貴重な活動が安定的に継続することを願っています」ご寄付者様からメッセージをいただきました! ここに感謝を込めて紹介させていただきます!
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┠■【中継番組表】
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┠■ナフタリ・ベネット元イスラエル首相が爆弾発言!(その6)「コーラン(イスラム教徒)を(神殿の丘に)入れる」ことを是認する!?「誰もがこの問題を考えるべきだと思います」!
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■はじめに~ロシアのプーチン大統領は、ウクライナへの軍事侵攻を開始して以降初めてとなる年次教書演説を行う!「我々はこの問題を平和的に解決するため、この困難な紛争を平和的に解決する方法を交渉し、可能な限りのことをしていたが、我々の背後では、非常に異なったシナリオが準備されていた」!「ウクライナの人々は、キエフ政権とその西側支配者の人質となっており、彼らが政治的、軍事的、経済的な意味で実際にこの国を占領している」!
おはようございます。IWJ編集部です。
ロシアのプーチン大統領は、ウクライナへの軍事侵攻を開始して以降、初めてとなる年次教書演説を日本時間の21日午後6時から行いました。
21日付『アルジャジーラ』は、このプーチン大統領の演説と西側指導者・ウクライナの反応をライブ・アップデートの形で刻々と伝えました。
※Russia-Ukraine live: Putin delivers combative speech, blames West(アルジャジーラ、2023年2月21日)
https://www.aljazeera.com/news/liveblog/2023/2/21/russia-ukraine-live-news-putin-to-deliver-major-speech-on-war
プーチン大統領の演説で注目すべき点は、まず、「西側が戦争を始めた」と述べている点であり、そして「ドンバスの紛争を平和的に解決しようとしたが、異なったシナリオが用意されていた」と指摘している点です。
21日付『アルジャジーラ』は、次のように伝えています。
「プーチンは、ロシアは2014年初頭からくすぶっていたドンバス地方の紛争を、平和的手段で解決しようとしたが、結局は行動を起こすことを余儀なくされたと述べている。
『我々はこの問題を平和的に解決するため、この困難な紛争を平和的に解決する方法を交渉し、可能な限りのことをしていたが、我々の背後では、非常に異なったシナリオが準備されていた』とロシアの指導者は述べた。
プーチンは、ロシアが侵攻を開始する前の2022年2月、ウクライナ東部に位置するドンバスで懲罰的な行動を取るために、ウクライナ政府によって『すべてが準備されていた』と主張した。
『繰り返すが、彼らが戦争を始めたのであり、我々はそれを止めるために武力を行使した』と彼は言った。
『ウクライナとドンバスは、完全なウソの象徴となった』とも述べた。また、西側諸国が『基本合意』から離脱し、NATOを東に拡大し、ロシアを『傘で覆った』ことを非難した」
このプーチン大統領の言葉は、IWJがこのウクライナ紛争の裏面についてこれまで調べてお伝えしてきたことと、かなりの程度、重なりあいます。客観的・中立的に見ても、プーチン大統領が、自分に都合よく事実をねじ曲げて、嘘まみれのプロパガンダを並べている、とは言えません。
2022年2月24日のロシアの侵攻直前に、ウクライナ軍のドンバス地方でのプレゼンスが高まり、ウクライナ側から攻撃が急激に増えたことは、欧州安保協力機構(OSCE)の特別監視団の記録からも明らかです。
※はじめに~<スクープ!>ミンスク合意を破っていたのはウクライナ軍だった! ロシア軍の侵攻直前、ドネツク・ルガンスク両州におけるウクライナ軍の攻撃はほぼ5倍に激増! IWJは2月24日のロシア軍侵攻直前の数日間のOSCE(欧州安全保障協力機構)ウクライナ特別監視ミッション(SMM)の正式報告書を検証!(日刊IWJガイド、2022年6月1日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50869#idx-1
また、ロシア軍の侵攻直前には、ウクライナ軍によるドンバス地方への総攻撃が改革されていたことも、ウクライナ軍の軍事命令書から明らかなのです。
※はじめに~2022年2月24日から10月23日までにウクライナの民間人犠牲者は1万6150人! ドンバス地域の政府軍支配地域での死者の数(3365人)は、ロシア軍支配地域での死者の数(423人)の約7.96倍! 2014年に始まったドンバス戦争の拡大版が、現在行われているウクライナ紛争! IWJは2月下旬にドンバスに侵攻する計画を記したウクライナ軍の軍事文書を仮訳!(日刊IWJガイド、2022年10月27日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51461#idx-1
NATOの東方拡大には、新しい軍産複合体を象徴する人物であり、米国政府、兵器産業、共和党、右派の外交政策シンクタンクのネットワークを代弁するブルース・ジャクソンが、1996年に設立したロビー団体「米国NATO委員会」が、米国の議会工作を行っていたことが、2004年3月18日付『ミリタリスト・モニター』の報道で明らかにされています。
※The NATO Expansion Lobby(ミリタリスト・モニター、20004年3月18日)
https://militarist-monitor.org/the_nato_expansion_lobby/
NATOの東方拡大は、単に西側が約束を破ったというだけのことではなく、その背後に軍産複合体によるロビー活動があったのです。
『我々はこの問題を平和的に解決するため、この困難な紛争を平和的に解決する方法を交渉し、可能な限りのことをしていたが、我々の背後では、非常に異なったシナリオが準備されていた』
このプーチン大統領の言葉は、2019年に発表されたランド研究所のロシア弱体化の青写真と、シーモア・ハーシュ氏が、2023年2月8日に暴露したように、バイデン大統領自らが、ノルドストリーム1、2の爆破を命じていた事実を加味すると、非常な説得力を持ってきます。
2022年2月24日のロシアのウクライナ侵攻が、誰の目にも見える国際法違反の「陽画」だとすると、2014年のユーロマイダン・クーデターあるいは2004年のオレンジ革命のときから、ウクライナ内部に確固として存在した米国と欧州の政治介入と、それによって「ロシア弱体化」という目的と、米国の軍産複合体に利益をもたらすという目的を達成するための戦略、という「陰画」を見てとる必要があります。
陽と陰は必ず一体です。そして、この場合、陽だけで自存しているのではなく、陽に先んじて、陰が存在したのです。それを暴くのが本来ジャーナリズムの役割のはずなのですが、ウクライナ紛争では、日本を含む、西側の大手コーポレート・メディアは、米国NATOの宣伝をするチンドン屋に成り下がってしまいました。
21日付『アルジャジーラ』は、次のように、プーチン大統領の演説を伝えています。
「ロシア大統領は再び欧米を非難し、世界情勢において『無制限の力』を求めていると非難した。
『西側諸国はウクライナをロシアへの攻撃材料として利用している』とプーチン大統領は述べた。
『西側のエリートは、ロシアに戦略的敗北をもたらすという目標を隠していない。それは、我々を永遠に終わらせることであり、ローカルな対立をグローバルな対立に発展させることである。我々はそのように理解しており、それに従って対応する』とも述べた。
プーチンはまた、ウクライナの同盟国が前例のない制裁措置によって自国の経済を停滞させようとする試みに、モスクワが反撃していると述べた。
プーチンは、西側諸国は何兆ドルもの危機に瀕しているが、ロシアの収入源は枯渇していないと主張した」
こうしたプーチン大統領の言説を、いつものようにプーチンによる自分自身の正当化の言説と断じてしまい、耳をふさいでしまう前に、現実と対照させて検証する作業が必要でしょう。
プーチン大統領は、気になることも述べています。
「プーチンは、西側諸国がウクライナに追加の軍事支援を行わないよう警告しており、そのような支援はモスクワから軍事的な反応を引き出すことになると述べている。
『西側からウクライナに長距離兵器が届けば届くほど、我々の国境から脅威を押し返さなければならなくなる、それは当然だ』と述べた」
長距離ミサイルや戦闘機のウクライナへの供与は、戦域、戦場の拡大をもたらし、その先にはウクライナの影に隠れてきた西側欧米諸国がロシアの正面に引き出されて、直接対決を余儀なくされるかもしれません。ロシアも西側も、どちらも引き下がる様子はなく、第三次世界大戦の危機が、ひたひたと近づいてきているように思われます。
21日付『アルジャジーラ』は、続けて、プーチン大統領の演説を伝えます。
「ロシアのプーチン大統領は、ウクライナでのモスクワの攻勢を『組織的に』続けることを約束した。
プーチン大統領は、ロシアの三色旗4本を両脇に従え、ロシアの政治・軍事エリートに対し、ロシアは『我々が直面している課題を慎重かつ一貫して解決する』と語った」
国内向けの年次教書である点を踏まえる必要がありますが、西側に妨害されない、有効な仲裁者が現れない限り、この紛争はまだ続くことが予感される言葉です。
そして、21日付『アルジャジーラ』が伝えたもっとも核心を突くプーチン大統領の言葉があります。「ウクライナの国民は、人質にされている」と指摘したのです。
「プーチンは、ウクライナの指導者が国民を『人質』にしていると非難し、キエフは『外国勢力の利益のために奉仕している』と付け加えた。
『ウクライナの人々は、キエフ政権とその西側支配者の人質となっており、彼らが政治的、軍事的、経済的な意味で実際にこの国を占領している』とロシアの指導者は述べている。
『この政権は、彼らの国益に奉仕していない』とも述べた」
これは、まさに、「代理戦争」の本質を突くものであり、ゼレンスキー大統領というコメディアンは、主として米英など外国の利益の代理人として、ウクライナ国民を人質に取るという、国民にとっては耐えがたい悲劇を押しつけていることを指摘しているのです。
21日付『アルジャジーラ』は、プーチン大統領のもうひとつの重要な発言を伝えています。米露が海を超えて、直接対決しあう戦略核兵器への制限を外す、と述べたのです。
「プーチン大統領は、ロシアが米国との新START条約への参加を停止すると述べた。
この協定は、冷戦後の米露間の核軍備管理における最後の大きな柱であり、両国の戦略核兵器を制限するものである。
プーチンは年次教書演説で、『私は今日、ロシアが戦略的攻撃兵器条約への参加を停止することを発表せざるを得ない』と述べた。
また、米国が自ら核実験に踏み切った場合、ロシアは核実験の準備をする必要があると付け加えた」
ウクライナ紛争によって形成された世界は、「新たな戦前」であることは、間違いないと思われます。
■<IWJ取材報告>ノルドストリームの爆破を計画・実行させたのは米国!? シーモア・ハーシュ氏のスクープについて「日本政府は検証や情報収集を行っているのか?」とのIWJ記者の質問に「コメントは控えさせていただく」と浜田防衛大臣! 米国政府は完全否定のままだが!?~2.21浜田靖一防衛大臣定例記者会見
2023年2月21日、9時10分より、東京都新宿区市谷の防衛省庁舎にて、浜田靖一 防衛大臣の定例記者会見が行われました。
質疑応答では、IWJ記者は次のように質問をしました。
IWJ記者「ピューリッツアー賞の受賞歴もある米国の調査報道ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が、2月8日『バイデン政権が、ドイツとロシアを結ぶ天然ガスパイプライン・ノルドストリームの爆破を計画実行させた』というスクープを発表しました。
これが事実だとすれば、約1兆円の建設費のかかったノルドストリームにはドイツも出資しており、米国の同盟国であるドイツにとっては背信行為そのものです。
日本政府は、ハーシュ氏の記事内容について、検証や情報収集を行っているのでしょうか。また、米国は誠実な同盟国かどうか、疑いの出ている中、日本の安全保障を米国に委ね、有事の際の自衛隊の指揮権まで米国に渡してしまっていいのか、再考すべきではないでしょうか?
浜田防衛大臣のご見解をお聞かせください」
この質問に対し、浜田大臣からは、いつもどおり、以下のような、短くそっけない回答がありました。
「あの、報道の一つひとつには、お答えをすることはできませんので、私の方からのコメントは控えさせていただきます」
米国政府は、ハーシュ氏の記事について、調査も何もせずに、「それは嘘です! フェイクニュースです!」とはねのけました。
浜田防衛大臣、そして日本政府は、その米国政府の姿勢をそのまま踏襲してはいません。この点は、注意を払う必要があるでしょう。
他社の記者からは、北朝鮮のミサイル発射事案、日中関係、気球への武器使用、防衛省・自衛隊の人的基盤の強化に関する有識者検討会、沖縄の米陸軍貯油施設から泡消火剤設備撤去などについての質問がありました。
また、会見冒頭、浜田大臣より、「防衛省・自衛隊の人的基盤の強化に関する有識者検討会」についての報告・説明がありました。
※防衛省・自衛隊の人的基盤の強化に関する有識者検討会について
https://www.mod.go.jp/j/press/news/2023/02/21a.html
詳細についてはぜひ全編動画をご視聴ください。
※ノルドストリームの爆破を計画・実行させたのは米国!? シーモア・ハーシュ氏のスクープについて「日本政府は検証や情報収集を行っているのか?」とのIWJ記者の質問に「コメントは控えさせていただく」と浜田大臣! ~2.21浜田靖一防衛大臣定例記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514200
■IWJは最大の経済的危機です! 第13期6ヶ月間の累積の不足額は、1月末時点で1117万円にまで増えてしまいました! 岩上安身からのIWJの借り入れ総額は、現時点で1600万円になります! 岩上安身の私財には限界があります! このままでは、皆さまのご支持・応援、会費、そしてご寄付・カンパによるご支援がなければ、活動が立ち行かなくなります。米国が自らの覇権維持のために世界の緊張を高める「新たな戦争前夜」にあって、偏向メディアにかわって、正確な情報をお届けすべく、IWJは精いっぱい頑張りますので、緊急のご支援のほど、よろしくお願いします!
おはようございます。IWJ代表の岩上安身です。
いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。
IWJの第13期も半期の折り返しを過ぎ、この2月で7ヶ月目に入りました。
第13期が始まった8月から1月末まで、月間目標を下回る月が続き、この6ヶ月間の累積の不足額は、現時点で1117万1000円と、1000万円を超えてしまいました!
2月1日から20日までの20日間でいただいたご寄付は、89件、104万9508円です。これは、単独月間目標額390万円の27%に相当します。
厳しい経済状況の中、IWJにご寄付をお寄せいただき、誠にありがとうございます。
しかしながら、IWJの内部留保も底を尽き、12月は、キャッシュフローが不足したため、私、岩上安身が、個人的な私財から、500万円をIWJにつなぎ融資することでしのぎました。そして、今年に入り、1月も私が、さらに500万円をIWJにつなぎ融資することを決めました。
私がこれまでにIWJに貸し付けてまだ未返済の残高は約600万円。この2ヶ月間のつなぎ融資1000万円と合計すると、IWJへの私の貸し付け残高は約1600万円にのぼります。
私の貯えなどたかがしれていますから、この先も同様の危機が続けば、私個人の貯えが尽きた時、その時点でIWJは倒れてしまいます。
加えて今年に入って年頭からスタッフの中にコロナ感染者が出て、1月末まで6人の感染者を出しており、予定されていたインタビューを2件延期せざるをえなくなりました。また、新たなインタビューの予定も入れることもできなくなり、1月はインタビューが1本もない月となってしまいました。岩上安身によるインタビューにご期待いただいていた会員や応援・支援くださっているIWJファンの皆さまには、大変申し訳なく思っています。
幸い、1月27日を最後に、体調を崩す者や、検査で陽性になった者も出ていないため、社内での感染の拡がりはストップしたものと思われます。2月からは巻き直す勢いでインタビューを入れていきたいと存じます。
皆さまにおかれましても、コロナ禍での経済的な打撃、そしてこのところの物価上昇に悩まされていることとお察しいたします。
しかし、ご寄付が急減してしまうと、たちまちIWJは活動していけなくなってしまいます。IWJの運営は会員の方々の会費とご寄付・カンパの両輪によって成り立っていますが、それが成り立たなくなってしまいます。
2023年「新たな戦争前夜」を迎えて、私、岩上安身とIWJは、少しでも正確な情報を皆さまにお届けできるように、その結果として、日本が戦争突入という悲劇に見舞われないように、無謀な戦争を断固阻止するために全力で頑張ってゆきたいと思います。
2月に入って、ウクライナ紛争の局面は、「ウクライナ=善 vs ロシア=悪」という西側メディアのバイアスのかかった報道でも、ウクライナ軍の敗色はごまかせなくなってきています。
2月12日の日刊IWJガイドでお伝えしたように、2月に入って、西側メディアの報道やシンクタンクの分析が変わってきました。
『ニューヨーク・タイムズ』がウクライナ軍が東部ドンバス地域で劣勢になっていると報じ、『ウォール・ストリート・ジャーナル』は西側諸国が約束した戦車は「春の大攻撃」に間に合わないと報じ、米シンクタンク・戦争研究所(ISW)もロシア軍側の優勢を伝えました。
2月9日、10日とゼレンスキー大統領は、ロンドン、パリ、ブリュッセルに武器支援、特にジェット戦闘機供与を「おねだり」する弾丸ツアーに打ってでましたが、手ぶらで帰国せざるを得ませんでした。
欧州では、これまでのようにウクライナを支援していていいのか、「春の大攻撃」でウクライナは抵抗できるのか否か、見極めようとしているのかもしれません。
ゼレンスキー大統領は9日ツアーの最後に、最もウクライナ支援に熱心なポーランドに立ち寄り、ドゥダ大統領と会談をおこないました。
※はじめに~ゼレンスキー大統領は、ロンドン、パリ、ブリュッセルを駆けめぐるツアーで戦闘機をおねだりするも、渋る欧州各国から確たる成果は得られず、取り付けられたのは、「NATO仕様の最新戦闘機によるパイロットの訓練の約束」のみか!? ウクライナが訴える2月後半のロシア大規模攻撃に、欧州主力級戦車は届かないと『ウォール・ストリート・ジャーナル』!『ニューヨーク・タイムズ』、米シンクタンク戦争研究所もロシア側の優勢を認める! イーロン・マスク氏のスペースX社は、ウクライナ軍が依存する同社のインターネットサービス「スターリンク」の軍事利用の禁止を一方的に発表!(日刊IWJガイド、2023年2月12日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51864#idx-1
しかし、ドゥダ大統領は、12日、BBCのインタビューに対して、F-16航空機の派遣は「非常に重大な決定」であり、「簡単に実施することはできない」と述べました。
※Laura Kuenssberg: Jets to Ukraine decision ‘not easy’ says Poland(BBC、2023年2月12日)
https://www.bbc.com/news/world-europe-64602603
F-16航空機の「玉突き派遣」をポーランドにやらせようともくろんでいる(ように見える)バイデン大統領は、今月20日から22日のどこかで、ポーランドを訪問する計画を明らかにしましたが、その会談の行方はまだ見えません。
※米大統領、20-22日にポーランド訪問 ウクライナ情勢巡り首脳会談へ(ロイター、2023年2月10日)
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-poland-biden-idJPKBN2UK1SE
ウクライナ情勢は、米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長が昨年10月に「ウクライナは勝てない」と発言した通りに進んでいるように見えます。
ウクライナ紛争について西側メディアはこれまで「ウクライナの反撃が成功」、「ロシア軍が膨大な被害を出している」と、一貫してロシア劣勢、ウクライナ優勢の報道を繰り返してきました。
IWJは西側メディアの情報とロシアメディアや第3国メディアの情報を突き比べ、情勢は必ずしもウクライナに有利ではないことを、5月のマリウポリ陥落の時点からお伝えし続けてきました。
※【特集】ロシア、ウクライナ侵攻!!
https://iwj.co.jp/wj/open/russiainvadesukraine
欧米諸国による、さらに高度な武器支援、NATO仕様の主力級戦車の供与などによっても、決定的に戦局を変えることできないであろうこと、ロシア軍がウクライナから追い出され、東部とクリミアを奪還される見込みがありえるなどという、テレビに出ている軍事評論家の根拠のない甘い言説には、IWJは一切与しませんでした。
仮に、NATO諸国から供与された長距離砲やジェット戦闘機を用いて、ウクライナ軍がロシア領内に攻撃し、モスクワに向かって侵攻したりすれば、ロシアが報復のために小規模の限定的な戦術核兵器を用いるリスクは、確かに絶対にないとは言いきれません。ロシア自らも、レッドラインを踏み越えてきたら核使用もありうると、何回も忠告しています。しかし、実際にそうなれば、米国も核兵器の使用に踏み切り、核のエスカレートの連鎖は止めらない、といった指摘を、IWJは繰り返ししてきました。
2月に入って、ウクライナ紛争初期の段階で、ロシアとウクライナの和平交渉に携わったナフタリ・ベネット元イスラエル首相が、「この戦争は米国主導の戦争」と述べました。この事実も、日本の大手メディアを含む西側メディアは大きく報じてはいません。
※ナフタリ・ベネット元イスラエル首相が爆弾発言! ウクライナ紛争は「主に米国が主導する戦争」であり、「アメリカ人に、私は言いたいのです。『私はプーチンの耳を持っている。私はパイプになり得る』と」、ゼレンスキーは「『私を助けてくれますか』と電話してきたんです」!(その1)(日刊IWJガイド、2023年2月9日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51856#idx-4
※はじめに~ナフタリ・ベネット元イスラエル首相が爆弾発言!(その2)「あなたはゼレンスキーを殺すのかと。プーチンは『ゼレンスキーを殺すつもりはない』と言いました」(日刊IWJガイド、2023年2月11日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51861#idx-1
もうひとつ、ピューリッツァー賞を受賞した経歴をもつ、米国屈指の独立調査報道ジャーナリストであるシーモア・ハーシュ氏が、米国が、ノルウェーと協力し、ドイツとロシアを直接つなぐ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したという驚愕のスクープを出しました。
IWJは、全文の仮訳を進め、全4回を号外でお送りしました。
※【IWJ号外】ドイツとロシアを結ぶ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したのは、米国だった! ピューリッツァー賞を受賞した米国の最も著名な独立調査報道ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が大スクープ!(その1~4)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%83%a2%e3%82%a2%e3%83%bb%e3%83%8f%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a5
こうした一連の状況は、岩上安身とIWJが報道してきた、2014年からの見通しが間違っていなかったことを証明しています。
この紛争は、米国主導の戦争なのです。
米国は、悪魔のような謀略で、同盟国のドイツも多額の出資をしたノルドストリーム・パイプラインを爆破し、ドイツとロシアの仲を引き裂き、ウクライナを戦場にして、欧州とロシアの友好的な関係を完全に破壊し、欧州に天然ガスと石油を高値で売りつけて市場を奪い取ったわけです。
米国は、邪悪な国家テロを起こして、他国を都合よく操作する、そんな「クソッタレ」帝国主義国家であることが明らかになりました。こんな「クソ」帝国によって、日本はウクライナ同様に、米国の対中戦争の「代理戦争」のコマとされつつあることに、日本国民は真剣な危機感と怒りを抱く必要があります。
米国政府と西側メディアは、3日「中国のスパイバルーン事件」を大々的に報じ、ブリンケン国務長官の訪中を取りやめ、米中関係の緊張緩和を拒否しました。
米軍は4日、「中国のスパイバルーン」を撃墜しています。同時期にすっぱ抜かれているノルドストリーム爆破事件については、シーモア・ハーシュ氏の言う通り、欧米のメインストリーム・メディアは一切報道もせず、バイデン大統領はそ知らぬ顔をし続けています。
※はじめに~「中国のスパイバルーン事件」で、訪中取りやめのブリンケン米国務長官は「国家主権の侵害」と主張! 一方、米国防総省は「軍事的脅威はない」として撃墜指示をスルー! ドイツメディアが「バイデン大統領がCIA長官経由で、ゼレンスキー大統領に領土の20%を割譲し停戦するよう勧めた」とスクープ、米政府は全面否定! ゼレンスキー大統領は東部に固執! ウクライナ紛争の行方をめぐって揺れるバイデン政権!(日刊IWJガイド、2023.2.5)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51842#idx-1
さらに、10日、バイデン大統領の命令で、米軍のF-22戦闘機がアラスカ州上空を飛行していた物体を撃墜しました。この正体不明の物体は、小型車程度の大きさで、高高度を飛行していたということです。米国による気球撃墜は、まるで米中対立の火種を燃え上がらせようとしているかのごとくです。実際、米国以上に日本のマスメディアは、この気球の「空騒ぎ」に狂奔していますが、これは肝心なことから目をそらさせ、人々を誘導してゆく、典型的なスピンコントロールであるといえます。
さすがに『ロイター』ですらも、撃墜を報じた記事に「飛行物体は軍事的脅威を与えるようなものではないといい、こうした場合に大統領が関与することは珍しい」と書き添えました。
※米、アラスカ上空で物体撃墜 小型車程度の大きさ 大統領が命令(ロイター、2023年2月10日)
https://jp.reuters.com/article/usa-object-idJPKBN2UK1VF
米国が、中国の脅威を煽れば煽るほど、そしてそれに日本政府や日本社会が乗っていけば乗るほど、日本は危機に近づいてゆきます。
岸田文雄総理は、1月早々に昨年末閣議決定した「改定版安保3文書」を携えて訪米、バイデン大統領と会談し、日本の軍拡をバイデン大統領から賞賛されて岸田総理は鼻高々でした。
しかし国会での議論と承認がなされなくても、閣議決定し、米国からの承認があれば軍拡のアクセルを踏んでしまう岸田政権は、日本の主権を米国に丸投げしたも同然です。米国を守るために日本が代わりに犠牲となり、日本は米中の「代理戦争」の戦場とされてしまいます。
バイデン大統領は、「これほど日米関係が緊密になった時はなかった」などと全面的に支持を表明、岸田総理は「トマホーク」の購入まで約束してしまいました。
たしかに、これほど緊密に自衛隊が米軍の支配下に組み込まれたことはなく、日本が米国の対中「代理戦争」のコマとして米国の戦略に組み込まれたことはかつてなかったことでしょう。日本国民として、決して喜ぶべきことではありません。
日本がこのまま米国追従を続け、米国の一極覇権を支えるのか。そもそも依存している米国は、信頼に値する国家なのか!? 日本は、米国への依存から脱却をはかり、独立した主権国として中立を確立し、地域の勢力均衡をめざす多極的な外交姿勢をめざすべきではないのか。日本がどの道を進むかで、米中覇権争いの捨てゴマにされるかどうか、決まってしまいます。
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口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル
ゆうちょ銀行
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店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ
IWJホームページからも、お振り込みいただけます。
※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html
どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!
岩上安身
■「応援しております」「ウクライナ紛争報道でその本領を発揮したIWJの貴重な活動が安定的に継続することを願っています」ご寄付者様からメッセージをいただきました! ここに感謝を込めて紹介させていただきます!
ご寄付者様からメッセージをいただきました。
メッセージひとつひとつに、岩上安身が返信を書かせていただきます! ぜひ嬉しい励ましのメッセージ、あるいは、ご質問やご提案などにもお答えしますので、お寄せください! ただし、会員の方で、ご寄付者様からのメッセージのみとさせていただきます!
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応援しております。
(m s 様)
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m s 様
ありがとうございます!
応援してくださる方々、励ましのお言葉、そして金額の多い少ないにかかわらず、ご寄付、カンパで応援してくださる方々、会員をずっと続けてくださる方々。
皆さまの支えがあるからこそ、我々IWJは、マスコミが伝えない真実の情報をお伝えするために、戦い続けることができるのです。心から感謝しています!
今後とも頑張りますので、どうぞ応援をお続けいただけますよう、よろしくお願いいたします。
岩上安身
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ウクライナ紛争報道でその本領を発揮したIWJの貴重な活動が安定的に継続することを願っています。
(M.K. 様)
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M.K. 様
ありがとうございます!
旧ソ連圏を20代最後の年から30代半ばまで、足かけ6年かけて取材し続けてきた身としては、毎日毎日、マスコミでも、ネットでも、一方的なデタラメなプロパンガンダがたれ流されていることに、非常に大きな違和感と、居心地の悪さを感じています。
事実と嘘の区別がある程度つく人間として、保身のために沈黙することは無責任であると感じます。やはり、黙っているわけにはいかない、ささやかなことでも、自分がこの社会のためにできることがあれば、やはり力を尽くすべきだ、と思います。
若い頃は、取材でもなんでもパワープレイに頼りがちでしたが、シニアとか、シルバーという「年頃」に片足を踏み入れている今は、バイタリティだけで仕事をやりきることは難しくなっていますが、とはいえ、まだまだ老け込む年齢でもありません。
私より約20歳も年上の、ジャーナリストとして「大先輩」にあたるシーモア・ハーシュ氏が、まだ現役で、ヒットは打てるということを見せてくれました。
しかも本人いわく、あのスクープはホームランではなく、ご本人はまだファーストにいるとのこと。このあとも、次のベースを狙っていく、という追撃宣言です。凄い、と思わざるをえません。畏敬の念をさらに、深くします。
20年後、自分が新たな大仕事をできるだろうか、と考えると背筋がぴんと伸びる思いがします。
末永く、私も頑張り続けたいと思いますので、皆さま、どうぞご支援のほど、よろしくお願いします。
岩上安身
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◆中継番組表◆
**2023.2.22 Wed.**
調整中
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◆中継番組表◆
**2023.2.23 Thu.**
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。
【IWJ・エリアCh1・大阪】13:30~シンポジウム「大軍拡への暴走を許すな!9条守れ!『安保3文書』改定阻止!」―講演:纐纈厚氏(山口大学名誉教授)ほか
視聴URL:https://twitcasting.tv/iwj_areach1
「共同テーブル近畿」主催のシンポジウムを中継します。これまでIWJが報じてきた安保3文書関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%ae%89%e4%bf%9d3%e6%96%87%e6%9b%b8
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■ナフタリ・ベネット元イスラエル首相が爆弾発言!(その6)「コーラン(イスラム教徒)を(神殿の丘に)入れる」ことを是認する!?「誰もがこの問題を考えるべきだと思います」!
仲裁のため、昨年3月にモスクワを訪れ、戦争中のウラジーミル・プーチン大統領に会った数少ない西側指導者の一人、ナフタリ・ベネット元イスラエル首相が、プーチン大統領と会合等で話した内容を暴露しています。
ベネット元首相は、作家でコメディアンのハノク・ダウム氏との対談し、インタビューの全文を公開することを条件に、土曜日の夜(2月4日)、ベネット氏自身のYouTubeチャンネルに、数時間に及ぶ対談の全文を英語字幕付きで掲載しました。
※ナフタリ・ベネット元イスラエル首相のYouTubeチャンネル(2023年2月5日)
https://www.youtube.com/watch?v=qK9tLDeWBzs
今回は、(その6)です。
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ナフタリ・ベネット元イスラエル首相「そして…、それですべてです。その後、イスラエルに帰国して、停戦草案に関するマラソン交渉が始まりました。さて…」
インタビュアー「あなたのオフィスがこれに対応した? 外務省などではなく…」
ベネット元首相「NSC(※)です。私はすべてに向き合いました。NSCと…シムリット(政治補佐官のヤハディマ・シムリット)と。私は最新情報を共有しました」
(※)NSC(National Security Council、国家安全保障評議会)は、イスラエルの国家安全保障の分野において、調整・統合・分析・モニタリングを行う中心機関で、イスラエル首相とイスラエル政府のために、安全保障問題を検討する専門家フォーラムでもある。
インタビュアー「あなたはNSCに敬意を払っている?」
ベネット元首相「あなたが思っている通りです。端的に言って、イエスです。ネタニヤフの功績ですが、ネタニヤフはNSCを非常にいい形で設置しました。NSCは、首相を支えるエクセレントな機関です。そして、首相に報告義務を負っています。NSCは素晴らしい機関です。NSCは国家安全保障評議会です。
私がNSCに期待したのは2つあります」。
※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php
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それでは、本日も1日、よろしくお願いします。
※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230222
IWJ編集部(岩上安身、浜本信貴、尾内達也、前田啓)
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岩上安身サポーターズクラブ事務局
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