日刊IWJガイド・非会員版「大谷翔平らが経営破綻したFTX社の広告塔として訴えられた! このニュースの裏側にはマスメディアが報じない大スキャンダルが!?」2022.11.19号~No.3719号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~<スクープ!?>大谷翔平と大坂なおみが破綻した暗号通貨取引業者・FTX社の「広告塔」として訴えられた! このFTX社が経営破綻したニュースの裏側には日本の記者クラブメディアが報じない大スキャンダルが!? FTX社とウクライナとバイデン政権は暗号通貨でつながっていた!? ウクライナは米国からの支援金をFTX経由で中間選挙資金として還流!? 共和党はブリンケン国務大臣に情報公開を請求!

■8月から始まったIWJ第13期は、10月までの第1四半期の3ヶ月間で累積の不足金額が682万4870円に達してしまいました! 目標額の約半分です! 累積の不足額と今月の月間目標額390万円とを合計すると、今月末までに1072万4870円が必要ですが、11月16日現在、ご寄付・カンパは50万3100円と目標額の5%にとどまっています! また、インタビュー用のカメラが故障した件ですが、修理業者からの見積もりが出まして、修理費は合計で約7万円強ですむことになりました! 一時は、買い替えの可能性もありうるとお伝えし、ご心配をおかけしました。今後とも精いっぱい頑張ってまいりますので、どうぞご支援のほど、よろしくお願いします!

■【中継番組表】

■日本医師会がコロナ「第8波」の到来に警鐘! 日本は今や世界一の新規感染拡大国! 今冬はオミクロン亜系統変異株が猛威を振るうのか!? 岸田政権が目指す「ウィズ・コロナ」路線で、今冬の「第8波」の感染爆発を招けば、トリプル安・貿易赤字に苦しむ日本経済は大打撃を受ける可能性も! 感染拡大の止まらない日本で「G7並み」のコロナ対策緩和は妥当なのか!?

■岸田総理、日中首脳会談を終え「対面での重要性を感じた」と表明! 中国メディアは岸田総理が「台湾問題においては、日中共同声明で日本のした約束に少しの変化もない。日中関係を正しい方向へ導きたい」と語ったと報道!!

■<IWJ取材報告>「コロナ禍で文化庁の『継続支援事業』に申請したフリーは8万人! アンケートではインボイス導入で2割が『廃業を考える』と答えている!」~11.16「STOP! インボイス」漫画・アニメ・声優・演劇4団体の記者会見

■【スタッフ募集・動画班】岩上安身によるインタビューを撮影・編集したり、大臣会見やビデオカメラによる現場取材と中継、撮影した動画の編集を行うスタッフを募集します。PCによる動画の編集作業の基本ができる方、特にYouTubeの撮影・編集などの経験のある方を特に優遇し、最優先で募集します! 経験が少なくとも、意欲ある若い方、研修を受ければ習熟していけるとの自信や情熱がある方も歓迎です! 時給は1300円からのスタートです。IWJの動画・記事のコンテンツの視聴・購読経験が一定以上あり、共感できた方に限ります。

■【スタッフ募集・事務班】中継スタッフやテキストスタッフと連携して、IWJの行動予定を組み立てる重要なセクションである事務班のスタッフを募集します。PC操作のスキルがあり、スケジュール調整のためにアポ取りのコミュニケーションスキルのある方、歓迎です! これまでの社会経験も生かせます! 時給は1200円からのスタートです。IWJの動画・記事のコンテンツの視聴・購読経験が一定以上あり、共感できた方に限ります。
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■はじめに~<スクープ!?>大谷翔平と大坂なおみが破綻した暗号通貨取引業者・FTX社の「広告塔」として訴えられた! このFTX社が経営破綻したニュースの裏側には日本の記者クラブメディアが報じない大スキャンダルが!? FTX社とウクライナとバイデン政権は暗号通貨でつながっていた!? ウクライナは米国からの支援金をFTX経由で中間選挙資金として還流!? 共和党はブリンケン国務大臣に情報公開を請求!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 11日に経営破綻した暗号資産の交換業大手「FTXトレーディング」をめぐる問題で、米国議会下院の金融サービス委員会は12月、公聴会を開くと発表しました。

 広告塔として起用された米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手やプロテニス・プレイヤーの大坂なおみ選手も、「経験の浅い投資家」を標的にして欺いたとして、米オクラホマ州在住の投資家1人から提訴されています。

※FTXと「広告塔」米投資家提訴-大谷選手、大坂なおみ氏も対象(ブルームバーグ、2022年11月17日)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-16/RLGMT0T1UM0W01?srnd=cojp-v2-overseas

 FTX社が扱っていた暗号資産とは、仮想通貨のことです。

 仮想通貨とは、電子データでやり取りされる実体のない通貨のことで、法定通貨(法律によって「強制通用力」を持つ通貨)ではありません。

 日銀は仮想通貨を次のように定義してます。

 1)不特定多数に対して支払いでき、法定通貨と相互交換ができる
 2)電子的に記録されて移転できる
 3)法定通貨ないし法定通貨建て資産(プリペイドカードなど)ではない

 FTX社は、2019年にサム・バンクマンフリード(Sam Bankman-Fried)氏とグレイ・ワン(Gary Wang)氏によって設立された暗号通貨取引所です。バハナのナッソーに本拠を構えています。

 17日付『NHK』によると、債権者は100万人を超える可能性があり、顧客の資産を保全し、返還できるかどうかが焦点になっていると大きく報じられました。

※暗号資産FTX経営破綻 米で12月に公聴会へ 債権者は100万人超か(NHK、2022年11月17日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221117/k10013894311000.html

 しかし、FTXをめぐる問題については、表面で騒がれ、メインストリームメディアが報じている内容以外にも、実は、大きな疑惑が持ち上がっているのです。

 疑惑の核心は、ウクライナ政府が米国から受けた軍事支援金をFTXに提供し、FTXはそれを中間選挙の民主党候補への寄付に使用した、というものです。

 FTXの経営破綻のニュースは、上記のようにNHKも報じていますが、このFTX社をはさんでの、ウクライナ政府とバイデン民主党政権に関する政治スキャンダルの情報については、日本の記者クラブメディア(新聞、テレビ)はまったく触れていません。

 この疑惑とは、要するに、ウクライナと米国民主党が共謀して、米国民の税金を、FTXを経由して「洗浄」し、中間選挙資金に回したのではないか、という疑惑です。

 もしこの情報が事実であれば、ウクライナから還流した資金を使った民主党政権は、ウクライナ紛争を自党のために最大限に利用していたということになり、今までのバイデン政権の運営を根底から覆す大きなスキャンダルとなりえます。

 こうした主張を行っているのは、『FOX News』などの共和党寄りのメディアやウェブサイト『Gateway Pundit』(Wikipediaでは「極右のフェイクニュース・ウェブサイト」と記述されている)などで、SNS上で何千回も共有されています。

※EXCLUSIVE: FTX Donations to Democrats from Foreign Entities Like Ukraine Are in Violation of Executive Order 13848 Signed by President Trump and Biden(Gateway Pundit、2022年11月15日)
https://www.thegatewaypundit.com/2022/11/exclusive-donations-democrats-ftx-related-foreign-entities-like-ukraine-go-executive-order-13848-signed-trump-biden/

 18日付の『AFP』によれば、こうした主張は保守系インフルエンサーのダン・ボンギーノ氏や共和党のマディソン・コーソーン下院議員、ツイッターのオーナーであるイーロン・マスク氏なども、この物語を増幅させたと報じています。

※No evidence Ukraine aid ‘laundered’ to Democrats through FTX(AFP、2022年11月18日)
https://news.yahoo.com/no-evidence-ukraine-aid-laundered-202852365.html

 保守メディア、保守的なインフルエンサーがもっぱら拡散しているから、「フェイクニュースに決まっている」というレッテルを貼って、デマだと決めつけをして、情報を検証することなしに、スルーしてしまう姿勢はいかがなものかと思われます。

 事実なのかどうか、まずは流通している情報を精査することが必要です。

 この問題を考察するときに、ウクライナに流れた資金には、2つのルートがあることをまず分ける必要があります。

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

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■8月から始まったIWJ第13期は、10月までの第1四半期の3ヶ月間で累積の不足金額が682万4870円に達してしまいました! 目標額の約半分です! 累積の不足額と今月の月間目標額390万円とを合計すると、今月末までに1072万4870円が必要ですが、11月16日現在、ご寄付・カンパは50万3100円と目標額の5%にとどまっています! また、インタビュー用のカメラが故障した件ですが、修理業者からの見積もりが出まして、修理費は合計で約7万円強ですむことになりました! 一時は、買い替えの可能性もありうるとお伝えし、ご心配をおかけしました。今後とも精いっぱい頑張ってまいりますので、どうぞご支援のほど、よろしくお願いします!

 おはようございます。IWJ代表の岩上安身です。

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 11月になり、8月から始まったIWJの第13期も、4ヶ月目を迎え、第2四半期に入りました。

 8月から10月までの第1四半期の3ヶ月間は、ご寄付・カンパが月間目標額に達成する月がないまま、累積の不足分は682万4870円と、大きく積み上がってしまいました。

 今月11月のご寄付・カンパの目標額390万円に、累積の不足額682万4870円を加えると、11月のご寄付・カンパの目標額は、1072万4870円となります。

 11月は16日までの16日間で54件、50万3100円のご寄付・カンパをいただきました。ご支援くださった皆さま、本当にありがとうございます。この金額は月額目標額1072万4870円の5%にあたります。11月の前半時点で、月間の目標額の5%ということは、あと95%分、1022万1770円が必要となる、ということです。

 皆さまにおかれましても、コロナ禍での経済的な打撃、そしてこのところの物価上昇に悩まされていることとお察しいたします。

 しかし、ご寄付が急減してしまうと、IWJは活動していけなくなってしまいます。IWJの運営は会員の方々の会費とご寄付・カンパの両輪によって成り立っていますが、それが成り立たなくなってしまいます。

 IWJは、市民の皆さま、お一人お一人が会員となっていただくことと、ご寄付・カンパをいただくことで、政治権力におもねり、広告スポンサーに牛耳られている記者クラブメディアとは一線を画した、独立市民メディアとしての活動を貫いてきました!

 権力に不都合であっても、真実を追及し、権力の監視を行う「ウォッチドッグ」の役割を果たし続けることが可能になります。これも、市民の皆さまのお支えがあってのことです。

 また、大新聞、大手テレビが、足並みをそろえてウクライナ紛争において情報操作を行っている現状を御覧になればわかるように、権力と大資本から距離を置く独立メディアが存在しないと、真実はまったくわからなくなってしまいます。それは結局のところ、めぐりめぐって、私たち自身の生存や生活を、脅かすことになります。

 10月17日の日刊IWJガイドを読んでいただければわかる通り、ウクライナ紛争と対露制裁によって、米国の同盟国は、欧州も日本も「巻き添え被害」にあっています。欧州の市民はその真実に気づき、ドイツやチェコのプラハだけではなく、パリにおいても市民が立ち上がって反NATOの抗議の声をあげていますが、欧州のマスメディアも日本のマスメディアも、そうした動きを意図的に報じようとしません。

 我々のような独立メディアが存在しなければ、この事態を人々が知るすべもないのです。独自の視点で真実の報道を続けるIWJの存在価値を、ご理解いただき、お支払いいただければと思います。

※日本のマスメディアが伝えない欧州の現実! インドメディア『WION』が、フランスの「反NATO」デモをレポート!「NATOから離脱しよう!」、「Let’s get out of NATO!」「NATOのためにフランスはウクライナの『巻き添え被害』を受けている」! フランスの高級紙『ル・モンド』は、石油会社従業員による賃上げデモを報じるも、「反NATO」デモはスルー!? 米英NATOウクライナのために、『巻き添え被害』を恐れているのは日本も同じ!! メディアの情報操作によって、その事実にすら気づかない日本国民!(日刊IWJガイド、2022年10月17日号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51419#idx-6

 改憲による緊急事態条項の創設は、統一教会が自民党の背中を押して、実現に向けて推進してきた政策です。統一教会という「反日・反社会的カルト」を、日本社会から追放し、政治への介入をやめさせるとともに、この危険な緊急事態条項の憲法への導入を阻止するために、私と、IWJのスタッフは、全力で立ち向かいたいと思います!

 また、インタビュー用のカメラが故障した件ですが、修理の見積もりが修理業者から出まして、修理費は合計で約7万円強ですむことになりました! 一時は、買い替えの可能性もありうるとお伝えし、ご心配をおかけしました。

 なお、IWJのスタジオでの岩上安身によるインタビューは、今週もまだできませんが、出張してのインタビュー、Zoomを使ってのインタビューは可能だと思われますので、3台のカメラが修理工場に行っている間も工夫を重ねてインタビューを行いたいと存じます。

 皆さまにはぜひ、ご支援いただきたく、IWJの存続のために、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

 どうかIWJ会員の皆さま全員のお力で、IWJをお支えください!

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします。

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 ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードを、無料で日刊IWJガイド非会員版を読み、ハイライト動画を御覧になっている無料会員の皆さまにおかれましては、有料の一般会員登録をぜひともお願いいたします。

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です。

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします。

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
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 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

岩上安身


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◆中継番組表◆

**2022.11.19 Sat.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2022.11.20 Sun.**

調整中

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■日本医師会がコロナ「第8波」の到来に警鐘! 日本は今や世界一の新規感染拡大国! 今冬はオミクロン亜系統変異株が猛威を振るうのか!? 岸田政権が目指す「ウィズ・コロナ」路線で、今冬の「第8波」の感染爆発を招けば、トリプル安・貿易赤字に苦しむ日本経済は大打撃を受ける可能性も! 感染拡大の止まらない日本で「G7並み」のコロナ対策緩和は妥当なのか!?

 11月16日、日本医師会の定例会見が開催されました。釜萢敏(かまやち さとし)常任理事が、各地で新型コロナウイルスの感染者が再び増加している現状について、感染拡大の「新たな波(第8波)が始まったと捉えざるを得ない」との認識を示しました。

 松本吉郎・日本医師会会長は、新型コロナウイルス感染症の感染状況及び今後の医療提供体制等について、日本医師会の見解を説明しました。松本会長によれば、BQ.1系統、BQ.1.1系統、XBB系統などの報告があり、それらの感染割合が増えると見込んでいるが、現状ではまだ顕著な増加は確認されていないということです。

 松本会長は「感染者が増える年末年始に備えて、ひき続きの感染対策とワクチンをお願いしたいと思います」と述べました。

 釜萢理事は、名古屋工業大学の平田晃正教授の研究グループによるAIシミュレーションの結果を紹介し、感染規模についてはまだ見通せないとした上で、「東京都においては今週から来週にかけて新規感染者の数が本格的に増加してくること。そして、感染のピークを迎える時期としては、1月の中旬という予測が出されています」と述べました。

※定例記者会見(2022年11月16日)新型コロナウイルス感染症の現況について―松本吉郎会長、釜萢敏常任理事(公益社団法人 日本医師会公式チャンネル、2022年11月16日)
https://www.youtube.com/watch?v=WOkhRqWRi78

※新型コロナウイルス感染症の現況について(日医オンライン、2022年11月16日)
https://www.med.or.jp/nichiionline/article/010911.html

 記者からの質問を受けて、釜萢理事は「現状においては、新たな波(第8波)が始まったという風に捉えざるを得ないのではないかと認識している」と述べました。

※日本医師会「新たな波と捉えざるを得ない」 新たな感染者 全国で10万7186人(ANN、2022年11月16日)
https://www.youtube.com/watch?v=HGAGiYG5PiA

 厚生労働省によると、日本国内の1日あたり新規感染者数(1週間平均)は、8月下旬以降は減少傾向にありましたが、10月11日に2万5739人で底を打ってから、徐々に増加しています。11月18日は8万1950.72人(1週間平均)となりました。11月15日、16日は1日あたりで10万人を超えていました。

 「入院中や療養中などの人の数(全国)(厚労省まとめ)」は、10月中はおおむね46万人ほどでしたが、11月18日時点で54万4894人と増加しています。「日本国内の重症者数(厚労省まとめ)」も、10月は100人から120人程度でしたが、11月18日時点で260人とほぼ倍増しています。

 「日本国内の死者数(厚労省まとめ)」を見ると、10月1日から15日は917人(1日平均61.1人)、10月16日から31日は836人(1日平均52.3人)、11月1日から15日は1056人(1日平均70.4人)と増加傾向にあります。11月16日は111人、17日は133人、18日は99人とさらに増加のペースが上がっています。

 これまで、死亡者数は、感染拡大に数週間遅れて増加する傾向でしたが、今回の「第8波」では、新規感染者数の急増だけでなく、すでに死亡者数が増加傾向に入っていることが注目されます。

※国内の感染者数・死者数(NHK、2022年11月18日閲覧)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-all/#infection-status

 『worldometer』によると、11月17日時点の世界の新規感染者数は35万2078人でした。

 新規感染者数の第1位は日本で、9万3005人でした。日本が世界の新規感染者数の26%、4分の1以上を占めています。日本は、累計感染者数でも、2351万9801人と、世界9位まで上がってきました。すでに国民の2割近くが感染した計算になります。

 世界ワーストテンは、2位韓国5万5437人、3位フランス3万3331人、4位ブラジル2万9102人、5位ドイツ2万7587人、6位米国2万3012人、7位台湾2万121人、8位オーストラリア1万922人、9位香港8052人、10位インドネシア7822人となっています。

 ゼロコロナ政策を続ける中国も、2388人で16位に上がってきました。ワーストテンの諸国の半分以上がアジア・オセアニア地域にあり、合計19万5359人と、世界全体の56%を超えています。

※COVID-19 CORONAVIRUS PANDEMIC(worldometer、2022年11月18日閲覧)
https://www.worldometers.info/coronavirus/

 新型コロナのパンデミックが始まったばかりの頃は、感染拡大はヨーロッパとアメリカが際立ち、東アジアには大きな感染爆発の波が訪れなかったために、東アジア人は新型コロナにかかりにくい「ファクターX」をもっているのではないか、という議論がしきりになされました。

 しかし、今ではまったく逆に、日本を筆頭に韓国、台湾、香港、インドネシアが10位以内に入っています。こんな時には、東アジア人ばかりが感染する特別な理由、逆「ファクターX」があるのではないか、という議論が取り沙汰されてもおかしくないように思いますが、そうした議論は、ほとんど散見されません。

 『NHK』は、全国知事会は17日、対策本部会議を開き、「すでに感染の第8波に入っている」として、ワクチン接種の促進や、自宅療養の支援強化などを国に求める、緊急提言をまとめた、と報じました。

※“コロナすでに第8波 加速の危険性も”全国知事会が緊急提言(NHK、2022年11月17日)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/eighthwave/detail/detail_13.html

 夏の「第7波」で猛威を奮ったのは、オミクロン株「BA.5」変異株でした。「BQ.1」、「BQ.1.1」、「XBB」は、現在、米国で増加している変異株です。米国では、すでに「BA.5」は減少しており、10月23日から10月29日までの1週間で、49.6%まで減少し、半数を割っていると、『NHK首都圏ナビ』(7日)が伝えています。

 『NHK首都圏ナビ』によると、米国では、10月23日から10月29日の変異株の比率は、「BA.5」49.6%、「BQ.1」14%、「BQ.1.1」13.1%、「BA.4.6」9.6%、「BF.7」7.5%となっています。

 「XBB」は「BA.2」から派生した変異株が組み合わされた変異株で、現在、シンガポールやインドで増えているということです。

 「BQ.1」、「BQ.1.1」、「XBB」については、「BA.5」よりも感染力が高い可能性がある一方、重症化につながるリスクが高い報告は、今のところないということです。

 現在使用されているワクチンが、こうした次々と出現する「変異株」に対して、有効かどうか、まだ未知数のところがあります。中国・北京大学のグループの査読前の報告によると、ワクチンによってできる中和抗体の値が「BA.5」に対しての場合と比べて18分の1以下、「BA.2」と比べて27分の1になっていたということです。4度目、5度目のワクチン接種が、以前と比べ、新たな変異株に対しては効きにくくなっている、ということだけは確かなようです。

※オミクロン株 BQ.1系統・XBBとは 新たな変異ウイルスで第8波は(NHK首都圏ナビ、2022年11月7日)
https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20221107a.html

 国立感染症研究所が11月18日に公開した「感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株について(第22報)」によると、「2022年10月7日~11月7日、世界でゲノム解析され GISAID データベースに登録されたウイルスの99.6%をオミクロンが占め」ています。

 「オミクロンの中では多くの亜系統が発生しているが、BA.5系統が74.5%、BA.4系統が4.1%、BA.2系統が7.3%(いずれも亜系統を含む)と、引き続き世界的にBA.5系統が流行の主流となっており(WHO, 2022a)、日本国内でも2022年7月頃にBA.2系統からBA.5系統に置き換わりが進み、現在もBA.5系統が主流となっている」

 BA.5系統が主流である一方で、オミクロンの新たな亜系統が世界各地で認められており、「それらの有するスパイクタンパク質の変異から、中和抗体からの逃避能の上昇が懸念」(国立感染症研究所)されています。特に、アジアでは、BQ.1系統、BQ.1.1系統、XBB系統、BJ.1系統などが感染者数増加の優位性を見せているということです。

 「BA.5系統に比較して、BQ1.1系統、BM.1.1.1系統などは中和抗体からの逃避能が高く、特に比較された中ではXBB系統が最も逃避能が高いことが示唆されている(Cao. Y, 2022b)」(国立感染症研究所)

 国立感染症研究所によると、日本では11月14日時点で、「BQ.1」系統は検疫で35件、国内で99件検出されており、「XBB系統」は検疫で17件、国内で23件検出されています。

 「BQ.1」系統は、BA.5系統に比べ、中和抗体からの逃避能が上昇する可能性が示唆されているが、「従来型、オミクロン対応2価の両ワクチンの感染予防効果が低下する可能性が示唆されているが、重症化予防効果には影響がないと予測されている(WHO, 2022c)」(国立感染症研究所)

 シンガポールにおいては、9月末から「XBB」系統が増えると共に感染者数・入院者数が増大したものの、重症者数は横ばいで、シンガポール保健省は「XBB」系統の感染力は高まっており、再感染リスクも高まっているが、重症化につながっている証拠はないと報告しています。

※感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株について(第22報)(国立感染症研究所、2022年11月18日)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/11621-sars-cov-2-22.html

 日本では、第1波(2020年4月11日720人)、第2波(2020年8月7日に1605人)、第3波(2021年1月8日に7956人)、第4波(2021年5月8日に7234人)、第5波(2021年8月20日に2万5995人)、第6波(2月1日に10万4520人)、第7波(8月19日に26万1004人)と感染の波が来るたびに、感染規模が大きくなっています。第8波はこれまでの波を超える感染拡大となるのでしょうか。

 岸田文雄総理は、「第7波」がピークを打ったころ、8月24日に「ウィズコロナに向けた新たな段階への移行」を打ち出し、全国ベースでの全数把握の見直し、陽性者の隔離期間の短縮などを打ち出し、9月26日から全数把握の簡略化が全国一律で始まりました。

※新型コロナウイルス感染症対策等についての会見(首相官邸、2022年8月24日)
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2022/0824kaiken.html

 松野一博官房長官は、「第7波」がほぼ収まった9月26日の記者会見で、水際措置の見直しを進めると発表、「保健医療体制に関わる負荷に配慮する最低限の措置を残しつつ、G7並みの円滑な入国が可能となる更なる緩和を10月11日から行う」と発表しました。ポイントは以下でした。

・すべての外国人の新規入国について、受入責任者による管理を求めない
・外国人観光客の入国についても、パッケージツアーに限定する措置を解除する
・査証の免除措置の適用を再開する
・すべての帰国者・入国者について、新型コロナウイルスへの感染が疑われる症状がある者を除き、入国時検査を行わない
・日当たり5万人をめどとしている入国者総数の上限について、これを設けない
・現在、国際線を受け入れていない空港・海港について、今後の就航予定に応じ、準備が整い次第、順次、国際線の受入れを再開する

※米国訪問についての内外記者会見(首相官邸、2022年9月26日)
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2022/0922kaiken.html

 岸田政権は医療体制を確保しつつ経済を回していく「ウィズ・コロナ」政策を掲げおり、「第8波」到来が確定となり、新規感染者数世界一という不名誉な称号を与えられた現時点でも、ここまでの「ウィズ・コロナ」政策について、基本的な政策の見直しを行う気配はまだありません。

 『ロイター』によると、日本政府観光局が11月16日に発表した10月の訪日外国人旅行者数は49万8600人(推計)で、9月の2.4倍の急増となりました。新型コロナウイルスの水際対策の大幅緩和が奏功した形です。

※訪日外国人10月は49.9万人、前月比2.4倍 水際緩和で=政府観光局(ロイター、2022年11月16日)
https://jp.reuters.com/article/jpn-foreign-visitors-idJPKBN2S60HV

 ただし、2020年、2021年と過去を振り返れば、10月下旬から11月上旬にかけて感染者数が増えてゆき、1月にピークに達するというパターンがあります。これから感染拡大するであろう真冬に向けた水際対策などの緩和が、「第7波」以上の大きな感染拡大の波を招く可能性がないとは言えません。

 そうなれば、円安の日本で、爆買いしようという外国人観光客も、訪日を躊躇するようになるかもしれません。インバウンド需要はこれまで、コロナ前の水準に向かって急回復しつつあるように見えていましたが、またしぼんでしまうかもしれないのです。

 歳末のセール、クリスマス、大晦日、帰省旅行、正月と、消費の機会はこれから、という時に、「第8波」を効果的に抑え込むことができず、景気を腰折れさせてしまうようであれば、再び経済活動は停滞し、円安・株安・国債安のトリプル安と、貿易赤字の拡大という大ピンチに苦しむ日本経済が、回復に向かおうとしていた矢先に大打撃を受けることになります。

 世界全体では、2022年1月21日に、1日あたりの新規感染者数としては最大の384万7518人を記録した後は、いくつかの感染拡大の波があっても、3月17日の217万2764人、5月13日の97万85人、7月12日の120万4741人と、感染拡大の波のピークが低くなってきています。

 米国は2022年1月7日に、1日あたり新規感染者数90万6806人という過去最大数を記録した後は、感染拡大の波が高くなった7月でも、15万人台に収まっています。

※COVID-19 CORONAVIRUS PANDEMIC(worldometer、2022年11月18日閲覧)
https://www.worldometers.info/coronavirus/

 「G7並み」の水際対策といっても、日本の感染拡大は、欧米諸国よりも半年から1年遅れて大きくなりました。日本の感染拡大の波はまだ大きく延びており、今冬、世界や米国と同じように過去よりも低くなるとは限りません。

 感染拡大の状況は各国で異なっており、感染拡大が遅れて大きくなった日本で「G7並み」と、欧米諸国と同じように進めていくことには大きなリスクが伴うと言わざるをえません。

 日本の新型コロナ対策で痛いのは、今日の変異種に対し、現在のワクチンでは有効性に疑問がもたれていること、そしてワクチンを主体にして、PCR検査を軽視する体制が確立されてしまっていることです。

 米国も欧州各国も、PCR検査を国民が、いつでも、どこでも、症状の有無があろうとなかろうと、何回でも受けることができる体制を構築してきました。結局、国民が頻回に検査を受けることのできる仕組みを整えた国から、「脱コロナ」を果たしているのです。日本政府の、「PCR検査軽視」は、究極の誤った政策です。

■岸田総理、日中首脳会談を終え「対面での重要性を感じた」と表明! 中国メディアは岸田総理が「台湾問題においては、日中共同声明で日本のした約束に少しの変化もない。日中関係を正しい方向へ導きたい」と語ったと報道!!

 「やはり対面で話をすることが、外交においていかに大事であるか、これを改めて感じています。やはり直接対面で会うことによって、相手の表情ですとか、雰囲気ですとか、やはり文字に表れない様々なやり取りを感じ、そしてそれがお互いの信頼関係にもつながるなど、対面での重要性を改めて感じています」

 日中国交正常化50周年を迎える中、約3年ぶりに対面での日中首脳会談を終えた岸田文雄総理は、17日、記者会見で記者から「手応え」を聞かれ、上記のように答えました。

※APEC出席国との首脳会談等についての会見(首相官邸、2022年11月17日)
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2022/1117kaiken.html

 人は知らない人には攻撃的に、逆に接触回数が多いほど親しみを感じるという、単純接触効果(ザイアンスの法則)が働くことが知られています。東アジアの平和維持の観点からも、この岸田総理の発言は、評価すべきでしょう。国の首脳同士が直接、会って、話し合うことの重要性を再認識させられます。

※こころについて語るときに我々の語ること(京都大学こころの未来研究センター「こころ学」、2009年3月2日)
http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/jp/kokorogaku/2009/03/post_7.html

 できれば岸田総理には、ロシアのプーチン大統領とも、北朝鮮の金正恩総書記とも、対面での首脳会談を重ねていってもらいたいものです。

 17日、APEC首脳会合に出席するためタイのバンコクを訪問中の岸田総理は、現地時間の午後6時40分過ぎ(日本時間17日午後8時40分過ぎ)から、中国の習近平主席と約45分間の会談を行いました。岸田総理が習主席と対面するのは、初めてのことです。

※日中首脳会談(外務省、2022年11月17日)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/c_m1/cn/page1_001413.html

 外務省は首脳会談の概要(上述の外務省URL)として、「岸田総理から(中略)現在、日中関係は様々な協力の可能性とともに多くの課題や懸案にも直面しているが、日中両国は地域と国際社会の平和と繁栄にとって共に重要な責任を有する大国である、課題や懸案があるからこそ率直な対話を重ね、国際的課題には共に責任ある大国として行動し、共通の諸課題について協力するという『建設的かつ安定的な日中関係』の構築という共通の方向性を双方の努力で加速していくことが重要である旨述べた」と発表しています。

 これに対して習主席は、「日中関係には幅広い共通利益や協力の可能性がある、日中関係の重要性は変わらない、岸田総理と共に新しい時代の要求に相応しい日中関係の構築していきたい旨述べた」とのことです。

 他方で岸田総理は、尖閣諸島を巡る情勢を含む東シナ海情勢や、8月の日本近海への弾道ミサイル発射などに懸念を表明。「同時に、日中防衛当局間の海空連絡メカニズムの下でのホットラインの早期運用開始、日中安保対話等による意思疎通の強化で一致した」と、外務省は発表しています。

 一方、岸田総理は、13日にプノンペンで行われた日中韓や米国、ロシアなどの国々とASEAN加盟国が参加した東アジア首脳会議の席上、「東シナ海では中国による日本の主権を侵害する活動が継続・強化されている」と発言し、中国を名指しで批判していますが、これについて岸田総理は、「批判したとおっしゃいますが、先ほどから申し上げているように、日中間には様々な可能性があるとともに、様々な課題や懸念がある。それに対して主張すべきことは主張する、これが基本的な日本のスタンスです。

 ですから、こうした諸懸案について指摘することは指摘をし、一方、協力すべきことは協力する、そして結果として、建設的かつ安定的な日中関係を築いていく、こうした方針で臨んでいきたいと思います。主張すべきことは主張するということで、EAS(東アジア首脳会議)の場においても、私は発言させていただきました。
 こうした率直な発信が、今後、日中関係を安定させていくためにも重要だと思っておりますし、その後、中国側からの反応については、少なくとも私は何も反応があったということは聞いておりません」

 この質問の前に、岸田総理は日中首脳会談の予定を聞かれ、「日程は確定はしておりませんが、開催の方向で調整をし続けております」と記者会見で答えています。

※内閣発足以来最低の支持率を更新した岸田総理、東アジアサミットで中国を名指し批判! 記者会見で「建設的かつ安定的な日中関係のため」だと述べ「日中首脳会談は開催の方向で調整中」だと主張!「バイデン大統領には防衛費の相当な増額に強い支持をいただいた」とご満悦!!(日刊IWJガイド、2022年11月15日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51540#idx-4

 さらに、外務省は「両首脳は、経済や国民交流の具体的分野で互恵的協力は可能であること」で一致し、「両首脳は、日中ハイレベル経済対話及び日中ハイレベル人的・文化交流対話の早期開催で一致した」と発表しています。

 また、台湾海峡問題や、人権問題、ウクライナ情勢、ロシアの核兵器使用への懸念、北朝鮮の核・ミサイル問題、気候変動、開発金融などについても話しあわれました。

 前述の会談後の記者会見で、岸田総理は「建設的かつ安定的な関係の構築に向け、引き続き首脳レベルを含め、あらゆるレベルで緊密に意思疎通を行っていくことで一致した」「建設的かつ安定的な日中関係を構築していくための対話を進めていくための良いスタートになった」と語っています。

 さらに会見で岸田総理は、記者から日中首脳の相互訪問について聞かれ「首脳レベルを含めあらゆるレベルで緊密に意思疎通を図ることでは一致しており、その中で中国側から招請されている林外務大臣の訪中については、今後、調整を進めていくことで中国側と一致した」と答えています。

 この日中首脳会談について、中国側もおおむね好意的に報じています。

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https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

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■<IWJ取材報告>「コロナ禍で文化庁の『継続支援事業』に申請したフリーは8万人! アンケートではインボイス導入で2割が『廃業を考える』と答えている!」~11.16「STOP! インボイス」漫画・アニメ・声優・演劇4団体の記者会見

 11月16日午後1時より、東京の千代田区立日比谷図書館文化スタジオプラスにて、「インボイス制度を考えるフリーランスの会(「STOP!インボイス」)」の主催で、漫画・アニメ・声優・演劇4団体による「STOP!インボイス」記者会見が行われました。

 会見は、エンターテインメント4団体(漫画・アニメ・声優・演劇)の合同名義で行われましたが、各業界団体が発足したのも、そして、業界を超えて、横の連携・連帯をするのも、エンタメ業界においては初めてであるとのことで、業界としての危機感の大きさがうかがわれました。

 登壇者は、「インボイス制度を考える演劇人の会」代表世話人で劇作家・演出家・俳優の丸尾聡氏、「インボイス制度について考えるフリー編集(者)と漫画家の会」代表で漫画家の由高れおん氏、「アニメ業界の未来を考える会」世話人の植田益朗氏、および大塚雅彦氏、そして、VOICTION(※)共同代表で声優の岡本麻弥氏らが登壇し、各団体が実施したアンケートをもとに、業界の現状とインボイス制度が及ぼす影響等について訴えました。

※インボイス制度を憂慮した3人の声優が立ち上げた団体
https://voicelessvoice803.wixsite.com/voiction

 登壇者それぞれの発言の詳細については、IWJの全編動画を御覧ください。

 ここでは、演劇業界の状況ついての丸尾聡氏の発言を紹介します。

丸尾氏「3年前ですね、安倍元首相の『イベント自粛』により、多くの公演が中止・延期となりました。また、当初は補正予算などで、文化・芸術に特化した助成というのはゼロだったんですね。ですから、そういう中で、多くの働きかけが必要でした。

 何とか継続の道を探ろうとしている舞台芸術に関して『不要不急』という声もたくさんいただきました。それは、僕らにとっては大変なショックだったわけなんですけれども、その後もコロナの波が来るたびに講演が突如中止せざるを得なくなったり、数ヶ月準備していたことが一瞬にして無になるということもたくさんありました。

 毎日中止になるんじゃないかと思いながら、稽古を毎日、毎日しているというストレスもまた大変なものだったと思います。そういった中止や延期による経済的損失というのは確かに大変なんですが、また、このコロナで劇場に足を運ぶお客さんが減ったと。

 そして、それはいまだに戻りきってはおりません。文化庁や経産省の助成というものをしていただいて、何とか息をついてきたというのが現状です。しかも、先の『第7波』では、短期間でこれまでで最大の影響があって、少なくとも8月から9月の途中までで、100以上の公演が中止延期となっているという現状があります。(中略)

 その中で、賃金も上がらない、ギャラも上がらない、物価高、そして業界の7割を直撃する『インボイス制度』がまた始まろうとしている、という状態です。

 まあ、これ(と言ってパワポを示す)、『仕事はどうなるんですか? 皆さん、どうなると思います? これ(インボイス制度)がされたら?』というアンケートですね。これに関しては、何と、『廃業せざるを得ない』、あるいは『廃業を考える』という方が2割。これはえらいことです。2割の方がそれを考えざるを得ない。

 その状況の中でインボイス制度が始まる、と。これね、ちなみに、令和2年に、文化庁がコロナ支援のために行った『継続支援事業』というのがあるんですけれども、これに申請したフリーランスが約8万人いると言われています。(中略)

 この国の文化は、それは、本当に憲法で国民に保障されている『文化的な生活を享受する』ということが守られるのか? そして、いったんなくなってしまったら、技術者ですからね。舞台関係の人たちって、俳優も含め、この技術が失われる。後進が失われる。特に、若い人がいなくなる。

 これで、『インボイス制度』がそこにさらに重くのしかかってくる。ということは、『インボイス制度』をやったら、人がやめちゃうということなんです。これは、このままだと、本当に、日本の文化・芸術の未来というのは、もう先細っていくということが明らかだと思います。

 そして、ちょっともう時間がないのであれですが、あと(『インボイス制度』についての)認知、つまり、これは演劇界の中でですね、ほとんど認知が広がっていないということがあります。もちろん、僕たちの勉強不足もあるでしょうが、やはりこの制度を実施するとなったとき、一体どうなるのかという説明が足りなかったということも事実ではないかなと思います。

 ちょっと、本当はまだまだ話したいこともあるんですが、時間なので、ここまでにします。インボイス制度には反対します!」

 政府は、「インボイス制度」の導入を巡り、2023年10月の導入時に、小規模事業者向けに、少額の取引であれば、仕入れ時にかかる消費税額の控除をインボイスがなくても受けられるように「猶予措置」を設け、中小零細企業の事務負担を軽くする方向で調整に入ったといわれています。あくまでも、「導入ありき」の姿勢です。

 『インボイス制度』の導入の前に、長引く不況とコロナ禍について、真剣に考え直す必要があります。特に丸尾氏の話の中で、今年の夏にピークとなった「第7波」の影響の苦労を語ったくだりがありましたが、「第8波」にもう突入しているということは、まだ認識が広まっていないようです。「コロナ禍は終わった」という話を一時期は多くの人々が口にしましたが、実際には終わってなどいません。

 さらに、円安とともにインフレが進み、その影響により、個人事業主を含む中小事業者は、すでに大きなダメージを受けています。そのような中で、政府はなぜ、今、『インボイス制度』の導入を強行しようとするのでしょうか?

 国税庁によれば、「取引の正確な消費税額と消費税率を把握すること」が『インボイス制度』導入の目的だとしていますが、これだけでは、明らかに説明不足です。

 ※インボイス制度の概要 – 国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm

 当たり前のことですが、日本の経済・文化を担っているのは大企業だけではありません。それは、多くの小規模事業者たちの提供する技術、労働によって支えられています。その小規模事業者たちを『廃業』に追い込むような制度を導入するにあたって、まずは、対象となる事業者の不安の声に耳を傾け、制度について丁寧に周知・説明することが必要ではないでしょうか。

 記者会見の詳細については、ぜひ全編動画を御覧ください。

※「コロナ禍で文化庁の『継続支援事業』に申請したフリーは8万人! アンケートではインボイス導入で2割が『廃業を考える』と答えている!」~11.16「STOP!インボイス」漫画・アニメ・声優・演劇4団体の記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/512333

■【スタッフ募集・動画班】岩上安身によるインタビューを撮影・編集したり、大臣会見やビデオカメラによる現場取材と中継、撮影した動画の編集を行うスタッフを募集します。PCによる動画の編集作業の基本ができる方、特にYouTubeの撮影・編集などの経験のある方を特に優遇し、最優先で募集します! 経験が少なくとも、意欲ある若い方、研修を受ければ習熟していけるとの自信や情熱がある方も歓迎です! 時給は1300円からのスタートです。IWJの動画・記事のコンテンツの視聴・購読経験が一定以上あり、共感できた方に限ります。

 動画班で、大臣会見やシンポジウムなどの中継・取材を行い、撮影した動画へのスーパー挿入やハイライトの作成等の動画編集を行うスタッフを募集します。

 PCによる動画の編集作業の経験がある方を特に優遇し、最優先で募集します。

 経験が少なくとも、意欲ある若い方、PC操作やカメラの撮影にも、研修を受ければ習熟していけるとの自信や情熱がある方も歓迎です。もちろん、必要な研修はIWJ内にて教えていきます!

 時給は経験・ノウハウのある方ならば1300円から、能力・実績次第で昇給します。超過勤務の残業手当や深夜業務による手当は法にのっとった割り増し残業代を支払います。

 雇用形態はアルバイトまたは契約社員で時給1300円からのスタートになります。能力と実績次第で昇給します。正社員登用の途もあります。定年退職(65歳)となれば勤務年数に応じ満額の退職金をお出しできるよう会社が積み立てています。

 他方、副業としての雇用や業務委託契約、外注も相談に応じます。残業代、深夜残業代もきっちりお支払いします。

 入社ご希望の方は、下記のURLのスタッフ募集フォームにご記入の上、履歴書、職務経歴書(書式自由)を添付の上、admin@iwj.co.jp までお送りください。

※スタッフ募集フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdiPIiSuiFyoVpF_HRNqdbKlIucA_Vdk6DEWqCq7mCQM6O1kw/viewform

■【スタッフ募集・事務班】中継スタッフやテキストスタッフと連携して、IWJの行動予定を組み立てる重要なセクションである事務班のスタッフを募集します。PC操作のスキルがあり、スケジュール調整のためにアポ取りのコミュニケーションスキルのある方、歓迎です! これまでの社会経験も生かせます! 時給は1200円からのスタートです。IWJの動画・記事のコンテンツの視聴・購読経験が一定以上あり、共感できた方に限ります。

 スケジューリングする事務班は、中継スタッフやテキストスタッフと連携して、IWJの行動予定を組み立てる重要なセクションです。PCの操作のスキルとスケジュールのためにアポ取りのためのコミュニケーションスキルは、最低限必要になります。時として動画班のように、カメラをもって取材現場に行く場合もあります。スタート時は時給1200円からで能力・実績に応じて昇給します。

 ご応募の資格は、第一に穏やかな性格で明るく協調性のある方。第二にトラブルなく対外的な交渉をできるコミュニケーション能力の高い方。第三にPCスキルがある方です。

 入社ご希望の方は、下記のURLのスタッフ募集フォームにご記入の上、履歴書、職務経歴書(書式自由)を添付の上、admin@iwj.co.jp までお送りください。

※スタッフ募集フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdiPIiSuiFyoVpF_HRNqdbKlIucA_Vdk6DEWqCq7mCQM6O1kw/viewform

 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20221119

IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、尾内達也、前田啓、中村尚貴)