日刊IWJガイド・非会員版「帰省シーズン到来、エアロゾル感染対策が不十分なままデルタ株が日本全国に拡散してしまう危機!」2021.8.13号~No.3256号


┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━━
■はじめに~帰省シーズン到来、エアロゾル感染対策が不十分なままデルタ株が日本全国に拡散してしまう危機! 既に「帰省クラスター」が発生している岐阜県にIWJが電話取材!
■【中継番組表】
■お盆休み突入直前の12日東京都の新型コロナ、重症者は3日連続過去最多を更新し218人に!新規感染者は過去2番目の多さとなる4989人! 消防庁は救急搬送の受け入れ困難の急増を発表! 都内では既往症のない30代の自宅療養者が死亡していたことも明らかに! 都のモニタリング会議は「制御不能・災害レベルの非常事態」「医療提供体制は深刻な機能不全」と表明! 小池都知事の無責任発言と無能なリーダーシップが都内の犠牲者をさらに増やす!
■<体験ドキュメント「誰の身にも起こる陽性判定からの悪夢」シリーズ2>50代男性Cさんが新型コロナに感染! 発熱から6日で生死の境をさまようも生還! しかし、血液をサラサラにする薬を以前から服用していたのに、コロナ感染から3ヶ月後に血栓症となり、脳梗塞に倒れ、右半身麻痺に! 夫人いわく「コロナは確実に血栓を作りやすくすると思っています」!
■<IWJ取材報告>「米中対立はすでに『戦争の危険水域』」~8.11日本外国特派員協会主催 柳澤協二氏(元内閣官房副長官補)、半田滋氏(防衛ジャーナリスト)、猿田佐世氏(新外交イニシアティブ代表)記者会見―内容:台湾有事は起こるのか?
■五輪女子ボクシング金メダリストの入江聖奈選手に張本勲氏が「嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合って」と、女性と格闘競技の両方に対する差別発言! 日本ボクシング連盟は遺憾を表明! 入江選手の出身地の鳥取県平井知事は「看過できない」と批判!
■<本日のタイムリー再配信>本日午後8時より2016年10月収録「歌劇、講談、浪花節・・・そして『萌えミリ』から『シン・ゴジラ』まで!? 日本軍が注目した『たのしいプロパガンダ』、その実態とは? 岩上安身によるインタビュー 第681回ゲスト 近現代史研究者 辻田真佐憲氏(前編)」を再配信します!
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■はじめに〜帰省シーズン到来、エアロゾル感染対策が不十分なままデルタ株が日本全国に拡散してしまう危機! 既に「帰省クラスター」が発生している岐阜県にIWJが電話取材!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 コロナ第5波の大波は静まらないまま、お盆休みが始まり、帰省シーズンとなりました。しかも、政府はお盆休みに差し掛かるこのタイミングで政策転換して、急激に自宅療養者を増やしてしまいました。

※田村・厚労大臣、8月3日の会見で、コロナ感染の入院制限について言明!「在宅ということも含めて対応せざるを得ない」と従来の政府方針を転換!~8.3田村憲久 厚生労働大臣 定例会見 2021.8.3
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/495072

 デルタ株は、従来株の新型コロナウイルスよりはるかに強力です。従来株とは違い、体力、免疫力、抵抗力のある、若い人も感染します。しかも、感染しても、菅総理が8月2日に打ち出した政府方針の転換によって、症状があっても重くない限り入院が制限されて、自宅で放置されるケースが激増しています。

 デルタ株の急速な蔓延によって、1年前はおろか、わずか1ヶ月前とも、まったく違った状況になってしまいました。

 「コロナに感染しても(特に東京では)入院治療を受けられない」というメッセージは報道やSNSを通じて急速に広まり、このタイミングで、感染前、あるいは軽症のうちに東京を離れ、田舎の実家に帰ろうとする意識も高まっています。危機感を感じて、東京を避難しようとする人達が、一定数、存在します。

 他方、繁華街における人流を見ても明らかなように、外出しない、レジャーを楽しめない「自粛疲れ」の広がりも明らかです。

 新宿などでは、駅ビルやデパートでもクラスターが発生していますが、開店している店も多く、以前のように非常事態宣言下でも人流が極端に減っているわけではありません。

 10代、20代の若い人から家族連れを含めた40代くらいまで、夏休み・お盆休みとなれば、旅行やレジャー、里帰りに出かける意欲がわいても不思議ではありません。

 特に遠方から上京している人ほど、近郊の県から来ている人と違って、簡単に帰れないので、お盆や正月といった休暇シーズンは貴重です。

 このお盆休みを東京に残って過ごすにせよ、新幹線や飛行機を使って帰省や旅行に行くにせよ、動きたくてウズウズしている人々も少なくない、と思われます。

 週末の昨日、帰省する人たちが増え始める日が始まりました。東海道新幹線のこの夏の予約数は、前年の1.6倍になっているとのことです。コロナ禍前の一昨年と比べれば、3割以下の数字ではありますが、去年の数字よりは大幅に増えており、人流の歯止めが効かなくなってきていることは否めません。

 他方、飛行機の予約状況ですが、8月6日から8月15日の予約状況を、一昨年(コロナ禍前)と比べると、半分以下ではありますが、去年の同時期と比べて全日空は31%、日本航空は14%増加しています。人々の移動は確実に増加に転じています。

 ワクチンの接種が完了した人の中には、もう自分は大丈夫、感染することも、人に感染させることもない、と錯覚している人も珍しくありません。これらは前者の悲観的なタイプではなく、楽観的なタイプといえるでしょう。

 危機感を感じている悲観派と、楽観派と、この2種類の人流の「波」が同じお盆休みのピークに重なるのは、非常に危険です。

 緊急事態宣言が発令されている地域が限定的なこともあり、宣言下にない地域へ移動しようとする意識が働きやすい状況にもあります。

 広範囲への保障を渋る政府・与党は、2度目の緊急事態宣言以降、宣言の発令を渋る傾向にあり、今も宣言下にあるのは6都府県のみで、まん延防止等重点措置も13府県、残る28県は「安全」かのように誤解されかねません。

※新型コロナウイルス感染症 緊急事態宣言・まん延防止等重点措置(内閣官房)
https://corona.go.jp/emergency/

 今回のデルタ株の感染力はとても強く、従来株のように「手洗いや3密回避を行っていればなんとかなる」と思うのは間違いです。

 8月5日付けの日刊IWJガイドでもお伝えしましたが、最新の知見では、デルタ株はオリジナル株に比べてはるかに早く複製するため、潜伏期間は3.7日とオリジナル株の平均5.6日より短く、デルタ株に感染した人ひとりが体内に有しているウイルス量は、オリジナル株に感染した人が有しているウイルス量の最大1260倍にもなるとのことです。

※最新の研究報告!デルタ株の感染の強さの理由がみえてきた!デルタ株感染者が体内に有しているウイルス量はオリジナル株感染者の1260倍! デルタ株の潜伏期間は3.7日(オリジナル株は平均5.6日)! ワクチンの感染予防と発症抑制効果は約半年で84%が無効に!(日刊IWJガイド、2021年8月5日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/49210#idx-6

 デルタ株のウイルス量の多さは、感染者が排出するウイルス量につながり、エアロゾル感染(空気感染)の危険性に直結します。

 飛行機や新幹線など長距離移動の乗り物は、機密性が高く、移動に利用すればエアロゾル感染の危険性がとても高いものになります。もちろん鉄道・航空各社は、乗客数を減らしたり、換気を行うなどの対策を行っていますが、機内や車内にデルタ株感染者が1人いれば、従来株感染者が1000人いるようなものなのです。

※スパコン富岳で電車/タクシー/航空機内などでのコロナ感染リスクを検証(2020年11月27日)
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1291628.html

※コロナ禍の新幹線 乗客ができる対策は 感染拡大防止へ 新幹線をどう利用すべきか(乗り物ニュース、2020年6月5日)
https://trafficnews.jp/post/96918

 なお、すでに「帰省を伴うクラスター」が発生していることは西村康稔新型コロナ対策担当大臣も認めており、8月10日の会見で、以下のように、帰省を控えるよう呼び掛けています。

 西村大臣「多くの地域でまさに、これまで経験したことのない、極めて高い水準の、桁違いの感染が、高い水準が、継続をしているということであります。これにともなって、これまで抑えられてきました全国の重症者数、これも、7月中旬で380人程度でしたけども、8月9日で1230人と3倍以上、急激に増えてきております。40代・50代の方を中心にですね、急激に増えてきております。

 このデルタ株、(中略)非常に強い感染力で感染が広がっています。感染経路不明が6割ある。どこで感染したかわからない。オーストラリアで、すれ違いざまにウイルスを暴露されて、感染したのではないか、ということも一時報道されましたけれども、それに近いことを指摘をされる都内の保健所長さんもおられます。
 
 やはり、喚起をよくしないと、ウイルス量が非常に多いということであります。これだけの重症者が出てきますと、まさに適切なタイミングで、適切な医療を受けれない、救える命を救えない、まさに専門家にそう指摘される厳しい状況になりかねない。色んな可能性が指摘されていますが、いずれにしましても、とにかく混雑する場所は、もう感染のリスクが非常に高いということでありますので、是非、このことをご理解頂きたいと思います。

 デルタ株は感染力が非常に強い。混雑している場所は感染するリスクがあるということであります」
 
 西村大臣は、このようにデルタ株の驚異について注意喚起した後、会見の前日の8月9日(月)に行った6都府県の知事とのテレビ会議の内容について触れ、西村大臣から提案し、連携して取り組むことを確認した点として、「繰り返し申し上げているが」と前置きしつつ、「帰省等は極力控え、やむを得ず帰省する場合も検査を受けて頂くことを強く発信していくこと」と述べました。

 さらに「(前略)感染の数を減らさなくてはいけないので、(中略)なんとかこのお盆の時期をとらえて、人との接触を減らせれば、ということで取り組み進めたいと思っております」と発言しています。

※「田村大臣は『中等症は原則入院』と明言したが、菅総理は入院制限発言の撤回を明確にはせず、閣内不一致状態」とのIWJ記者の質問に、西村大臣はどちらが正しいのかまったく答えず!~8.10西村康稔 新型コロナ対策担当大臣記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/495195

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◆中継番組表◆

**2021.8.13 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ_YouTube Live】14:00~「東京都医師会緊急会見 ー内容:新型コロナウイルス感染症拡大防止対策等(感染者の急増を受けて)」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 「東京都医師会」主催の緊急記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた東京都医師会関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e9%83%bd%e5%8c%bb%e5%b8%ab%e4%bc%9a
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【IWJ・Ch6】15:00~「名古屋入管ウィシュマさん死亡事件の真相究明のためのビデオ開示、再発防止徹底を求めるオンライン署名提出後記者会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch6

 「ウィシュマさん死亡事件の真相究明を求める学生・市民の会メンバー」ほかによる記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた入管法関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%85%a5%e7%ae%a1%e6%b3%95
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【タイムリー再配信 969・IWJ_YouTube Live】20:00~「歌劇、講談、浪花節・・・そして『萌えミリ』から『シン・ゴジラ』まで!? 日本軍が注目した『たのしいプロパガンダ』、その実態とは? 岩上安身によるインタビュー 第681回ゲスト 近現代史研究者 辻田真佐憲氏(前編)」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 2016年10月に収録した、岩上安身による辻田真佐憲氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきたプロパガンダ関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/propaganda

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/341950

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◆中継番組表◆

**2021.8.14 Sat.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【タイムリー再配信 970・IWJ_YouTube Live】20:00~「『撤退』は『転進』に、『全滅』は『玉砕』に――嘘とデタラメと捏造の限りを尽くした『大本営発表』、その知られざる実態とは? 岩上安身が近現代史研究者の辻田真佐憲氏に訊く!~岩上安身によるインタビュー 第690回 ゲスト 辻田真佐憲氏(後編)」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 2016年11月に収録した、岩上安身による辻田真佐憲氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた太平洋戦争関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/fellow/archives/tag/%e5%a4%aa%e5%b9%b3%e6%b4%8b%e6%88%a6%e4%ba%89

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/347519

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

「米中対立はすでに『戦争の危険水域』」~8.11日本外国特派員協会主催 柳澤協二氏(元内閣官房副長官補)、半田滋氏(防衛ジャーナリスト)、猿田佐世氏(新外交イニシアティブ代表)記者会見―内容:台湾有事は起こるのか?
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/495235

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■お盆休み突入直前の12日東京都の新型コロナ、重症者は3日連続過去最多を更新し218人に!新規感染者は過去2番目の多さとなる4989人! 消防庁は救急搬送の受け入れ困難の急増を発表! 都内では既往症のない30代の自宅療養者が死亡していたことも明らかに! 都のモニタリング会議は「制御不能・災害レベルの非常事態」「医療提供体制は深刻な機能不全」と表明! 小池都知事の無責任発言と無能なリーダーシップが都内の犠牲者をさらに増やす!

 東京都は12日、新型コロナによる都内の重症者は、3日連続で過去最多を更新し、218人となったことを明らかにしました。前日の197人から1日で21人も増えたことになります。

 また、新たな感染者は4989人と発表しました。5日の5042人に次ぐ、過去2番目の多さです。

※新型コロナウイルスに関連した患者の発生について(第2340報)(東京都福祉保健局、2021年8月12日)
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/hodo/saishin/corona2340.html

 また、死者が6人確認されたことも発表されました。

※新型コロナウイルスに関連した患者の死亡について(第2341報)(東京都福祉保健局、2021年8月12日)
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/hodo/saishin/corona2341.html

 感染爆発に伴い、東京の「医療崩壊」は深刻さを増しています。

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■<体験ドキュメント「誰の身にも起こる陽性判定からの悪夢」シリーズ2>50代男性Cさんが新型コロナに感染! 発熱から6日で生死の境をさまようも生還! しかし、血液をサラサラにする薬を以前から服用していたのに、コロナ感染から3ヶ月後に血栓症となり、脳梗塞に倒れ、右半身麻痺に! 夫人いわく「コロナは確実に血栓を作りやすくすると思っています」!

 50代半ばで、日頃はバリバリと元気に働いているCさんが、新型コロナウイルスに感染したのは、今年1月のことでした。

 1月12日に発熱、13日にかかりつけ医院へいき、すぐにコロナ検査を受けるよう指示されました。14日に保健所で検査を受け、16日に陽性が判明しました。

 PCR検査を待たされる人が多い中、Cさんはここまでは比較的スムーズに自分が感染していることを知るまでに至りました。

 しかしその陽性判定が出た時には発熱もおさまっており、特に症状はなかったそうです。

 ところが一転して17日に、激烈な悪寒が走るようになりました。あいにく日曜日で入院できず、翌18日月曜日に、Cさんは自分で運転して病院まで行き、やっと入院することができました。

 入院したときにはすでに「右の肺の3分の1に肺炎を発症、高脂血症の検査結果が未曽有の数字、血糖値は600間近」という状態でした。コロナにおける症状の変化は、急変というより、激変というべきほどの激しく急な悪化が特徴です。

 Cさんは感染時54歳、肺梗塞と糖尿病の持病をもつ「ハイリスク」患者でした。もちろん、持病の自覚はあり、薬は服用していました。

 「激烈な悪寒」に震えながら入院したときには、すでに、パルスオキシメーターで計測する血中酸素飽和濃度も下がっており、生きるか死ぬかは「五分五分」と医師に宣告されました。

 12日に発熱して、保健所へ行き陽性と判定され、入院するまでわずか1週間。その間に一時は平熱に戻ったのに急変して、生か死か「五分五分」と言われるまであっという間のことでした。

 コロナに感染したCさんは災難だったに違いありませんが、それでもあえて「不幸中の幸い」と呼べる要素をあげるとすると、現在ではなく7ヶ月前であったことです。

 急変して悪寒に襲われて、入院となった時も、呼吸困難で、人工呼吸器を必要とするレベルではありませんでした。今年の1月の段階では、Cさんのように、「中等症」よりも軽いレベルの患者でも、病院で検査や診察も受けられたし、その結果、生きるか死ぬか五分五分と診断されて、入院できたのです。

 1月から7ヶ月経った8月の今だったら、そうはいかないかもしれません。入院どころか、病院に搬送されない可能性すらあります。

 8月2日に菅総理自身が打ち出したのは、持病をもつ、年齢の高いハイリスク者(Cさんは該当します)であったとしても、重症者以外、中等症以下は原則、入院させないという、政府の方針転換でした。

 今、この方針は、部分的に訂正され、田村厚労大臣は「中等症以上は入院」と菅総理の発言の火消しをしていますが、菅総理自身は、正式な発言の撤回をしていません。

 しかし、いずれにしても、「中等症」というのは、呼吸困難とか、人工呼吸を必要とするレベルですから、呼吸困難までは至っていなかったCさんは入院できず、精密検査も受けられず、門前払いを受けていた可能性が濃厚でした。そうなっていたら、Cさんは生き残れなかったかもしれません。

 この頃のことを、Cさんの夫人のDさんは、こう振り返って語ります。

 「さすがに入院した当日の月曜日、火曜日は生きた心地がしませんでしたが、担当医がはきはきした女医さんで、『この症状で重篤化する人もいますので何とも言えません』と言われました。何人もの患者に接しているからこその言葉には、重みがありました」

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■<IWJ取材報告>「米中対立はすでに『戦争の危険水域』」~8.11日本外国特派員協会主催 柳澤協二氏(元内閣官房副長官補)、半田滋氏(防衛ジャーナリスト)、猿田佐世氏(新外交イニシアティブ代表)記者会見―内容:台湾有事は起こるのか?

 2021年8月11日(水)、午前11時より、東京・千代田区の日本外国特派員協会にて、「台湾有事は起こるのか?」と題した記者会見が行われました。

 柳澤協二氏(元内閣官房副長官補)、半田滋氏(防衛ジャーナリスト)、そして、猿田佐世氏(新外交イニシアティブ代表)の3名が登壇し、それぞれの視点から、「台湾」を巡る米国と中国の対立、そして、米中の今後の動向に大きな影響を受ける日本の進むべき方向についての提言を行いました。

 柳澤氏は、台湾有事について、強い懸念を示しました。

 「私は今、『台湾』を巡る米中の対立関係について、非常に心配をしています。米中の対立は、特に『台湾』を巡って非常に厳しいものになっていて、私の認識では、それはすでに『戦争の危険水域』に近づきつつあるということだと思います。

 そして、米中が戦えば、当然、日本が戦場として巻き込まれることになる。そういう危機感を持っています。

 麻生副総理が台湾を防衛しなければならないと言われたらしいが、台湾を防衛するということは、中国と戦争するということ。あの方はそれをほんとうに理解しておっしゃっているのか甚だ疑問であり、心配です」

 柳澤氏は、これまで米中は対立しても戦争を回避してきたが、今は戦争を回避する客観的な条件が失われてきている、と指摘しました。

1)軍事バランスは、米国と台湾側が有利だったが、今や中国が有利に変わってきている。

2)台湾と米中の3者の基本的な合意は「ワンチャイナ」だが、中国はひとつであり、台湾の独立は認めないという合意が、米国側の政策によって崩されてきている。

3)台湾の人々もかつては、やがて中国と統一するという目標を持っていたが、今や台湾の人々は、台湾の台湾人であるというアイデンティティを持っている。

4)2000年代は「通商通行通遊」という、大陸と台湾の交流関係や経済依存を通じて両者の和解をはかる政策をとっていたが、今それが完全に失われつつある。台湾は高性能半導体の最大のシェアを持つ生産国だが、米国政府の政策もあってこれを中国から分離をしてデカップリングを進めようとしている。

 柳澤氏は米中間の緊張が高まれば、些細なことから戦争につながりかねないので、日本は戦争回避を最大の政策目標にすべきだと提言しています。

 「軍事的には取るに足らない小さな偶発的な衝突があったとしても、今のアメリカも中国もここで自分が引くわけにいかないと考える可能性があるわけである。小さな衝突が望まない大きな戦争に拡大していく可能性は否定できないと思っている」

 「我々日本としては、今一番大きな政策目標は中国を封じ込めることではなくて、いかにしてアメリカと中国の戦争を回避するかが最大の政策目標であるべき」

 半田氏は、3つの論点をあげました。

1)米国の対中戦略にとって、日本の協力は死活的に重要である。

2)過度な米国傾斜は米中対立を加速させ、日中関係の悪化を呼び込む。

3)日本はミドルパワーの国々と協力して緊張緩和に踏み出すべき。

 半田氏はそれぞれの論点について以下のように詳述しています。

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■五輪女子ボクシング金メダリストの入江聖奈選手に張本勲氏が「嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合って」と、女性と格闘競技の両方に対する差別発言! 日本ボクシング連盟は遺憾を表明! 入江選手の出身地の鳥取県平井知事は「看過できない」と批判!

 日本ボクシング連盟は11日、内田貞信会長名で、8日のTBS系報道番組「サンデーモーニング」内での東京五輪ボクシング女子フェザー級金メダリスト・入江聖奈選手をめぐる野球評論家・張本勲氏のコメントに対し、遺憾の意を表明し、訂正を求める文書を、10日付けでTBSの佐々木卓社長あてに送ったことを発表しました。

※TBSテレビ番組「サンデーモーニング」内でのコメントに対する文書について(報告)(日本ボクシング連盟、2021年8月11日)
https://jabf-revival.com/2021-08-11report/

 番組内のスポーツコーナーで、「御意見版」としてレギュラー出演している張本氏は、8日、「女性でも殴り合いが好きな人いるんだね」「嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合ってね、こんな競技が好きな人がいるんだ」などとコメント。その上で「それにしても金だから『あっぱれ!』(張本氏による高評価)あげてください」と述べました。

 日本ボクシング連盟は、TBSへの送付文書で「ボクシングは、オリンピック競技の中でも歴史が長く、技術・戦略・戦術を駆使する競技で、殴り合いではありません」「女子競技に関しては(中略)ヘッドガードを装着して試合を行うなど、男子競技以上に安全面に配慮しながら実施されています」とした上で、次のように訴えています。

 「このように、ボクシング競技が単純な、暴力的な殴り合いではないこと、技術を駆使した競技であることをご理解いただき、また女性だからそんな競技に取り組むべきではないという、多様性を否定するような番組内でのご発言を、視聴者の皆様に対して、訂正をしていただきたく、文書を発させて頂きました」

 全くその通りです。ボクシングだけではなく、ルールある格闘技すべてに対する差別的な視線が張本氏の言質から感じられます。

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■<本日のタイムリー再配信>本日午後8時より2016年10月収録「歌劇、講談、浪花節・・・そして『萌えミリ』から『シン・ゴジラ』まで!? 日本軍が注目した『たのしいプロパガンダ』、その実態とは? 岩上安身によるインタビュー 第681回ゲスト 近現代史研究者 辻田真佐憲氏(前編)」を再配信します!

 明後日、8月15日は終戦の日です。8月15日はポツダム宣言受諾が「玉音放送」で公表された日です。日本政府は、この8月15日を「戦没者を追悼し平和を祈念する日」、「終戦記念日」と呼んでいます。

 当時の日本国民にとって、終戦・敗戦は突然訪れました。旧日本軍によって行われた「プロパガンダ」により、日本国民は、敗戦のその日まで、日本の勝利を決して疑わないよう仕向けられていたのです。

 戦時中の旧日本軍による「プロパガンダ」といえば、「鬼畜米英」「一億火の玉」といったスローガンから、全国民に子どもの頃から教育勅語をしみこませ、軍人には軍人勅諭の精神を叩き込むといった「洗脳」、大本営発表をそのままたれ流し、虚偽の戦果を大々的に宣伝するといった報道など、国民の戦意を無理やり高揚させようとする「いかめしい」ものを連想しがちです。

 しかし日本軍は、そうした「いかめしいプロパガンダ」ばかりではなく、実はエンターテインメントに忍び込ませた「たのしいプロパガンダ」をも展開していました。そして、むしろそうした「たのしい」側面にこそ、知らず知らずのうちに、軍に協力させられてしまう、プロパガンダの本質があるのではないか――。そう指摘するのは、『たのしいプロパガンダ』の著者で、日本の近現代史を中心に研究する文筆家の辻田真佐憲氏です。

 ナチス・ドイツが映画をプロパガンダとして活用していたことは有名ですが、辻田氏によれば、戦前の日本では、演劇や浪花節、落語、浪曲、講談、琵琶、ポップスなど、様々なエンターテインメントの中に戦意を高揚させるような要素がまぎれ込ませてあったといいます。こうした巧みなプロパガンダの手法を知ることは、今日においても、政府が行うプロパガンダの意図や手法を見抜くことにつながります。

 2016年10月27日、岩上安身は辻田氏にインタビューを敢行。戦前・戦中における「たのしいプロパガンダ」の実態についてお話をうかがいました。

 本日と明日、この辻田氏へのインタビュー前後編を再配信します。本日午後8時からは、2016年10月27日収録の前編、「歌劇、講談、浪花節・・・そして『萌えミリ』から『シン・ゴジラ』まで!? 日本軍が注目した『たのしいプロパガンダ』、その実態とは? 岩上安身によるインタビュー 第681回ゲスト 近現代史研究者 辻田真佐憲氏」をお届けします。

 「笛と音楽の武人」と呼ばれた、陸軍省新聞班の清水盛明中佐は、「宣伝戦」における演劇の役割について、「2時間ばかりの喜劇の中に5分ばかり支那事変の解説をやったのでありますが、民衆は笑いながら見て居る間に不知不識(しらずしらず)の中に支那事変の意義を教えこまれることになるのであります」と述べました。

 この発言から分かるように、旧日本軍は、様々なエンターテインメントの中に「プロパガンダ」的な要素をしのびこませ、国民が「不知不識(しらずしらず)」のうちに侵略戦争を肯定するよう仕向けていきました。

 実は、こうした「たのしいプロパガンダ」は、現在の日本においても展開されていると辻田氏は指摘します。その実例として辻田氏があげるのが、百田尚樹氏の『永遠の0』、自衛隊の広告とコラボレーションした「萌えミリ」と呼ばれるアニメやゲームです。これらに加え、岩上安身は2016年7月に公開されて話題を呼んだ映画『シン・ゴジラ』について、プロパガンダ映画としての側面を辻田氏にうかがいます。

 詳しくは、午後8時からの再配信をご視聴ください。

 仮に、その日の都合で見れなくても、会員になっていただければ、一般会員なら2ヶ月以内、見逃し配信を自由な時間に見れますし、サポート会員ならば、いつまでも、いつでも好きな時にコンテンツを無期限で視聴できます!

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【タイムリー再配信 969・IWJ_Youtube Live】20:00~
歌劇、講談、浪花節・・・そして「萌えミリ」から『シン・ゴジラ』まで!? 日本軍が注目した「たのしいプロパガンダ」、その実態とは? 岩上安身によるインタビュー 第681回ゲスト 近現代史研究者 辻田真佐憲氏(前編)
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

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※歌劇、講談、浪花節・・・そして「萌えミリ」から『シン・ゴジラ』まで!? 日本軍が注目した「たのしいプロパガンダ」、その実態とは? 岩上安身によるインタビュー 第681回ゲスト 近現代史研究者 辻田真佐憲氏(前編) 2016.10.27
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 それでは、本日も1日よろしくお願いします。

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IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、仲川正紀、城石裕幸、富樫航、村上良太、中村尚貴)

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