日刊IWJガイド・非会員版「菅総理、会見で緊急事態宣言の対象地域拡大、期間の延長でワクチンと抗体カクテル療法、自宅療養者支援を強調! 岩上安身は会見に出席できず」2021.8.18号~No.3261号


┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━━
■はじめに~緊急事態宣言の対象地域拡大、期間の延長で菅総理はワクチンと抗体カクテル療法、自宅療養者支援を強調! しかし会見に同席した分科会の尾身会長は宿泊療養施設の増設と医療資源の集中を要望! 総理の方針から明白な乖離! 記者から「パラ中止」関連の質問は一切出ず! 岩上安身は会見に出席できず!

■【中継番組表】

■東京五輪大会組織委が公表! メディア3人が帰国後陽性に! パラ関係者の陽性は17日時点ですでに40人! 五輪・パラあわせて583人が感染、そのうち国内居住者は402人! 「五輪とコロナ感染拡大は無関係」という菅総理の主張は完全な事実誤認!

■<IWJ取材報告 1>立憲民主党・石橋通宏参議院議員が怒る!「『因果関係わかりません、責任もわかりません。でも、改善します』って、それで改善できるわけがない!」~8.13第28回 難民問題に関する議員懇談会 総会

■<IWJ取材報告 2>指宿昭一弁護士「ビデオの中に真実がある。ビデオを見れば入管に殺されたという事がわかる」~8.13名古屋入管ウィシュマさん死亡事件の真相究明のためのビデオ開示、再発防止徹底を求めるオンライン署名提出後記者会見

■タリバンのカブール占拠を受けた各国の反応は? 米国内ではアフガン撤退に批判噴出! 英国など米国の同盟諸国は「再びテロの温床にしてはならない」等々と息まく! 一方ロシアは17日に駐アフガン大使がタリバン側と会談予定! 中国は「タリバンに制圧されたアフガンと友好関係を発展」! 隣国イランは「アフガンとの良好な関係を望む」、同じくパキスタンは「アフガンの人々が隷属状態から解放された」とタリバンの勝利を歓迎! ハマスは「タリバンの勝利を祝福」! 米軍の撤退によって中国の「一帯一路」が完成に向かう!?

■<本日のタイムリー再配信>戦後日本の「国体」は、頂点に「星条旗」がある!? 本日午後8時から、2018年5月収録「『白金猿(はっきんさる)』出版記念シンポジウム 白井聡・金平茂紀・猿田佐世『ポスト安倍政権の対抗軸』」を再配信します! 白井聡氏と岩上安身は近日中にインタビューを行う予定です!
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■はじめに~緊急事態宣言の対象地域拡大、期間の延長で菅総理はワクチンと抗体カクテル療法、自宅療養者支援を強調! しかし会見に同席した分科会の尾身会長は宿泊療養施設の増設と医療資源の集中を要望! 総理の方針から明白な乖離! 記者から「パラ中止」関連の質問は一切出ず! 岩上安身は会見に出席できず!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 新型コロナウイルス感染拡大が深刻化する中、政府は昨日17日、緊急事態宣言の対象地域の拡大と期間の延長を決めました。

 現在、東京、大阪、神奈川、埼玉、千葉、沖縄の6都府県に8月31日まで緊急事態宣言出されています。

 また、北海道、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、静岡県、愛知県、石川県、滋賀県、京都府、兵庫県、福岡県、熊本県に、8月31日までまん延防止等重点措置が出されています。

 このうち、茨城、栃木、群馬、静岡、京都、兵庫、福岡の7府県は、8月20日から緊急事態宣言の対象地域となります。

 さらに、まん延防止等重点措置の対象地域に、20日から新たに宮城、山梨、富山、岐阜、三重、岡山、広島、香川、愛媛、鹿児島の10県が加わります。

 期間はいずれも9月12日までとなります。

 都道府県別の国内の人口あたりの新規感染者数を見ると、政府の定める「ステージ3」に達していないのは秋田県と徳島県のみ、「ステージ3」は青森、岩手、山形、福井、鳥取、島根、高知の7県のみで残りの38都道府県はすべて「ステージ4」です。このうち減少傾向にあるのは福井県と鳥取県の2県のみです。

※【都道府県別】人口あたりの新型コロナウイルス感染者数の推移(札幌医科大学)
https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/japan.html

 17日、東京都では再び4000人台となる4377人の新規感染者が発表されました。重症者は276人と、8日連続で最多を更新しています。

※新型コロナウイルスに関連した患者の発生について(第2354報)(東京都福祉保健局、2021年8月17日)
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/hodo/saishin/corona2354.html

 17日に厚生労働省が発表した17日午前0時までの集計によれば、国内の重症者は前日より43人増え、1646人で、5日連続で過去最多を更新しています。

※新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和3年8月17日版)(厚生労働省、2021年8月17日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20483.html

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◆中継番組表◆

**2021.8.18 Wed.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】15:00~「『共同テーブル』発足の記者会見ー内容:『共同テーブル』結成の理念と経過、ならびに今後の取り組みについて」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「『共同テーブル』事務局」主催の記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた野党共闘関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E9%87%8E%E5%85%9A%E5%85%B1%E9%97%98
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【タイムリー再配信 975・IWJ_YouTube Live】20:00~「安倍政権が2021年まで戦後最長不倒政権という記録を残す!? 民主主義国家ではありえない!~『白金猿(はっきんさる)』出版記念シンポジウム 白井聡・金平茂紀・猿田佐世『ポスト安倍政権の対抗軸』」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 2018年5月に収録した、「かもがわ出版」主催のシンポジウムを再配信します。これまでIWJが報じてきた白井聡氏関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e7%99%bd%e4%ba%95%e8%81%a1

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/421497

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◆中継番組表◆

**2021.8.19 Thu.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【タイムリー再配信 976・IWJ_YouTube Live】20:00~「『米軍とタリバンを仲裁できるのは日本だけ』――。集団的自衛権の行使で積み上げてきた信頼が崩壊する日」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 2014年5月に収録した、「許すな!憲法改悪・市民連絡会」主催の講演を再配信します。これまでIWJが報じてきた集団的自衛権関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e9%9b%86%e5%9b%a3%e7%9a%84%e8%87%aa%e8%a1%9b%e6%a8%a9

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/140427

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■東京五輪大会組織委が公表! メディア3人が帰国後陽性に! パラ関係者の陽性は17日時点ですでに40人! 五輪・パラあわせて583人が感染、そのうち国内居住者は402人! 「五輪とコロナ感染拡大は無関係」という菅総理の主張は完全な事実誤認!

 昨日のこの日刊IWJガイドでもお伝えしましたが、東京五輪大会組織委員会は16日、IPC(国際パラリンピック委員会)、東京都、国との4者協議で、すべての競技を無観客で行うとする一方、学校連携観戦については「自治体や学校設置者が希望する場合には実施できるようにする」との合意を発表しました。

※パラリンピック観客数等の方針について(TOKYO2020、2021年8月16日)
https://olympics.com/tokyo-2020/ja/paralympics/news/road-to-t2020

 世界ワースト3の感染国と並ぶほど、危険な感染地帯になっている東京に、五輪選手より感染リスクの高い人も含まれるパラ選手を世界中から集め、デルタ株の蔓延によって感染リスクの高まった10代や10歳未満の子どもたちに競技を観戦させるなど、正気の沙汰とは思えません。各国の選手や観戦する子どもたちが毒性の強いデルタ株に感染し、重症化したり、後遺症が残ったり、最悪の場合、死亡したりしたら、誰が責任を取るのでしょうか!?

※日曜日でも止まらない首都圏と沖縄県の感染爆発! 人口あたり直近1週間の新規感染者全国1位の沖縄県、2位の東京都は、世界最悪のマレーシア、英国、イランと同クラス!ワースト4位のイラク並み!(日刊IWJガイド、2021年8月16日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/49267#idx-3

 大会組織委の発表によると、8月12日以降のパラリンピック関係者で陽性が判明したのは、大会関係者5名、メディア3名、組織委職員4名、業務委託事業者28名で、6日間ですでに40人です。

※東京2020大会関係者の発症状況 パラリンピック(TOKYO2020、2021年8月17日)
https://gtimg.tokyo2020.org/image/upload/production/lbonuo7qxagdkj39yw9f.pdf

 一方、組織委は「帰国後14日以内に母国等で陽性となったケース」を発表しています。これは、東京五輪でコロナウイルスに感染し、母国に持ち帰ったケースにほぼ等しいと考えられます。

 組織委は、8月14日に3人のメディア関係者の陽性が報告され、15日に発表しています。国籍などは明らかにされていません。

※帰国後14日以内に母国等で陽性となったケース(TOKYO2020、2021年8月17日)
https://gtimg.tokyo2020.org/image/upload/production/yyrq6cdv2e5kb09ha7o9.pdf

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■<IWJ取材報告 1>立憲民主党・石橋通宏参議院議員が怒る!「『因果関係わかりません、責任もわかりません。でも、改善します』って、それで改善できるわけがない!」~8.13第28回 難民問題に関する議員懇談会 総会

 今年3月に名古屋入管収容中に亡くなられたウィシュマ・サンダマリさんの事件について、「第28回 難民問題に関する議員懇談会 総会」が、8月13日、参議院会館で行われました。

 この懇談会には、ウィシュマさんのご遺族で妹のワヨミさんが参加予定でしたが、8月12日に出入国在留管理庁が公開したウィシュマさんの監視カメラ映像の一部を見たことでショックを受けたワヨミさんは、体調不良を理由に欠席しました。

 その他の出席者は、立憲民主党・石川大我参議院議員、立憲民主党・石橋通宏参議院議員、立憲民主党・近藤昭一衆議院議員、代理人弁護士の指宿昭一弁護士、ウィシュマさんご遺族・ポールニマさんでした。

 「難民問題に関する議員懇談会」では、冒頭に出入国在留管理庁調査チームから提出された被収容者死亡事案に関する調査報告書にそって概要説明が行われ、その後質疑応答に移りました。

 冒頭の概要説明の際に、出入国在留管理庁の丸山氏は、死亡要因について「病死ではあるが、複数の要因が影響した可能性があり、具体的機序の特定は困難」とした上で、「私たちの2名の有識者から、『専門医からの見解は理解でき、死亡解剖からのみでは、死因を判断できない。死亡に影響した可能性のある要因はその他にも、強い代謝性アシドーシス等が考えられる』とのご見解が示されている。調査チームとしても、Aさんの死についても可能な限り調査を尽くしたところではありますが、現在報告した通りでございます」と述べました。

 その後、質疑応答では、石橋議員は「入管の対応が適切、適正に行われていれば、ウィシュマさんの命は救われていたという事でよろしいですか?」と問いただしました。

 丸山氏は石橋議員に対し、「私達の対応と今回の死の因果関係は必ずしも明らかではないところがあるので、石橋さんがおっしゃるような形で回答することは難しい」と返答しました。

 石橋衆議員は、丸山氏の返答に対し、「それで改善できるわけない」と、強い憤りを示しました。

 「ここが最大の問題、だから我々はずっと言っている。

 今回も結局入管の内部調査ですよ、あなたたちがやって資料集めてあなたたちがまとめたものを、第三者にみせて、どうですか? と言っているだけの話で、これは内部調査ですよ。

 それで誰も責任を取らないで、結局因果関係すら、わからないそんな馬鹿な、入管の対応に問題があったからウィシュマさんは命を落とされた。それは認めてくださいよ、それを認めないと先に進まない、それでどうやって改善するのですか、因果関係わかりません、責任もわかりません、でも、改善します、それで改善できるわけない」

 また、代理弁護士の指宿氏は、調査報告書にある『午前5時15分頃ウィシュマさんがベットからバランスを崩して落下したのに対し、ベットに移動させようと看守勤務者2名は上げることができず、対応可能な看守が増える午前8時前頃まで、ウィシュマさんに朝まで我慢して毛布を掛けて寝ていてほしい旨を告げ、床で寝かせていた対応を取った』との記載について、以下の質問をしました。

 「僕はビデオを見ていないが、ビデオを見た遺族から聞いた話だと、何か服をつかんで引っ張っただけで持ち上げようとはしてないってことじゃないですか。(中略)

 持ち上げられないわけないでしょ。かなり体格のいい女性の職員と聞きました。あと、車いすとかに乗せたりしているのに、どうして女性二人で、ベッドに上げられないのですか?」

 しかし、丸山氏は「私共としては、ビデオの内容を踏まえて2月26日のご指摘の際の事実記載をしている」と返答したのみであった。

 この空虚な返答に対し、指宿氏は、

 「だから、あなたたちが見ただけじゃ、わからないんだよ。見せなさいよ、遺族が見て違うって言ってるんだよ。せめて代理人には見せろよ、国会議員にも見せろよ。

 データでください!!

 あなたたちの見方が間違っているという事はみんなに見てもらえばわかるんだよ、おかしいよ!!」

 と、声を荒げて反論しました。

 ウィシュマさんの死亡事件について、出入国管理局の身内によるお手盛り調査だけで十分に調査を尽くしたと言えるでしょうか。調査過程も透明性が十分確保されているとは言えません。日本では2007年からだけでも17人の方が入管収容中に亡くなられています。いつまで経っても改善されない入管のどこに問題があるのかを明らかにし、「改善」を進めるためには、第3者であるNGOや難民問題・人権問題を扱う団体が主体となった調査が必要です。

 日本政府は、日本は欧米諸国とともに、自由、平等、基本的人権の尊重、民主主義といった普遍的な価値を共有していると主張しています。しかし、助けを求め難民申請をしている人間を強制的に監禁し、虐待して死に至らしめるようなことをしていては、「普遍的な価値を共有している」などとは到底いえません。

 詳しくはぜひ、下記の全編動画を御覧ください。

※立憲民主党・石橋通宏参議院議員が怒る!「『因果関係わかりません、責任もわかりません。でも、改善します』って、それで改善できるわけがない!」~8.13第28回 難民問題に関する議員懇談会 総会
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/495260

■<IWJ取材報告 2>指宿昭一弁護士「ビデオの中に真実がある。ビデオを見れば入管に殺されたという事がわかる」~8.13名古屋入管ウィシュマさん死亡事件の真相究明のためのビデオ開示、再発防止徹底を求めるオンライン署名提出後記者会見

 8月13日、東京・参議院会館で、名古屋入管ウィシュマさん死亡事件の真相究明のためのビデオ開示、再発防止徹底を求めるオンライン署名提出後記者会見が行われました。

 2021年3月に名古屋入管収容中に亡くなられたウィシュマ・サンダマリさんの事件について、同日に行われた第28回 難民問題に関する議員懇談会 総会の最後に、7月9日から8月12日までオンラインで集められた5万88人分の署名を、丸山秀治出入国管理部長に手渡しました。

※立憲民主党・石橋通宏参議院議員が怒る!「『因果関係わかりません、責任もわかりません。でも、改善します』って、それで改善できるわけがない!」~8.13第28回 難民問題に関する議員懇談会 総会 2021.8.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/495260

 冒頭、ウィシュマさん死亡事件の真相究明を求める学生・市民の会の支援団体「BOND」の鎌田氏から今回の再発防止徹底を求めるオンライン署名提出後記者会見についての概要と、今後の動きについて説明がありました。

 鎌田氏は、「今回、5万88人の署名を第一弾として提出させていただきましたが、改めて、署名活動も継続しますし、真相究明、再発防止の徹底をもとめて、取り組みを継続したいと思っております」と強く訴えました。

 その後、ウィシュマさんのご遺族で妹のポールニマさんに対して、代理人弁護士の指宿昭一氏から質問する形で、リレートークが行われました。

 指宿弁護士は「(遺族に入管の映像が一部公開された)12日に、法務省から出た後に、『この映像はすべての外国人に見てほしい』と言っていましたが、なぜですか?」と質問しました。

 これに対してポールニマさんは次のように答えました(通訳による日本語訳)。

 「昨日は外国人みんなに見せるべきとは言いましたが、すべての日本人の方にも見てほしいです。

 昨日の映像の中のお姉さんは、どこのシーンでも、弱っていて上半身しか動いておらず、ちゃんと歩いていたところも見られなかったです。

 映像を見れば、お姉さんは入管ではなく、入院をしなければなかったという事がわかるからです」。

 その後、指宿弁護士は、以下のように呼びかけました。

 「ビデオの中に真実があるんですよ。報告書を読んだだけでは分からない。ビデオを見ればウィシュマさんは入管に殺されたという事がわかると思います。だから入管は、これを出したくないんです。

 入管は『保安上の理由』と言ってますけど、私なりに翻訳しますと、『見せてしまうと入管に対する批判が高まって、入管の言う事を誰も聞かなくなる』という、保安上の理由ではないかと思います。(中略)

 そして、昨日遺族に見せた理由は、『法務大臣が人道上の配慮から特別に指示したから見せたんだ。だから弁護士の立ち合いは認められないんだ』と、非常によくわからないことを言っています。

 これも私なりに翻訳すると『本来、見せる必要はないけどお情けで見せてやるんだ。四の五の言うな。弁護士まで立ち合わせろ? 冗談じゃない』だと思います。

 でも、本来は遺族にも見せたくなかった。なぜ見せたかというと、あまりにもやり方がひどいという事が分かってしまった。そして市民から、強い抗議があった。約5万人も署名が集まっている。そういう中で、ほんの一部だけ、遺族だけですけど、見せざるをえなくなったんです。

 さらに強い市民の声が上がれば、ビデオは開示せざるをえなくなるはずです。今日第一次提出です。引き続きみなさんの声を、署名や、いろんな行動を通じて、ぜひ入管にぶつけていきましょう」。

 IWJ記者は「最終報告書では、入管がウィシュマさんに強要した処遇と死因との関係を認めていない。この結論をどう考えますか?」と質問しました。

 これに対してポールニマさんは「入管職員の対応、発言によって、(ウィシュマさんが)精神的に落ちこむこともあるだろうし、ある意味これは、いじめととらえられる。お姉さんは、病気であったのにも関わらず、(入管が)適切な対応をしなかったことは、死に(対して)直接原因がなかったとは言えない」と答えました。

 さらにIWJ記者は「2時間の映像を途中まで見て、入管に今後どんな改善を求めますか? その上で、今後アクション等を起こす予定はありますか?」と質問しました。

 これに対してポールニマさんは、次のように答えました。

 「ビデオは編集されたものしか見れていないので、全部見せてほしいし、データとして渡してほしい。全ての人に開示してほしい。スリランカにいるお母さんにも見せなければいけない。

 あと、次にビデオを見るときには、絶対に弁護士の先生と一緒に見ないといけない。

 これからも(ビデオの)開示を求めて最後まで闘っていきたいし、入管も、医療体制(に問題があったこと)は認めているが、(管理)システムが問題になってお姉さんが亡くなったとは認めようとしないので、その分も認めて欲しいので、ちゃんと最後まで入管に開示を求めて、(弁護士の)先生とも話して闘っていきたい」。

 詳しくはぜひ、下記の全編動画を御覧ください。

※指宿昭一弁護士「ビデオの中に真実がある。ビデオを見れば入管に殺されたという事がわかる」~8.13名古屋入管ウィシュマさん死亡事件の真相究明のためのビデオ開示、再発防止徹底を求めるオンライン署名提出後記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/495279

 入館内施設内における外国人の処遇も、基本的人権の尊重という憲法の上に立脚しなければいけません。

 しかし、自民党には憲法を改憲し、国民主権、平和主義とともに、基本的人権をなくそうと、公の集会場で主張する国会議員がいて、それが法務大臣をつとめていたりします。

 しかし、その場に安倍前総理らもいて、発言に拍手喝采を送っています。こうした極右グループに自民党は、丸ごと乗っとられ、ひいては国ごと乗っとられている状況をも、視野におさめる必要があります。

 国の支配層が、こうした考えである限り、官僚機構の末端である入管職員が、入管に収容された外国人に対し、その人格を尊重せず、それどころかサディスティックに踏みにじり、暴力を振るう事件は永遠に解決できません。ぜひ以下の記事もあわせて御覧ください。

※【岩上安身のニュースのトリセツ】「国民の生活が大事なんて政治は間違っている!」と稲田朋美氏が!? 「国民主権、基本的人権、平和主義をなくせ!」と長勢甚遠氏が!? 自民党の改憲勢力の恐るべき本音が明らかに!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/312953

■タリバンのカブール占拠を受けた各国の反応は? 米国内ではアフガン撤退に批判噴出! 英国など米国の同盟諸国は「再びテロの温床にしてはならない」等々と息まく! 一方ロシアは17日に駐アフガン大使がタリバン側と会談予定! 中国は「タリバンに制圧されたアフガンと友好関係を発展」! 隣国イランは「アフガンとの良好な関係を望む」、同じくパキスタンは「アフガンの人々が隷属状態から解放された」とタリバンの勝利を歓迎! ハマスは「タリバンの勝利を祝福」! 米軍の撤退によって中国の「一帯一路」が完成に向かう!?

 タリバンのカブール占拠を受けて、各国がさまざまな反応を示し始めています。

 まず米国内では、バイデン政権のアフガン撤退政策に対する批判が噴出していることが報じられています。

 日本貿易振興機構(JETRO)ニューヨーク事務所・調査担当ディレクターの磯部真一氏は、「ドナルド・トランプ前大統領は今回の事態を受けて、バイデン大統領は辞任すべきだとの声明を出した」という政敵の批判の声を伝えました。

 批判の声は、トランプ陣営だけにとどまりません。民主党内部からも批判の声が出ていることも磯部氏は明らかにしています。

 「アフガニスタンに従軍経験のあるカイアリ・カヘレ下院議員(ハワイ州・民主党)は『前政権と現政権による判断は米国を悲惨な状況に追いやった』との声明を出した」「『ニューヨーク・タイムズ』紙のデビッド・サンジャー氏によると、バイデン大統領に近しい人物でも、撤退の実行の際に大統領が一連の失敗を犯したことを認めている」等と、民主党サイドも含む批判の声を伝えています。

※バイデン米政権のアフガニスタン撤退に批判が噴出、大統領は撤退判断を堅持(JETRO、2021年08月17日)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/08/09cd00228d8e7698.html

 BBCは、アフガニスタン駐留米軍の司令官だったデイヴィッド・ペトレウス退役将軍の「決定をそっくり覆すべきだ。(撤収の)決定を後悔することになると心配したし、すでに後悔している。深刻な間違いをしてしまったとアメリカや同盟各国が認めない限り、良い結末はありえない」という批判の声を伝えました。

 一方でBBCは、「米国の世論は、米軍のアフガン撤退を支持してきた」と前置きしたうえで、民主党のオバマ政権の国家安全保障会議(NSC)の一員だった元外交官のブレット・ブルーエン氏の「実際に、タリバンが市内を車で走り回る映像や、米軍がサイゴン的に逃げる様子を目にすると、なかなかにわかには受け入れがたい状況だ」という発言も取り上げ、米国内の世論が変化する可能性をも示唆しました。

※バイデン米政権のアフガン政策に批判高まる 米世論は変わるのか(BBC、2021年8月16日)
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-58227157

 米軍とともにアフガニスタン国内で、タリバンと戦ってきた米国の同盟諸国の反応は、どうでしょうか。

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■<本日のタイムリー再配信>戦後日本の「国体」は、頂点に「星条旗」がある!? 本日午後8時から、2018年5月収録「『白金猿(はっきんさる)』出版記念シンポジウム 白井聡・金平茂紀・猿田佐世『ポスト安倍政権の対抗軸』」を再配信します! 白井聡氏と岩上安身は近日中にインタビューを行う予定です!

 本日は午後8時から、2018年5月17日収録「安倍政権が2021年まで戦後最長不倒政権という記録を残す!? 民主主義国家ではありえない!~『白金猿(はっきんさる)』出版記念シンポジウム 白井聡・金平茂紀・猿田佐世『ポスト安倍政権の対抗軸』」を再配信します。

 『白金猿(はっきんさる)ポスト安倍政権の対抗軸』は、本書収録の鼎談を行った3名、京都精華大学専任講師・白井聡氏、TBS『報道特集』キャスター・金平茂紀氏、新外交イニシアティブ(ND)事務局長・猿田佐世氏のお三方のお名前の頭文字から命名されました。

※白金猿(かもがわ出版)
https://amzn.to/3slr7IJ

 この『白金猿』の出版を記念して開催されたシンポジウムは、森友文書改竄、米朝会談、改憲問題などに揺れた2018年当時、著書に収録されている3回の鼎談に次ぐ「白金猿鼎談」として計画されました。

 金平茂紀氏は「国会論戦から見た安倍政権の特質」を、猿田佐世氏は「米朝対談など外交から見た安倍政権」を、白井聡氏は「明治150年と近代国家形成の歴史と現在」をそれぞれ問題提起し、「国家のあり方と国民の意識改革を問う」とのテーマで鼎談を行いました。

※『白金猿(はっきんさる)』出版記念シンポジウム ポスト安倍政権の対抗軸(新外交イニシアティブ)
https://www.nd-initiative.org/event/5155/

 シンポジウムで、猿田氏から「今の日本を縛っているもの」について問われた白井氏は、自著『国体論 菊と星条旗』の内容を踏まえ、解説します。

※国体論 菊と星条旗(集英社新書)
https://amzn.to/2UmNdhh

 白井氏は「戦前の日本、大日本帝国におきましては『国体』という観念が極めて強力なものとして流通していて、それが戦前の社会の限界でもあったと総括されている」と述べ、さらに次のように続けます。

 「そこそこ民主主義的になった時代もあったけど、結局、最終的には『国体』観念がものすごく全国民に対して強要されるようになって、無謀な戦争に突き進んでいく。で、敗戦をする。

 そこで、いわゆる民主化改革がなされるわけですけれども、それが解体したものが『国体』だったはずなんです。だから戦後、『国体』という言葉は死語になったわけですけど、本当に国体は死んだのか。

 あるいは『国体≒天皇制』と考えられてきたわけですけど、悪しきものとしての天皇制、日本の社会を呪縛する天皇制はずっと生き続けているのではないか、ということが戦後の様々な局面で言われてきたわけです。

 天皇が生きているようで生きていない、生きていないようで生きている。このへんな、どっちつかずのよくわからん状態というのを解く鍵が、僕は『アメリカという存在を考える』ということだと思うんですね。

 (著書『国体論』の)サブタイトルは『菊と星条旗』と銘打っているわけなんですけれども、『戦前の国体』におきましては、皇室のシンボル…菊ですね。これがいわば国体というその構造の頂点を占めるものだった。

 これに対して『戦後の国体』というのは、いわば星条旗がその頂点を占めるもののシンボルだというふうに私は考えるに至りました。

 何でそんな事を言えるのかというと、まあ安倍晋三さんの振る舞いを見てみればですね、あるいは安倍晋三さんの同志たちの振る舞いを見てみれば分かるわけです。あれだけ、涙ぐましくあのドランプさんを追っかけてバンカーで転んだりしてるとか。

 その一方で、今上天皇が退位したいということに対して、日本会議のメンバーが何どういうこと言ったかっていうと『祈ってるだけでいいんだ』とか。『自分で公務を増やしておいて、その増えた公務を捌けない、体力的に捌けないからもうやめたいとかいうのはいかがなものか』というような攻撃をやっている。

 安倍さんやその周辺の振る舞いというの見てるとつくづく思うんですけど、『この人たちはもう、天皇という存在に聖人的権威というのを認めてないんだな』ということが、言動の端々に現われている。首相とかのレベルで、そういうことが起きている。

 もっと草の根の方を見ていきますと、どういうことが起きているかって言うと、沖縄なんか端的に現われるんですけど、当然、反基地運動がある。で、その『反基地運動』に対するアンチとして『反反基地運動』みたいな右翼運動があるわけですね。

 『オスプレイ反対』というのに対して『いやオスプレイは素晴らしいんだ、僕らを守ってるんだ』『オスプレイに反対するなんて非国民だ』とやっている人たちがいるわけですけれど、この人たちはデモの場において日の丸と一緒に星条旗を持ってくるんですよね。

 愛国を気取っている人たちが星条旗を振りまわしてると。まあでも『親米保守』ですからね、この国の戦後保守のメインストリームは『親米』ですから。

 保守なのに親米という奇妙な人たち、この人たちにとっては星条旗が、日の丸と並んで、あるいは日の丸以上に、この人たちにとっては国旗なんだろうなという気がいたします」

 詳しくは、午後8時からの再配信をご視聴ください。

 仮に、その日の都合で見れなくても、会員になっていただければ、一般会員なら2ヶ月以内、見逃し配信を自由な時間に見れますし、サポート会員ならば、いつまでも、いつでも好きな時にコンテンツを無期限で視聴できます!

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【タイムリー再配信 975・IWJ_YouTube Live】20:00~
安倍政権が2021年まで戦後最長不倒政権という記録を残す!? 民主主義国家ではありえない!~『白金猿(はっきんさる)』出版記念シンポジウム 白井聡・金平茂紀・猿田佐世「ポスト安倍政権の対抗軸」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

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※安倍政権が2021年まで戦後最長不倒政権という記録を残す!? 民主主義国家ではありえない!~『白金猿(はっきんさる)』出版記念シンポジウム 白井聡・金平茂紀・猿田佐世「ポスト安倍政権の対抗軸」 2018.5.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/448795

 なお『白金猿』は第2弾、『白金猿II コロナ禍で可視化されたこの国の深層』が8月に発売されたばかりです。「日本は先進国なのか!?」を問い、「安部・菅政権のおぞましさ、コロナ禍と米中対決時代の進路を問う」をテーマに、権力の横暴に抗う3人の本音トークが繰り広げられます。

 近日中に予定している岩上安身による白井氏インタビューでは、『白金猿II』の内容についてもご紹介し、お話をうかがう予定です。インタビューの日程は、決まり次第、日刊IWJガイドでお知らせ致します。

※白金猿II コロナ禍で可視化されたこの国の深層(かもがわ出版)
https://amzn.to/37PxVow

 それでは、本日も1日よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20210818

IWJ編集部(岩上安身、仲川正紀、田上壮彌、城石裕幸、富樫航、木原匡康、中村尚貴)

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